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書籍詳細

Annual Review 糖尿病・代謝・内分泌 2010

Annual Review 糖尿病・代謝・内分泌 2010

寺内康夫 編

B5判 260頁

定価10,560円(本体9,600円 + 税)

ISBN978-4-498-12340-3

2010年01月発行

在庫なし

注目すべきトピックを選び,その分野の第一人者が内外の文献を踏まえて最新の進歩を展望する.定評ある年刊書の最新版.

目 次
I.糖尿病

Overview
〈寺内康夫〉


A.基礎分野での進歩
1.膵β細胞におけるストレス応答と生存
〈石原寿光〉
  膵β細胞とストレス応答に関する最近の研究動向
  小胞体ストレスと酸化ストレス
  mRNA翻訳機構
  Integrated Stress Re-sponse
  膵β細胞におけるmRNA翻訳抑制の重要性: 理論的検討
  タンパク合成制御とストレス応答

2.膵β細胞のオートファジー
〈綿田裕孝〉
  はじめに
  オートファジーの形態
  オートファジー過程に必須な蛋白群
  オートファジーの役割
  膵β細胞においてはインスリン抵抗性がオートファジーを誘導する
  膵β細胞特異的ATG7ノックアウトマウス
  膵β細胞における恒常的オートファジーの意義
  膵β細胞における誘導的オートファジーの意義
  糖尿病の自然史とオートファジー
  今後の課題

3.自律神経を介した肝臓-膵β細胞間連関による膵β細胞量調節機構
〈今井淳太 片桐秀樹〉
  マウス肝臓におけるERK経路の活性化はグルコース応答性インスリン分泌を亢進し,膵β細胞の増殖を亢進する
  自律神経を介した肝臓-膵β細胞間連関
  肝臓-膵β細胞間連関経路は肥満における膵島肥大に関与する
  肝臓-膵β細胞間連関経路の活性化による糖尿病再生治療への応用

4.IRS-1/2を介した肝臓でのインスリン情報伝達
〈窪田直人 窪田哲也 門脇 孝〉
  肝臓特異的IRS-1欠損マウスは再摂食時に,肝臓特異的IRS-2欠損マウスは絶食時にインスリン抵抗性が認められた
  肝臓では,絶食時と摂食直後は主にIRS-2が,その後の再摂食時は主にIRS-1がインスリン作用を担っている
  肝臓特異的IRS-1・IRS-2ダブル欠損マウスは重度のインスリン抵抗性を呈し,糖尿病を発症した

5.FoxOファミリーとインスリンシグナル
〈中江 淳 伊藤 裕〉
  インスリンシグナルによるFoxO活性調節
  FoxOファミリーによるインスリンシグナルの調節

6.アディポネクチン受容体と糖尿病
〈山内敏正 門脇 孝〉
  肥満の脂肪組織ではマクロファージの浸潤が認められる!
  肥大化した脂肪細胞はMCP-1を多く発現・分泌している!
  脂肪細胞特異的MCP-1過剰発現マウスの脂肪組織にはマクロファージの浸潤が認められた!
  MCP-1あるいはその受容体CCR2のノックアウトマウスでは,脂肪組織へのマクロファージの浸潤が少ない!
  脂肪細胞とマクロファージの相互作用が悪玉アディポカインを増加させる!
  善玉アディポカインの存在の可能性
  インスリン感受性が良好な小型脂肪細胞でアディポネクチンの発現が亢進している
  アディポネクチンは脂肪細胞由来の主要な善玉アディポカインである
  アディポネクチンの補充は2型糖尿病モデルマウスの脂肪酸燃焼を促進し,インスリン抵抗性を改善する
  アディポネクチン一因子の低下でメタボリックシンドロームの主徴候が出現しうる
  アディポネクチンはPPARαを活性化して,脂肪酸燃焼・エネルギー代謝を制御する
  アディポネクチンはAMPKを活性化して脂肪酸燃焼を促進する
  AdipoRはアディポネクチンの細胞膜表面への結合と作用発現に必要
  2型糖尿病ではアディポネクチン低下・アディポネクチン感受性低下の両方が存在する
  AdipoRの生理的・病態生理的意義
  善玉アディポカインと悪玉アディポカインの相互作用とアディポカインネットワークの破綻

7.グルコキナーゼ活性化薬
〈中村昭伸 寺内康夫〉
  グルコキナーゼと糖代謝
  グルコキナーゼ活性化薬とは?
  グルコキナーゼ活性化薬の膵β細胞機能における作用
  グルコキナーゼ活性化薬の肝における作用
  膵β細胞量調節機構におけるグルコキナーゼの役割
  グルコキナーゼ活性化薬の膵β細胞増殖作用
  わが国での臨床応用を含めたグルコキナーゼ活性化薬の今後の展望

B.臨床分野での進歩
1.日本人2型糖尿病の疾患感受性遺伝子−KCNQ1を中心に
〈安田和基〉
  従来の糖尿病感受性遺伝子研究の概観
  ゲノムワイド相関解析(GWAS)と糖尿病
  2型糖尿病に関連する新規遺伝子KCNQ1の同定
  今後の展望

2.糖尿病大規模臨床研究から学ぶこと(長期)
〈小田原雅人〉
  UKPDS
  UKPDS長期追跡結果: SU薬・インスリン群と通常療法群の比較
  UKPDS長期追跡結果: メトホルミン群と通常療法群との比較
  DCCT長期追跡結果
  UKPDS,DCCT長期追跡結果が示唆するもの

3.糖尿病大規模臨床研究から学ぶこと(短期)
〈太田明雄 田中 逸〉
  ACCORD試験
  ADVANCE試験
  VADT試験
  5試験(UKPDS,PROactive,ACCORD,ADVANCE,VADT)におけるメタ解析

4.糖尿病合併症のregression
〈荒木信一 柏木厚典〉
  糖尿病性腎症
  糖尿病性網膜症
  大血管障害

5.インクレチン薬の臨床
〈山田祐一郎〉
  多彩なインクレチン作用
  インクレチン薬とは
  GLP-1受容体作動薬の臨床
  DPP-IV阻害薬の臨床
  糖尿病診療へのインパクト

6.レニン-アンジオテンシン系と糖尿病の発症
〈小川喜久 向山政志 中尾一和〉
  大規模臨床研究におけるRA系抑制薬の糖尿病発症抑制効果
  ARBによるインスリン抵抗性改善作用
  ARBの脂肪細胞への作用: PPARγ活性化作用
  RA系抑制薬の膵保護作用: インスリン分泌の維持
  新しいRA系の概念の拡がりと糖尿病発症

II.代 謝
Overview
〈石橋 俊〉


A.基礎分野での進歩
1.FoxO1による代謝制御
〈北村忠弘 北村ゆかり〉
  FoxO1による肝糖代謝調節
  FoxO1による肝脂質代謝調節
  選択的インスリン抵抗性仮説
  FoxO1のO-グリコシレーション修飾
   FoxO1による中枢性の摂食調節
   FoxO1による脂肪細胞のエネルギー代謝調節
   FoxO1と動脈硬化

2.Perilipinと脂肪滴
〈三好秀明〉
  脂肪細胞における古典的脂肪分解機構
  PeriAによる脂質代謝制御機構
  PATファミリーと機能的アミノ酸領域
  Perilipinの遺伝子多型と肥満関連疾患
  PeriAトランスジェニックマウス

3.Metabolic FGFの機能解析
〈稲垣 毅〉
  Fibroblast growth factors
  FGF19サブファミリー
  FGF15/19
  FGF21
  FGF23
  今後の展望

4.転写因子KLF5による細胞分化・代謝調節
〈大石由美子 真鍋一郎 永井良三〉
  Kruppel-like factor(KLF)転写因子
  KLF5による脂肪細胞分化調節
  KLF5によるエネルギー代謝調節
  KLF5の翻訳後修飾による骨格筋代謝調節とPPARδ

5.胆汁酸による糖・エネルギー代謝調節
〈渡辺光博〉
  胆汁酸代謝
  胆汁酸による代謝調節
  胆汁酸代謝と糖・エネルギー代謝
  陰イオン交換樹脂を用いた糖尿病治療への臨床アプローチ

6.ネスファチンによる摂食調節
〈清水弘行〉
  ネスファチン/NUCB2と摂食行動
  ネスファチン-1の同定
  ネスファチン-1末梢投与効果とその効果発現部位の同定

B.臨床分野での進歩
1.レジスチンの臨床的意義
〈大沼 裕 大澤春彦〉
  レジスチンの構造
  レジスチンの病態生理学的意義
  2型糖尿病感受性遺伝子レジスチンSNP-420の同定
  血中レジスチン濃度
  レジスチンと肥満,インスリン抵抗性,糖尿病
  レジスチンと炎症,メタボリックシンドローム,動脈硬化など

2.Vaspinのメタボリック症候群における臨床的意義
〈勅使川原早苗 中司敦子 和田 淳〉
  Vaspinの同定とその発現調節
  Vaspinのインスリン抵抗性の改善作用
  Vaspin RIA測定キットの開発
  バイオマーカーとしてのvaspin
  Vaspinによる炎症制御によるインスリン抵抗性改善と創薬への展開

3.血管内皮リパーゼの臨床的意義
〈石田達郎 平田健一〉
  ELの分子特性
  ELの発現とHDLへの影響
  EL遺伝子多型性と血清HDL値の関係
  ヒト血中EL濃度とHDL値の関係
  ELを制御する薬剤
  EL阻害の動脈硬化への影響

4.脂質異常症の遺伝素因
〈野原 淳〉
  LDL代謝・VLDL代謝に影響する遺伝素因
  HDLに影響する遺伝素因
  Genome-wide association study

5.FGF21の臨床的意義
〈江藤一弘〉
  FGF21の発現調節と作用機構
  FGF21の機能
  FGF21と疾患
  血中FGF21と腎機能
  血中FGF21と中性脂肪
  血中FGF21とPPARα作動薬
  FGF21とPPARγおよびPPARδ作動薬
  血中FGF21とインスリン抵抗性
  FGF21とやせ・肥満
  血中FGFと2型糖尿病

III.内分泌
Overview
〈伊藤 裕〉


A.基礎分野での進歩
1.β-Klothoとコレステロール・胆汁酸代謝,糖代謝の制御機構
〈鍋島陽一〉
  β-Klothoの同定,ノックアウトマウスの作成,変異表現型
  FGF19 subfamilyのシグナル伝達におけるKlotho familyの機能 FGF21による肥満モデルにおける糖代謝の制御

2.(プロ)レニン受容体
〈市原淳弘 伊藤 裕〉
  構造と生体内分布
  全長型(プロ)レニン受容体の機能とその意義疾患への関与
  可溶性(プロ)レニン受容体
  ATP6AP2

3.アルドステロンとその受容体の活性化機構
〈柴田 茂 長瀬美樹 藤田敏郎〉
  アルドステロンの電解質調節作用
  アルドステロン/MR系の臓器障害作用
  アルドステロン/MRシグナルの活性化機構

4.Kisspeptin/metastinと生殖機能制御
〈冨川順子 上野山賀久 束村博子 前多敬一郎〉
  キスペプチン(メタスチン)の発見とその機能
  生殖制御に関わるキスペプチンの新たな役割
  生殖機能を制御するGnRH分泌とエストロジェンのフィードバック機構
  キスペプチンによるGnRH分泌の制御

5.FGF23とビタミンD代謝
〈福本誠二〉
  FGF23の作用機序
  遺伝子改変動物による検討
  FGF23によるビタミンD代謝調節

B.臨床分野での進歩
1.選択的アルドステロンブロッカーの臨床応用
〈西川哲男〉
  アルドステロンの作用
  抗アルドステロン剤の臨床効果
  原発性アルドステロン症(PA)への選択的アルドステロンブロッカーであるエプレレノン(セララ)による治療効果

2.高血圧治療ガイドライン2009
〈楽木宏実〉
  糖尿病合併高血圧
  メタボリックシンドローム合併高血圧
  その他の代謝疾患合併高血圧
  内分泌性高血圧

3.成人GH分泌不全症とGH補充療法
〈高橋 裕〉
  成人GH分泌不全症の疾患概念
  成人GH分泌不全症の疫学と成因
  成人GH分泌不全症の診断
  成人GH分泌不全症の病態と治療効果
  成人GH分泌不全症の予後と治療介入の意義
  GH補充療法における最近のトピックス

4.アンチエイジングとホルモン
〈柳瀬敏彦 蘆田健二 明比祐子〉
  DHEA補充療法
  GH補充療法

5.骨粗鬆症の臨床
〈遠藤逸朗 松本俊夫〉
  病因・病態
  疫学・予防
  治療効果
  治療関連事象

索 引

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執筆者一覧

寺内康夫 横浜市立大学教授 編
伊藤 裕 慶応義塾大学教授 編
石橋 俊 自治医科大学教授 編

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