Annual Review 神経 2016
- 定価:
- 10,780円(本体価格9,800円+税)
在庫なし
書誌情報
| サイズ | B5判 |
|---|---|
| 頁 | 276頁 |
| ISBN | 978-4-498-22854-2 |
| 発行日 | 2016年01月27日 |
内容
注目すべきトピックを厳選し,その分野の第一人者が内外の文献を踏まえて最新の進歩を展望する.定評あるシリーズの最新年度版である.
序文
序
本書「Annual Review神経」は1986年の創刊以来30年以上にわたり,神経各専門家によるレビューをまとめ,各年の神経学分野の進歩を伝えてきました.2010年版から現在の編集委員での体制となり,今回で7回目の編集となりました.
本書の基本方針は,臨床神経学を専門とする医師を対象に,基礎および臨床研究の最新の動向を専門家に解説していただき,実地臨床の質の向上につなげることであります.神経学は非常に広汎で,その進歩をとらえるには膨大な時間と費用を要します.本書をうまく活用することにより,効率よく各分野の新しい知見を理解し,臨床の場でその知識を活用していただければと願っております.
本書は「Basic Neuroscience」,「本年の動向」そして「各種疾患」の3つの章からなりますが,いずれの章の企画も新しく注目される知見を中心に,その道の専門家にまとめていただくようにしております.学会,研究会や厚生労働省班会議などで話題に上ったトピックスをいち早く取り上げ,新進気鋭の研究者に原稿を依頼するよう心掛けています.
本年度の内容も豊富で,「Basic Neuroscience」では,基礎神経科学や画像脳科学の最近の動向が私たち臨床家にも理解しやすくまとめられています.必ず皆様のお役に立つものと確信しています.「本年の動向」では,まだ文献レベルにまでいっていないような極めて新しい情報も取り入れられております.「各種疾患」では,プリオン病の診断の進歩,脳血管内治療のめざましい進歩,脳腫瘍の新しい治療,頭部外傷,変性疾患,代謝性疾患,脱髄疾患,末梢神経・筋疾患などの研究の進歩,自律神経,てんかん研究の新たな展開などを中心に興味深い内容が並んでいます.これらは日々多忙を極めていらっしゃる先生方にとって,最新の病態生理の理解の一助になるものと思います.日々の臨床に本書を大いに活用していただければ,編集者一同,喜びとするところです.
2016年1月
編集者一同
目次
I.Basic Neuroscience
1.神経生理
| 1) | 時計と小脳 〈山崎 匡〉 | ![]() |
随意運動における小脳の時間表現
小脳とそれ以外の脳部位での時間表現
小脳における記憶の定着場所
まとめと今後の展望
| 2) | ドーパミンと可塑性 〈柳下 祥 河西春郎〉 | ![]() |
ドーパミンとシナプス可塑性
側坐核シナプス可塑性と依存症
今後の見通し
2.神経病理
| 1) | Hodotopyと言語 〈前澤 聡 二村美也子 藤井正純〉 | ![]() |
皮質機能について
皮質下機能について
展望
| 2) | 多発性硬化症は脱髄疾患か 〈中原 仁 鈴木則宏〉 | ![]() |
MSの病態修飾薬とその効果
MSにおける神経変性
3.生化学・分子生物学
| 1) | 運動神経疾患におけるグリア細胞の関与 〈山中宏二〉 | ![]() |
ALS病態におけるミクログリアの二面性(M1/M2仮説)
ALS病態におけるミクログリアの活性化を制御する分子及び細胞群
ALSとアストロサイト
ALSとオリゴデンドロサイト
TDP-43モデルにおけるグリア細胞病態
| 2) | 「補体C1qファミリー分子」とシナプス形成・維持 〈掛川 渉 松田恵子 柚崎通介〉 | ![]() |
中枢神経系におけるC1qLサブファミリーの性質と機能
4.画像
| 1) | ブレイン・マシン・インターフェイス研究の最新動向 〈花川 隆〉 | ![]() |
BMI/BCI基礎研究の動向
BMI/BCI臨床応用の動向
| 2) | 7 Tesla MRIによる脳画像解析 〈佐々木真理〉 | ![]() |
7T MRIの技術的進歩
7T MRIの安全性,その他
II.本年の動向
| 1) | ALS病態におけるubiquilin2の役割 〈逢坂麻由子 伊東大介〉 | ![]() |
Ubiquilin2の構造
培養細胞系でのubiquilin2の分子動態およびALS病態への関与
動物モデルにおけるubiquilin2の動態およびubiquilin2によるUPS障害
TBK1とUBQLN2
今後の展望
| 2) | ミクログリアと皮質拡延性抑制 〈柴田 護〉 | ![]() |
ミクログリアの発生・分化に関する新知見
ミクログリアの異なる活性様式
皮質拡延性抑制がミクログリアに与える影響
| 3) | 家族性パーキンソン病 〈松島隆史 西岡健弥 服部信孝〉 | ![]() |
VPS35 (Vacuolar Protein Sorting 35)遺伝子
DNAJC13 遺伝子
Neurodegeneration brain iron accumulation(NBIA)
| 4) | デュシェンヌ型筋ジストロフィーに対するエクソン53 スキップ薬開発の試み 〈青木吉嗣 武田伸一〉 | ![]() |
DMDを対象にしたエクソン53スキップ治療法開発の現状
DMDを対象にした治療法開発の課題
DMDを対象にした治験の課題
| 5) | ミトコンドリア脳筋症MELAS の脳卒中様発作に対するタウリン療法の開発 〈砂田芳秀〉 | ![]() |
タウリン欠乏とMELASの類似性
タウリン補充によるミトコンドリア機能の改善
タウリン補充療法の先行臨床研究と医師主導治験
タウリン補充療法の有効性と今後の取り組み
MELASにおけるtRNA修飾異常の新たな展開
| 6) | Super-Passive Language Mapping for awake craniotomy 〈田村有希恵 鎌田恭輔〉 | ![]() |
Super-Passive Language Mappingの現状と課題
| 7) | シヌクレイノパチーの新たな病態仮説・治療ターゲット−異常タンパク伝播 〈長谷川隆文〉 | ![]() |
In vivoモデルを用いたαシヌクレイン伝播の検証
In vitroモデルを用いたαシヌクレイン吸収・分泌経路の探索
異常タンパク伝播抑制に着目した新たな疾患修飾療法の可能性
| 8) | 胚細胞腫瘍の遺伝子解析 〈福島慎太郎 市村幸一〉 | ![]() |
頭蓋内発生ジャーミノーマの多くはRAS/MAPKおよびPI3K/mTOR経路の異常に集約される
頭蓋内胚細胞腫における染色体異常イソクロモソーム12pの頻度は精巣発生胚細胞腫と比較して少ない
JMJD1C の生殖細胞系変異は日本人の頭蓋内胚細胞腫例に多くみられる
胚細胞腫の分類とエピジェネティクス異常
今後の展望
III.各種疾患
1.感染・炎症疾患
| 1) | プリオン病の新規診断法と新規治療法 〈浜口 毅 山田正仁〉 | ![]() |
プリオン病の臨床診断と新規診断法の開発 プリオン病の治療と新規治療法の開発
2.脳血管障害
| 1) | 新しい脳血管内治療の展開−急性脳動脈閉塞に対して 〈山田清文 吉村紳一〉 | ![]() |
血管内治療を用いた初期スタディーの結果と問題点
急性脳動脈閉塞治療における最新のエビデンス
| 2) | 脳卒中治療ガイドライン2015 改訂のポイント 〈伊藤義彰〉 | ![]() |
脳梗塞・TIA
脳出血
くも膜下出血
無症候性脳血管障害
その他の脳血管障害
リハビリテーション
| 3) | 頭蓋内ステントを利用した脳動脈瘤の治療 〈結城一郎 村山雄一〉 | ![]() |
ステント・ストラットのデザイン 血流を制御する新型ステントデバイス(Flow Diverter stent)
その他の新しい血管内治療デバイス
ステント留置に伴う抗血小板療法に関する問題点
3.脳腫瘍
| 1) | ゲノム・エピゲノム・トランスクリプトーム統合解析から見えてきた次世代型脳腫瘍治療 〈大岡史治 鈴木啓道 夏目敦至 若林俊彦〉 | ![]() |
グリオーマのゲノム異常
グリオーマのエピゲノム異常
グリオーマのトランスクリプトーム異常
最新のビッグデータが示唆する今後のグリオブラストーマ治療の方向性
IDH1遺伝子異常から誘導されるグリオーマ形成メカニズム
| 2) | 膠芽腫に対するBevacizumab 療法 〈成田善孝〉 | ![]() |
再発膠芽腫に対するbevacizumabの効果
Bevacizumabの有害事象
4.外傷
| 1) | 重症頭部外傷と血液凝固異常 〈横堀將司 横田裕行〉 | ![]() |
頭部外傷の病型と血液凝固障害
凝固能障害の時間的変化
凝固障害への治療介入: 臨床研究の進捗状況
頭部外傷患者における凝固機能障害: goal directed therapyの実現可能性
| 2) | 頭部外傷における target temperature management 〈黒田泰弘〉 | ![]() |
低体温療法のキーポイント
低体温療法の有効性
常温療法の有効性
頭蓋内圧とTH施行のタイミング
5.変性疾患
| 1) | 遺伝性痙性対麻痺の現状 〈瀧山嘉久〉 | ![]() |
本邦の痙性対麻痺に関する全国多施設共同研究体制(Japan Spastic Paraplegia Research Consortium: JASPAC)
遺伝性痙性対麻痺の分子病態
展望
| 2) | パーキンソン病とMRI 〈鎌形康司 波田野 琢 青木茂樹〉 | ![]() |
SWI
Voxel-based morphometry(VBM),cortical thickness
Arterial spin labeling(ASL)
Neuro melanin imaging
展望
6.中毒・代謝疾患
| 1) | Fabry病の臨床と治療 〈米澤久司〉 | ![]() |
Fabry病の神経症状
画像学的な特徴的所見
酵素補充療法の効果
| 2) | Pompe病の臨床 〈西川敦子 西野一三〉 | ![]() |
Pompe病における神経系,神経筋接合部の障害
治療
7.脱髄・免疫性代謝疾患
| 1) | 慢性炎症性脱髄性多発根ニューロパチーにおける自己抗体の重要性 〈緒方英紀 山崎 亮 吉良潤一〉 | ![]() |
ランビエ絞輪周辺に局在する膜蛋白に対する自己抗体とCIDPの関係
| 2) | 重症筋無力症と自己抗体 〈樋口 理〉 | ![]() |
LRP4抗体
MuSK抗体
8.末梢神経障害
| 1) | ギラン・バレー症候群の新規標的抗原 〈桑原 聡〉 | ![]() |
Moesin展望
| 2) | 遠位型遺伝性運動性ニューロパチー(distal hereditary motor neuropathy)の診断と病態 〈橋口昭大 高嶋 博〉 | ![]() |
病態
展望
9.筋肉疾患
| 1) | HMERF(hereditary myopathy with early respiratory failure) 〈漆葉章典 鈴木重明 西野一三〉 | ![]() |
分布・頻度
臨床徴候
筋病理
10.自律神経疾患
| 1) | 皮膚自律神経におけるα-シヌクレイン沈着 −パーキンソン病のバイオマーカーとしての可能性 〈仙石錬平〉 | ![]() |
パーキンソン病における自律神経障害
パーキンソン病における皮膚生検の有用性
皮膚生検部位
皮膚生検の染色方法
皮膚生検と123I-MIBG scintigraphyとの関係
| 2) | 摂食・エネルギー代謝における自律神経の関与 〈石井信之 上野浩晶 中里雅光〉 | ![]() |
自律神経を介した摂食調節
| 3) | 顔面におけるVIP 含有副交感神経血管拡張線維について 〈和泉博之〉 | ![]() |
副交感神経血管拡張線維の発見
副交感神経VIP含有線維の働き
11.機能性疾患
| 1) | 非けいれん性てんかん重積の臨床的意義 〈中本英俊 久保田有一 川俣貴一〉 | ![]() |
脳波所見とNCSEの診断
Standardized Critical Care EEG Terminology 2012
Salzburg Consensus Criteria for Non-Convulsive Status Epilepticus
NCSEの予後因子について
当院でのNCSE診断,治療への取り組み
NCSEの治療について
救急脳波のもつ意味と今後の展望
| 2) | てんかんにおけるBorderzone 〈小林勝哉 人見健文 松本理器 池田昭夫〉 | ![]() |
運動異常症
自己免疫性辺縁系脳炎
カタトニア
索 引
