検診乳房エコー読影・判定虎の巻

定価:
7,700円(本体価格7,000円+税)

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書誌情報

書誌情報
サイズ B5
頁 182頁
ISBN 978-4-498-12208-6
発行日 2026年11月05日

内容


わが国の乳房超音波診療を支えてきたエキスパートが日常の検査で直面する具体的な疑問に答えた一冊
長年にわたりわが国の乳房超音波診療を支えてきたエキスパートが検診・臨床・教育の現場で培ってきた経験に基づき,検査を実践する上で必要となる知識と技術を豊富な画像と具体例を交えてていねいに解説した.基本的な走査法,正常乳房の理解,病変の見つけ方と評価法,検診におけるカテゴリー判定,マンモグラフィとの総合判定など,また,乳房超音波検査を適切に理解するために必要となる周辺領域についても,実臨床で遭遇する場面を念頭に置いて記述.実際にプローブを持ったときに見るところ,走査のしかた,所見を捉えるときの注意点など,日常の検査で直面する具体的な疑問に答えている.

序文

巻頭言

 本書『検診乳房エコー読影・判定虎の巻』を手に取ってくださった皆さまに,心より感謝申し上げます.
 乳房超音波検査は,わが国の乳がん診療において重要な役割を担っています.特に,高濃度乳房の多い日本人女性では,マンモグラフィで描出が困難な乳癌を超音波検査で検出できることがあり,その有用性はJ—STARTをはじめとするわが国の研究によって明らかにされてきました.一方,乳房超音波検査は,検査者が自らプローブを操作して乳房全体を観察し,その場で得られた所見を認識・評価するという特性を有しています.そのため,検査の質は装置の性能だけではなく,検査者の知識,技術,経験,そして「どこを,どのように見るか」という考え方に大きく左右されます.
 本書は,乳がん検診に携わる医師・技師を主な対象として,乳房超音波検査の基本から,実際の検診・臨床現場で役立つ実践的な知識と技術までをわかりやすく伝えることを目的として企画されました.特に,既存の成書やガイドラインを単に解説するのではなく,実際にプローブを持ったときに何を見るのか,どのように走査するのか,所見をどのように捉え,どこで迷いやすいのか,そして見落としを防ぐために何に注意すべきなのかという,日常の検査で直面する具体的な疑問に答えることを重視しています.
 ページをめくるごとに,基本的な走査法,正常乳房の理解,病変の見つけ方と評価法,検診におけるカテゴリー判定,マンモグラフィとの総合判定など,乳房超音波検査を実践する上で必要となる知識と技術が,豊富な画像と具体例を交えてていねいに解説されています.また,乳房超音波検査を適切に理解するために必要となる周辺領域についても,実臨床で遭遇する場面を念頭に置いて解説を加えています.これらは単なる知識の集積ではなく,執筆陣が長年にわたる検診・臨床・教育の現場で培ってきた経験に基づく,いわば「実践の指針書」です.
 乳房超音波検査では,病変を「見つける」ことと,その所見を「正しく評価する」ことの双方が求められます.さらに検診では,乳癌を見逃さないことだけでなく,良性所見を適切に判断し,不必要な要精査を増やさないことも重要です.そのためには,画像パターンを暗記するだけではなく,正常乳房の構造を理解し,病変がどの組織から発生し,その病理学的特徴がどのような超音波像として現れるのかを考える習慣を身につける必要があります.本書が,乳房超音波画像を単に「見る」ことから,その背景を考えながら「診る」ことへの一助となれば幸いです.
 また,乳がん検診は1つの画像検査だけで完結するものではありません.マンモグラフィと超音波検査にはそれぞれ異なる長所と限界があり,両者の特徴を理解した上で画像所見を適切に評価することが重要です.本書では,マンモグラフィ所見の乳房内位置同定や総合判定などについても取り上げ,乳房超音波検査を単独の技術としてではなく,乳がん検診全体の中でどのように活用するかという視点を大切にしています.
 本書の執筆陣は,長年にわたり乳房超音波検査,乳がん検診,精度管理および教育に携わり,わが国の乳房超音波診療を支えてきたエキスパートの先生方です.その豊富な経験と知識,そして次世代の医師・技師へ伝えたい実践的な知恵が,本書の随所に凝縮されています.
 本書が,これから乳房超音波検査を学ぶ方々には確かな第一歩となり,すでに日常診療や検診に携わっている方々には,迷ったときに立ち返ることのできる一冊となることを願っています.そして,本書を通じて一人ひとりの検査技術と読影力が高まり,その積み重ねがわが国の乳がん検診の質の向上につながることを期待しています.
 本書の学びが,明日からの皆さまの検診・臨床の現場において,確かな自信と新たな気づきをもたらすことを心より願っております.

2026年9月 植 松 孝 悦

目次

目次

chapter 1 総論
 1.超音波技師が読影医に知っておいてほしい乳房超音波検査技術や画質評価のポイント [三塚幸夫]
  1.超音波検査技術の基本
  2.画像記録と画質評価のポイント
 2.所見用語とその典型画像 [中島一彰]
  1.腫瘤か非腫瘤性病変か
  2.「腫瘤」の用語
  3.「非腫瘤性病変」の用語
 3.腫瘤性病変の要精検基準の要点 [那須初子]
  1.囊胞性パターンの判定のコツ
  2.混合性パターンの判定のコツ
  3.充実性パターンの判定のコツ
 4.非腫瘤性病変の要精検基準の要点 [那須初子]
  1.乳管の異常の判定のコツ
  2.乳腺内の低エコー域の判定のコツ
  3.多発小囊胞(小囊胞集簇)
  4.構築の乱れ
 5.読影(観察)の基本 [須田波子]
  1.所見を正しく見つけるには
  2.真の所見として見誤りやすいもの
  3.所見を見つけ,必要な事項を確認する
 6.乳房超音波の正常構造の解説 [木村芙英]
 7.超音波画像のための肉眼病理 [山口 倫,原 勇紀]
  1.日本の組織型分類の推移
  2.肉眼型分類について―他臓器癌の分類との比較
  3.乳癌取扱い規約第19版の改訂
  4.乳癌取扱い規約第19版における肉眼型分類
 浸潤形態および間質量の記載について [山口 倫]

chapter 2 秘伝の読影レシピ集

chapter 3 秘伝の読影レシピに対応する症例提示55例
症例1 腫瘤 70歳代前半女性 [中島一彰]
症例2 腫瘤 70歳代前半女性 [柏倉由実]
症例3 腫瘤 50歳代前半女性 [國分優美]
症例4 腫瘤 30歳代後半女性 [柏倉由実]
症例5 腫瘤 40歳代前半女性 [國分優美]
症例6 腫瘤 40歳代前半女性 [中島一彰]
症例7 腫瘤 60歳代前半女性 [那須初子]
症例8 腫瘤 80歳代後半女性 [柏倉由実]
症例9 腫瘤 50歳代前半女性 [柏倉由実]
症例10 腫瘤 40歳代後半女性 [國分優美]
症例11 腫瘤 60歳代前半女性 [中島一彰]
症例12 腫瘤 20歳代前半女性 [石部洋一]
症例13 腫瘤 40歳代前半女性 [石部洋一]
症例14 腫瘤 40歳代後半女性 [木村芙英]
症例15 腫瘤 40歳代前半女性 [那須初子]
症例16 腫瘤 20歳代前半女性 [石部洋一]
症例17 腫瘤 20歳代後半女性 [石部洋一]
症例18 腫瘤 40歳代後半女性 [那須初子]
症例19 腫瘤 50歳代前半女性 [木村芙英]
症例20 腫瘤 70歳代後半女性 [中島一彰]
症例21 腫瘤 40歳代後半女性 [柏倉由実]
症例22 腫瘤 60歳代前半女性 [那須初子]
症例23 腫瘤 60歳代後半女性 [柏倉由実]
症例24 腫瘤 40歳代後半女性 [須田波子]
症例25 腫瘤 40歳代後半女性 [石部洋一]
症例26 腫瘤 60歳代前半女性 [中島一彰]
症例27 腫瘤 40歳代前半女性 [國分優美]
症例28 腫瘤 70歳代前半女性 [須田波子]
症例29 腫瘤 40歳代後半女性 [中島一彰]
症例30 腫瘤 50歳代前半女性 [中島一彰]
症例31 腫瘤 30歳代後半女性 [木村芙英]
症例32 腫瘤 50歳代後半女性 [石部洋一]
症例33 腫瘤 40歳代後半女性 [那須初子]
症例34 非腫瘤性病変 50歳代前半女性 [須田波子]
症例35 非腫瘤性病変 60歳代後半女性 [石部洋一]
症例36 非腫瘤性病変 50歳代前半女性 [中島一彰]
症例37 非腫瘤性病変 40歳代後半女性 [木村芙英]
症例38 非腫瘤性病変 50歳代前半女性 [國分優美]
症例39 非腫瘤性病変 40歳代後半女性 [須田波子]
症例40 非腫瘤性病変 30歳代前半女性 [須田波子]
症例41 非腫瘤性病変 30歳代後半女性 [須田波子]
症例42 非腫瘤性病変 40歳代後半女性 [國分優美]
症例43 非腫瘤性病変 30歳代前半女性 [須田波子]
症例44 非腫瘤性病変 70歳代前半女性 [須田波子]
症例45 非腫瘤性病変 40歳代後半女性 [那須初子]
症例46 非腫瘤性病変 50歳代前半女性 [那須初子]
症例47 非腫瘤性病変 40歳代前半女性 [木村芙英]
症例48 非腫瘤性病変 60歳代前半女性 [木村芙英]
症例49 非腫瘤性病変 40歳代前半女性 [國分優美]
症例50 非腫瘤性病変 70歳代後半女性 [那須初子]
症例51 非腫瘤性病変 30歳代後半女性 [柏倉由実]
症例52 その他 40歳代後半女性 [木村芙英]
症例53 その他 50歳代前半女性 [柏倉由実]
症例54 その他 20歳代後半女性 [木村芙英]
症例55 その他 50歳代前半男性 [國分優美]

chapter 4 秘伝の読影スパイス―ワンランク上の臨床知識
 1.総合判定 [植松孝悦]
 2.マンモグラフィ所見の乳房内位置同定方法 [植松孝悦]
 3.超音波検査によるGTC分類と乳房構成判定 [植松孝悦]
 4.検診カテゴリーと診断カテゴリー [植松孝悦]
  1.検診カテゴリー
  2.診断カテゴリー
  3.PPV3
 5.乳腺領域のリンパ節エコー [宇佐美 伸]
  1.AxレベルⅠ
  2.AxレベルⅡ(小胸筋背側)
  3.AxレベルⅡ(Rotter)
  4.AxレベルⅢ
  5.Im
  6.Sc
 症例提示:リンパ節転移 [石部洋一]
 
索引

執筆者一覧

  • 静岡県立静岡がんセンター乳腺画像診断科部長 植松孝悦 編著
  • 東邦大学医療センター大森病院臨床生理機能検査部副技師長 三塚幸夫
  • 静岡県立静岡がんセンター乳腺画像診断科医長 中島一彰
  • 浜松医科大学医学部附属病院放射線診断科特任准教授 那須初子
  • 国立病院機構名古屋医療センター乳腺外科 須田波子
  • 第二川崎幸クリニック乳腺外科部長 木村芙英
  • 長崎大学病院乳腺センター長/病理診断科・病理部教授 山口 倫
  • 長崎大学大学院医歯薬学総合研究科胸部・骨盤外科学分野/長崎大学病院乳腺センター 原 勇紀
  • 済生会松阪総合病院乳腺外科部長 柏倉由実
  • がん研究会有明病院超音波診断・IVR部副部長 國分優美
  • 水島協同病院外科専任科長 石部洋一
  • 岩手県立中央病院乳腺・内分泌外科長 宇佐美 伸
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