血液がんの緩和ケア

定価:
4,950円(本体価格4,500円+税)

在庫あり

書誌情報

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サイズ A5
頁 254頁
ISBN 978-4-498-05742-5
発行日 2026年10月09日

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内容


血液がんの緩和ケアが分かる1冊!
血液がんの治療は,輸血も頻繁に行うなど固形腫瘍と異なる状況のため,緩和ケアも工夫が必要だが,実際は少しでも治療を優先するという方針で進むことが多い.そこで,痛みへの配慮についてももっとできることをするために,実際の臨床での薬剤選択や量,薬剤以外の対応など,できる限りのエビデンスと経験則をもとに,血液がん患者さんを診る上で、知っておいてほしいこと,見落としやすいことを紹介する一冊。

序文

序 文

 「血液緩和のパイオニアになれ」.
 私が初めて「緩和ケア医になりたい」と口にしたとき,名古屋市立大学名誉教授の上田龍三先生からいただいた言葉です.
 もともと白血病を治したいという思いで医学部に入学し,血液内科医として診療に携わる中で,血液がんの緩和ケアに強く惹かれるようになりました.どのような医師として歩んでいくべきか悩んでいた時に,上田先生のお言葉が私の背中を力強く押してくださいました.その後も,名古屋市立大学 血液・腫瘍内科学分野の飯田真介先生,名古屋市立大学 精神・認知・行動医学分野の明智龍男先生をはじめ,多くの先生方に長年ご指導とご支援をいただき,このたび本書を出版する機会に恵まれました.
 緩和ケア医として,もちろん診療科を問わず,すべての患者さんに全力で向き合っています.しかし,その中でも私は血液がんの患者さんが大好きです.そして,血液がんに関わる医療者の皆さんのことも大好きです.だからこそ,患者さんの苦痛を少しでも和らげたい,そして血液がん診療に携わる医療者の負担を少しでも軽くしたい―その思いから,いつか血液がんの緩和ケアについての本を書きたいと願ってきました.
 実際に執筆を進める中で,血液がんの治療は目覚ましいスピードで進歩している一方,その緩和ケアには,いまだ十分に開拓されていない領域が数多く残されていることを改めて実感しました.本書も,多くの方々のご協力があって初めて形になったものであり,決して私一人の力で書き上げられたものではありません.血液がんの緩和ケアという分野もまた,一人の力で切り開くことはできません.関心を持つ多くの仲間が力を合わせ,少しずつ育てていくべき分野なのだと思います.
 本書を手に取ってくださった皆様は,きっと血液がんの緩和ケアに関心をお持ちの方々でしょう.まずは,本書をお手に取ってくださったことに心より感謝申し上げます.血液がん患者さんの主治医である先生方,血液病棟で働く看護師,薬剤師,心理師をはじめとする多職種の皆様,血液がん患者さんの診療依頼を受ける緩和ケアチームの皆様,さらには緩和ケア病棟や在宅医療の現場で血液がん患者さんを支える皆様など,立場は問いません.この本を通して,この分野に関心を持つ仲間が一人でも増え,多くの皆様とともに血液がんの緩和ケアを発展させ,盛り上げていくことができれば,これほど嬉しいことはありません.
 本書が少しでも皆様の日々の臨床のお役に立ち,血液がんの緩和ケアへの関心がさらに広がることを,心より願っています.

 執筆にあたり特にご尽力くださった先生方(敬称略)
 名古屋市立大学医学部附属西部医療センター 緩和ケアセンター 奥山徹
 名古屋市立大学病院 緩和ケアセンター 長谷川貴昭
 江南厚生病院 緩和ケア内科 木原里香
 名古屋記念病院 血液・腫瘍内科 平出賢太郎
 名古屋市立大学医学部附属西部医療センター 薬剤部 諸角一成
 心より感謝申し上げます.

2026年8月
鈴木奈々

目次

CONTENTS

PART I 緩和ケア総論 
CHAPTER 1 固形がん・血液がんの緩和ケア
<がん全般の緩和
 A 緩和ケアの定義
 B 緩和ケアの概要
 C 基本的緩和ケアと専門的緩和ケア
 D 緩和ケアの早期統合
<血液がんの緩和ケア>
 A 血液がんの軌跡と緩和ケア
 B 血液がんの緩和ケアのニーズと現状
 C 血液がんの緩和ケア統合への障壁と解消
 D 血液がん治療と緩和ケアの早期統合
CHAPTER 2 血液がん 疾患ごとの緩和ケ
 A 血液がんの分類
 B 血液がんの特徴と緩和ケア
 C 急性白血病
 D 多発性骨髄腫
 E 悪性リンパ腫
 F 骨髄増殖性疾患と骨髄異形成症候群
 G 慢性白血病
CHAPTER 3 造血幹細胞移植時の緩和ケア
 A 造血幹細胞移植とは
 B 自家造血幹細胞移植
 C 同種造血幹細胞移植
 D 造血幹細胞移植時の身体的・精神的・社会的問題とQOL
 E 造血幹細胞移植を受ける患者の介護者への支援
 F 造血幹細胞移植と緩和ケアの統合
コラム CAR-T細胞療法

PART II 緩和ケア各論 
CHAPTER 1 疼痛管理
 A 血液がんの痛みの概要
 B 痛みの分類
 C 痛みの評価
 D 疼痛管理の考え方
 E 鎮痛薬の特徴
 F 血液がん患者へのオピオイドの選択
 G オピオイドの具体的な使い方:開始時
 H オピオイドの具体的な使い方:オピオイドスイッチング・投与経路変更時
 I オピオイドの具体的な使い方:オピオイドでの疼痛コントロール困難時
 J オピオイドの具体的な使い方:減量・中止時
 K 鎮痛補助剤の特徴と使い方
 L その他の治療法
CHAPTER 2 症状への対
 A 倦怠感
 B 化学療法誘発性末梢神経障害(CIPN)によるしびれ
 C 悪心・嘔吐
 D 便秘
 E 下痢
 F 吃逆(しゃっくり)
 G 呼吸困難
 H せん妄
 I 不安・抑うつ
 J 不眠
コラム アカシジアとむずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)
    がん患者の自殺
    ベンゾジアゼピン系睡眠薬長期使用時の対応

CHAPTER 3 AC
 A ACPの定義
 B なぜACPが推進されてきたのか
 C ACPと関連する事項の具体的内容
 D 固形がん・血液がんでのACPの効果
 E 固形がん・血液がんでのACPを開始するタイミング
 F 血液がんにおける具体的なACPのプロセス
 G 血液がんのACPの障壁
 H 日本に適したACP
CHAPTER 4 終末期・輸血の問
 A 血液がんの終末期とは
 B 血液がん患者にとっての「望ましい最期」とは
 C 血液がんの終末期ケアの障壁
 D 「望ましい最期」を迎えるための終末期ケア
 E 血液がんの予後予測
 F 終末期の療養場所と輸血の問題
 G 終末期の諸症状
 H 鎮静について

  索引

執筆者一覧

  • 名古屋市立大学医学部附属西部医療センター 鈴木奈々 著
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