EBM FAQで学ぶ理論と実際
- 定価:
- 5,390円(本体価格4,900円+税)
在庫あり
書誌情報
| サイズ | A5判 |
|---|---|
| 頁 | 390頁 |
| ISBN | 978-4-498-00980-6 |
| 発行日 | 2003年01月01日 |
内容
EBMを臨床の場で実践するために必要な知識を,FAQの体裁で具体的かつわかりやすく解説した書.初学者が知りたい点を質問の形でとりあげ,それぞれに読み切りの形で簡明な解説を付した.全体を通読せずとも,日常診療の現場で疑問を感じた折りに適宜確認できる.EBMを実践するためのレファランスとして便利な書.
序文
序
最近,疫学,特に臨床疫学,EBM(Evidence-Based Medicine)という言葉を巷で耳にすることが多くなり,医学,医療の世界では特にその感が強い.
編者らがカナダ マクマスター大学に始まったEBMの普及,啓蒙活動を始めて7,8年になる.そのような活動のせいか,ある出版社からの依頼で,5年前には日本で初めてのEBMのテキストブックを発刊することとなった.欧米のEBMの単なる受け売りではなく,日本の実状を考慮して内容を検討,選択,記述したものであった.その後多くの出版社から,EBMブームということでEBMの訳本,テキストブックが発売されているが,編者の目から見ると,日本の実状を考慮せず受け売り的に出版している感を強くするものが多い.幸い編者らのテキストブックは多くの支持を得,改訂,追加の要望もたくさんいただき,それらを考慮し,改訂版も出版された.
その後も,日本の現状を踏まえつつ,「EBMのための新GCPと臨床研究」,「EBMのためのPubMed,Impact Factor」,「EBMのためのクリティカルパス」など,多数のEBM関連図書を上梓させていただく機会に恵まれ,微少なりとも,わが国のEBM実用の普及,発展,啓蒙に資する部分があったと自負している次第である.
しかし最近,EBMという言葉が世間一般に流布するにつれ,その誤解,誤用ともとれる用法が巷に氾濫している状況もしばしば目にとまるようになった.これらの状況は大いに危惧すべき危機的状況である.
そこで今回編者らは,EBM及びその周辺状況を確定した上で,EBMに関するFAQ(frequently asked questions)に回答させていただく形を取りながら,EBMの誤解を解き,正しいEBMの普及と実践のために本書を纏めることとした.
内容的には,Part 1とPart 2に2分し,記載した.「Part 1.EBMとは」では,1章で「EBMの定義の変遷」と大原則を掲げ,2〜11章では,EBMの関連,周辺領域である,臨床疫学,医学統計学,医学判断学,artとしての医学,医のart,ヘルシンキ宣言,インターネット活用,人種差・民族差,DRG/PPS,クリティカルパス等に関し,詳述した.
「Part 2.EBM-FAQ」では,編者ら担当者が講義,講演の時などよく質問される問題について,28問をとりあげ,各執筆者が全精力を傾け,その問に回答する形で,真のEBMについて詳述させていただいた.
また,本著は数名の著者で記載しているため,用語の統一,一冊の本としての流れの一貫性などには編著者,分担著者が細心の注意を払った.しかし,編集・校正期間が短かったため,不完全の部分があるやもしれない.この点に関しては読者の皆様方の忌憚のない御意見をいただきたい.
また,類似した図表が何カ所かにみられるが,これは1カ所にまとめるよりも,適宜必要箇所で参照できた方が煩雑さがなくなり,理解を助けるものと判断したので,そのような形式とした.これらの点に関しても読者の皆様方の御批判,御意見をいただきたい.
企画から,校正,編集に至るまで長期にわたり,ひとかたならぬ協力と激励をいただいた中外医学社の小川孝志氏を初めとする編集スタッフ一同には心から感謝を申し上げたい.また,著者らの原稿を精読し,貴重なコメントをいただいた東京慈恵会医科大学大学院 中村晃士医師,西岡真樹子医師,佐野浩斎医師をはじめとする皆様にも多大な協力とご援助をいただいた.記して感謝の意を表したい.さらに,資料整理,イラスト作成などにご協力をいただいた縣千聖嬢,縣賢太郎氏には最大の謝意を表したい.
2002年12月
縣 俊彦
目次
目 次
Part 1.EBMとは
1.EBMの定義の変遷 [松島雅人]
2.EBMの周辺−1 臨床疫学とは [岡山雅信]
3.EBMの周辺−2 医学統計学とは [縣 俊彦]
4.EBMの周辺−3 医学判断学とは [大澤 功]
5.EBMの周辺−4 artとしての医学 [縣 俊彦]
6.EBMの周辺−5 医のart [縣 俊彦]
7.EBMの周辺−6 ヘルシンキ宣言 [縣 俊彦]
8.EBMの周辺−7 インターネット活用 [西村理明,縣 俊彦]
9.EBMの周辺−8 EBMでの人種差・民族差 [縣 俊彦]
10.EBMの周辺−9 EBMとDRG/PPSの関係 [縣 俊彦]
11.EBMの周辺−10 EBMとクリティカルパスの関係[縣 俊彦,松島雅人,小路美喜子]
Part 2.EBM-FAQ 193
Q1.EBMはいつごろ始まったのですか? [縣 俊彦]
Q2.EBMとは要するに何なのですか? [縣 俊彦]
Q3.EBMは学問なのでしょうか? [大澤 功]
Q4.EBMは誰に最も有効でしょうか? [松島雅人]
Q5.なぜ今EBMなのですか? 以前も,皆,最良の医療を求め努力していたはずですが.[縣 俊彦]
Q6.何がEBMで,何がEBMではないのですか? [縣 俊彦]
Q7.EBMの根幹という臨床疫学とはどのような学問,方法論ですか?[縣 俊彦]
Q8.臨床疫学は疫学研究のタイプの中でどんな位置にありますか?[縣 俊彦]
Q9.誤差,バイアスはどんなものが考えられますか? そしてその対策は? [縣 俊彦]
Q10.EBMの根拠とその実践での活用法とはどんなものですか?[縣 俊彦]
Q11.EBMとガイドラインの関係はどうなっていますか? [大澤 功]
Q12.EBMで医療資源の再配分は可能でしょうか? [大澤 功]
Q13.EBMで日常の診療は可能なのでしょうか? [松島雅人]
Q14.EBMで研修できるでしょうか? [岡山雅信]
Q15.EBMで医療過誤はなくなるでしょうか? [大澤 功]
Q16.EBMの根拠はRCTとメタアナリシスのみなのでしょうか?[松島雅人]
Q17.EBMの4つのステップの見直しについて教えてください.[岡山雅信]
Q18.EBMの回答可能な質問はどう作るのでしょうか? [岡山雅信]
Q19.EBMのevidenceを探す時,The Cochrane CollaborationとThe Cochrane Libraryが重要といわれますが,
これを説明してください. [縣 俊彦]
Q20.PubMedは世界最大の無料医学文献データベースといわれますが,これはどんなものですか?[縣 俊彦]
Q21.構造化抄録という言葉をよく耳にしますがこれは何ですか?[縣 俊彦]
Q22.実際の臨床問題に対して,文献検索・評価はどのように行っていくのですか?[縣 俊彦]
Q23.EBMのevidenceの批判的吟味・解釈はどのように行うのでしょうか?
【1】概論 [松島雅人]
【2】総説(メタアナリシス) [松島雅人] 305
【3】原著(治療) [岡山雅信]
【4】原著(診断) [岡山雅信]
【5】原著(予後) [大澤 功]
【6】原著(害) [大澤 功]
Q24.EBMのevidenceの批判的吟味・解釈の具体例を示してください(1).[岡山雅信]
Q25.EBMのevidenceの批判的吟味・解釈の具体例を示してください(2).[松島雅人]
Q26.EBMのevidenceの臨床への応用時に何を注意すべきでしょうか?[松島雅人]
Q27.EBMの自己評価のノウハウを教えてください. [岡山雅信]
Q28.EBMのメーリングリストの活用法を教えてください.[柳 修平]
索引