Q&Aでわかる 初心者のための小児のてんかん・けいれん

定価:
5,940円(本体価格5,400円+税)

在庫あり

書誌情報

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サイズ A5判
354頁
ISBN 978-4-498-32890-7
発行日 2022年11月08日

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内容

小児のてんかん・けいれん診療において若手医師が実際に抱いた様々な疑問に対して,臨床の最前線で活躍する専門家たちが的確に解説.複雑で難解な症候群分類や発作分類などを明快に解き,また,執筆者の経験や本音を記載した「私の一言」では,教科書やガイドラインの記述通りとは限らない実際の現場での雰囲気を伝えている,小児てんかん・けいれんに対する苦手意識を軽減する助けとなる一冊.

序文

序─読者の皆様へ

 私は,子どものけいれんやてんかんを苦手とする医師はかなり多いと思っています.子どものけいれんやてんかんにはバイオマーカーがなく,さらに疾患の全体像が容易には把握できません.患者さんの症状や診察所見,脳波などの検査結果など,様々な情報を整理して俯瞰的に考えることが求められますので,私も若い頃は苦労しました.ある程度経験を積むと,多くの患者さんはある程度は類型化して考えることができることが分かってきます.しかし,経験の浅い方や非専門医の方はそのようなことはとても難しいでしょう.では,教科書を読めばそのようなことができるようになるでしょうか.もちろん正確な知識を得ることが重要であることは,間違いがありません.しかし,教科書の記述を臨床の現場で実感を持って理解して実践できるようになるには,やはり経験が必要です.私たちが持っている子どものけいれんやてんかんの肌感覚を伝えることは,容易ならざることです.
 本書は,このような難題を多少なりとも解決できればよいと思い企画しました.質問の設定に当たっては若手の意見を実際に募り,それを基に私と白石先生で適切なものになるように工夫しました.また,執筆者は現場で患者さんの診療に当たっている中堅の方を積極的に選ぶようにしました.これらのことで,臨床の現場の雰囲気が少しでもダイレクトに伝わることがよいと考えました.実際に執筆者の皆様から届いた原稿を拝読しますと,現場の雰囲気を感じることできるものが多いです.執筆者の皆様にはこの場を借りて深くお礼を申し上げます.
 本書では,私の思い付きで「私の意見」を執筆者に書いていただくようにお願いしました.教科書やガイドラインなどの記述どおりに実際の臨床を行うとは限らないことは,読者の皆さんもお分かりのことでしょう.執筆者に本音の部分をチラッと見せていただくことで,読者の皆さんに教科書とはちょっと違う実際の現場の雰囲気を感じていただきたいというのが,「私の意見」をお願いした意図です.「私の意見」にはいろいろと面白い内容が含まれています.読者の方に,執筆者の思いや考え方が少しでも伝わるとよいと思います.
 本書は一問一答形式ですので,読者の方には興味を持った部分を拾い読みしていただいて構いません.普段の診療の中で困ったときや疑問に思ったときに,その部分だけ手に取っていただくことも歓迎です.そのような繰り返しが,日常の臨床の基本だと思います.本書が何らかの形で読者の皆さんの助けになればうれしく思います.

2022年 夏
愛知医科大学医学部小児科 教授
奥村彰久

目次

目 次

  序─読者の皆様へ
  用語について

I てんかん総論

1.てんかんの基礎知識と対処法
  Q1 そもそも,てんかん・てんかん発作とは何でしょうか?[山本啓之]
  Q2 てんかん発作の分類について教えてください[日暮憲道]
  Q3 てんかん症候群の分類について教えてください[日暮憲道]
  Q4 てんかんを起こす基礎疾患には何がありますか?[鈴木保宏]
  Q5 てんかんを疑う徴候の病歴聴取のコツは?[榎 日出夫]
  Q6 初心者が知っておくべきてんかん(自然終息性および薬剤抵抗性)は何でしょうか?[高橋 悟]
  Q7 初回発作の患者さんにはどのように対応すればよいでしょうか?[伊藤智城]
  Q8 てんかん重積状態とその対処法について教えてください[菊池健二郎]

2.てんかんの検査
  Q9 てんかんを疑った場合に,脳波をとる意義とそのタイミングについて教えてください[加藤 徹]
  Q10 脳波がよくわからないのですが,どうすればよいでしょうか?[久保田哲夫]
  Q11 長時間脳波はどのようなときに必要でしょうか?[馬場信平]
  Q12 てんかんを疑った場合に,頭部MRIをとる意義は何でしょうか?[伊藤希美]
  Q13 てんかんにおける遺伝子解析の意義を教えてください[東 慶輝]
  Q14 抗てんかん薬の血中濃度測定などの採血はどうすればよいでしょうか?[糸見和也]

3.てんかんの鑑別,紹介のタイミング
  Q15 てんかん発作とそうでないものの見分け方を教えてください[白石秀明]
  Q16 心因性非てんかん性発作との鑑別はどうすればよいでしょうか?[遠山 潤]
  Q17 どのような場合に専門医に紹介するのが望ましいですか?[宮本雄策]

4.てんかんの治療
  Q18 どのような患者に抗てんかん薬が必要なのでしょうか?[柿坂庸介]
  Q19 抗てんかん薬の選択について教えてください[川村健太郎]
  Q20 新規抗てんかん薬について教えてください[石田 悠 山中 岳]
  Q21 抗てんかん薬の副作用とその対処法を教えてください[岩崎俊之]
  Q22 各てんかん症候群における推奨薬剤は何でしょうか?[岡西 徹]
  Q23 ACTH療法について教えてください[伊藤祐史]
  Q24 てんかんにおけるケトン食療法について教えてください[伊藤 進]
  Q25 てんかんで手術が必要になるのはどのような場合でしょうか?[本田涼子]
  Q26 迷走神経刺激療法とは何でしょうか?[白石秀明]
  Q27 どのような患者なら抗てんかん薬をやめることができるのでしょうか?[福村 忍]

5.てんかんを巡る諸問題
  Q28 保護者の方にてんかんについてわかりやすく伝えるコツは何でしょうか?[松尾宗明]
  Q29 病院の外でてんかん発作が生じた場合の対処法について教えてください[辻 健史]
  Q30 てんかんにおけるスティグマとは何でしょうか?[植松有里佳]
  Q31 日常生活や学校生活での注意点は何でしょうか?[植田佑樹]
  Q32 てんかん患者の運転免許の取得や職業の制限について教えてください[西田拓司]
  Q33 てんかんをもつ女性に関する注意点は何でしょうか?[赤坂真奈美]
  Q34 神経発達症とてんかんとの関係を教えてください[丸山幸一]
  Q35 頭痛とてんかんの関係を教えてください[柿坂庸介]
  Q36 てんかん患者の突然死や自殺について教えてください[阿部裕一]

II てんかん各論

  Q37 良性乳児てんかんについて教えてください[奥村彰久]
  Q38 中心側頭部棘波を示す小児てんかんについて教えてください[安部信平]
  Q39 Panayiotopoulos症候群について教えてください[五十嵐鮎子]
  Q40 小児欠神てんかんについて教えてください[倉橋宏和]
  Q41 若年ミオクロニーてんかん(JME)について教えてください[今村 淳]
  Q42 点頭てんかん(West症候群)について教えてください[小林 悠]
  Q43 Dravet症候群について教えてください[坂内優子]
  Q44 早期乳児てんかん性脳症(大田原症候群)について教えてください[植松 貢]
  Q45 Lennox-Gastaut症候群について教えてください[山本啓之]
  Q46 側頭葉てんかんについて教えてください[中島 翠]

III 熱性けいれん

  Q47 熱性けいれんとは何でしょうか?[夏目 淳]
  Q48 熱性けいれんと年齢との関係を教えてください[柏木 充]
  Q49 複雑型熱性けいれんについて教えてください[二階堂弘輝]
  Q50 熱性けいれんでは意識回復までにどれくらいかかりますか?[田中亮介]
  Q51 熱性けいれんと鑑別すべき疾患は何でしょうか?[福山哲広]
  Q52 熱性けいれんが止まったかどうか,どのように判断したらよいでしょうか?[奥村彰久]
  Q53 熱性けいれんの子どもに脳波や頭部CT/MRをとったほうがよいでしょうか?[城所博之]
  Q54 熱性けいれんの予防は必要でしょうか.必要な場合はどのように行いますか?[高山留美子]
  Q55 熱性けいれんの子どもに対して注意すべき薬剤はありますか?(解熱薬・抗ヒスタミン薬・テオフィリン)[深沢達也]
  Q56 家庭で熱性けいれんが起きたときはどのように対応すればよいでしょうか?[里 龍晴]
  Q57 熱性けいれんの子どもに予防接種をしてもよいでしょうか?[森本昌史]
  Q58 熱性けいれんの予後,特にてんかんとの関係について教えてください[江川 潔]

IV 胃腸炎関連けいれん

  Q59 胃腸炎関連けいれんとは何でしょうか?[沼本真吾]
  Q60 胃腸炎関連けいれんと鑑別すべき疾患は何でしょうか?[島川修一]
  Q61 胃腸炎関連けいれんの治療について教えてください[奥村彰久]

V 非てんかん性発作

  Q62 憤怒けいれんや身震い発作に対する対応を教えてください[久保田哲夫]
  Q63 失神に対する対応を教えてください[九鬼一郎]

  あとがき
  索引

執筆者一覧

  • 愛知医科大学医学部小児科 教授 奥村彰久 編著
  • 北海道大学病院小児科・てんかんセンター 診療准教授 白石秀明 編著
  • 名古屋大学医学部附属病院小児科 助教 山本啓之
  • 東京慈恵会医科大学小児科学講座 講師 日暮憲道
  • 大阪母子医療センター 副院長・小児神経科 主任部長 鈴木保宏
  • 聖隷浜松病院てんかんセンター・小児神経科 てんかんセンター長・小児神経科部長 榎 日出夫
  • 旭川医科大学医学部小児科 准教授 高橋 悟
  • 市立札幌病院小児科 医長 伊藤智城
  • 埼玉県立小児医療センター神経科 科長 菊池健二郎
  • 岡崎市民病院脳神経小児科 統括部長 加藤 徹
  • 安城更生病院小児科 小児科代表部長 久保田哲夫
  • 国立精神・神経医療研究センター病院脳神経小児科 馬場信平
  • JCHO札幌北辰病院小児科 診療部長 伊藤希美
  • 愛知医科大学医学部小児科 講師 東 慶輝
  • あいち小児保健医療総合センター 診療支援部長兼神経内科医長 糸見和也
  • 国立病院機構西新潟中央病院 副院長 遠山 潤
  • 聖マリアンナ医科大学小児科学 准教授 宮本雄策
  • 東北大学医学部てんかん学分野 講師 柿坂庸介
  • 生涯医療クリニックさっぽろ 院長 川村健太郎
  • 東京医科大学八王子医療センター小児科 診療科長・講師 石田 悠
  • 東京医科大学小児科・思春期科学分野 主任教授 山中 岳
  • 川崎市立多摩病院小児科/聖マリアンナ医科大学小児科学 岩崎俊之
  • 鳥取大学医学部脳神経小児科 准教授 岡西 徹
  • 名古屋大学医学部附属病院小児科 伊藤祐史
  • 東京女子医科大学小児科 准講師 伊藤 進
  • 国立病院機構長崎医療センター小児科 本田涼子
  • 札幌医科大学医学部小児科 講師 福村 忍
  • 佐賀大学医学部小児科 教授 松尾宗明
  • 愛知県三河青い鳥医療療育センター小児科 部長 辻 健史
  • 東北大学病院小児科 助教 植松有里佳
  • 北海道大学病院小児科・てんかんセンター 植田佑樹
  • 国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター精神科 医⾧ 西田拓司
  • 岩手医科大学医学部小児科 主任教授 赤坂真奈美
  • 愛知県医療療育総合センター中央病院小児神経科 部長 丸山幸一
  • 国立成育医療研究センター小児内科系専門診療部神経内科 診療部長 阿部裕一
  • 順天堂大学小児科 准教授 安部信平
  • 東京臨海病院小児科 五十嵐鮎子
  • 愛知医科大学医学部小児科 講師 倉橋宏和 
  • 岐阜県総合医療センター主任部長・小児医療センター長・小児科部長 今村 淳
  • 国立病院機構西新潟中央病院神経小児科 医長 小林 悠
  • 坂内小児科医院 副院長 坂内優子
  • 東北大学医学部小児科 准教授 植松 貢
  • 北海道大学医学部小児科 中島 翠
  • 名古屋大学大学院医学系研究科障害児(者)医療学寄附講座 特任教授 夏目 淳
  • 市立ひらかた病院小児科 部長 柏木 充
  • 北海道立子ども総合医療・療育センター内科 部長 二階堂弘輝
  • 旭川医科大学小児科 助教 田中亮介
  • 信州大学医学部小児医学教室/信州大学医学部附属病院てんかん診療部門 講師 福山哲広
  • 名古屋大学医学部附属病院小児科 助教 城所博之
  • 楡の会こどもクリニック 医長 高山留美子
  • 安城更生病院脳神経小児科 代表部長 深沢達也
  • 長崎大学病院小児科 助教 里 龍晴
  • 京都府立医科大学医学部看護学科医学講座小児科学 教授 森本昌史
  • 北海道大学大学院医学研究院小児科学教室 助教 江川 潔
  • 愛知医科大学医学部小児科 沼本真吾
  • 大阪医科薬科大学病院小児科 診療准教授 島川修一
  • 大阪市立総合医療センター小児脳神経内科 医長 九鬼一郎
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