Dr.山本の この一冊で血栓症がとことんわかる!
内容
血栓症は体内のあらゆる血管・臓器に起こりうるため、様々な診療科で診る必要のある疾患であり、また近年は高齢化や生活様式の欧米化に伴い生活習慣病としての血栓性疾患患者が増加し、血栓症に対する予防、早期診断、治療の重要性はますます高まっている。本書は血液凝固の基礎知識から血栓症の診療までのエッセンスを凝縮したガイドブックであり、血栓症を学びたい医療従事者のファーストチョイスとして最適の書となっている。
序文
序
近年のわが国では,加速度的に進む高齢化と生活様式の欧米化にともない,生活習慣病としての血栓性疾患の患者が増加し,血栓症に対する予防,早期診断,治療の重要性はますます高まっている.特に,脳梗塞や心筋梗塞などに罹患すると突然死や重篤な後遺症を残す事態に陥り,大切な人生が一変してしまうことになる.また,血栓症の発症はある日突然起こることがしばしばであり,本人だけでなく,家族を始め周囲の方たちにも大きな影響を及ぼすことになる.
もともと血栓は傷口を塞いで出血を止めるために不可欠であり,日々戦いの連続である弱肉強食の動物のからだには無くてはならないものである.ヒトも例外ではなく,獲物との闘いが絶えない太古の時代から,ヒトのからだ(血液)には出血が起こったときにただちに血栓ができるよう,大変強力で巧妙なしくみが備わっている.しかし現代社会では,傷もないのに血栓ができやすくなる条件がいくつも重なるようになり,言わば「血
栓の逆襲」が起きてしまっているのである.
血栓症は体内の至るところの血管・臓器に起こりうるので,さまざまな診療科の医師が診療することになる.逆に言うと,血栓症だけを診る「血栓症専門医」とも言うべき医師はいない.そういう意味で,「止血血栓」領域を専門とする著者のような存在は希少である.本書は,若年者から中高齢者まで,今や国民病ともなっている「血栓症」の,原因から病態,検査,診断,治療までを,多くの図表を用いてわかりやすく解説した,これまでにはなかった書である.血栓症患者を診療する機会の多い医師ばかりでなく,研修医〜若手医師,さらには上級医師の方々にもぜひ手元に置いていただきたい書である.また,血栓の成り立ち〜血栓症に興味のあるコ・メディカルのスタッフ,果ては一般の方々(患者さん)にも理解できるよう配慮しており,幅広い読者の方々を対象にした書でもある.
2018年5月
山本晃士
目次
CONTENTS
基礎編
01 血栓の役割と血栓症〜序に代えて〜
02 血栓ができるしくみと溶けるしくみ
03 血栓の種類
04 血栓症の原因
05 血栓症の種類と危険因子
06 血栓症を起こしやすい「ドロドロ血液」とは?
07 血栓症の診断
08 血栓症を診断するための検査値の注意点
09 血栓症の治療薬
応用編
01 播種性血管内凝固症(DIC)
02 血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
03 血栓性微小血管障害症(TMA)
04 ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
05 トルーソー(Trousseau)症候群
06 本態性血小板血症
07 多発性骨髄腫
08 発作性夜間血色素尿症(PNH)
09 心房細動
10 一過性脳虚血発作(TIA)
11 肺塞栓症
12 閉塞性動脈硬化症
13 上腸間膜動脈閉塞症
14 バッド・キアリ(Budd-Chiari)症候群
15 先天性血栓性素因
16 抗リン脂質抗体症候群
17 肥満と血栓症
18 老化と血栓症〜PAI-1と老化の関係〜
19 ストレス起因性血栓症とPAI-1
20 臨床医を悩ませる血栓症 人工血管,シャント,ステント内に再発を繰り返す血栓
21 血液型と血栓症
索引