医療機関のための「採用」の教科書 採用要件から育成までのデザインとアクション

定価:
3,300円(本体価格3,000円+税)

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書誌情報

書誌情報
サイズ A5
168頁
ISBN 978-4-498-14892-5
発行日 2026年09月14日
医療機関のための「採用」の教科書 採用要件から育成までのデザインとアクション

内容


採用力が経営を決める.スタッフ募集から選考,面接,採用後の育成までをこの一冊で.
医療機関の採用は「経験と勘」に頼った場当たり的な方法ではもう通用しない。実際、求人の書き方や面接設計を整え,短期間で採用ページ公開から採用を達成した事例もある。給与や予算だけでなく,ターゲット人材の重視点を理解し、職種特性に合わせた戦略を取ることが鍵となる。人口減少・働き方改革・医療DXなど環境変化が進む今こそ、体系的な採用力が求められる。本書では診療所・中小病院が自院に合う人材を確実に採用し、定着率を高めるための実践ノウハウを紹介する。

序文

監修の序

 「採用は、経営そのものである」―私は長年、人事・採用の世界に身を置くなかで、この考えを繰り返しお伝えしてきました。それは一般企業に限った話ではありません。医師、看護師、医療技術職、事務職といった多様な専門職がチームとなって患者さんに向き合う医療機関においてこそ、「誰と働くか」は医療の質と組織の未来を左右する、極めて重要な経営判断となります。
 一方で、多くの医療機関では、採用が「人手が足りないから、とりあえず募集する」「なんとなく面接して、勘で決める」といった場当たり的なものになりがちです。うまくいかない本当の原因は、給与や立地ではなく、「自分たちは、どのような人と一緒に働きたいのか」という「採用要件」が曖昧なまま採用活動を進めてしまうことにあります。
 本書は、この「採用要件」を出発点に、募集・選考・クロージング・オンボーディングという一連の流れを、医療機関の実例とともに具体的に解説した一冊です。全体を貫くのは「戦略性」と「人間性」という2つの軸。ブレない軸をもって採用を設計すること、そして候補者を一人の「個」として尊重し、真摯に向き合うこと。この両輪が揃ってはじめて、採用は本当の力を発揮します。
 著者は、医療現場で採用の難しさに悩み、試行錯誤を重ねてきた実践者です。だからこそ本書には、机上の理論ではなく、明日から現場で使える知恵が詰まっています。採用の考え方を医療機関の文脈に丁寧に翻訳した本書は、人材確保に悩む多くの医療機関にとって、心強い道しるべになると確信しています。
 採用とは、欠員を埋める作業ではなく、組織の未来をかたちづくる営みです。本書を手に取ってくださったあなたの医療機関で、「未来を創る採用」への第一歩が始まることを願っています。

 2026年9月
監修者 青田 努


著者の序


 私が「医療機関の採用」に本格的に関わるようになったのは、2016年、ハイズ株式会社(当時代表取締役・裵 英洙氏)で医療機関の経営支援に携わったことがきっかけです。以来、10年間の経営支援と6年間の診療所経営のなかで、人材育成や評価・報酬制度など、医療機関の経営には重要なテーマが数多くあることを実感してきました。なかでも組織の土台になると考えているのが「採用」と「オペレーション」です。本書では、まずその一つである「採用」に焦点を当てました。
 しかし、その重要性を理解していても、実践は容易ではありません。2020年、石井洋介先生、伴 正海先生とともに東京で「おうちの診療所目黒」を共同開業し、いざ自分で採用活動を始めると、すぐに壁にぶつかりました。何から手をつけ、何を基準に判断すればよいのか——。そのとき出会ったのが、監修者・青田 努さんの「採用を体系的に学ぶ会」でした。本書は、そこでの学びを経営の現場で実践し、試行錯誤を重ねてきた経験を中心にまとめたものです。
 執筆にあたり、そよぎハート&ライフクリニック湘南平塚の村本容崇先生には、開業前のご相談から、素晴らしい採用チームを運営される現在に至るまでのエピソードの掲載をご快諾いただきました。心より感謝申し上げます。
 医療機関を取り巻く環境は、診療報酬の面でも人材確保の面でも、一昔前より難しい時代に入っています。それでも私は、採用において「医療機関側にできることは、まだ多くある」と実感しています。その手立てが広く知られ、実践されていけば、医療機関にとっても候補者にとっても、きっとよい形が生まれるはずです。
日々の診療と向き合いながら採用にも取り組む皆さまにとって、本書が最初の一歩を踏み出すきっかけとなれば嬉しいです。

 2026年9月
著者 岩本修一

目次

目次

CHAPTER1
医療機関こそ求められる「採用力」とは―採用が、自院の命運を分ける時代に
 1 採用成功の最大の秘訣、それは「採用要件」にある
 2 なぜ「医療機関」にとって採用要件が特に重要なのか?
 3 採用要件がもたらす3つの成果
 4 本書を通じて、あなたの医療機関が得られること
 
CHAPTER2
採用活動の全体像と「採用要件」の基礎―点ではなく「流れ」で採用をとらえる
 1 採用活動の全体像
 2 採用要件(定義づけ):すべてはここから始まる
 3 まとめ:採用活動の「地図」を持ち、採用要件から始める
 
CHAPTER3
採用要件の設計―「欲しい人材」を組織の共通言語に翻訳する
 1 採用要件を具体化する2つの視点
 2 採用要件整理テンプレート(例)
 3 医療機関特有の採用要件を考えるポイント
 4 採用要件は「現場」と「経営」ですり合わせる
 5 まとめ:「欲しい人材」を設計図に落とし、組織で共有する
 
CHAPTER4
採用要件を運用する―「共通言語」でPDCAを回す
 1 採用要件を「共通言語」にする3つの“使う”原則
 2 採用要件を無理なく導入する5つのステップ
 3 「採用会議」でPDCAを回す
 4 採用要件の具体的な活用場面
 5 まとめ:採用要件を「共通言語」として運用し、PDCAで磨き続ける
 
CHAPTER5
募集―求める人材と出会うために
 1 何を伝えるか?:「求人情報」の設計
 2 どこで伝えるか:採用チャネルの戦略的活用
 3 応募が集まらないときの処方箋
 4 まとめ:「何を・どこで」を設計し、求める人材との出会いをつくる
 
CHAPTER6
選考設計―候補者を深く知り、惹きつける仕組みをつくる
 1 選考設計で大切にしたい4つのこと
 2 選考プロセスの設計:「書類選考 → 見学 → 面接」の流れ
 3 補完的な選考手法:必要に応じて
 4 選考結果の評価と共有:客観的で納得感のある意思決定のために
 5 まとめ:「見極める」と「惹きつける」を、選考に設計する
 
CHAPTER7
面接―候補者をみて、候補者からみられる場
 1 面接の準備:成功は段取りで決まる ―戦略的な事前準備が面接の質を左右する
 2 面接の進め方:効果的な時間配分と、候補者の心を開く雰囲気づくり
 3 「経験」を掘り下げる質問技法:行動面接(STARメソッドなど)の実践で深層に迫る
 4 候補者の本音を引き出すコミュニケーション:信頼関係が生み出す「真の対話」
 5 面接官としての心構えと注意点:公平性と敬意が信頼を生む
 6 オンライン面接特有のポイント:画面越しのコミュニケーションを円滑にするために
 7 面接後の評価とフィードバック:客観的な判断と次への学び
 8 まとめ:候補者を見極め、候補者から選ばれる―双方向の面接をつくる
 
CHAPTER8
クロージングと内定後フォロー―「入職したい」を引き出し、確実につなぐ
 1 クロージングの重要性:なぜ「内定を伝えるだけ」では不十分なのか
 2 効果的なクロージング戦略:「信頼感」「納得感」「ワクワク感」の醸成
 3 内定後フォローの具体的な施策:入職日までの「つなぎとめ」と「動機づけ」の継続
 4 内定辞退への対応と学び:次に活かすための貴重なフィードバック
 5 まとめ:「最後の難関」を越え、内定者を確実に入職へ導く
 
CHAPTER9
オンボーディング―採用の成果を最大化し、定着と活躍を導く
 1 なぜオンボーディングが採用活動と一体で語られるべきなのか
 2 効果的なオンボーディングプログラムの設計ステップ:計画的な支援体制を構築する
 3 医療機関におけるオンボーディング実践のポイントと具体例
 4 まとめ:オンボーディングは採用を成功させる「最後のピース」
 
CHAPTER10
未来を創る採用力―明日から始める、持続可能な組織づくり
 1 医療機関の「採用力」を貫く、たった2つのシンプルな真実
 2 明日から始める、持続可能な採用力強化への「第一歩」
 3 未来を創る採用力は、組織の未来を創る力そのもの
 
索引

執筆者一覧

  • 株式会社DTG 代表取締役/医師 岩本修一
  • Cast a spell合同会社 代表 採用を体系的に学ぶ会 運営 青田 努 監修
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