Annual Review 消化器2014
- 定価:
- 12,100円(本体価格11,000円+税)
在庫なし
書誌情報
| サイズ | B5判 |
|---|---|
| 頁 | 296頁 |
| ISBN | 978-4-498-14036-3 |
| 発行日 | 2014年01月30日 |
内容
序文
序
2013年2月に慢性胃炎に対するH. pylori除菌の保険適用が認められ,国家的プロジェクトとして,日本人の胃癌撲滅の大きなトライアルが始まりました.12月6日には,シメプレビルの発売が認可され,C型肝炎もインターフェロンを含む3剤併用によって,副作用が少なく,半年間の治療で約90%の患者さんに治癒が得られる時代が来ました.近々,経口薬だけでさらに高い治癒率が得られるようになると期待されています.膵癌の治療に関しても,12月20日にFORFIRINOX療法が認可され,膵癌診療に新たな展開が期待されています.このように,2014年に向けて,消化器領域ではさまざまな新展開がみられ,10年前には想像もできなかったほどに治療選択肢は拡大し,また,高い治療効果が得られるようになっています.この傾向は,今後,一層加速されると思われます.
Annual Review消化器2014が完成し,今年も無事に発刊されることになりました.内容をみますと,まさに急速に進歩する消化器領域の研究,疾患の診断,治療を的確に反映しており,各疾患領域のトピックスとその解説が本書を読むことによっておおよそ理解できる充実した出来映えとなりました.
消化管領域では,腸内細菌研究と消化管領域のiPS細胞の応用が話題として取り上げられ,CTコロノグラフィーを用いた大腸検診,MR enterographyなど診断面での新たな取り組みにも焦点があてられています.治療面では,話題のH. pylori除菌療法の今後の展開や好酸球性消化管疾患が取り上げられており,興味が持たれます.肝臓領域では,大きく変わろうとするウイルス肝炎の研究と治療を中心に,肝硬変診療の新たな展開や肝発癌の分子機構,治療の現状と今後,さらには,NASHやNAFLD,自己免疫性肝炎やPBCなど広い話題が取り上げられています.胆膵領域では,次世代シークエンサーによる膵炎関連遺伝子の網羅的解析,膵疾患へのiPS細胞の臨床応用など新たな研究領域の紹介の他に,急性膵炎の新アトランタ分類の紹介,自己免疫性膵炎と発癌の関連,膵癌の個別化治療など,臨床上重要なテーマが取り上げられています.消化器外科領域では,pNETの診断と外科治療,Reduced Port Surgeryの現況と課題,消化器外科と漢方など,内科医にとっても興味深い話題が取り上げられています.
このように2014年版のAnnual Reviewも,話題性の高いテーマと臨床的に重要なテーマがバランスよく取り上げられ,今後の消化器病研究および診療の動向を理解するためにおおいに役立つでしょう.読者の皆様には是非,忙しい日常診療の合間に目を通していただき,消化器領域の進歩を実感していただけますと幸いです.
2014年1月
編集一同