さくさく読める心電図速読レッスン 4つのキー誘導で即!判読

定価:
3,740円(本体価格3,400円+税)

在庫あり

書誌情報

書誌情報
サイズ B5判
132頁
ISBN 978-4-498-13714-1
発行日 2022年12月14日

電子書籍はこちらから(外部サイト)

内容

基本は「I,aVF,V1,V5の4つの誘導」だけ,不整脈は「P波を探し,QRS幅に注意」! たったこれだけで心電図は素早く・見落としなく判読できる! 最小の努力で最大の学習効果! 12誘導波形の丸覚えの必要なし!あなたも心電図をラクに読めるようになる! 心電図への苦手意識を克服できる一生モノの技が身につく1冊.

序文

序文にかえて

 中外医学社の企画部から「心電図速読:企画案」というファイルが添付されたメールを頂いたのは,京都大学の定年をおよそ100日後に迎えるという頃でした.面白い企画でもあり,定年後のライフスタイルを想像しながら,執筆をお引き受けした次第です.ただ,数多の心電図の教科書がある中,どのような切り口で「速読」のノウハウについて執筆を進めていくかは大変難しい課題でした.問題は,「素早く」かつ「見落としなく」判読するためのノウハウの伝達を,従来のように「各種疾患の心電図所見を記述して,心電図波形の解説に終始」せずに,いかにして成し遂げるかという点に尽きました.
 著者はかねてより,標準12誘導心電図からは文字通り12の誘導波形が得られるものの,判読に必要な情報が12の誘導の各誘導に1/12ずつの重みがあるのではなく,誘導により情報量に違いがあると考えていました.自らが心電図を判読する中で,電気軸,左右の電極の付け間違い,右胸心,肺性P波,僧帽性P波,右脚ブロック,Brugada症候群,左脚ブロック,J波,右室肥大,左室肥大……といった所見は,「I,aVF,V1,V5の4つの誘導」に注目すれば,「素早く」かつ「見落としなく」判読できると考えていました.同時に,心拍数と整・不整に関する所見,および1度房室ブロックや早期興奮症候群などPR間隔に関する所見,心内膜下虚血といったST低下に関する所見もこの「キーになる4誘導の判読」で問題ありません.すなわち,細かい不整脈診断以外の所見は,この4誘導に着目することで,ほぼ見落としなく判読できるのです.このアイデアを使わない手はないでしょう.また,不整脈の判読には「P波を探し,QRS幅に注意する」ことで,たいていの場合は正しい心電図診断に到達します.こういったコンセプトで本書の執筆を開始しました.
 著者は,文体と内容に一貫性を保つことが大切と考えており,単独での執筆にこだわりました.そのため,本書に相応しい心電図を著者1人では収集することができず,多くの先生方から心電図やイラストのご提供を頂きました.北海道勤労者医療協会 勤医協中央病院の鈴木隆司先生,宮城県成人病予防協会 中央診療所の佐藤文敏先生,仲田内科の大村延博先生,ハート先生こと心臓病看護教育研究会の市田聡先生(ホームページの引用許諾以外にも国循時代の貴重な心電図もご提供頂きました),京都下鴨病院の山下文治先生,川西市立総合医療センター(前協和会協立病院)の岡島年也先生,国立病院機構 京都医療センター(前武田病院健診センター)の桝田出先生,JA広島総合病院の藤井隆先生には,この場をお借りして厚く御礼申し上げます.中でも藤井隆先生には,不整脈に関する多くの心電図をご提供頂くとともに,第6章全体に目を通して頂き,ご指導・ご助言を賜りました.初稿に比べて格段にブラッシュアップされました.感謝に堪えません.
 定年前後に,著者の公私にわたる環境が激変したことから思うように執筆が進まず,脱稿までに多くの時間を要してしまいました.そのような状況で,企画案をご提供頂いた中外医学社企画部の上岡里織さん,編集の労をお取り頂いた編集部の上村裕也さんにも厚くお礼を申し上げます.
 最後になりますが,本書が心電図の判読に携わる方々に,少しでもお役に立てばと心から祈念致します.よろしくお願い申し上げます.

2022年11月
いまだにコロナ禍が収束しない中で
上嶋健治

目次

CONTENTS

  本書の使い方

第1章 これだけは,覚える―心電図判読に必要な最低限のルールと判読の心得
1 心電図の記録に関するルールを知る
  1)記録紙のルール
  2)記録のルール
2 心電図の誘導(電極)に関するルールを知る
  1)四肢の電極の装着部位:双極誘導と単極誘導
  2)胸部の電極の装着部位:単極誘導
  3)電極の色に関するルール
  4)Cabrera(カブレラ)配列
3 各波形の意味と波形間の関係を知る
  1)P波〜U波までが表わすもの
  2)各波形間の間隔が表わすもの
4 心電図記録の注意点を知る
  1)記録室の準備など
  2)患者さんへの説明など
  3)電極の装着など
  4)記録など
5 評価すべき心電図所見について
  [この章のまとめ]

第2章 ざっと,12誘導を眺めてみる
1 心拍の整・不整と心拍数を確認する
  1)心拍の整・不整
  2)心拍数
  3)心拍数の計測
2 心臓の電気的位置を確認する
  1)電気軸
  2)Cabrera(カブレラ)配列
  3)移行帯
3 低電位差
  [この章のまとめ]

第3章 引き続きI・aVF誘導を確認しよう
1 なぜ,I・aVF誘導に着目するのか
2 まず,電気軸に着目してみよう
  1)右軸偏位
  2)左軸偏位
3 次に,P波に着目してみよう
  1)P波の形に注目する
  2)PQ間隔に注目する
  [この章のまとめ]

第4章 さらにV1・V5誘導に注目しよう
1 心房の拡大
  1)右房拡大
  2)左房拡大
2 心室肥大
  1)右室肥大
  2)左室肥大
3 脚ブロック
  1)右脚ブロック
  2)2枝ブロック
  3)Brugada(ブルガダ)症候群
  4)J波とイプシロン波およびQT延長症候群
  5)左脚ブロック
  6)特殊な脚ブロック
4 心筋虚血
  1)心内膜下虚血
  2)貫壁性虚血
  3)虚血時のU波の変化
5 心筋炎
  [この章のまとめ]

第5章 不整脈とは?
1 洞結節由来でない電気刺激による調律(心拍の変動)
  1)心房細動(atrial fibrillation)
  2)心房粗動(atrial flutter)
  3)人工ペースメーカ調律
  4)移動性ペースメーカ(wondering pacemaker)
  5)洞不整脈
  6)異所性上室調律
2 期外収縮と補充収縮
  1)期外収縮の連発と頻発
  2)期外収縮と連結期・休止期・不応期
  3)上室期外収縮
  4)心室期外収縮
  5)副収縮(副調律)
  [この章のまとめ]

第6章 不整脈とは? その2:徐脈と頻脈―ここでもP波を探せ!
1 洞機能の異常による徐脈
  1)洞徐脈
  2)洞ブロック・洞停止
  3)徐脈頻脈症候群
2 房室伝導障害による徐脈
3 洞頻脈
4 上室頻拍
  1)異所性の自動能亢進による上室頻拍
  2)回帰(リエントリー)による上室頻拍
5 心室頻拍
  1)単形性心室頻拍
  2)倒錯型心室頻拍(torsades de pointes:twisting of the points)
  3)特発性心室頻拍
  4)催不整脈性右室心筋症(arrhythmogenic right ventricular cardiomyopathy:ARVC)による心室頻拍
  5)促進性心室固有調律(accelerated idioventricular rhythm:AIVR)
  6)幅の広いQRS型頻拍(wide QRS tachycardia)の鑑別
  7)心室細動(ventricular fibrillation)
  [この章のまとめ]

  付属資料 心電図健診判定マニュアル

執筆者一覧

  • 宇治武田病院健診センター所長 上嶋健治
ページの先頭へ