Annual Review 循環器2014
- 定価:
- 12,100円(本体価格11,000円+税)
在庫なし
書誌情報
| サイズ | B5判 |
|---|---|
| 頁 | 316頁 |
| ISBN | 978-4-498-13418-8 |
| 発行日 | 2014年01月23日 |
内容
序文
序
今年の秋のノーベル医学賞の発表に,日本人の名前はなかった.文学賞で期待されたM氏の名前もなく国内では盛り上がりに欠けた感がある.なぜか“日本人が2年連続紙で受賞することがない”というジンクスもあるようだ.5つの部門の歴代の日本の受賞者総数は18名だそうだ.医学生理学賞のみに限ると総受賞者数200人のうち,日本人はこれまで2名が受賞している.1987年の利根川進先生と,2012年の山中伸弥先生である.1900年代初頭には,日本人が発見したものでも,共同研究者であった外国人の手柄として持っていかれたこともしばしばだったようだ.
最多は米国の90,英国31,ドイツ15,フランス11,スエーデン8,と続き,ロシアも日本と同じ2つである.アジアでは中国にも韓国にも受賞者はいない.何故2つかというと,やはり110年の歴史の中で,日本からの英文医学論文が少ないためもあろう.10年ほど前,ACCの開会式で流れた歴代の循環器領域のノーベル賞受賞者をReviewしたビデオを見て感激したことがあり,制作した企業に確かめたら「本社で確かに制作して開会式会場で発表したが手には入らない」と言われた.やはりテーマの多くは,基礎的細胞生物学的な研究が多く,免疫,腫瘍,新規ウイルスなどの発見が続く.
循環器関連で個人的に記憶にあるものを示してみたい.1956年,クルナン,リチャーズ,ホルスマンらの心臓カテーテルと循環器の病理学的変化に関する発見(イヌ),1982年,サミュエルソン,ベリストローム,ベインらによる,プロスタグランジンの発見およびその研究,1998年の,ファーシュゴット,イグナロ,ムラドによる,循環器系における情報伝達としての一酸化窒素に関する発見(ウサギ,モルモット)の3つである.
わが国にはその他にもこの賞に匹敵する研究成果が多くある.心内刺激伝導系の発見や,心臓ナトリウム利尿ペプチド,エンドセリン,HMG-CoA,FK-506の発見などが候補にも挙がらないのは不思議で残念だ.その他日本人の名前を冠した血管炎,手術法,医療機器,診断指針,心エコー上のparameter,圧-容積関連指標,特殊な心筋症のtypeなど,素晴らしい先達者の偉業に触れるのも心が癒される.それらのoriginalityの高い発見のきっかけを知るのも重要な研究なのであろう.これらも引けを取らず素晴らしい発見だ.その発見のきっかけはChance favors the prepared mindだけではないだろう.
今回の“Annual Review循環器2014”に選ばれたテーマにも,Genome, Proteome, Epigenetics, miRNAによる発現調節,臨床では新しいガイドライン,心不全・心機能低下の治療最前線など,小児から心臓外科までの最新の情報が幅広く取り上げられている.必ずや読者の満足度を満たすものと確信する.
2013年12月
編集者一同