産科診療Q&A 一つ上を行く診療の実践
内容
序文
刊行にあたって
このたび,「産科診療Q&A 一つ上を行く診療の実践」を企画致しました.2014年4月に産婦人科診療ガイドライン産科編の2回目の改訂がされ,ガイドラインに基づく産科診療が広く普及して,産科診療の根幹をなしていると考えます.ガイドラインはその前書きにも,「標準的産科診断・治療法を示すこと」とされており,「80%以上の地域で実施可能な診断・治療法である」とも記載されています.現在知られている“best”な医療ではあるものの,見方を変えれば産婦人科医が妊産褥婦に提供すべき最低限の医療でもあります.
臨床医,特に高次医療施設に勤務している医師にとっては,このガイドラインより一つ上を行く診療を追及する必要がありますし,また妊産褥婦・社会からもこれを求められることがあります.そこで,それぞれの領域に精通した先生方,専門家の先生方にガイドラインでは対応できない診療の疑問・難問に対する回答・解説をQ&A形式で,執筆していただき本にまとめました.
対象となる読者は,産婦人科専門医レベルの産科診療に携わる医師を想定しています.本書はガイドラインではありませんので,その内容は文献等を参考にしながらも,必ずしも高いエビデンスレベルを求めるのではなく,識者の意見等を踏まえた専門家の経験を加味して,執筆していただいています.本書が,産婦人科専門医が行うガイドラインの一つ上を行く診療に役立つことを願っております.
2015年3月
順天堂大学医学部・大学院医学研究科産婦人科学講座教授
板倉敦夫
目次
目 次
A 妊娠の管理
Q1 妊娠前相談から妊婦健診まで,産婦人科医が行う栄養管理で留意する点は?
<幸村友季子>
Q2 卵子(胚)提供による妊娠に対する注意と管理法について教えてください.
<中林 靖,齋藤 滋,中林正雄>
Q3 妊娠中に発症した深部静脈血栓症の治療について教えてください. <杉村 基>
Q4 妊娠中のビタミンD欠乏症と妊娠予後について最新の知見を教えてください.
<成瀬勝彦>
B 胎児障害・形態異常に関する相談
Q5 妊娠初期の超音波検査でみられる異常について教えてください. <和田誠司>
Q6 NIPTを含む最新の出生前診断について解説してください. <三浦清徳,増崎英明>
Q7 妊娠中のMRI検査の胎児への影響について教えてください. <金川武司>
Q8 超音波検査でみえる胎児心臓の形がいつもと違います.どうすればよいでしょうか?
<山本祐華>
Q9 胎児先天性横隔膜ヘルニアを疑ったら,どのように診断を進めたらよいでしょうか?
<津田弘之>
Q10 妊婦健診で胎児水腫を認めます.どのように管理したらよいでしょうか?
<左合治彦>
Q11 超音波検査で胎児不整脈を認めます.どのように管理したらよいでしょうか?
<三好剛一,池田智明>
Q12 骨系統疾患の胎児診断と周産期管理がどのようにされているのか教えてください.
<室月 淳>
C 妊娠初期の異常・処置
Q13 頸管妊娠が疑われた場合の診断・治療はどうしたらよいでしょうか? <野平知良>
Q14 帝王切開瘢痕部妊娠の治療法を教えてください. <牧野真太郎>
Q15 採血検査で血小板が異常低値を示しました.診断・管理法について教えてください.
<渡辺 尚>
D 妊娠中期・後期・産褥期の異常・処置
Q16 妊娠中期胎児スクリーニング検査の要点を教えてください. <佐藤昌司>
Q17 臍帯異常の診断と妊娠・分娩に与える影響について教えてください. <長谷川潤一>
Q18 妊娠中期に胎胞形成や頸管長短縮を認めたら,どのような管理を行うべきでしょうか?
<米田 哲,米田徳子,齋藤 滋>
Q19 妊娠中期で胎盤が子宮口を覆っている妊婦への説明とその後の管理法
<谷垣伸治,小川浩平,関口将軌,左合治彦>
Q20 帝王切開既往妊婦が前置胎盤であったときの管理法を教えてください. <炭竈誠二>
Q21 妊娠中の高血圧に関する海外の分類およびその管理法について解説してください.
<大野泰正>
Q22 妊娠中に使用できる降圧薬が増えました.その使い分けと注意点を教えてください.
<五味陽亮,立花かほり,布施 彩,高木健次郎>
Q23 早産予防における黄体ホルモン療法について最近の動向を解説してください.
<太田 創,大槻克文>
Q24 子宮頸管縫縮術:経腟子宮頸管縫縮術から開腹子宮頸管縫縮術まで
<吉田 敦,増崎英明>
Q25 切迫早産・分娩管理中の常位胎盤早期剥離を疑う所見と施設レベル別の管理について教えてください. <大塩清佳,菅原準一>
Q26 切迫早産・前期破水妊婦の羊水感染に対する診断法について解説してください.
<牧 洋平,児玉由紀,鮫島 浩>
E 分娩の管理
Q27 諸外国における分娩誘発時の頸管熟化方法と我が国との違いは? <伊東宏晃>
Q28 NST(non-stress test)で判定不能なモニタリング(non-reassuring)を認めます.どうしたらよいでしょうか? <経塚 標,安田 俊,藤森敬也>
Q29 無痛分娩中の管理で注意すべき点とその対応について教えてください.
<金井雄二,海野信也>
Q30 鉗子遂娩術について教えてください. <亀井良政>
Q31 経腟分娩後の過多出血(PPH)に対する止血法と,その順序について解説してください.
<依藤崇志,板倉敦夫>
Q32 経腟分娩後出血が持続して凝血塊を形成しません.対処法を教えてください.
<大井豪一>
Q33 EXITの適応と手順について教えてください. <金杉知宣,菊池昭彦>
Q34 帝王切開中に子宮からの出血が止まりません.対処法を教えてください.
<松原茂樹>
Q35 帝王切開中の回収式自己血輸血について教えてください.
<森川 守,小林隆夫,水上尚典>
Q36 重症妊娠高血圧症候群で帝王切開を行う際の周術期管理の要点を教えてください.
<松永茂剛,関 博之>