周産期遺伝カウンセリングマニュアル 付録: 遺伝カウンセリング資料
- 定価:
- 6,600円(本体価格6,000円+税)
在庫なし
書誌情報
| サイズ | A4判 |
|---|---|
| 頁 | 164頁 |
| ISBN | 978-4-498-06076-0 |
| 発行日 | 2014年11月19日 |
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内容
わが国でも2013年4月より無侵襲的出生前診断(NIPT)が開始され、周産期分野における遺伝カウンセリングはより重要かつ慎重を期すべきものとしてクローズアップされるようになった。本書では、周産期において対象となるさまざまなケースの解説とカウンセリングで伝えるべき事項をまとめた。また本体から取り外せる付録として、カウンセリング時にクライエントへの説明に役立つ「カウンセリング資料」を収載した。
序文
序 文
2003年にヒトゲノム計画のシークエンス解析が完了し,その後のゲノム遺伝子領域の進歩はめざましいものがある.ゲノム研究は医療に応用され,飛躍的な成果を上げている.個々の遺伝子の機能研究は過去のものとなり,数十万種類に及ぶ遺伝子多型や数千〜数万種類の遺伝子の発現情報を体系的に解析することにより,疾患の発症メカニズムを解明することが可能になってきた.周産期領域においても,シークエンスの技術を応用し,母体血中のcell―free DNAを用いた無侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT)が,2011年10月に米国で開始され,すぐに世界中に広がった.わが国でも,2013年4月より臨床研究としてNIPTが開始された.また,超音波をはじめとする画像診断技術も進歩してきており,胎児について妊娠早期にわかる情報は著しく増えてきている.このような状況にあって遺伝子解析や超音波検査の結果がカップルの妊娠継続の判断に大きく影響することがあることから,倫理,社会的な側面から盛んに議論されている.
日本産科婦人科学会は2013年に「出生前に行われる遺伝学的検査および診断に関する見解」の改定版を発表した.そのなかには「出生前に行われる遺伝学的検査および診断には,胎児の生命にかかわる社会的および倫理的に留意すべき多くの課題が含まれており,遺伝子の変化に基づく疾患・病態や遺伝型を人の多様性として理解し,その多様性と独自性を尊重する姿勢で臨むことが重要」と記載している.また,2011年に日本医学会は「医療における遺伝学的検査・診断のガイドライン」を発表しており,そのなかで「出生前診断を行う場合には,適宜遺伝カウンセリングを行った上で実施する」と遺伝カウンセリングの重要性を強調している.
このように周産期分野では遺伝カウンセリングは必須のものとなってきており,さまざまな場面で遺伝カウンセリングを行う必要がある.本書は,周産期の遺伝カウンセリングで対象となる代表的なCASEをあげて,カウンセリングで伝えるべきことを解説している.また,遺伝カウンセリングではわかりやすい資料を使用することにより,クライエントの理解を深めることが重要であるが,本書では読者が臨床の場で使用できる「カウンセリング資料」を作成し,付録として添付している.臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーまたはその取得を目指すもの,産科医,新生児科医,小児科医,看護師,助産師,保健師,臨床心理士ならびに,メディカルソーシャルワーカーなどの医療関係者が本書を参考に,周産期遺伝カウンセリングについての理解を深めていただければ幸いである.
本書の発刊に際し中外医学社の中畑 謙氏,岩松宏典氏に多大なる尽力をいただきました.この場を借りて深謝いたします.
2014年11月吉日
関沢 明彦
佐村 修
四元 淳子
目次
目 次
1 総 論
A 周産期の遺伝カウンセリングの特徴 〈四元淳子〉
B 染色体と遺伝子について 〈佐村 修〉
C 家族歴の聴取方法 〈四元淳子〉
2 高年妊娠の遺伝カウンセリング 〈市塚清健,関沢明彦〉
3 染色体異常スクリーニング法
A 母体血清マーカー検査 〈長谷川潤一,関沢明彦〉
B 胎児後頸部浮腫(NT) 〈長谷川潤一,関沢明彦〉
C コンバインド検査 〈長谷川潤一,関沢明彦〉
D Cystic hygroma 〈仲村将光,関沢明彦〉
COLUMN 診断検査とスクリーニング(マーカー)検査 〈長谷川潤一,関沢明彦〉
4 常染色体数的異常
A 21トリソミー:ダウン(Down)症候群 〈白土なほ子,四元淳子〉
B 18トリソミー:Edwards症候群 〈白土なほ子,四元淳子〉
C 13トリソミー:Patau症候群 〈白土なほ子,四元淳子〉
5 性染色体数的異常
A ターナー(Turner)症候群 〈佐村 修〉
B クラインフェルター(Klinefelter)症候群 〈佐村 修〉
6 染色体構造異常
A 均衡型相互転座 〈佐村 修〉
B ロバートソン(Robertson)転座型ダウン症候群 〈佐村 修〉
C 過剰マーカー染色体(supernumerary marker chromosome)〈四元淳子〉
D 正常変異 〈四元淳子〉
E ロバートソン(Robertson)転座と不育症 〈佐村 修〉
F 22q11.2欠失症候群 〈滝 元宏,関沢明彦,佐村 修〉
G 染色体逆位 〈四元淳子〉
7 胎盤性モザイク(CPM) 〈四元淳子〉
8 染色体異常の検査法
A G分染法(G―banding) 〈兵頭麻希,佐村 修〉
B FISH法(fluorescent in situ hybridization)〈兵頭麻希,佐村 修〉
C 定量PCR法(quantitative fluorescent PCR:QF―PCR法)〈兵頭麻希,佐村 修〉
D マイクロアレイ検査 〈川嶋章弘,関沢明彦〉
E 次世代シークエンサー 〈川嶋章弘,関沢明彦〉
F 無侵襲的出生前遺伝学的検査(noninvasive prenatal testing:NIPT)〈関沢明彦〉
9 再発率:リスク計算問題と解説 〈白土なほ子,佐村 修〉
10 着床前診断 〈兵頭麻希,佐村 修〉
11 単一遺伝子疾患
A 筋強直性(緊張性)ジストロフィー(myotonic dystrophy:DM)〈児玉美穂,佐村 修〉
B マルファン(Marfan)症候群 〈四元淳子〉
C 周産期型低フォスファターゼ症 〈田中教文,佐村 修〉
D 軟骨無形成症(achondroplasia:ACH) 〈関沢明彦〉
E OTC欠損症(ornithine transcarbamylase deficiency)〈四元淳子〉
12 多因子性疾患
A 神経管閉鎖障害 〈市塚清健,関沢明彦〉
B 口唇・口蓋裂 〈松岡 隆,関沢明彦〉
C 遺伝性水頭症 〈市塚清健,関沢明彦〉
D 先天性心疾患 〈松岡 隆,関沢明彦〉
E 先天性消化管閉鎖 〈市塚清健,関沢明彦〉
COLUMN prenatal visit 〈市塚清健,関沢明彦〉
F Potter症候群 〈松岡 隆,関沢明彦〉
13 生殖補助医療と先天医療
A 顕微授精と先天異常発症率 〈近藤哲郎,関沢明彦〉
COLUMN 生殖補助医療と先天異常:Daviesら(2012)の報告〈近藤哲郎,関沢明彦〉
B 無精子症とY染色体微小欠失症候群 〈坂本美和,関沢明彦〉
索引
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