消化器外科腹腔鏡手術 免許皆伝 エキスパートから学ぶ技術認定取得のための3つのポイント
内容
日本内視鏡外科学会(JSES)の技術認定医試験合格のための必読書!
技術認定審査で評価の対象となる手技・項目,各臓器別の審査のポイント,「不合格」となる手技について,実際の動画を使って臓器ごとにエキスパートがわかりやすく解説した1冊.試験が終わってからもスキルアップに役立つ,内視鏡・腹腔鏡手術のエキスパートを目指す若手消化器外科医のための最強の1冊.
序文
序文
日本内視鏡外科学会技術認定制度は,「各学会の定める専門医制度とは異なり,(中略)内視鏡手術に携わる医師の技術を高い基準にしたがって評価し,後進を指導するにたる所定の基準を満たした者を認定する」制度である(日本内視鏡外科学会技術認定制度に関する規則より).本制度が制定された背景は,1990年代前半に我が国に導入された本術式が適応を拡大し普及していく中で,1990年代後半に内視鏡外科に起因した医療事故が散見されるようになったためである.このような時代背景の中,我が国における内視鏡外科の健全な普及と進歩を目的として,2004年に日本内視鏡外科学会により本制度が制定された.
本制度にて内視鏡外科の安全な普及がもたらされるようになってきたのと並行して,内視鏡外科に関する様々な基礎研究・臨床研究の結果が公表され,内視鏡外科の低侵襲性が明らかになるだけでなく,腫瘍学的安全性も実証され,当初は早期癌のみが適応であった内視鏡外科も進行癌や再発癌症例にも適応されるようになり,手術件数は飛躍的に増加した.大腸癌を例にとると,2021年の1年間では約90%の大腸癌手術が腹腔鏡下に行われている(日本内視鏡外科学会,編.内視鏡外科手術に関するアンケート調査 第16回集計結果報告).また低侵襲性や腫瘍学的安全性が評価されただけでなく,高画質の手術映像や手術機器の進歩も内視鏡外科の進歩に寄与したことは疑いの余地はない.
また近年では,技術認定取得は内視鏡外科医を目指す若手外科医の最大の目標となった.しかしながら各々臓器別に異なるものの,概ね20〜30%程度の合格率であり狭き門であるのは間違いない.現在まで様々な技術認定取得のための書籍が出版されているが,視点を変えて領域横断別に技術認定取得のポイントを記載した書籍を出版することにした.各々トライする領域は1つかもしれないが,他領域での合格へのポイントや手技の実際を学ぶことは技術認定取得のために役立つと考えている.また一般病院から技術認定取得を目指す若き外科医にとっては別の臓器の技術認定取得のポイントを理解し,「これならば私もできる!」と受験分野を変更するいい機会になるかもしれない.
これまで本書籍のように領域横断的に技術認定取得のポイントを記載した書籍はなく,この書籍を手に取った若手外科医が一歩でも技術認定取得に近づけることができたなら望外の喜びである.最後に無理難題をお願いしたにもかかわらず,本企画の趣旨にご賛同いただき書籍の執筆を快諾頂いた各領域のエキスパートの先生方,また本書を出版していただいた中外医学社編集部 笹形佑子様,企画部 上岡里織様に心より深謝致します.
令和5年6月
大分大学医学部消化器・小児外科学講座 教授
猪股雅史
目次
CONTENTS
Chapter 1 総論(共通基準) 戸田重夫 黒柳洋弥
I.手術の進行
II.術野展開
III.手術手技
IV.縫合結紮
Chapter 2 食道裂孔ヘルニア・GERD手術 柴田智隆
I.適応症例
II.手術前準備
III.手術手順
IV.手術手技の実際
V.技術認定落第・減点につながるピットフォール
Chapter 3 腹腔鏡下胃切除術 小嶋一幸
I.適応症例
II.手術前準備
III.手術手順
IV.手術手技の実際
V.技術認定落第・減点につながるピットフォール
Chapter 4 腹腔鏡下S状結腸切除術 渡邉利史 長谷川 傑
I.適応症例
II.手術前準備
III.手術手順
IV.実際の手技
V.技術認定落第・減点につながるピットフォール
Chapter 5 腹腔鏡下肝切除術 大目祐介 本田五郎
I.適応症例
II.手術前準備
III.手術手順
IV.手術手技の実際
V.技術認定落第・減点につながるピットフォール
Chapter 6 腹腔鏡下胆嚢摘出術 三澤健之
I.適応症例
II.手術前準備
III.手術手順
IV.手術手技の実際
V.技術認定落第・減点につながるピットフォール
Chapter 7 腹腔鏡下膵切除術 宮坂義浩 中村雅史
I.適応症例
II.手術前準備
III.手術手順
IV.手術手技の実際
V.技術認定落第・減点につながるピットフォール
Chapter 8 成人鼠径ヘルニア 江口 徹 藤井 圭 松村 勝
I.適応症例
[A.TEP法]
A-II.手術前準備
A-III.手術手順
A-IV.手術手技の実際
A-V.技術認定落第・減点につながるピットフォール
[B.TAPP法]
B-II.手術前準備
B-III.手術手順
B-IV.手術手技の実際
B-V.技術認定落第・減点につながるピットフォール