血液内科グリーンノート
内容
最高水準の診療をめざし,臨床現場で本当に必要な情報を凝縮したポケットマニュアル「グリーンノート」シリーズの血液内科編.血液内科の臨床研修で必須とされる厳選知識をミニマムに伝えながらも,内容は網羅的である.さらに最先端の情報にも触れ,知的好奇心も刺激される内容となっている.実臨床で活躍できる力が付く,新しい診療マニュアルである.
序文
序文
この度,血液診療の実践的なマニュアルである「血液内科グリーンノート」を発刊することになりました.血液疾患は多岐にわたり,急速な病態解析研究の進歩により,その疾患概念や診断,治療法は大きく変わってきました.このような中にあって,われわれ臨床医は絶えず最新の情報に基づいて,患者さんに対しては最善の治療を実践しなくてはなりません.こうした背景の中で,日常診療の現場で役立つ実践的な手引書として本書は企画されました.
本書は,埼玉医科大学三病院血液内科(大学病院,総合医療センター,国際医療センター)および慶應義塾大学病院血液内科において実際に行なわれている診療内容をベースに,多くの施設で広く実践できるようにさまざまな工夫をいたしました.血液疾患の診断に必要な血球の形態像や組織像,種々の画像所見をふんだんに取り入れ,多くの検査所見の解釈も具体的に記載しました.各疾患については「まとめ」に続いて簡潔な記述とともに,代表的な治療法については「処方例」として具体的に記述し,血液疾患の診断や治療法を具体的にわかりやすく記述するようにしました.また,巻末には代表的な造血器腫瘍の治療レジメンや体表面積換算表などを収めることで読者の便宜を図りました.
コンパクトでわかりやすく実践的なマニュアルを目指した本書ですが,執筆者が全力で立ち向かったために予定よりやや大部になってしまいました.ただ,その部分は,疾患の理解により役立つ内容や,日常診療でのちょっとした「コツ」のようなものが記載されており,読者の皆様のお役に立つことと確信しています.外来や病棟で血液診療の臨床の現場で忙しく活躍されている先生方に,本書が座右の書として愛され,そして活用されることを願っています.
最後に忙しい中に本書の執筆をお願いした先生方には心より御礼申し上げます.
2017年9月
第79回日本血液学会学術集会の
準備に追われつつ教授室にて
木崎 昌弘
目次
目 次
I.血液内科を目指す若い先生方へ
血液内科の勧め〈別所正美〉
II.血液疾患の診断に必要な形態アトラス
1.末梢血・骨髄塗抹標本〈三ツ橋雄之〉
2.骨髄生検〈百瀬修二〉
3.リンパ節生検アトラス〈増田 渉・田丸淳一〉
III.血液診療に必要な検査とその解釈
1.骨髄検査(穿刺,生検)〈石川真穂〉
2.リンパ節生検〈岡村大輔〉
3.フローサイトメトリー〈得平道英〉
4.染色体検査 (G-banding)/FISH検査〈前田智也〉
5.遺伝子検査〈前田智也〉
6.病態解析に必要なウイルス検査〈富川武樹・木崎昌弘〉
7.造血器腫瘍の画像診断〈本田憲業〉
8.止血検査〈横山健次〉
IV.主要な徴候の鑑別診断
1.発熱・不明熱〈木村勇太〉
2.リンパ節腫脹〈高橋直樹〉
3.貧血〈田中佑加〉
4.出血傾向〈田中佑加〉
5.白血球減少〈高橋康之〉
6.白血球増加〈高橋康之〉
V.造血器腫瘍に対して必要な治療総論
1.治療計画の立て方〈甲田祐也・岡本真一郎〉
2.抗がん剤と化学療法〈甲田祐也・岡本真一郎〉
3.造血幹細胞移植の実際と合併症対策〈雁金大樹・櫻井政寿・森 毅彦〉
4.放射線治療の計画の立て方と実践〈高橋健夫〉
5.感染症に対する対策〈富川武樹・木崎昌弘〉
6.安全で適正な輸血療法〈石田 明〉
7.造血器腫瘍治療時の患者ケア〈阿南朋恵・渡部玲子〉
8.Hematological emergencyへの対応
I▼腫瘍崩壊症候群〈菊池 拓〉
II▼脊髄腫瘤性病変についての対応(脊髄圧迫症候群)〈菊池 拓〉
III▼大量出血への対応〈山本晃士〉
VI.疾患各論
1.鉄欠乏性貧血(IDA)〈清水隆之〉
2.自己免疫性溶血性貧血(AIHA)〈清水隆之〉
3.巨赤芽球性貧血(MA)〈清水隆之〉
4.再生不良性貧血(AA)〈松田 晃〉
5.赤芽球癆(PRCA)〈松田 晃〉
6.発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)〈松田 晃〉
7.骨髄異形成症候群(MDS)〈松田 晃〉
8.急性骨髄性白血病(AML)〈麻生範雄〉
9.急性前骨髄球性白血病(APL)〈麻生範雄〉
10.急性リンパ性白血病(ALL)〈雁金大樹・加藤 淳〉
11.慢性リンパ性白血病(CLL)と類縁疾患〈雁金大樹・加藤 淳〉
I▼慢性リンパ性白血病(CLL)/小リンパ球性リンパ腫
II▼有毛細胞白血病(HCL)
12.慢性骨髄性白血病(CML)〈木崎昌弘〉
13.骨髄増殖性腫瘍(MPN)〈木崎昌弘〉
I▼真性多血症(PV)
II▼本態性血小板血症(ET)
III▼原発性骨髄線維症(PMF)
14.ホジキンリンパ腫(HL)〈得平道英〉
15.非ホジキンリンパ腫(NHL)〈得平道英〉
16.成人T細胞性白血病リンパ腫(ATL)〈田坂大象〉
17.多発性骨髄腫(MM)〈中村裕一〉
18.原発性マクログロブリン血症(WM)・原発性アミロイドーシス〈渡部玲子〉
I▼原発性マクログロブリン血症(WM)
II▼原発性アミロイドーシス
19.血球貪食症候群(HLH)〈渡部玲子〉
20.伝染性単核球症(IM)〈脇本直樹〉
21.慢性活動性EBウイルス感染症(CAEBV)〈脇本直樹〉
22.特発性血小板減少性紫斑病(ITP)〈宮川義隆〉
23.血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)〈宮川義隆〉
24.播種性血管内凝固症候群(DIC)〈横山健次〉
25.血友病〈山本晃士〉
26.von Willebrand病〈山本晃士〉
27.現場で役に立つ血栓症の診断と対応〈山本晃士〉
VII.実践に役立つ造血器腫瘍治療レジメン
1.急性骨髄性白血病(AML)〈多林孝之〉
2.急性前骨髄球性白血病(APL)〈多林孝之〉
3.急性リンパ性白血病(ALL)〈多林孝之〉
4.慢性リンパ性白血病(CLL)〈多林孝之〉
5.非ホジキンリンパ腫(NHL)〈多林孝之〉
6.ホジキンリンパ腫(HL)〈多林孝之〉
7.成人T細胞白血病・リンパ腫(ATL)〈多林孝之〉
8.多発性骨髄腫(MM)〈多林孝之〉
付録 体表面積換算表
索引