ケースから学ぶ血液疾患の薬物療法

定価:
7,260円(本体価格6,600円+税)

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書誌情報

書誌情報
サイズ A5判
404頁
ISBN 978-4-498-22554-1
発行日 2025年10月10日

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内容

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88のリアルケースが教える薬物療法の粋


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血液内科領域における薬物療法の実際を,初学者にも理解しやすく解説する指南書.
疾患理解や薬剤の基礎知識を踏まえつつ,減薬や有害事象対策,複数薬剤投与時のさじ加減といった現場で迷いやすいポイントを具体例とともに紹介します.


執筆陣の豊富な経験に裏打ちされた“生きた知恵”を凝縮し,ガイドラインやレジメンだけでは得られない実践知を提示.
88の厳選症例から学べる構成により,多様な病態や患者背景に応じた臨床のリアルを伝える一冊です.

序文



 近年,血液疾患,特に腫瘍性疾患に対する新規薬剤の開発が著しく進歩し,多数の薬剤が実用化されるとともに,既存薬剤との併用療法も多岐にわたってきている.これら新規薬剤を含んだ多くの治療レジメンも開発され,既存の治療法との比較試験などから得られたエビデンスに基づく治療ガイドラインが提唱されている.これらガイドラインは血液疾患治療に活用されているが,血液疾患の病態は多様であり,なにより既治療歴,併存症,全身状態などの患者病態のみならず社会的背景なども実臨床においては考慮しなければならず,ガイドラインに則した治療選択のみでは対応できない場面に遭遇することも多いかと思われる.また,同等の効果が期待できる複数の薬剤あるいは治療レジメンが存在している場合,実際の治療選択においては担当医の裁量に任されるところが多く,診療経験に基づいた判断がなされているのが実情ではないだろうか.
 本書は,実臨床において判断が求められることが多いと思われる場面において,血液専門医はどのように治療選択を行っているのかを紹介し日常診療での参考にしていただくことを期待して企画したものであり,必ずしもガイドラインに記載されている事項ではなく,執筆担当者の経験に基づくものも含まれていることにご留意いただきたい.
 本書においては,名古屋大学血液内科の5人の教員が各疾患領域の編集責任者として各領域での項目を設定し,名古屋大学血液内科関連病院の血液専門医が執筆を担当した.血液疾患の治療に戸惑うことの多い研修医,専攻医などにも参考となるように,日常臨床で行われる一般的な方針を示す内容となるよう努めたが,「名大流」と感じられる記載があればご容赦願いたい.
 最後に,血液疾患に限ったことではないが,医師の役割は病気だけを診るのではなく病気を患った患者を診ることである.得てして腫瘍性疾患の診療にあたる際は病気を治すことだけに注力しがちであるが,患者,家族にとっては冷たい医療と受け取られる場合があることを忘れないで欲しい.本書がエビデンスと経験を基にした暖かい血液疾患診療の一助になれば幸いである.

2025年8月
名古屋大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科学 教授
清井 仁

目次

目 次

CHAPTER I 急性白血病
 1 Fit若年成人AMLに対する寛解導入療法はIDR,DNRどちらを選ぶ? <尾関和貴>
 2 再発fit—AMLに対する再寛解導入療法は何を選ぶ? <石川裕一>
 3 FLT3—ITD陽性AMLに対する寛解導入療法でキザルチニブと併用する化学療法は何を選ぶ? <原田靖彦>
 4 キザルチニブ併用化学療法後再発FLT3—ITD陽性AMLに対する再寛解導入療法は何を選ぶ? <原田靖彦>
 5 挙児希望のあるfit FLT3—ITD変異陽性AMLに対してキザルチニブの併用はどうするか? <福島庸晃>
 6 60歳以上fit FLT3—ITD変異陽性AMLに対するキザルチニブ併用化学療法は減量するか? <福島庸晃>
 7 FLT3変異陽性fit CBF—AMLに対する治療方針はどうするか? <尾関和貴>
 8 CBF—AMLに対する地固め療法でのHDACの投与法はどうするか? <石川𥙿一>
 9 60歳未満fit治療関連/二次性AMLに対する治療法は何を選ぶ? <岩崎年宏>
10 70〜75歳のAMLに対する治療は何を選ぶ? <勝見 章>
11 AZA治療後MDS overt AMLに対する治療は何を選ぶ? <勝見 章>
12 VEN+AZA適応のAMLにおいて治療前白血球数高値例への対応はどうするか? <平野大希>
13 VEN+AZA療法の抗真菌薬予防投与はどうするか? <平野大希>
14 VEN+AZA療法で骨髄抑制が強い場合の減量はどうするか? <鈴木弘太郎>
15 VEN+AZA療法後のG—CSF使用はどうするか? <鈴木弘太郎>
16 APLに対する寛解導入療法時に分化症候群予防としてステロイド投薬を行うべきか? <西山誉大>
17 ATRA,タミバロテン,ATOすべてに耐性/不耐容APLに対する治療はどうするか? <西山誉大>
18 再発B—ALLに対する治療はどうするか? <稲垣裕一郎>
19 維持療法を継続できないALL症例に対するその後の治療選択はどうするか? <稲垣裕一郎>
20 高齢者Ph+ALLに対する治療はどうするか? <西脇聡史>
21 ポナチニブ無効のPh+ALLに対する治療はどうするか? <西脇聡史>
22 若年者T—ALLに対する治療はどうするか? <早川文彦>
23 妊娠合併急性白血病への対応はどうするか? <小林美希>
24 急性白血病患者への緩和ケアはどうするか? <木原里香>

CHAPTER II 悪性リンパ腫
 1 濾胞性リンパ腫に対する抗CD20抗体医薬+ベンダムスチン療法後の維持療法はどうするか? <山家佑介>
 2 若年の形質転換濾胞性リンパ腫に対して自家末梢血幹細胞移植併用大量化学療法を行うか? <久納俊祐>
 3 CD5陽性DLBCLに対する初回導入化学療法はDA—EPOCH—R療法かPola—R—CHP療法か? <山家佑介>
 4 初発時に中枢神経系+全身性に病変があるDLBCLに対する初回治療はどうするか? <村?篤史>
 5 肝機能障害のあるDLBCLに対する初回治療はどうするか? <久納俊祐>
 6 維持透析中のDLBCLに対する初回治療はどうするか? <入山智沙子>
 7 心機能の低下したDLBCLに対する初回治療はどうするか? <入山智沙子>
 8 縦隔原発大細胞型B細胞リンパ腫に対する初回化学療法はDA—EPOCH—R療法かR—CHOP療法+RTか? <満間綾子>
 9 若年者高悪性度B細胞リンパ腫に対する初回治療レジメンは何を選択するか? <齊藤繁紀>
10 再発B—MLに対してCAR—T細胞療法か二重特異性抗体か? <島田和之>
11 移植適応マントル細胞リンパ腫に対する初回治療レジメンは何を選択するか? <齊藤繁紀>
12 慢性リンパ性白血病に対するBTK阻害薬をどのように使い分けるか? <青木智広>
13 原発性マクログロブリン血症に対するBTK阻害薬をどのように使い分けるか? <倉橋信悟>
14 再発・難治性末梢性T細胞リンパ腫に対する治療は単剤療法か多剤併用療法か? <鈴木康裕>
15 CD30陽性T濾胞ヘルパー細胞リンパ腫に対する初回治療はCHOP療法かBV+CHP療法か? <鈴木康裕>
16 限局期予後良好群cHLに対する化学療法は何コース行うか? <?木雄介>
17 限局期予後不良群cHLに対する化学療法は何コース行うか? <?木雄介>
18 化学療法中に開始したアシクロビルの予防内服はいつまで続けるか? <満間綾子>

CHAPTER III 骨髄増殖性腫瘍
 1 糖尿病,心血管系合併症を有する高齢CML—CP症例におけるTKIの選択肢はどうするか? <小島由美>
 2 TKI長期投与CML患者における副作用モニタリングはどう行うか? <小島由美>
 3 いずれの分子標的薬でもMMR以上の奏効が得られないCML—CP症例の治療はどうするか? <梶口智弘>
 4 STOP—TKIを希望した患者や,やむを得ずTKIを中止した患者のフォローアップはどうするか? <梶口智弘>
 5 CML—CP症例において同種造血幹細胞移植は選択されるか? <小澤幸泰>
 6 真性多血症における治療はいつ,どうするか? <加藤智則>
 7 若年者のETにおける治療目標および治療方針はどうするか? <上田格弘>
 8 二次性骨髄線維症への移行を疑うポイント,生検のタイミング,治療はどうするか? <加賀谷裕介>
 9 若年者の原発性骨髄線維症に対する初期治療および治療方針はどうするか? <加賀谷裕介>
10 挙児希望のあるBCR::ABL1陰性MPN症例の治療はどうするか? <牛島洋子>
11 JAK2 V617F変異陰性,EPO低値で二次性赤血球増多症の原因となる病歴のない赤血球増多症のマネジメントはどうするか? <牛島洋子>

CHAPTER IV 多発性骨髄腫
 1 自家移植後再発MMに対する再移植は行うか? <倉橋信悟>
 2 自家移植後MMに対する維持療法の選択と治療期間はどうするか? <井本直人>
 3 MMに対するBCMA—CARの適応は? <古川勝也>
 4 自家移植非適応MMに対する,DLd療法とD—MPB療法はどう使い分けるか? <井本直人>
 5 Until PDの治療中にMRD陰性化が確認されたMMでは治療終了してもよいか? <山本秀行>
 6 MRD陰性から陽転化したMMに対しては再発として治療開始すべきか? <山本秀行>
 7 初回治療DLd療法やD—MPB療法後に再発したMMに対する次治療は何を選択するか? <古川勝也>
 8 レブラミド,ボルテゾミブ耐性MMに対する治療はどうするか? <梅村晃史>
 9 ダラツムマブとイサツキシマブはどう使い分けるか? <平賀潤二>
10 二重特異性抗体薬が適応となるMM症例は? <平賀潤二>
11 維持透析実施中MMの治療はどうするか? <村?篤史>
12 高リスクのくすぶり型骨髄腫に対する治療介入はどうするか? <小杉浩史>
13 骨病変を伴うMMにおける骨関連事象の予防はどうするか? <小杉浩史>
14 IMiDs使用中の皮疹への対応はどうするか? <徳山清信>
15 カルフィルゾミブ投与中の心血管毒性はどのようにフォローするか? <梅村晃史>
16 カルフィルゾミブ,イキサゾミブ加療中のアシクロビルの予防内服はどうするか? <丹下直幸>
17 MGRSのフォローアップと治療開始判断はどうするか? <上田格弘>
18 ALアミロイドーシスの治療方針はどうするか? <久納俊祐>
19 MMにおける染色体異常に応じた治療薬の選択はどうするか? <丹下直幸>

CHAPTER V 造血細胞移植
 1 女性ドナーと男性ドナーのどちらを選ぶか? <後藤辰徳>
 2 非寛解期移植の際のドナー選択はどうするか? <後藤辰徳>
 3 新規免疫療法登場後のB—ALLに対する同種造血幹細胞移植の適応をどう考えるか? <宮尾康太郎>
 4 慢性GVHDに対する治療タイミングと治療選択はどうするか? <稲本賢弘>
 5 バンクドナー,臍帯血,血縁HLA半合致のドナーの選択はどうするか? <寺倉精太郎>
 6 移植後再発症例に対する再移植はどのように判断するか? <今橋伸彦>
 7 GVHD予防法について,これからの時代のPT—CY,MTX,MMFの使い分けをどうするか? <宮尾康太郎>
 8 急性GVHDの二次治療はどうするか? <稲本賢弘>
 9 同種造血幹細胞移植後のワクチン接種はどのように行うか? <加賀谷裕介>
10 親族がHLA半合致ドナーとなりうる確率はどのくらいか? <竹内裕貴>
11 移植前の併存症評価の重要なポイントは何か? <森下喬允>
12 中枢神経系病変に同種免疫効果は期待できるか? <葉名尻 良>
13 移植経過中に特に注意すべき薬剤有害事象は何か? <今橋伸彦>
14 移植後分子標的維持療法の適応と期間はどうするか? <森下喬允>
15 白血病以外の疾患でどのような場面で移植を考えるか? <葉名尻 良>
16 移植後肺合併症の早期発見に向けて,どのようなフォローアップが望ましいか? <佐藤貴彦>

索引

執筆者一覧

  • 名古屋大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科学 教授 清井 仁 編集
  • 愛知県厚生農業協同組合連合会 江南厚生病院 血液・腫瘍内科 代表部長 尾関和貴
  • 名古屋大学大学院医学系研究科 血液・腫瘍内科学 講師 石川裕一
  • 愛知県厚生農業協同組合連合会 豊田厚生病院 血液内科 医長 原田靖彦
  • 愛知県厚生農業協同組合連合会 江南厚生病院 第一血液・腫瘍内科 部長 福島庸晃
  • 岡崎市民病院 血液内科 統括部長 岩崎年宏
  • 国立長寿医療研究センター 血液内科 部長 勝見 章
  • 国立病院機構名古屋医療センター血液内科 病院医長 平野大希
  • 地域医療機能推進機構可児とうのう病院 内科(血液) 部長 鈴木弘太郎
  • 一宮市立市民病院 血液内科 部長 西山誉大
  • 愛知県厚生農業協同組合連合会 安城更生病院 血液・腫瘍内科 稲垣裕一郎
  • 名古屋大学医学部附属病院 先端医療開発部 講師 西脇聡史
  • 名古屋大学大学院医学系研究科 総合保健学専攻 細胞遺伝子情報科学 教授 早川文彦
  • 日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院 血液・腫瘍内科 副部長 小林美希
  • 愛知県厚生農業協同組合連合会 江南厚生病院 緩和ケア内科 部長 木原里香
  • 一宮市立市民病院 血液内科 医長 山家佑介
  • 大垣市民病院 血液内科 医長 久納俊祐
  • 小牧市民病院 血液内科 部長 村瀬篤史
  • 藤田医科大学 血液内科学 准教授 入山智沙子
  • 名古屋大学医学部附属病院 化学療法部 病院講師 満間綾子
  • 日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院 血液・腫瘍内科 副部長 齊藤繁紀
  • 名古屋大学医学部附属病院 血液内科 講師 島田和之
  • Division of Medical Oncology and Hematology, Princess Margaret Cancer Centre, University Health Network 青木智広
  • 豊橋市民病院 血液・腫瘍内科 部長 倉橋信悟
  • 国立病院機構名古屋医療センター 血液内科 病院医長 鈴木康裕
  • 大垣市民病院 血液内科 医長 高木雄介
  • 名古屋掖済会病院 血液内科 副院長 小島由美
  • 公立陶生病院 血液・腫瘍内科 主任部長 梶口智弘
  • 岐阜県立多治見病院 血液内科 部長 小澤幸泰
  • トヨタ記念病院 血液内科 科部長 加藤智則
  • 小牧市民病院 血液内科 部長 上田格弘
  • 日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院 血液内科 副部長 加賀谷裕介
  • 名古屋大学医学部附属病院 血液内科 病院講師 牛島洋子
  • 豊橋市民病院 血液・腫瘍内科 副部長 井本直人
  • 名古屋大学医学部附属病院 血液内科 病院助教 古川勝也
  • トヨタ記念病院 血液内科 医長 山本秀行
  • トヨタ記念病院 血液内科 医長 梅村晃史
  • 愛知県厚生農業協同組合連合会 豊田厚生病院 血液内科 平賀潤二
  • 大垣市民病院 血液内科 部長 小杉浩史
  • 藤田医科大学病院 血液・細胞療法科 助教 徳山清信
  • 日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院 血液・腫瘍内科 医長 丹下直幸
  • 日本赤十字社愛知医療センター名古屋第一病院 輸血部 部長 後藤辰徳
  • 愛知県厚生農業協同組合連合会 安城更生病院 血液・腫瘍内科 血液細胞療法部長 宮尾康太郎
  • 藤田医科大学医学部 造血細胞移植・細胞療法学 教授 稲本賢弘
  • 名古屋大学医学部附属病院 血液内科 講師 寺倉精太郎
  • 国立病院機構名古屋医療センター 血液内科 病院医長 今橋伸彦
  • 日本赤十字社愛知医療センター 名古屋第一病院 血液内科 竹内裕貴
  • 藤田医科大学医学部 造血細胞移植・細胞療法学 准教授 森下喬允
  • 名古屋大学医学部附属病院 血液内科 助教 葉名尻 良
  • 名古屋大学医学部附属病院 血液内科 助教 佐藤貴彦
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