Annual Review 血液2014
- 定価:
- 10,780円(本体価格9,800円+税)
在庫なし
書誌情報
| サイズ | B5判 |
|---|---|
| 頁 | 240頁 |
| ISBN | 978-4-498-12580-3 |
| 発行日 | 2014年01月29日 |
内容
序文
序
Annual Review血液学2014年版が刊行される事となった.
1999年版から新しい編集陣によるAnnual Review血液学の刊行が行われるようになった.編集委員の方々のご尽力によって,2014年版でも血液学のAnnual Reviewにふさわしい新しい興味あるテーマが数多く取り上げられ,その内容を研究や臨床の第一線にある専門の方々に解説していただく事ができた.その一部をご紹介すると,造血幹細胞の項では田久保圭誉氏の「造血幹細胞の代謝特性」,片岡圭亮氏らによる「慢性骨髄性白血病由来iPS細胞を用いた病態解析」,豊嶋崇徳氏による「急性GVHDの分子病態とバイオマーカー」に興味がもたれた.赤血球系の項では長年PNHを研究されてこられた木下タロウ氏らによる新知見の御紹介を是非読ませていただきたい.又,臼杵憲祐氏の「エルトロンボパグによる再生不良性貧血の治療」も注目される.骨髄系の項では小川誠司氏による「急性骨髄性白血病におけるクローン進化」は全ゲノムの解析が近年の大きな話題になっているのでその流れを紹介して頂けるものと期待される.牧島秀樹氏による「骨髄異形成症候群/骨髄増殖性腫瘍における機能獲得型体細胞性SETBP1変異」も興味ある課題である.平瀬主税氏らによる「第三世代チロシンキナーゼ阻害薬ポナチニブの有効性と安全性」,大屋敷一馬氏の「骨髄異形成症候群のリスク別治療方針と新薬の動向」からは臨床的に有用な情報が提供されるであろう.リンパ球系の項でも都築 忍氏らの「Burkitt lymphomaの遺伝子変異」は現在話題となっているテーマである.又,清水一之氏の「多発性骨髄腫治療の最新動向」は臨床的なテーマであり,大嶺 謙氏の「キメラ抗原受容体発現T リンパ球によるB細胞性腫瘍の養子免疫遺伝子療法」も最近話題となっている遺伝子治療である.血小板系の項では松原由美子氏の「線維芽細胞から巨核球・血小板への direct conversion」が,又,凝固線溶系では浦野哲盟氏らの「プラスミノゲンレセプター」に興味がもたれた.その内容を期待したい.
これらの紹介は何れも題名だけから,私が興味を持った論文であり,実際にはAnnual Review 血液2014年版に載せられている全てのテーマで興味深い新しい知見が紹介される事が各々の題名から強く期待される.
わが国には従来Annual Reviewのような Review誌がなかった.その意味でこのシリーズが始まった事は画期的な事であり,そのためもあって創刊以来好評で毎年多くの方々に読んでいただいてきた.編集委員,執筆に当たられた方々,中外医学社の方々のおかげで本年も従来と同じように,良いタイミングで2014年版を出版する事ができた.2014年版の完成にご協力くださった各執筆者の先生方にこの場をおかりして心からの御礼を申し上げたい.
本年版の内容も例年の版と同様,血液学の基礎・臨床両面にわたって新しい進展を紹介する充実した内容のものとなっており,読者の方々からのご期待に十分こたえ得たと信じている.最後に,監修者として今までの版と同様にこの2014年版が血液学に興味を持つ多くの方々に愛読していただける事,又この Reviewを続ける事によって血液学に興味をもつ若い人たちがわが国で増える事を強く期待している.
2013年12月
日本医学会会長 高久史麿