EBM血液疾患の治療2013-2014
- 定価:
- 14,300円(本体価格13,000円+税)
在庫なし
書誌情報
| サイズ | B5判 |
|---|---|
| 頁 | 594頁 |
| ISBN | 978-4-498-12576-6 |
| 発行日 | 2012年11月01日 |
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内容
血液疾患における諸問題をいかに解決し,対応すべきか,最新のエビデンスをもとに解説したレファランス.今日の血液疾患診療の指針となる書である.
序文
序
この度,「EBM血液疾患の治療」を3年ぶりに改訂し出版することとなった.本書は,2009年10月に刊行した前版より編集者を一新し,新たな体制で血液疾患の日常診療で遭遇する種々の疑問に対し,最新のエビデンスを持って答える書として多くの診療の現場で受け入れられてきた.
しかしながら,この間の血液診療の進歩は目覚ましいものがある.分子標的治療薬を中心とする多くの新規治療薬が臨床の現場に導入され,これらの薬剤を用いた大規模な臨床試験が実施された結果,多くの血液疾患に対する標準的な治療法も大きく変わろうとしている.さらに,血液疾患は他のどの分野の疾患よりも分子レベルでの病態解析の進歩が早く,これらの結果が,疾患の分類,診断や予後に及ぼす影響も大きい.このように進歩の速い血液疾患に関する膨大な情報を,日常業務の多忙な臨床医がすべて把握することは極めて困難である.とは言え,われわれ臨床医は最新の情報をcatch―upし,その時々の最も高いエビデンス(科学的根拠)を有する治療を患者に提供しなくてはならない.患者の状態を正確に把握し,的確な診断と科学的根拠に基づいた治療法を選択し,ベストな医療を実践するのは臨床医の責務である.
本書は,血液疾患に対する日常診療の中で,このような科学的根拠に基づく医療,すなわちEBM(evidence―based medicine)を実践するために企画された.造血障害,造血器腫瘍(白血病,悪性リンパ腫,多発性骨髄腫),出血・血栓疾患,支持療法・輸血および造血幹細胞の領域において,当然知っておくべき疾患から判断に迷う状況まで,様々な項目を4名の編者がピックアップし,その領域におけるわが国のトップランナーの先生方に執筆をお願いした.年次ごとに進歩するエビデンスを基に,豊富な臨床経験を有する筆者により,現時点での最もup―dateな血液診療の実践書が本書である.わが国においては,とかくdrug lagの問題がとりざたされることが多い.新規治療薬の承認は早くなったとはいえ,欧米では標準的な治療がわが国では保険診療上できないことも多い.本書では,その点も考慮し,EBMを実践するための根拠に対し,その問題点と本邦で実践するための注意点に関しても豊富な経験を有するエキスパートが丁寧に解説し,より実践的な書籍となっている点が大きな特徴である.
本書がダイナミックに変化する血液疾患のEBMを正確に把握し,実践するために,多くの臨床医の先生方やともにチーム医療を担う医療者の座右の書となり活用されることを期待している.最後に,お忙しい中に本書を執筆いただいた先生方に心より御礼申し上げたい.
2012年9月
編者
目次
目 次
I.造血障害
1 .再生不良性貧血―非重症例の治療を中心に 〈中尾眞二〉
2 .MDS の病態と予後因子 〈脇本直樹 松田 晃
3 .低リスクMDS の治療方針 〈鈴木隆浩〉
4 .高リスクMDS の治療方針 〈渡邊光正〉
5 .MDS に対する新規治療薬の適応と治療成績 〈原田結花 原田浩徳〉
6 .MDS に対する同種造血幹細胞移植の適応と治療成績 〈石川隆之〉
7 .発作性夜間血色素尿症に対する治療方針 〈西村純一〉
II.白血病
A .急性骨髄性白血病(AML)
1 .正常核型AMLの遺伝子異常と予後 〈清井 仁〉
2 .初発AML の治療方針 寛解導入療法について 〈宮脇修一〉
3 .AML における寛解後療法の選択 〈大竹茂樹〉
4 .高齢者AMLの治療方針 〈猪口孝一〉
5 .再発・難治AMLの治療方針 〈藤田浩之〉
6 .MDS から移行したAMLの治療 〈門間文彦 片山直之〉
7 .第1 寛解期AMLに対する造血幹細胞移植の適応 〈南谷泰仁〉
8 .AMLに対する分子標的療法の可能性 〈宮崎泰司〉
B .急性前骨髄球性白血病(APL)
1 .初発APLの治療方針 〈品川克至〉
2 .APL に対する維持療法 〈麻生範雄〉
3 .再発APLの治療方針 〈恵美宣彦〉
4 .APL分化症候群の病態と治療 〈永井純正〉
5 .APLに合併するDICの治療 〈藤田真也 野村昌作〉
C .急性リンパ性白血病(ALL)
1 .Ph陽性ALLの治療方針 〈秋山秀樹〉
2 .Ph陰性ALLの治療指針 〈八田善弘〉
3 .思春期ALLの治療方針 〈堀部敬三〉
4 .再発・難治ALLの治療方針 〈水田秀一〉
5 .T 細胞性ALLの治療方針 〈多林孝之〉
D .慢性骨髄性白血病(CML)
1 .初発CML‒CPの治療方針 〈薄井紀子〉
2 .TKIによるCML治療のモニタリングと予後予測 〈高橋直人〉
3 .イマチニブ投与中止の可能性 〈木崎昌弘〉
4 .イマチニブ抵抗性・不耐容の慢性期CMLに対する治療方針 〈田中宏和 松村 到〉
5 .移行期/急性転化CMLの治療方針 〈川口辰哉〉
6 .CML 治療における造血幹細胞移植の位置づけ 〈神田善伸〉
7 .CML に対する新規治療法の開発状況 〈吉村麻里子 木村晋也〉
E .骨髄増殖性腫瘍(MPN)
1 .真性赤血球増加症の治療方針 〈松永卓也 今滝 修〉
2 .本態性血小板血症の治療方針 〈桐戸敬太〉
3 .原発性骨髄線維症の治療方針 〈岡村 孝〉
4 .慢性好酸球増加症の病態と治療 〈岡部聖一 大屋敷一馬〉
5 .MPN に対する分子標的療法の可能性 〈亀田拓郎 下田和哉〉
III.リンパ系腫瘍
A .慢性リンパ性白血病(CLL)
1 .初発CLLの治療方針 〈宮崎寛至 鈴木憲史〉
2 .CLLに対する新規治療法 〈青木定夫〉
3 .CLL類縁疾患の治療 〈待井隆志〉
B .濾胞性リンパ腫・マントル細胞リンパ腫
1 .濾胞性リンパ腫に対するリツキシマブ維持療法 〈岡本昌隆〉
2 .再発した濾胞性リンパ腫の初回救援治療 〈近藤英生〉
トピックス 十二指腸原発濾胞性リンパ腫の治療は必要か? 〈近藤英生〉
3 .マントル細胞リンパ腫の治療方針 〈千原 大〉
C .びまん性大細胞型B細胞リンパ腫
1 .びまん性大細胞型B細胞リンパ腫で,R‒CHOP療法を凌駕する方法はあるか? 〈木下朝博〉
トピックス CD5陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫は,CD5陰性のものと異なる方針をとるべきか? 〈木下朝博〉
2 .びまん性大細胞型B細胞リンパ腫に対する中間PETを用いた治療の層別化 〈伊豆津宏二〉
トピックス 精巣原発びまん性大細胞型B 細胞リンパ腫はどこまで治療すべきか? 〈伊豆津宏二〉
V.出血・血栓性疾患
1 .ITPの治療指針 〈冨山佳昭〉
2 .難治性ITPに対する新規治療薬による治療 〈宮川義隆〉
3 .血友病に対する治療 〈天野景裕〉
4 .von Willebrand病の治療 〈松下 正〉
5 .DICに対する治療指針 〈朝倉英策〉
6 .抗リン脂質抗体症候群 〈藤枝雄一郎 渥美達也〉
7 .TTP/HUSに対する治療 〈松本雅則〉
8 .ヘパリン起因性血小板減少症に対する治療 〈尾崎由基男〉
9 .深部静脈血栓症に対する対策と治療 〈松井英人 杉本充彦〉
VI.支持療法・輸血
1 .骨髄不全症に対するG‒CSFの適応と至適投与 〈臼杵憲祐〉
2 .血液疾患における貧血に対するEPO治療の可能性 〈小松則夫〉
3 .造血器腫瘍治療における輸血療法の適応 〈室井一男〉
4 .鉄代謝と輸血後鉄過剰症に対する治療方針 〈生田克哉 高後 裕〉
5 .輸血関連急性肺障害の予防と治療 〈池淵研二〉
6 .予防的抗菌薬・抗真菌薬の適応 〈吉田 稔〉
トピックス ニューモシスチス肺炎の予防はどのような患者に必要か? 〈吉田 稔〉
7 .発熱性好中球減少症の治療指針 〈木村俊一〉
8 .侵襲性真菌感染症の治療 〈秋山 暢〉
9 .造血器腫瘍治療におけるウイルス感染症に対する診断と治療 〈矢野真吾〉
VII.造血幹細胞移植
1 .HLA1抗原不適合血縁者間移植とHLA適合非血縁者間移植の優劣 〈諫田淳也〉
2 .HLA抗体を有する患者に移植を行う際の考慮 〈吉原 哲〉
3 .フルダラビンを用いた様々な移植前処置の役割 〈皆川健太郎〉
トピックス 移植前処置におけるATGの適切な投与量は? 〈皆川健太郎〉
4 .急性GVHD に対する治療方針 〈高見昭良〉
5 .サイトメガロウイルス感染に対する対策 〈竹中克斗〉
6 .同種造血幹細胞移植後の二次発がんに対するスクリーニング 〈熱田由子〉
7 .慢性GVHDの治療方針 〈森 毅彦 菊池 拓〉
8 .移植後再発に対する治療方針 〈賀古真一〉
索 引