こういうことだったのか!!CHDF Ver.2

定価:
2,750円(本体価格2,500円+税)

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書誌情報

書誌情報
サイズ A5
172頁
ISBN 978-4-498-06699-1
発行日 2026年09月25日

内容


CHDFを理解し使いこなすための最良の1冊
「はじめてCHDFを理解できた!」と大好評の本書が約8年ぶりの大改訂!
CHDFを構成する透析原理とろ過原理の仕組みをさらに分かりやすく解説,CHDFが取り入れられてきた歴史的経緯も整理し,より深い理解を求める読者のために大きくパワーアップした.「非常にパワーのある補助療法」であるCHDFを俯瞰的に理解するための最良の1冊である.

序文

こういうことだったのか!! CHDF Ver.2 発刊によせて

 筆者の医療者としての歩みは,国内で急性血液浄化が盛り上がりはじめた時期とほぼ重なります.救急・集中治療関連学会では,血液浄化関連のテーマが最も注目を集めていました.ランチョンセミナーでも,複数の血液浄化関連企業が競うようにスポンサーとなり,自社製品をアピールしていました.
 いま振り返ると,当時,ごく一部の医療者を除き,急性血液浄化の仕組みを正確に理解している医療者は非常に少なかったと思います.筆者も,まったく理解できていない一人でした.CHDFによる炎症性サイトカイン除去を熱く語る書籍はありましたが,「一般医療者にもわかるように」,系統立ててその仕組みを解説する書籍は皆無でした.正確とは言えない解説をする書籍もありました.幸い筆者は,同僚の臨床工学技士や血液浄化関連会社の社員などから,多くの知識を学びました.医療現場で悩みながら経験を積むなかで,自身の知識が少しずつ系統化されていくのを感じました.
 医師だけでなくメディカルスタッフも含めた多くの医療者に急性血液浄化を理解して欲しい,急性血液浄化の楽しさも伝えたい,そのように考え,苦労して構築した急性血液浄化の知識をまとめたのが,『こういうことだったのか!! CHDF』の初版です.幸い,「はじめてCHDFを理解できました」といった感想を多くいただきました.筆者にとって,思い入れの深い一冊です.
 医療はいずれの分野においても,過去の試行錯誤の上に成り立っています.過去の試行錯誤を理解することが,現在の医療を深く理解することにつながります.急性血液浄化分野も,過去の多くの試行錯誤の上に成り立つ分野です.Ver.2では,急性血液浄化分野における過去の取り組みや試行錯誤についても,大きくページを割いて整理しました.
 本書が,現在の急性血液浄化を俯瞰的に理解する一助となることを望みます.

2026年8月
小尾口邦彦

目次

目 次

CHAPTER 01 CHDFについて理解してもらいたいと思った理由

CHAPTER 02 本書を読み進める前の言葉の整理
 AKIとARF
 RRTとKRT
 透析という言葉
 CKRT
 6種類のKRT
 日本において最もポピュラーであるCHDF

CHAPTER 03 拡散とは?ろ過とは?半透膜とは?
 水にしょうゆを垂らすと……
 なぜ全体が均一濃度になるのか?
 拡散原理の対象となる小分子
 半透膜とは
 しょうゆの一部を,半透膜を用いて捨てる方法
 しょうゆより“重い(分子量が大きい)”物質であれば
 しょうゆでなく,かんてんならどのように「捨てる」??
 血液浄化・ろ過原理においてターゲットとなる中分子
 半透膜通過には2つのパターンがあることを明確に理解する

CHAPTER 04 ヘモフィルターとは?
 中空糸は半透膜でもある
 ヘモフィルターの構造
 対向流

CHAPTER 05 CHD(除水なし)
 CHD血液流量6000mL/時・透析液流量500mL/時は何を意味するのか?
 CHDパフォーマンスをシミュレーションしてみよう
 ざっとパフォーマンスをイメージできるようになろう
 血液流量を変えると……
 CHDの血液流量を下げてもあまりパフォーマンスは低下しない
 血液流量を減らしてもCHDのパフォーマンスはある程度保たれることを利用しよう
 CHDとHD(透析室で行う血液透析)は世界が全く違う
 HDは能力が高いとも言えるし過激とも言える
 CHDは能力が低いとも言えるし優しいとも言える

CHAPTER 06 CHF
 CHF血液流量6000mL/時・排液流量(ろ液流量)500mL/時は何を意味するのか?
 CHFパフォーマンスをシミュレーションしてみよう
 CHFパフォーマンスは計算いらず
 ざっとパフォーマンスをイメージできるようになろう
 CHFと血液流量
 後希釈と前希釈と前後希釈

CHAPTER 07 CHD(除水あり)
 CHD(除水あり)のパフォーマンス
 気楽にCHD(除水あり)パフォーマンスを意識できるようになろう
 誤解・混乱を招くろ液ポンプ名称

CHAPTER 08 CHDF
 日本におけるゴールドスタンダードCHDF設定
 設定7のパフォーマンス
 誤解を招く「ろ液ポンプ」名称
 補液ポンプの役割は?

CHAPTER 09 CHD・CHF・CHDFの効率比較
 CHD・CHF・CHDFのパフォーマンスを比較するための条件設定
 小分子クリアランスの比較
 中分子クリアランスの比較
 必ずCHFを選択すればよいのか?
 どのような状況においてCHDFを使用するのか?

CHAPTER 10 CKRT血液系回路にはストーリーがある

CHAPTER 11 CKRT液系回路はシンプルで広い1個のスペース
 液系
 中空糸外スペースとは
 理論的には透析液はいくらでも増やせる

CHAPTER 12 CKRT練習問題

CHAPTER 13 CKRTの歴史を知ればみえてくるろ液ポンプ・ろ過圧名称の謎
 CKRTはCHFからスタートした
 CHDF対応CKRT機器登場
 ろ過圧
 混乱を招く「補充液」「透析液」名称
 今も残るCHF黎明期の足跡

CHAPTER 14 CKRT圧解釈
 CKRT回路正常圧
 CKRTで測定される圧と計算表示される圧
 脱血圧
 血液系回路の陽圧部分の圧形成
 液系回路の圧形成とTMPの考え方
 CKRT回路圧の経時的観察のすすめ
 トラブルへの対処方法

CHAPTER 15 CKRTとIKRTの違いがわかればみえてくる
 ダイアライザー・ヘモフィルター・ヘモダイアフィルター
 IKRTに用いられるシャントとは
 CKRT・IKRTに用いられるバスキュラーアクセスカテーテル
 逆接続
 透析液の作り方
 施行時間
 効率の違い
 血液浄化,特にHD・HDFによって血圧が不安定となる理由
 血液浄化の効率アップのために
 除水能力
 リン(P)管理

CHAPTER 16 日本においてCKRTの中でCHDFが重視されるようになった理由
 CKRTはどのように普及したのか

CHAPTER 17 “CHDFによる炎症性サイトカイン除去”には議論があることを知る
 炎症の本丸は原因臓器
 そもそも炎症性サイトカインをCKRTによって除去できるのか?
 吸着原理
 世界初のnon-renal indicationをもつヘモフィルターの臨床試験
 CKRTによってある程度サイトカインは抜けるが血液中のサイトカイン濃度は変わらないようである
 血液浄化を究極まで追求したが……
 国際敗血症診療ガイドライン2026
 日本版敗血症診療ガイドライン2024
 Non-renal indication CKRT
 COVID-19禍のパニック状況において
 COVID-19禍においてnon-renal indication血液浄化が緊急許可された!!

CHAPTER 18 そろそろこの台詞はやめませんか?
 筆者が考えるCKRTによって重症患者の血圧がスーッと上がる理由
 真のエンドポイントと代替エンドポイント(Surrogate Endpoint)
 筆者施設では……

 索引

執筆者一覧

  • 京都府立医科大学麻酔科学教室・集中治療部 小尾口邦彦
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