心電図の新しい読み方
- 定価:
- 6,380円(本体価格5,800円+税)
在庫なし
書誌情報
| サイズ | B5判 |
|---|---|
| 頁 | 278頁 |
| ISBN | 978-4-498-03758-8 |
| 発行日 | 1999年05月01日 |
内容
基本的な検査法である心電図も画像をはじめとする様々の検査法の登場,対象となる疾患や病態の解明,心電図学の進歩などにより,その読み方,診断に多くの新しい知見が蓄積されてきている.本書はそれらのうち臨床上,重要なものを分かり易く、実践的に解説したものである.心電図診断を見直し,一層そこから得られる情報を有意義に活用するために,多くの臨床医の方々に読んで頂きたい本である.
序文
序
12誘導心電図は循環器領域の検査法の中で最も歴史があり,かつ再現性に優れ,その臨床的有用性が確立し,種々の診断規準が使用されている.しかし最近,他の新しい検査法の発展により,心電図所見との対比検討をより詳細に行うことが可能となった.また心疾患の治療法も発展し,薬物療法から非薬物療法にいたるまで,その環境は著しく変わり,心電図の応用にも大きな変化がもたらされている.
そのような背景から心電図の読み方も従来とは異なる部分が出てくるのは当然であり,また新しい概念の心疾患での所見が加わるなど,心電図は古くて新しく,かつ現在でも重要な検査法としての地位に揺るぎはない.
こうした環境で,中外医学社の雑誌「臨床医」で「心電図の新しい読み方」という企画がなされた.
その目的は現在の心電図のどの部分が従来の教科書と異なるのか,新しい概念は何か,変わらない部分で整理すべきものは何か,などを纏めることである.編集委員会の御賛同のもとで私が日頃から整理すべきと思っていたことを,それぞれ心電図の各専門領域で活躍されている先生方に執筆をお願いし,その特集号が出来上がった.そしてその雑誌が早くも品切れになるほど読者に受け入れられたことは望外の喜びであった.
そこで今回,中外医学社の勧めで,それぞれの執筆者の先生に原稿に一部手を加えて頂き,書籍として出版することになった.
世に多くの心電図の書籍が出版されているが,本書は教科書的配列の内容ではなく,御執筆頂いた諸先生方のそのテーマに関する考え方が端的に要領よく記され,どこから読んでもよいのが特徴となっている.多忙な諸先生がたの御執筆に感謝するとともに,本書が心電図に関係のある広い分野の方々にお役に立てばと祈ってる.
1999年3月
小沢友紀雄
目次
目 次
序説 : 心電図の新しい読み方〈小沢友紀雄〉
A 心電図で左室肥大や拡張をどこまで読めるか?
1.Sokolow-Lyonの診断基準をめぐって〈山下裕久〉
2.容量負荷と圧負荷をどこまで区別できるか?〈杉本孝一〉
3.肥大型心筋症の肥大様式を推測できるか?〈古賀義則〉
4.拡張型心筋症の重症度を判定できるか?〈関口守衛,北島 敦,今井干美〉
B 心電図で右室肥大をどこまで読めるか?
1.右室肥大の心電図診断基準に関して〈櫻井 滋〉
2.右室肥大を示す各種先天性心疾患の心電図の特徴〈原田研介〉
3.不完全右脚ブロックは右室容量負荷を示すのか?〈村松 準〉
4.右室圧負荷の程度を心電図からどのように判定できるか?〈山本 豊〉
5.急性肺塞栓症〈藤岡博文,矢津卓宏,中野 赳〉
6.S1Q3 パターンは急性肺性心の特徴か?〈沢山俊民,末綱竜士〉
C P波に関する心電図の読み方
1.左房負荷の程度はわかるか?〈久保田昌良〉
2.肺性Pはすべて右房負荷の表現か?〈前川清明,大江 透〉
3.V1で尖鋭,増高P波を示さない右房負荷心電図〈広木忠行〉
4.洞調律時のP波から発作性心房細動を予測できるか?〈山田貴久,福並正剛〉
5.Dome and dart型P波と左房調律〈住吉正孝,岡田了三〉
D 幅の広いQRS波を示す心電図の読み方
1.右脚ブロックの部位(末梢か中枢か)診断は可能か?〈安井 直,菱田 仁〉
2.Brugada型右脚ブロック心電図の特徴〈手島 保〉
3.催不整脈性右室心筋症心電図とイプシロン波〈中井俊子,渡辺一郎,小沢友紀雄〉
4.心筋症と心室内伝導異常〈鼠尾祥三〉
5.非定型的左脚ブロック心電図〈前原和平〉
6.非定型的右脚ブロック心電図〈沢山俊民,末綱竜士〉
7.J波と低体温〈小島利明,渡辺一郎〉
E WPW症候群に関する心電図の読み方
1.WPW症候群の副伝導路の推定は心電図でいかに可能か?〈大平晃司,相沢義房〉
2.副伝導路のカテーテルアブレーション後の心電図の推移〈笹野哲郎,佐竹修太郎〉
F虚血性心疾患と心電図
1.心筋虚血中にST-Tに変化のないもの〈児玉和久,坂田泰史〉
2.虚血性心疾患における陰性U波の成因と意義〈斎藤 穎,高山忠輝,本江純子〉
3.運動負荷心電図が陰性の虚血性心疾患〈川久保清〉
4.無症候性心筋虚血をどう診断するか?〈岸田 浩〉
5.再潅流療法で変わる心筋梗塞心電図の自然経過〈落合正彦,一色高明〉
6.心筋のviabilityの有無を心電図でどう判断できるか?〈今井嘉門〉
7.梗塞部位診断の困難な心電図〈松井 忍〉
8.冠動脈病変と心電図所見
a.左冠動脈主幹部病変の診断〈長尾 建,有馬 健,上松瀬勝男〉
b.左冠動脈回旋枝病変の診断〈飯島竜之,吉本信雄〉
c.左冠動脈前下行枝病変の診断〈三宅良彦,榊原雅義〉
d.右冠動脈病変の診断〈石黒 聡,矢部喜正〉
9.異常Qのない後壁梗塞〈兼本成斌〉
10.陳旧性心筋梗塞のわかりにくい例をどう読むか〈兼本成斌〉
G その他の新しい展開
1.V1でQS型を示す心電図の鑑別診断〈津川博一,竹越 襄〉
2.非虚血性ST上昇を示す心電図の鑑別〈合屋雅彦,家坂義人〉
3.QT延長は臨床的にどこに線を引くか?〈植山千秋,矢野捷介〉
4.QT dispersionの評価は12誘導心電図から可能か?〈高月誠司,小川 聡〉
5.巨大陰性T波の臨床的意義〈鍛冶 徹,甲谷哲郎,北畠 顕〉
6.V6でq波のない心電図の鑑別〈四倉正之,石川恭三〉
7.心不全を心電図で評価できるか?〈木全心一〉
8.非特異的ST-Tの異常とは?〈水谷嘉孝,小林 正〉
9.f波とF波〈植山千秋,矢野捷介〉
10.U波かT波か?―slow waveとTorsades de pointes―〈丹野 郁,小林洋一,片桐 敬〉
11.電気的交互脈とその意義〈松原 哲,伊吹山千晴〉
12.電解質異常の心電図を修飾する因子と診断〈藤本幸弘,重政千秋,小竹 寛〉
13.ミネソタコードは臨床に利用できるか?〈岡本 登〉
14.心電図自動診断で誤りの多い所見は?〈横井正史〉
H 新しい心電図検査領域
1.体表面電位図〈渡邉佳彦〉
2.加算平均心電図〈降旗章子,小沢友紀雄〉
3.心拍変動解析〈大塚邦明〉
4.T波変動解析〈野村敦宣,松本 真,加藤貴雄〉
5.QT dispersion〈飯沼宏之〉
6.携帯用電話伝送心電図trans-telephonic ECG(TTE)〈小沢友紀雄〉
索 引