うつ病――診断・治療から病態の理解まで 改訂2版
- 定価:
- 3,300円(本体価格3,000円+税)
在庫あり
書誌情報
| サイズ | A5 |
|---|---|
| 頁 | 152頁 |
| ISBN | 978-4-498-22967-9 |
| 発行日 | 2026年09月25日 |
内容
うつ病診療の必須知識と実践的経験則をまとめた唯一無二のテキスト.ガイドライン2025を踏まえてアップデートした第2版!
DSMなど概念の変遷から,多岐にわたる症状,診断や検査,治療までのすべてを包括的にわかりやすく解説.精神科医はもちろん,研修医,かかりつけ医などうつ病患者をみることのあるすべての医療者に役立つ必携書.うつ病診療ガイドライン2025をはじめとして、進歩するうつ病診療の最新の知見を盛り込みさらにパワーアップした第2版.
序文
改訂版の序
2025年6月刊行の本書が,1年ほどで改訂できることになった.
本書は元々,日本うつ病学会うつ病診療ガイドラインの発表後に刊行の予定であったところ,ガイドラインの発表が遅れ,見切り発車での出版となった経緯があった.
2025年12月にガイドラインが発表され,多くの改訂が必要な点があることを認識していたので,この度,それらを全て解決することができて,ホッとしている.第2版で多くの訂正を加えたというよりは,元々第1版がドラフト版であった,といってもよいかもしれない.
第1版では,特定用語は分類ではないことを強調していたが,ガイドラインにならい,特定用語という横軸と,治療過程のフェーズという縦軸を組み合わせて,個別性の高い診療支援を行う,という枠組みを示した.
用語も,全てガイドラインの記載にならって修正した(例えば,増強療法 → 補助療法,難治性うつ病 → さらなる段階の治療,高齢者 → 老年期など).
推奨が変更になった点としては,抗うつ薬への補助療法として,リチウムと甲状腺ホルモン剤の位置づけが弱められたこと,児童・思春期のうつ病において薬物療法を選択肢の一つとして位置づけたことなどがあげられる.
これらに加え,本書の発売後,かつガイドライン発表後に発売されたズラノロン,不眠症に対する睡眠の認知行動療法アプリであるメドクル,うつ病の認知行動療法アプリであるリフトンDについても記載を追加した.
また,令和8年度の診療報酬改定で,公認心理師による認知行動療法が認められたことも追記した.
刊行後1年という早い段階でこれらの改訂が可能となったのは,第1版を,精神科医のみならず,各科の医師,研修医,メディカルスタッフなど,幅広い方々が受け入れてくださったことによるものであり,ご利用いただいている皆様に心より感謝したい.
これらの時代に応じた改訂により,安心して届けられる一冊となった本書を,ぜひ日々の診療にご活用いただければと思う.
2026年7月
加藤忠史
目次
目次
CHAPTER1 概念の変遷
歴史
DSM-5
DSM-5-TR
CHAPTER2 症状
必須項目
身体症状
中核症状以外の精神症状
認知機能障害
CHAPTER3 診断
DSM-5-TRによる診断基準
■A項目:症状
■B項目:臨床的に意味のある苦痛と社会的,職業的な機能障害
■C項目:身体疾患と薬剤性の除外
■D項目:その他の精神疾患との鑑別
■E項目:双極症(双極性障害)との鑑別
うつ病の診断基準を満たさない場合
CHAPTER4 うつ病の特徴づけ
うつ病の特徴づけとは
DSM分類にない注意すべきうつ病
うつ病分類の現状
併存症
CHAPTER5 治療
うつ病の診療ガイドライン
うつ病診療総論
軽度うつ病
閾値下抑うつ状態
中等度・重度うつ病
維持療法
後続治療(next-step treatment)
さらなる段階の治療
児童・思春期
老年期
妊娠・授乳期
うつ病と睡眠
特定用語
ニューロモデュレーション
STAR*Dとの比較
CHAPTER6 治療に用いる方法
治療薬・ニューロモデュレーションなど
精神療法(心理療法)
危機介入
自殺予防
リハビリテーション
共同ケア
ケースフォーミュレーション
CHAPTER7 症例
■症例1:特に誘因なく発症し,休学に至った大学生
■症例2:母国が戦争に巻き込まれ日本に避難してきた女性
■症例3:家庭内の慢性的なストレスが要因となっている男性
■症例4:上司の叱責で休職した症例
■症例5:糖尿病が併存した男性
CHAPTER8 検査法
一般臨床検査
脳画像検査
脳波検査
脳脊髄液検査
心理検査
その他の補助的なあるいは研究的な脳画像検査
ゲノム
CHAPTER9 原因
うつ病の危険因子
ゲノム解析
ストレス反応
炎症
抗うつ薬の作用機序とうつ病におけるモノアミンの役割
うつ病の分子細胞病態
今後の展望
文献
あとがき
おことわり/利害関係の開示
索引