筋疾患診療ハンドブック
- 定価:
- 7,040円(本体価格6,400円+税)
在庫あり
書誌情報
| サイズ | B5判 |
|---|---|
| 頁 | 206頁 |
| ISBN | 978-4-498-22808-5 |
| 発行日 | 2013年06月01日 |
電子書籍はこちらから(外部サイト)
内容
筋疾患の診療を行うにあたっての基本知識、大切なポイント、臨床現場で役立つ実際的かつ最新の知見、患者へのアドバイスについてまでを記載したハンドブック。
序文
序
江橋先生・杉田先生らが筋ジストロフィー患者でクレアチンキナーゼ(CK)高値を発見されてから50 年余りが経過しましたが,その間に医学は急速に進歩しました.分子生物学の発展する中でも筋疾患の研究が世界をリードし1980 年代後半にはDuchenne 型筋ジストロフィーの原因遺伝子が発見されました.その後も続々と原因遺伝子が発見され,その病態も明らかになりつつあります.
このような筋疾患研究の歩みのなかで,わが国の研究者が果たした役割は非常に大きく,筋疾患の名称にも三好先生,埜中先生,福山先生をはじめとする日本人の先生方の名前がついているものが沢山あります.すなわち,筋疾患の臨床と研究はまさにわが国の医師および研究者がリードしてきました.
さらに最近ではPompe 病に対する酵素補充療法が可能になっただけではなく,縁取り空胞型遠位型ミオパチーではシアル酸補充療法,Duchenne 型筋ジストロフィーではエクソンスキッピングによる治療法の治験も開始になっており,急速に治療法の開発が進められています.
本書は筋疾患の診療を行うために初めて勉強をする若手の医師向けに企画されました.最初に大切な点をおさえるために「ポイント」を箇条書きにしてあり,本文もできるだけわかりやすい内容にしました.さらには患者さんに対してどのようにお話しをしたら良いのかの参考に「患者へのアドバイス」も記載しています.
筋疾患は筋炎とよばれる炎症性筋疾患から様々な筋ジストロフィーまで幅が広く,これを担当するのは大人であれば神経内科,小児であれば小児神経科が中心となりますが,いずれも人数が少ない中で,とても幅広い領域をカバーしています.その中で,一人でも多くの医師が筋疾患に親しみを持っていただければと考えています.
最後になりましたが,快く監修を引き受けていただいた内野誠先生,お忙しい中に執筆をいただいた皆様と中外医学社の皆様に感謝申し上げます.
2013年4月
東北大学大学院医学系研究科神経内科 青木正志
目次
目次
1 総論
1 筋疾患の診断…<前田 寧>
A.定義
B.分類
C.筋疾患を拾い上げるために重要な神経診察
D.筋疾患を拾い上げるために重要な病歴聴取時のポイント
E.筋疾患診断のための検査
2 電気生理・ミオトニアなど…<山下 賢,森 麗>
A.筋疾患診断における電気生理検査の有用性
B.針筋電図検査の実際
C.ミオパチーにおける刺入時電位・安静時電位
D.特徴的な電気生理所見
3 病理診断のポイント…<埜中征哉>
A.筋生検,検体処理
B.組織化学染色標本の読み方
C.NADH-tetrazolium reductase(TR)染色
D.その他の組織化学染色
E.免疫組織化学染色
4 薬物療法…<内田友二>
A.周期性四肢麻痺
B.内分泌性/代謝性ミオパチー
C.炎症性筋疾患
D.先天性ミオパチー
E.糖原病
F.筋ジストロフィー
2 内科疾患に伴うミオパチー
1 周期性四肢麻痺と内分泌性ミオパチー…<前田 寧>
A.周期性四肢麻痺
B.内分泌性ミオパチー
2 サルコイドミオパチー…<熊本俊秀>
A.臨床所見
B.検査
C.診断
D.治療
E.予後
3 代謝性ミオパチー:脂肪蓄積ミオパチー…<熊本俊秀>
A.進行性の筋力低下(ミオパチー)を伴うもの
B.反復性横紋筋融解症を伴うもの
4 横紋筋融解症…<菅 智宏>
A.病因
B.病態,診断
C.治療,予後
5 薬剤性ミオパチー・ステロイドミオパチー…<山下 賢>
A.薬剤性ミオパチーの疾患概念と原因薬剤
B.薬剤性ミオパチーの組織学的分類
C.主な原因薬剤と障害機序
D.治療
3 炎症性筋疾患
1 多発筋炎・皮膚筋炎,SRP陽性筋症など…<清水 潤>
A.疫学
B.臨床像
C.検査所見
D.多発筋炎・皮膚筋炎の病理所見と病態機序
E.壊死性筋症(抗SRP抗体陽性筋症を含む)の臨床像と病理所見
F.筋炎の治療
G.ステロイドミオパチー
H.リハビリテーション
2 封入体筋炎…<鈴木直輝>
A.臨床症状・検査所見
B.筋病理所見
C.診断基準について
D.病態
E.治療の現状
F.新規治療の試み
4 先天性ミオパチー 小牧宏文
A.先天性ミオパチー各病型の概要
B.鑑別診断
C.遺伝カウンセリング
D.治療
5 ミトコンドリア病 <小牧宏文>
6 糖原病
1 ミオグロビン尿症の診断と鑑別…<杉江秀夫>
2 Pompe病…<竪山真規>
7 遠位型ミオパチー:GNEミオパチー(縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー) <森 まどか>
8 筋ジストロフィー
1 DMD/BMD
2 福山型先天性筋ジストロフィー…<池田真理子,戸田達史>
3 Dysferlinopathy…<高橋俊明>
4 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー…<大矢 寧>
5 Emery-Dreifuss型筋ジストロフィー…<林 由起子>
6 Ullrich,ベスレムミオパチー…<樋口逸郎>
7 カルパイノパチー(カルパイン3異常症)…<砂田芳秀>
8 筋強直性ジストロフィー…<中森雅之,高橋正紀>
9 DMDの診療ガイドライン…<松村 剛>
9 新規治療法の開発
1 エクソン・スキップ…<永田哲也,武田伸一>
2 国際共同開発について…<中村治雅>
3 筋ジストロフィー治療開発のネットワーク…<尾方克久>
コラム 筋ジストロフィー研究の歴史…<川井 充>
コラム 神経・筋疾患患者情報登録…<木村 円>
索 引