いまさら訊けない!透析患者検査値のみかた,考えかた Ver.2
内容
最新の版はこちら ⇒ 『いまさら訊けない!透析患者検査値のみかた,考えかた Ver.3』
透析患者の血液検査について,その臨床的な意義や診療での注意点などが一目で理解できると好評を博したハンドブックの最新版.初版刊行から約4年,新たなガイドラインも登場し,複数の検査項目が新規保険収載された.これらの大きな変化を受けて全面的に改訂を加える.シスタチンC・ペントシジン・抗MAC抗体など新規項目も多数追加.
序文
2版の序
透析患者を受け持つと,血液検査についていろいろと悩むことがあります.例えば,1.どのタイミングで採血するのが良いか,2.定期採血ではどの項目を選ぶか,3.どれくらいの間隔で検査するべきか,4.結果はどうやって評価するのか,5.測定することに臨床的な意義はあるのか,6.測定法によって数値が異なるのか,などがあげられます.
今でも,緊急性や必要性が低いにもかかわらず,中1日空いた透析前や早朝に採血されるケースがあります.さらに,透析終了時に採血すべき項目が透析前に採血されたりします.こうした不適切な検査が行われる背景には,透析患者の検査値について学ぶ機会が少なかったことが考えられます.
本書が出版され,ほぼ4年が経過しました.この間に,日本透析医学会からは「2015年度版 慢性腎臓病における腎性貧血ガイドライン」が,KDIGOからは「2017 Clinical Practice Guideline Update for the Diagnosis, Evaluation, Prevention, and Treatment of Chronic Kidney Disease-Mineral and Bone Disorder (CKD-MBD)」が発表され,透析患者の検査値のみかた,考えかたは少しずつ変化しています.さらに,いくつかの新たな検査項目も保険収載されています.
そこで,最新の内容にアップデートした第2版を作成させていただくことにしました.今回,ほとんどの項目に修正が加わっています.実臨床で使われる46項目を選び,各項目における基準値,測定法,検査の特徴,生理的な機能,測定頻度,臨床的な意義,診療での注意点,必要に応じたガイドラインでの位置づけ,サマリー,などが簡潔に記述されています.また,初版で取りあげなかったシスタチンC,ペントシジン,抗MAC抗体,カルニチン,脂肪酸分画,薬物血中濃度,プレセプシン,T-SPOTなどが追加されています.
今回も第一線の臨床現場で活躍する先生方にお願いし,わかりやすく解説していただきました.お陰様で,研修医や若手医師や非腎臓専門医だけでなく,メディカルスタッフにも自信をもってお奨めできる内容に仕上がっています.是非とも,最新版の検査値ハンドブックとして,透析診療にご活用いただくことを心より願っております.
2018年4月
浜松医科大学医学部附属病院血液浄化療法部 加藤明彦
初版の序
初めて透析患者を受け持ったとき,血液検査で困ることはどんなことでしょうか? おそらく,1.どの項目をどのタイミングで採血したらよいのか,2.定期採血ではどの項目をチェックしたらよいのか,3.どのくらいの間隔で採血をしたらよいのか,4.結果はどう評価したらよいのか,などと思います.
私の勤務する大学病院でも,緊急性や必要性がないにもかかわらず,中1日空いた血液透析前や早朝に採血されるケースがあります.一方で,透析終了時の採血が行われず,透析効率を評価できないことがあります.こうしたことが起きる原因として,透析患者の検査値について,きちんと学ぶ機会が少ないことがあげられると思います.
本書では,透析患者検査値のみかたや考えかたについて,より深く知っていただくため,「定期的に行われる検査」から24項目,「病態に応じて行われる検査」から15項目を選びました.選ばれた血液検査は,実臨床で使われるものばかりです.それぞれの項目において,基準値,測定法,検査の特徴,生理的な機能,測定頻度,臨床的な意義,診療での注意点,ガイドラインの位置づけ,サマリーなどが,簡潔に記述されています.
今回,第一線の臨床現場で活躍する腎臓内科の先生方にお願いし,各項目について,わかりやすく解説いただきました.特に “臨床的な意義”と“診療での注意点”については,詳細に記述いただきました. また“ガイドラインの位置づけ”では,ガイドラインの目標値をわかりやすくまとめてもらいました.さらに,“病態に応じて行われる検査”では,これまで成書に取り上げられていない項目を含めました.
本書は,透析患者検査値についてワンランク上の知識が得られ,確実にスキルアップできる内容に仕上がっています.若手医師やメディカルスタッフのみならず,ベテランスタッフにも自信をもってお奨めできる一冊です.ぜひ,日常診療における検査値ハンドブックとして,ベッドサイドで活用いただくことを祈っています.
2014年5月
浜松医科大学医学部附属病院血液浄化療法部 加藤明彦
目次
目 次
I 総論
1.透析患者の検査は特殊である〈加藤明彦〉
II 定期的に行われる検査
2.白血球数/分画〈池谷直樹〉
3.ヘモグロビン/MCV/MCHC/網状赤血球〈山川貴史 山本 泉 山本裕康〉
4.血小板〈戸川 証〉
5.ナトリウム/クロール〈小松康宏〉
6.カリウム〈石垣さやか 古谷隆一〉
7.pH/重炭酸イオン〈熊谷裕通〉
8.クレアチニン〈森 典子〉
9.血清尿素窒素(BUN)〈松島秀樹〉
10.尿酸〈安田日出夫〉
11.リン/カルシウム〈横山啓太郎〉
Column 線維芽細胞増殖因子(fibroblast growth factor:FGF23)と心血管合併症
12.マグネシウム〈米村克彦〉
13.GOT(AST)/GPT(ALT)/γ-GTP〈山本龍夫〉
14.アルカリホスファターゼ〈藤倉知行〉
15.アルブミン〈加藤明彦〉
16.コレステロール〈奥手祐治郎 庄司哲雄〉
17.中性脂肪(トリグリセリドtriglyceride:TG)〈佐々木 環 十川裕史〉
18.C反応性蛋白(CRP)〈辻 孝之〉
19.鉄/フェリチン〈稲熊大城〉
Column ヘプシジン-25
20.副甲状腺ホルモン〈重松 隆〉
21.β2-ミクログロブリン〈松尾浩司〉
22.血糖/ヘモグロビンA1c/グリコアルブミン〈稲葉雅章〉
Column 血液透析と糖尿病
Column 透析患者の血糖コントロール
23.B型肝炎ウイルス(HBV)〈大石和久〉
24.C型肝炎ウイルス(HCV)〈安藤亮一〉
25.透析効率の指標(Kt/V, URR, nPCR)〈宮地武彦〉
III 病態に応じて行われる検査
26.アミラーゼ〈大浦正晴〉
27.トロポニンT/I,CK〈菅原有佳 渋谷祐子〉
28.凝固検査〈磯部伸介〉
29.体液量マーカー(hANP, BNP, NTpro-BNP)〈櫻井 薫〉
30.シスタチンC〈内藤善隆〉
31.ペントシジン〈田中寿絵 深川雅史〉
32.甲状腺ホルモン〈日比野祐香 菅野義彦〉
33.レニン/アルドステロン〈大橋 温〉
34.コルチゾール/ACTH〈坂尾幸俊〉
35.ビタミンD〈笠井健司〉
36.プロカルシトニン/プレセプシン〈辻 尚子〉
37.インターフェロンγ遊離試験(IGRA)/T-SPOT〈小野雅史〉
38.抗MAC抗体(キャピリア®MAC抗体)〈安井秀樹 須田隆文〉
39.深在性真菌症マーカー〈岩倉考政〉
40.腫瘍マーカー〈中井健太郎 西 慎一〉
41.自己抗体〈野垣文昭〉
Column 透析導入後にSLEやANCA関連血管炎は再燃することはあるの?
42.アルブミン以外の生化学的栄養指標(RTP)〈磯崎泰介〉
Column 理想的な生化学的栄養指標
43.微量元素〈松本芳博〉
Column 微量元素とは
44.カルニチン〈樋口輝美〉
45.脂肪酸4分画〈庄司哲雄〉
46.薬物血中濃度〈見野靖晃〉
索 引