輸液グリーンノート
出版社からのコメント

『輸液グリーンノート』出版記念WEBセミナー ←参加登録はこちらから2021年5月12日(水)18:30〜19:30 定員:70名主催:中外医学社高Na血症,熱中症の輸液や末梢・中心静脈ルートについて輸液エキスパートの解説を直接聞ける貴重な機会をお見逃しなく!
内容
輸液開始が必要な状況と輸液終了の目安を明確に解説し,不要な輸液や合併症を防ぐための現場の実践的知識がコンパクトにまとまった,病棟や救急などあらゆる現場で役立つ待望の1冊! 病態ごとの輸液が必要な状況,ピットフォール,モニターすべき項目がひと目でわかる,常に携帯したい輸液療法の新しいベストマニュアル.典型処方例付きで参照しやすく役立つこと間違いなし!
序文
序
人間の体重の約60%(乳児では70%)が水分であり,生命の維持に体液調整がいかに重要であるかが想像できます.
体液異常が生じた病態を元に戻すには輸液が必要ですが,その病態ごとに治療方針が異なります.例えば敗血症や糖尿病ケトアシドーシスなどは緊急的に輸液が必要な状況である一方,慢性の低ナトリウム血症では血清Na値を元に戻すタイミングが早過ぎると浸透圧性脱髄症候群をきたしてしまいます.また,漫然とした輸液継続による心不全や,高度の飢餓状態を認識せずに栄養輸液を行うことによって生じるリフィーディング症候群など,不適切な輸液は重篤な体液異常を引き起こすことがあります.さらに,カテーテル感染や空気塞栓などの輸液関連の致死的な機械的合併症をきたす可能性もあります.適切な輸液が患者さんの予後改善に寄与する一方で,不適切な輸液管理は予後を悪化させてしまうことすらあるのです.
私が研修医になった頃は,マニュアル本を読んでも輸液の考えかたがよく理解できず,デキル上級医の輸液メニューを真似してワンパターンの処方をしていました.しかし,デキル上級医になぜこの輸液を行っているのかを説明してもらうとその病態をよく理解できました.
本書は単なるマニュアル本ではありません.各領域のエキスパートである先生方の多大なるご協力により,救急外来から病棟,内科・小児科・産婦人科・高齢者・術後・造影剤腎症予防など幅広く重要な疾患・状況ごとに体液異常の病態,必要な輸液の考え方,ピットフォール,行っておくべきこと,輸液の方法,輸液を止めるべきタイミングを実践的にわかりやすく解説していただいています.
輸液は初期研修医から専門医,そしてメディカルスタッフにも求められる基本的知識です.今回この「輸液グリーンノート」が中外医学社グリーンノートシリーズに新たに仲間入りしました.本書により輸液に関わる全ての医療者に「とりあえずの輸液」を行うのではなく,なぜこの輸液を行っているのか「理由のある輸液」そして「やめるべき輸液」を学ぶきっかけになる一冊として役立つことを期待しています.
最後にご自身の臨床経験をもとに実践的で貴重な知識を共有して頂いた先生方と関係者の皆さまに心からお礼を申し上げます.
2021年2月
志水英明
目次
目 次
I 輸液の基本
1 輸液の種類と選択〈大武陽一〉
2 栄養輸液,アミノ酸製剤,脂肪製剤〈佐々木 彰〉
3 合併症〈栗栖美由希,北野夕佳〉
II 病態別
1 敗血症〈渡邉剛史〉
2 横紋筋融解症〈塚原知樹〉
3 電解質異常
(1) 高Na血症〈志水英明〉
(2) 低Na血症〈韓 蔚,冨永直人〉
(3) 高K血症〈大庭梨菜,長浜正彦〉
(4) 低K血症〈大庭梨菜,長浜正彦〉
4 代謝性アルカローシス〈宮内隆政〉
5 代謝性アシドーシス〈龍華章裕〉
6 高P/低P,高Mg/低Mg〈河田恭吾〉
(1) 高P血症
(2) 低P血症
(3) 高Mg血症
(4) 低Mg血症
7 高Ca/低Ca〈廣瀬知人〉
8 Refeeding症候群〈河田恭吾〉
9 周術期(手術前後)の輸液〈鈴木俊成〉
10 救急の輸液〈矢島つかさ〉
(1) アナフィラキシー
(2) 熱中症
(3) 偶発性低体温症
11 入院病棟での輸液〈大迫(大原)希代美,小板橋賢一郎〉
12 脳血管疾患の輸液〈河北賢哉〉
13 小児の輸液〈長野智那,野津寛大〉
14 高齢者〈田邉 淳,柴垣有吾〉
15 妊婦〈杉村 翔,秋永智永子〉
16 糖尿病〈遠藤慶太,鈴木利彦〉
17 糖尿病性ケトアシドーシス〈藤田芳郎〉
18 心不全〈加藤規利〉
19 急性腎不全〈祖父江 理〉
20 CKD〈谷澤雅彦〉
21 透析〈寺下真帆〉
22 膵炎〈中野弘康〉
23 肝硬変〈伊藤隆徳,藤城光弘〉
24 消化管疾患〈柳澤直宏,野々垣浩二〉
A.消化管出血
B.腸閉塞
C.炎症性腸疾患
25 造影剤使用時〈浅野麻里奈〉
26 膠質液(アルブミン製剤,デキストラン製剤の使い方など)〈山口 真〉
索引