DI業務実践 医薬品情報室ハンドブック―― 病院・薬局で活かす実践知

定価:
4,400円(本体価格4,000円+税)

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書誌情報

書誌情報
サイズ A5
頁 236頁
ISBN 978-4-498-07934-2
発行日 2026年10月13日

内容


DI室に配属されたらまずはこの1冊から
医薬品情報室業務に使えるハンドブックがついに登場!「DI室担当者には何が求められているのか?」「様々な情報源をどのように活用し、情報を評価すべきか?」「院内スタッフ・企業担当者とどう連携していくか?」など,DI室担当者が本当は知りたかった実務の疑問に丁寧に応える一冊です.

序文

序 文

 医薬品情報(Drug Information:DI)は,医薬品の適正使用を支える基盤です.医薬品が適切に使用され,その有効性と安全性が最大限に発揮されるためには,信頼できる医薬品情報が,必要なときに,必要とする人へ届けられることが不可欠です.DI室業務は,医薬品に関する情報を収集し,その内容を評価・管理するとともに,医療従事者や患者へ適切に提供することで,安全で質の高い薬物療法の実現に貢献しています.医療の高度化や多職種連携が進む現在,その重要性はこれまで以上に高まっています.
 DI室業務を取り巻く環境は,この十数年で大きく変化しました.医療用医薬品の添付文書は電子化され,PMDA Webサイトには添付文書に加え,インタビューフォーム,審査報告書,RMP,重篤副作用疾患別対応マニュアルなど,多様な医薬品情報が公開されています.また,緊急安全性情報(イエローレター),安全性速報(ブルーレター),医薬品・医療機器等安全性情報,DSUなどの安全性情報も迅速に提供されています.さらに,医療DXの推進や生成AIの発展などにより,情報収集や文献検索の方法も変わりつつあります.
 一方で,情報量が飛躍的に増えたことは,必ずしも質の高いDI室業務につながるわけではありません.情報が容易に入手できる時代だからこそ,それぞれの情報源の特徴や位置づけを理解し,情報の信頼性や限界を適切に評価する能力がこれまで以上に求められています.また,同じ情報であっても,問い合わせの目的や対象者によって,必要となる情報や伝え方は異なります.単に情報を収集するだけではなく,その情報を整理・解釈し,医療現場で活用できる形へと変換して提供することがDI室担当者の重要な役割です.
 医薬品情報は,そこに存在するだけでは価値を持ちません.それを必要な人へ届け,医療現場で活用できる形につなぐことこそが,DI室業務の本質であると考えます.問い合わせ対応,安全性情報の院内周知,医薬品安全管理,医療従事者への教育,患者への情報提供など,DI室担当者が担う業務は多岐にわたりますが,その根底には「医薬品情報を医療へつなぐ」という共通の使命があります.
 また,DI室業務には,教科書だけでは身につかない「実践」があります.問い合わせ時に,どの情報源から確認を始めるのか,複数の情報源をどう組み合わせて評価するのか,得られた情報をどう伝えるのかといった判断は,日々の経験によって培われます.さらに,医薬品供給不安,添付文書改訂,医薬品安全対策など,DI室に求められる役割は年々広がっています.
 本書『DI業務実践 医薬品情報室ハンドブック』は,そのようなDI室業務の実践知を共有することを目的として企画されました.医薬品情報源の活用方法,問い合わせ対応,安全性情報の評価と提供,医薬品安全管理,教育活動,医療DXや生成AIへの対応など,DI室担当者が日常業務で直面するさまざまな課題について,第一線で活躍する執筆者が実務経験を踏まえて解説しています.本書は知識を学ぶための教科書であると同時に,日々の業務の中で必要なときに手に取り,実践に役立てることのできるハンドブックとなることを目指しました.
 本書が,これからDI室業務に携わる薬剤師にとっては実務を学ぶための道標となり,経験豊富なDI室担当者にとっては知識や経験を整理し,新たな視点を得る契機となることを願っています.本書を通じてDI室業務のさらなる発展が図られ,医薬品情報を通じた安全で質の高い薬物療法の実践につながれば幸いです.

2026年9月
杏林大学医学部付属病院 薬剤科長
若 林 進

目次

 目 次

1章 DI業務の基本
 SECTION 1 DI業務って何をしたらよいの? 〈後藤伸之〉
 SECTION 2 DI担当者に必要となる技術・リテラシーは何?〈内倉 健〉
 SECTION 3 「医薬品情報業務の進め方2018」とは何?〈大幸 淳〉
 SECTION 4  DI業務の施設基準で,DI室(担当者)には何が求められているの?〈若林 進〉
 SECTION 5  DI室の年間計画はどうやって策定したらよいの?〈大幸 淳〉
2章 情報収集
 SECTION 6  PMDAのWebサイトで医薬品情報をどうやって調べたらよいの?〈若林 進〉
 SECTION 7  IFには何が記載されていて,どのように情報収集したらよいの?〈酒井隆全,中田英夫〉
 SECTION 8  審査報告書はどのように探し,活用したらよいの?〈谷藤亜希子〉
 SECTION 9  海外の医薬品情報をどのように収集し,活用したらよいの?〈菅 裕亮〉
 SECTION 10  文献検索を効率的に行うにはどのようにしたらよいの?〈菅 裕亮〉
 SECTION 11  情報源としてどのようなWebサイトを活用したらよいの?〈酒井隆全〉
 SECTION 12  重篤副作用疾患別対応マニュアルはどのように活用したらよいの?〈若林 進〉
3章 情報評価
 SECTION 13  妊婦・授乳婦への投与可否をどのように判断したらよいの?〈河野太治〉
 SECTION 14  術前休薬の必要な薬剤をどのように判断したらよいの?〈舟越亮寛〉
 SECTION 15  高齢患者の用量調整ってどのように評価したらよいの?〈大竹三保〉
 SECTION 16  腎機能・肝機能が悪い症例への投与量調整はどのように評価したらよいの?〈大竹三保〉
 SECTION 17  薬物相互作用をどのように評価したらよいの?〈大野能之〉
 SECTION 18  RMP資材を活用した患者への情報はどのように評価したらよいの?〈菅谷衣里子〉
 SECTION 19  薬剤師による医薬品の加工可否をどのように判断したらよいの?〈鈴木信也〉
 SECTION 20  小児への薬用量についてどのように評価したらよいの?〈川邊一寛〉
 SECTION 21  同効薬への切り替えの際の換算用量についてどのように評価したらよいの?〈木村好伸〉
 SECTION 22  臨床試験で示されるアウトカム(結果・成果)をどのように評価したらよいの?〈内倉 健〉
4章 副作用報告とPMS
 SECTION 23  製造販売後調査への協力はどのようにしたらよいの?〈若林 進〉
 SECTION 24  副作用報告はどのような時にしなければならないの?〈上森恵里〉
 SECTION 25  副作用報告書を記載する上で,どのようなことに注意しなければならないの?〈上森恵里〉
 SECTION 26  副作用救済制度を患者に伝える上で,どのようなことに注意しなければならないの?〈永野靖典〉
5章 マスタ・システム管理
 SECTION 27  医薬品につけられるコードってたくさんの種類があるけど何がちがうの?〈岡橋孝侍〉
 SECTION 28  薬品マスタを新規登録・更新する際に,どのようなことに注意したらよいの?〈山中 理〉
 SECTION 29  システムを跨ぐ情報連携の場合に,どのようなことに注意したらよいの?〈山中 理〉
6章 外部の企業担当者との対応
 SECTION 30  製薬企業のMRさんとどのように連携したらよいの?〈佐々木祐樹〉
 SECTION 31  製薬企業側からの情報提供に対してどのように接したらよいの?〈川邊一寛〉
 SECTION 32  医薬品卸担当者とどのように連携したらよいの?〈大幸 淳〉
7章 院内委員会の対応
 SECTION 33  採用薬の管理と医薬品の評価資料の作成,薬事委員会の運営はどのように行ったらよいの?〈髙麗貴史〉
 SECTION 34  安全を管理する委員会との連携はどのようにしたらよいの?〈髙麗貴史〉
 SECTION 35  後発医薬品切替を検討する際にどのような点に気を付けて評価したらよいの?〈中田英夫〉
 SECTION 36  適応外使用を把握したときに,どのようなことをしたらよいの?〈中田英夫〉
8章 情報発信と院内スタッフとの情報共有
 SECTION 37  院内薬剤師に向けてどのような情報を発信したらよいの?〈稲村由香〉
 SECTION 38  院内メディカルスタッフへ情報共有するにあたり,どのような点に注意したらよいの?〈大庭理寛〉
 SECTION 39  緊急情報が発出された際の共有フローをどのように準備しておいたらよいの?〈男全昭紀〉
 SECTION 40  スタッフからの問い合わせへの対応と記録・管理をどのようにしたらよいの?〈男全昭紀〉
9章 実務ツール・システム活用
 SECTION 41  DI室での情報の保管はどのようにしたらよいの?〈荒 義昭〉
 SECTION 42  無料で使える実務ツール・Webサイトにはどのようなものがあるの?〈磯貝一成〉
 SECTION 43  有料の実務ツール・Webサイトにはどのようなものがあるの?〈内倉 健〉
10章 その他
 SECTION 44  地域の薬剤師とどのように連携したらよいの?〈大庭理寛〉
 SECTION 45 医療費の適正化はなぜ必要なの? 〈赤瀬朋秀〉
 SECTION 46  実務実習生のDI実習で盛り込むべき要素は何?〈内倉 健〉
11章 ケーススタディー
 Case 1  深部静脈血栓症にてリバーロキサバン内服中,慢性腎不全合併の術前休薬は?〈北畑智英〉
 Case 2 抗がん剤による吐き気対策の薬剤選択は? 〈松浦雅人〉
 Case 3  疼痛コントロールに行き詰まったときのオピオイドスイッチングの実際は?〈岸本大裕〉
 Case 4 妊婦への抗うつ薬処方対応の実際は? 〈佐々木美理〉
 Case 5 抗菌薬供給停止におけるDI対応事例は? 〈中野弘基〉
 Case 6 副作用疑い症例の根本原因分析(RCA)例は?〈大幸 淳〉
 
索引

執筆者一覧

  • 杏林大学医学部付属病院薬剤部薬剤科長 若林 進 編著
  • 昭和医科大学薬剤部病院薬剤講座 内倉 健 編著
  • 済生会横浜市東部病院 薬剤部主任 大幸 淳 編著
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