Annual Review 神経 2001
- 定価:
- 9,680円(本体価格8,800円+税)
在庫なし
書誌情報
| サイズ | B5判 |
|---|---|
| 頁 | 320頁 |
| ISBN | 978-4-498-02954-5 |
| 発行日 | 2001年01月01日 |
内容
◆本書は膨大な量の情報の中から,特に注目すべきトピックを選び,その分野の第一人者が内外の文献をふまえて最新の進歩を展望している.
◆文献抄録ではなく,その内容,評価が理解できる.
◆どのような重要な業績,文献があったかを確実にフォローできる.
◆主要文献を網羅しているので,reference sourceとしても極めて便利である.
序文
序
21世紀の最初のAnnual Review神経をお届けする.本シリーズも16年目を迎え,編集委員も大幅に変り,新しい体制によって編集された第1号である.これまでの高い評価の特徴を維持し,さらに神経科学と臨床神経学の新しい成果を医学の進歩に結びつける方向で幅広いテーマを選んで頂ける専門家に加わって頂いた.
本書の主旨は,重要なトピックスについて新しい進歩をreviewすることにあるが,テーマによっては,歴史的経過も記載される.特に新しく確立された疾患については,本書によって現在までの研究の流れを把握できるように配慮した.
本書の大項目は,基本的に従来の分類を踏襲したが,新たに診断基準,高次脳機能,社会医学を追加あるいは変更した.本書を続けて読んでこられた読者はお気づきであろうが,基礎神経科学,検査,そして特に治療においては,他の疾患分類に含まれてよいものが掲載されることがあり,また特定の疾患に限られた検査や治療は疾患の項に掲載されることもある.
近年の神経疾患の診断,治療,そしてそれにかかわる基礎科学の進歩は,分子生物学の発展に負うところが大きい.本書では疾患関連遺伝子の発見が目覚ましい神経変性疾患について,数年毎に新しい発見と神経変性のメカニズム解明につながる意義を解説してきた.神経学は,遺伝子からこころの問題,社会学までの広い領域をカバーする学問によって,はじめて臓器移植,遺伝子治療から介護保険,難病のケアまで広い範囲の医学,福祉の実践に応えることができる.
また脳科学の進歩における臨床の役割は,近年従来になく大きなものとなった.認知,判断,行動,情緒などにかかわる高次脳機能の解明は,神経心理学,脳画像の進歩なしには考えられない.そして機能的脳外科における深部脳刺激の効果と,それに関連した各種中枢性運動障害の基底核ニューロン活動の記録は,基底核-大脳皮質連関の機能とその障害の解明に,従来想像もできなかった知見をもたらしている.
本書が神経疾患研究の進歩と,脳機能の解明に,まさに脳の世紀とよばれるにふさわしい広範な領域の知見をカバーすることにより,臨床神経の専門家と関連領域の医師および神経科学の専門家にとって貴重な情報源となることを期待したい.
2001年1月
編集者一同
目次
目 次
「神経」領域のホームページとリンク集 <後藤文男>
I.Basic Neuroscience
1.Alzheimer病とγ-secretase <玉岡 晃>
2.うつ病の分子生物学 <樋口輝彦>
3.ポリオウイルスレセプター <小池 智>
4.心筋症の筋蛋白異常による心不全--その診断と遺伝子治療について--<豊岡照彦 渓 航 河田登美江 申 偉秀 阪本英二>
II.検査法
1.虚血性脳血管障害時の経頭蓋ドプラー <堤 由紀子>
2.高次視知覚検査 <加藤元一郎>
3.MEGの臨床応用 <西谷信之>
4.MRIによる末梢神経疾患の診断と病態解析の進歩 <吉井文均>
III.診断基準(疾患概念,症候群の変遷を含む)
進行性失語・失行・失認―疾患概念の変遷と診断基準 <福井俊哉>9
IV.治療法
1.脳血管障害の一次予防 <藤島正敏>
2.脳神経外科領域における血管内治療 <川口健司 滝 和郎>
3.グリオーマのawake surgery(eloquent areaの手術) <佐藤慎哉 嘉山孝正>
4.ガンマナイフ--Functional neurosurgeryへの応用 <山本昌昭>
5.Botulinum toxin治療の進歩 <目崎高広 梶 龍兒>
6.ニューロナビゲータ <伊関 洋>
V.感染症
JCウイルスの遺伝的変化と潜伏感染--進行性多巣性白質脳症との関連 <余郷嘉明 杉本智恵>
VI.脳血管障害
1.虚血耐性と脳血管障害の予防 <松島一士>
2.最近注目される虚血性脳血管障害の危険因子 <北川泰久>
3.未破裂脳動脈瘤をどうするか? <高橋 淳 永田 泉>
VII.脳腫瘍
1.家族性脳腫瘍 <長谷川光広 藤沢弘範 山下純宏>
2.中枢神経原発悪性リンパ腫 <長島 正 松野 彰>
VIII.外傷
IX.変性疾患
1.脊髄小脳変性症とイオンチャンネル異常 <水澤英洋>
2.X-linked dystonia-parkinsonism(XDP) <柳澤信夫>
X.代謝性疾患
フェニールケトン尿症の分子病態 <衛藤義勝>
XI.脱髄性疾患
1.多発性硬化症の病態と治療 <近藤誉之 山村 隆>
2.脱髄性ニューロパチーの臨床診断 <園生雅弘>
XII.末梢神経疾患
Po蛋白異常を伴う遺伝性ニューロパチー <早坂 清 沼倉周彦>
XIII.脊髄疾患
1.Post-polio syndrome(ポリオ後症候群) <長嶋淑子>
2.ヘルペス脊髄炎(herpetic myelitis) <庄司紘史>
3.変形性脊椎症の外科治療の進歩 <岩崎喜信 小柳 泉>
XIV.筋疾患
1.肢帯型筋ジストロフィー--最近の話題 <川井 充>
2.NeuromyotoniaとK+チャネル異常 <有村公良>
XV.自律神経疾患
特発性全身性無汗症 <佐橋 功>
XVI.高次脳機能
伝導失語の病像と病巣 <櫻井靖久>
XVII.小児神経疾患(内科,外科)
1.小児てんかんの分子生物学 <小国弘量 小国美也子 大澤真木子>
2.Tethered spinal cord <坂本博昭 北野昌平>
XVIII.疫学,社会医学
介護保険と神経疾患 <渋谷統寿>
索 引