ポータブルを含む各種写真の正しい理解 胸部X線写真の読影
- 定価:
- 9,240円(本体価格8,400円+税)
在庫なし
書誌情報
| サイズ | B5判 |
|---|---|
| 頁 | 386頁 |
| ISBN | 978-4-498-01366-7 |
| 発行日 | 2013年05月01日 |
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内容
胸部X線写真の正面像および側面像は,胸部画像診断の重要な武器であり,多くの臨床医がその読影の腕を上げるべく日々努力をしている.本書では,胸部X線読影の基本から実践までを,エキスパートの視点から具体的に解説した.ポータブル,仰臥位,座位などこれまでの書では取り上げられなかった各種写真の読み方についても詳述.豊富な画像と共に読影のポイントが容易に頭に入ってくる,臨床の現場で本当に役立つ書と言える.
序文
序
CTの高空間分解能,MRIの高組織分解能は多くのモダリティーを凌駕するすばらしい能力です.大量胸水で肺野透過性が著しく低下した胸部X線写真で,そこにひそむ肺結節を指摘するのは容易ではありませんが,CTでは特に問題なく指摘できます.しかし胸部CT単独の画像診断時に1枚のスキャノグラムを見て,CTでは得られない情報を見つけ,正しい診断にたどりつた経験をもつのは私だけではないでしょう.やはり胸部X線写真の正面像と側面像は胸部画像診断の重要な武器であり,多くの臨床医がその読影に磨きをかけようと努力しています.また,CTが普及しているとはいえ,胸部X線写真の読影が全てという状況も多く,未熟児を含め,立位や移動不可の多くの患者では胸部ポータブル写真のみでの診断と次のステップ決定となることも理解すべきです.
今まで胸部X線写真についての成書が多く出版されており,名著と言われ永く愛読されているものもあります.今回,故大場覚先生の名著『胸部X線写真の読み方』の続編としての『胸部X線写真の読影 ポータブルを含む各種写真の正しい理解』を依頼された時は,喜びとともに全てを学び直し,良いものを書くべきという気持ちで身が引き締まりました.
私の施設では12年間,歯科の画像や整形外科領域の画像診断を含め約600件の放射線全画像を30分以内に読影しています.胸部CTを見て,胸部X線写真の読影の間違いに“しまった”と思う症例がある半面,整形外科の頸部痛症例の頸椎2方向からPancoast型肺腫瘍を診断することもあり,これが本来の放射線科医のあるべき姿と自負しています.これらの経験と知識を今回の著書に全てぶつけていきたいと考えました.
画像診断の向上には2つの面があります.1つは経験に基づく学習で,他は理論的(または科学的)解析に基づくものです.前者は経験学習とはいえ,各病変をCTなどと対比し,時には組織病理像との対比による研究でもあり,やはり科学的学習の一端ともいえましょう.今回理論的(科学的)解析は第1章「ポータブル写真」と第2章「肺病変分布とその特徴,肺容積の変化,肺血管径の変化」のところで多くの研究データに基づいて行いました.胸部X線を読み解く上で役立つ内容を目的としました.皆様のお役に立てればと願っております.
2013年3月
櫛橋民生
目次
目 次
第1章 胸部X線写真の正しい理解と読影
A. 正常画像の理解と読影
1.胸部X線写真:立位正面像・側面像の理解と読影 <酒井文和>
a. 正面像の読影
b. 側面像の読影
c. 肺野の観察法
d. 心大血管陰影
e. 縦隔
f. 読影の注意点
g. 読影方法と教育
2.ポータブル写真を理解する <櫛橋民生>
a. ポータブル写真
b. 検査の適用,限界
B. 異常と見間違いやすい正常範囲内所見 <櫛橋民生,藤澤英文>
1.正常胸腺
2.心外膜心膜脂肪,心膜脂肪
3.副心臓支
4.胸郭内腎/後腹膜脂肪の胸腔内進展/成人の小さなボーダレックヘルニア
5.気管気管支
6.重複右上葉気管支
7.第一肋軟骨骨化(石灰化,肥厚)
8.胸骨骨化中心
9.ストレートバック症候群
10.正常大胸筋(発達例)
11.乳頭陰影,乳房陰影(高濃度乳腺)
12.充填胸郭形成術
13.乳房術後変化
14.乳房充填術,人工乳房術
15.鍼治療(鍼灸)
16.皮膚のしわ(たるみ)
17.衣服やその内容物
18.神経線維腫症I型
19.頭髪,髪留め
第2章 胸部X線写真読影のサインや所見とその特徴
A. 肺野透過性低下と種々の所見,サイン <藤澤英文,櫛橋民生>
1.肺胞性陰影
2.間質性陰影
3.肺胞性と間質性陰影の混在
4.シルエットサインとその応用
a. シルエットサインの応用
b. その他のサイン
5.胸部X線写真における所見用語
6.無気肺
a. 閉塞性無気肺
b. 非閉塞性無気肺
B. 肺野透過性亢進と種々の所見,サイン <藤澤英文,櫛橋民生>
1.透過性亢進のfactorと種々の疾患
C. 肺病変分布とその特徴,肺容積の変化,肺血管径の変化 <櫛橋民生,藤澤英文>
1.肺病変分布
a. 上肺野優位分布病変
b. 横断像での末梢・中枢優位分布病変
c. 肺病変分布のまとめ(上肺野・下肺野・中枢・末梢優位分布病変の一覧表)
2.肺容積の変化
a. 肺容積の増加
b. 肺容積の減少
3.肺血管径の変化
a. 肺血管径の増大
b. 肺血管径の縮小
第3章 各種疾患のX線写真
A. 気道系や肺実質の発達異常 <谷千尋,粟井和夫>
1.肺分画症
2.先天性肺気道奇形
3.気管支原性嚢胞
4.先天性横隔膜ヘルニア
B. 肺感染症 <上甲 剛>
1.気管支肺炎
2.大葉性肺炎:肺炎球菌性肺炎
3.大葉性肺炎:レジオネラ肺炎
4.マイコプラズマ肺炎
5.2次性結核
6.血管侵襲性アスペルギローシス
7.ニューモシスチス肺炎
C. 肺腫瘍 <藤澤英文,櫛橋民生>
1.胸部X線写真による孤立性肺病変の良悪性鑑別
2.肺腺癌
3.肺扁平上皮癌
4.肺小細胞癌
5.肺カルチノイド
6.腺様嚢胞癌,粘表皮癌
7.過誤腫
8.硬化性血管腫
9.血行性肺転移
10.癌性リンパ管症
D. 免疫性肺疾患 <上甲剛>
1.全身性硬化症
2.多発性筋炎/皮膚筋炎
3.関節リウマチ
4.Wegener肉芽腫症
5.Churg-Strauss症候群
6.サルコイドーシス
7.特発性肺線維症/通常型間質性肺炎
8.非特異性間質性肺炎
9.特発性器質化肺炎
10.急性間質性肺炎
11.Langerhans細胞組織球症
12.急性好酸球性肺炎
13.慢性好酸球性肺炎
14.アレルギー性気管支肺アスペルギルス症
15.亜急性過敏性肺臓炎
E. 塞栓性肺疾患 <藤澤英文,櫛橋民生>
1.急性肺血栓塞栓症
2.敗血症性塞栓症
3.羊水塞栓症
4.脂肪塞栓症
F. 肺高血圧症と肺水腫 <藤澤英文,櫛橋民生>
1.肺高血圧症
2.肺水腫:総論
3.心原性肺水腫
4.非心原性肺水腫(ARDS)
G. 気道病変 <酒井文和>
1.上気道病変:気管,主気管支の病変
2.慢性閉塞性肺疾患,肺気腫
3.気管支拡張症
4.気管支炎
5.細気管支炎
6.嚢胞性線維症
H. 微粒子物,固形物,液体吸引による肺病変 <酒井文和>
1.有機粉塵吸入:過敏性肺炎
2.無機粉塵吸入:塵肺症(珪肺症)
3.固形異物と液体吸引
I. 毒物,薬物,放射線照射による肺病変 <酒井文和>
1.毒性ガス,噴煙,煙霧(エアロゾル)吸引
2.薬剤性肺炎
3.毒物の影響
4.放射線肺炎
J. 胸部外傷(穿通性・非穿通性) <高橋康二,高田陽子>
1.肺挫傷
2.肺裂傷
3.血胸・気胸
4.気道損傷
5.外傷性横隔膜損傷
6.大動脈損傷
7.穿通性外傷:銃創
8.中心静脈カテーテル留置による合併症
9.スワン-ガンツカテーテル留置による合併症
K. 胸部圧外傷 <櫛橋民生>
1.減圧症/溺水
L. 代謝性肺疾患 <高田陽子,高橋康二>
1.異所性肺石灰化症(転移性石灰化)
2.肺胞蛋白症
3.肺胞微石症
M. 胸膜病変 <石川美保,粟井和夫>
1.悪性胸膜中皮腫
2.胸水
3.気胸
N. 縦隔疾患 <原眞咲>
1.縦隔気腫
2.前縦隔腫瘍
3.中縦隔腫瘍
4.後縦隔腫瘍
O. 横隔膜と胸壁病変 <原眞咲>
1.横隔膜
2.胸壁
第4章 胸部領域IVRと胸部X線写真 <藤澤英文>
1.止血術における胸部X腺写真
2.塞栓術における胸部X腺写真
3.CTガイド下針生検
4.画像ガイド下ドレナージ
5.異物除去術
第5章 外科医に必要な胸部X線写真の理解と読影 <門倉光隆>
A. 術前胸部X線写真読影のポイント
1.スリガラス陰影
2.心臓ペースメーカ挿入症例の異常陰影
3.サルコイドーシスに合併した肺癌
4.空洞を伴う腫瘤陰影
5.無気肺
6.肺門部肺癌と肺内転移
7.進行性気腫性肺嚢胞
8.胸膜播種を伴った胸腺腫
9.気道内異物
10.胸部外傷
B. 術後胸部X線写真読影のポイント
1.胸壁腫瘍
2.一過性葉間胸水貯留像
3.胸水貯留
4.再膨張性肺水腫
索引