Annual Review呼吸器2015
- 定価:
- 10,780円(本体価格9,800円+税)
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書誌情報
| サイズ | B5判 |
|---|---|
| 頁 | 258頁 |
| ISBN | 978-4-498-13013-5 |
| 発行日 | 2015年01月28日 |
内容
注目すべきトピックを厳選し,その分野の第一人者が内外の文献を踏まえて最新の進歩を展望する.定評あるシリーズの最新年度版である.
序文
序
種々の疾患において臨床研究,病態解明が著しく進展し,疾患概念や疾患をどのような視点から捉えるべきかのフェノタイプ(表現型)に関する研究が注目されている.今日における医学・医療の発展は,ある疾患に対する臨床上のフェノタイプから始まり,症候,生理学的あるいは形態学的特徴によるフェノタイプへと進み,さらに分子生物学的検索によるフェノタイプへと細分化され,これらの研究成果から新たな治療法が開発され,その評価(効果)により臨床面でのフェノタイプが再び提示される循環を形成している.呼吸器領域でも例外ではなく,多くの疾患においてきめ細かい効果の優れた治療法の開発が精力的に進められている.我が国にあっては,高齢化社会に伴い感染症,腫瘍性疾患,炎症性疾患など多岐にわたる疾患の罹患数が飛躍的に増大し,これらの治療,管理には高度の臨床技術に加え,新たな予防・治療法の開発が切に求められている.この「Annual Review呼吸器2015」では,このような現状に鑑み,呼吸器領域における研究の中から重点項目につき焦点を当て,今日の,あるいは今後の疾患対策を如何にすれば良いかを考えるための基本的な情報を提供する意図で編纂したものである.
本年も物理学の分野で日本人3名のノーベル受賞者が決定され,科学の歴史に残る業績として讃えられ喜ばしい次第であるが,基礎的な研究から人類に役立つまでの過程には如何に知恵と努力と歳月のかかることかを如実に感じさせるものでもあった.本書も,臨床実践されているものから,基礎的研究までと幅広い内容が簡潔に解りやすく掲載されているが,その背景には研究や臨床に関わった多くの方々の切れ目ない努力の結晶であると思えば,簡単に読み飛ばすことはできない.
呼吸器疾患には多くの未解決な問題があり,臨床的に確実で著しい実効性のある治療法は限定されている.治療・管理の困難な疾患に直面している呼吸器科医にとって,現状の研究成果は十分に満足する段階とはいえない.本書に取り上げられた興味深い内容を理解し,これからの新たな視点に立った呼吸器学のさらなる研究開発を切に望むしだいである.
2014年12月
永井厚志