Pocket Echo Life Support教育シリーズ みるミルできるポケットエコー 1膀胱
内容
序文
出版によせて
在宅医療の現場において,医師だけでなく看護師にとっても大変有益なツールとなるエコーの学習・研修用のテキストが上梓されました.本書では,体液管理の一つである膀胱エコーを中心に,エコー機器の具体的な操作方法,エコー画像の基本的な見方,症例の解説などの基本的な内容が懇切丁寧に記載されています.そのため,初めてエコー装置を扱う看護師にとっても,その有用性を十分理解・実感できる内容となっています.今後,エコーは医療機関内だけなく様々な場面での使用が期待されています.研修用のテキストとして発行された本書ですが,在宅医療や医療機関外で奮闘されている看護師の皆様にはぜひ一読していただき,エコーを有効に利用・活用していただくことを期待するものです.
公益社団法人全日本病院協会 会長 西澤寛俊
一般社団法人日本病院会 会長 堺 常雄
今般,一般財団法人ヘルスケア人材育成協会により,ポケットエコー講習会用のテキストが上梓されました.ポケットエコーは,在宅医療を含めヘルスケア関連の現場で医師だけでなく医療従事者にとって大きなツールとなるものです.本書は,体液管理の一つである膀胱エコーを中心に懇切丁寧に編集されており,初めてエコー装置を取り扱うものにとっても,十分理解できる内容となっています.
在宅医療の現場においても,多職種連携,協働を推進していくことは言うまでもありません.その一つのツールとしてエコー検査があります.看護師をはじめとした専門職がエコーを用いた情報を共有することは,正に多職種連携につながっていくものであると思います.ぜひ本書を一読していただき,エコー装置をコミュニケーションツールの一つとして利用していただくことを願うものです.
チーム医療推進協議会 代表(日本理学療法士協会 会長) 半田一登
現場からの熱いメッセージ
ケアする社会を目指して!〜エコーは全く異なる道具に生まれ変わっていく〜
携帯型エコーは単に小さく持ち運びができる便利なエコーではありません.これまでエコーがなかった場所へ持ち出したり,これまでエコーを扱ったことのない医療介護専門職に技術移転したり,用途を特化して患者や家族,さらには住民に棚卸しすることで,これまでとは全く異なる道具に生まれ変わる可能性を秘めています.また,IoTや遠隔診療の端末として位置づけられれば,新たな発見や技術革新をもたらす可能性も期待されます.
社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス東埼玉総合病院
在宅医療連携拠点菜のはな 室長 中野智紀
医療のパラダイムチェンジが起きている〜医療者もエコーも地域へ飛び出す時代〜
医師や看護師など医療者が地域に飛び出す時代(在宅医療・地域包括ケア)になりました.病院と地域では専門職のあり方は大きく異なり,パラダイムチェンジが必要と感じています.決める専門家から一緒に考える専門家へ.エコーも病院を飛び出した時,診断することだけではなく,より多くの人たちが話し,考え,共感しながら進んでいくことをサポートするツールになるのだ,と確信しました.
オレンジホームケアクリニック 代表 紅谷浩之
こんな時代を待っていた!〜エコーは新時代の聴診器〜
エコーはスクリーニングや精査ための機器と考えていた私にとって,ポケットエコーは何の魅力もありませんでした.しかし,本分野に出会い,その考えは一掃されました.ポケットエコーは身体診察の道具!という切り口に唖然とし,尿閉の評価や肺エコーなど,まさに新時代の聴診器の使い方を解説しています.本書を読むと,不思議と診断学を学んだ気になります.もう一度,診察・アセスメントの魅力を感じたい方に最適の一冊です.
多摩ファミリークリニック 大橋博樹
目次
もくじ
第1章 ポケットエコー・ライフ・サポートとは?
1-1 背景
1-2 質の担保と教育
1-3 ポケットエコー・ライフ・サポート: Pocket Echo Life Support(PELS)
1-4 看護・介護で役立つポケットエコー導入ポイントの代表例
1-5 膀胱エコーから始めよう
第2章 学習方法
2-1 エコー学習・習得の方法
2-1-1 エコー画像の基本的な見方
2-1-2 検査室のエコーを使ったことが「ある」方々へ (医師,検査技師など)
2-1-3 検査室のエコーを使ったことが「ない」方々へ (看護師他,多数のみなさん)
2-2 プローブの持ち方,操作のコツ
2-2-1 プローブの持ち方
2-2-2 プローブ操作のコツ
2-3 膀胱シミュレータモデルの概説
2-3-1 各部位の名称と持ち方
2-3-2 各キューブのエコー画像: 大きさの比較,膀胱エコーの基本画像4つ
2-3-3 各キューブの説明
2-4 膀胱エコーの操作手順
2-4-1 横操作では扇操作,縦操作では回旋操作とスライド操作
2-5 膀胱容量当てクイズ
第3章 膀胱の病態生理
3-1 男性と女性の膀胱の違い
3-2 尿排出機能は“グー”と“パー“
3-3 おしっこが出ない
3-4 おしっこの回数が多い
3-5 おしっこ漏れている
3-5-1 腹圧性尿失禁
3-5-2 切迫性尿失禁
3-5-3 溢流性尿失禁
3-5-4 機能性尿失禁
3-6 おしっこの回数が少ない
3-7 排尿障害と蓄尿障害
3-7-1 排尿障害
3-7-2 蓄尿障害
3-8 おしっこは体内循環のバロメーター
3-8-1 脱水
3-8-2 うっ血性心不全
第4章 さあ,やってみましょう
症例(1)「おしっこが出ない」脱水? 尿閉?
1 実際にエコーをやってみよう
2 エコー実施の結果
3 症例(1):解説
まとめ
看護師のコメント
(1) ポケットエコーを病棟で活用してみて
(2) 成功体験が第一歩です
STEP UP 膀胱エコーが役立つ様々な場面
症例(2) 体液管理は膀胱エコーから! 脱水の補液,いつまで?
1 症例(1)の要領で膀胱エコーを実施しました
2 エコー実施の結果
3 症例(2):解説
まとめ
看護師のコメント
(1) ポケットエコーを外来で使ってみて
(2) 医師との適切な連携
STEP UP 患者の動線を意識した膀胱エコーの活用方法
症例(3) おしっこが出なくなってきた? 下肢のむくみもあり
1 症例(1)の要領で膀胱エコーを実施しました
2 エコー実施の結果
3 症例(3):解説
まとめ
看護師のコメント
(1) ポケットエコーを訪問看護で活用してみて
(2) 使い続けて,みんなと連携
STEP UP 下大静脈,頸静脈,肺エコー
症例(4) おしっこの不安を解消するためのポケットエコー
1 症例(1)の要領で膀胱エコーを実施しました
2 エコー実施の結果
3 症例(4):解説
4 症例(4):問題
まとめ
5 症例(4)の患者さんのその後
看護師のコメント
(1) 特別養護老人ホームでポケットエコーを使用してみて
(2) 気がるにエコーを使ってください
STEP UP 薬物療法・非薬物療法への応用,排尿日誌+エコー,自動計測機器との違い
第5章 膀胱エコーのピットフォール
質問(1) 実際の患者さんとシミュレータの違いは?
質問(2) エコーで評価した尿量よりも,導尿・排尿後の尿量が思ったよりも多いのですが?
質問(3) 黒い部分2つ?……あるのですが?
質問(4) 尿閉だけど,原因が……わかりません.
質問(5) よく見ると腎臓にも黒い部分があるのですが?
質問(6) 肥満体型の方でうまく見えないことが多いのですが?
質問(7) エコーゼリーを忘れてしまいました?
質問(8) エコーのバッテリーが切れそうです.
質問(9) エコーゼリーが冷たいのですが…….
コラム 与那国島でなぜかエコーを持っていた住民の話
第6章 ポケットエコーは大衆化されたヘルスケア・デバイスの1つ
6-1 みんなで使うポケットエコーは地域のミカタ
6-2 医療機器の進歩が現場に与える影響
6-2-1 技術のアクセスに対する集約化と分散化
6-2-2 医療機器の進歩が医療現場に与えてきた影響
6-2-3 患者の主訴・不安も増えていく
6-3 超音波診断装置(エコー)も大衆化された
6-3-1 エコーは誰のモノ?
6-3-2 ポケットエコーは診断よりも判断
6-4 質の担保と教育
6-5 多職種のエコー診察がますます普及するために
6-5-1 エコー診察が普及するためのポイント
6-5-2 職種毎に分けた教育
今後の展望
大衆化された機器のプラットフォーム形成を目指して
あとがき
索引