I.Basic Nephrology
1. | アクアポリン2の輸送制御ダイナミクス 〈野田裕美〉 | |
AQP2の細胞内輸送の概略
AQP2のエキソサイトーシスに関わる情報伝達系
細胞骨格の役割
AQP2をのせた小胞の管腔膜への癒合
エンドサイトーシス
恒常的リサイクリング
AQP2の新規輸送制御メカニズムの解明
浸透圧変化によるAQP2輸送制御: 細胞容量調節における新たな役割
2. | 尿酸の再吸収機構と輸送体病−ゲノムワイド関連解析後の新展開 〈松尾洋孝〉 | |
尿酸輸送体URAT1と腎性低尿酸血症
新規尿酸輸送体GLUT9の発見
その他の尿酸輸送体
3. | 母体低栄養がラット胎仔腎の遺伝子発現に及ぼす影響 〈粟津 緑〉 | |
母体低栄養による腎の形態学的変化
母体栄養制限により変化した腎遺伝子群分類
病態に関与する候補遺伝子
4. | Podocyte機能を制御するTRPC6の役割 〈神田祥一郎〉 | |
TRPとは
TRPC6変異とFSGS
5. | 腎の組織修復: BMP-7調節因子に関する最近の知見 〈柳田素子〉 | |
BMPと腎発生
BMPが腎障害に果たす役割/最近の知見
腎障害とBMP調節分子
6. | 血管内皮機能とNOS: 最近の進歩 〈藤乘嗣泰 花村菊乃 衣笠哲史〉 | |
DDAH-ADMA-NOS系におけるDDAH1,DDAH2の機能と局在
アンジオテンシンによるDDAH,NADPH oxidaseの調節とeNOS uncoupling
CKDおよび加齢における内皮機能障害
食塩感受性と内皮NOS
ミトコンドリアmtNOSと内皮機能障害
血管内皮によるアルブミンtranscytosisと内皮機能障害
内皮細胞表面のglycocalyxによるeNOS発現・内皮機能調節
7. | CollectrinとACE2: その機能と異常 〈和田 淳 安原章浩 槇野博史〉 | |
ACE2の同定とその機能
ACE2の病態における意義
Collectrinの同定とその機能
8. | Neutrophil gelatinase-associated lipocalin(Ngal)の意義 〈向山政志 森 潔 中尾一和〉 | |
Ngalの作用
急性腎障害におけるNgalの意義
CKDにおけるNgalの意義
II.診断・画像診断
1. | マス・スクリーニングの標準化: 九州学校腎臓病検診マニュアル 〈二宮 誠〉 | |
海外誌にみた「学校検尿の標準化」に関連する論文
尿検査の標準化
学校検尿における判定基準の標準化
全国の学校検尿の現状
検尿システムの標準化に向けた地域の取り組み
学校検尿の事後措置としての運動制限の問題
2. | Bartter症候群とGitelman症候群についての最近の知見−利尿剤負荷試験にて判明したこと 〈神田杏子 野津寛大 飯島一誠 松尾雅文〉 | |
Bartter症候群,Gitelman症候群について
臨床症状について
1型・2型Bartter症候群とGitelman症候群・3型Bartter症候群の差異
それぞれの疾患の利尿剤負荷試験に対する反応
3. | 泌尿器科疾患の診断におけるPETの役割 〈大山伸幸 横山 修〉 | |
前立腺癌
膀胱癌
腎癌
精巣腫瘍
III.腎炎・ネフローゼ
1. | ヒト膜性腎症の原因抗原: neutral endopeptidaseとM-type phospholipase A2 receptor 〈横山 仁〉 | |
膜性腎症の病因と発症・進展機序における内因性抗原の関与
免疫複合体形成と沈着機序
IgGサブクラスと内因性抗原をめぐる話題
2. | IgA腎症国際組織分類(オックスフォード分類)の問題点 〈城 謙輔〉 | |
IgA腎症臨床病理国際組織分類に関するコンセンサス会議の経緯
IgA腎症臨床病理国際組織分類に関する研究方法
IgA腎症国際組織分類(オックスフォード分類)に対する我が国での追試研究
オックスフォード分類と我が国の組織学的重症度分類の比較
3. | 腎炎の発症・進展に及ぼすチロシンキナーゼ阻害薬の効果 〈伊與田雅之 柴田孝則 平井優紀 秋澤忠男〉 | |
イマチニブの悪性腫瘍治療薬としての特徴
PDGFとPDGFR 腎炎とPDGF/PDGFRとの関連
PDGF/PDGFRの抑制による腎炎治療
イマチニブの腎炎治療効果と免疫修飾作用
イマチニブの腎線維化抑制効果
その他のチロシンキナーゼ阻害薬
4. | Alport症候群マウスに対する低用量放射線の影響 〈片山 鑑 野村信介〉 | |
ACE阻害剤,ARB,シクロスポリンなどについて
骨髄移植が有効であったという報告
腎障害の改善は,移植された正常骨髄によるものではなく,放射線照射によるものであった
今後の展開について
IV.間質・尿細管
1. | IgG4関連尿細管間質性腎炎の病態 〈中島 衡〉 | |
臨床的特徴
IgG4抗体産生の機序
アレルギー疾患,蠕虫感染症におけるIgG4抗体の意義
IgG4関連疾患に対する免疫学的解析
IgG4関連疾患に対する遺伝学的解析
今後の展開
2. | Peritubular capillaryの特異性: 内皮細胞の性状から 〈山本 泉 高橋孝宗〉 | |
PV-1と隔壁構造の関係
PV-1の発現分布
PV-1の発現調節腎臓におけるPV-1発現の意義
V.腎と高血圧
1. | 最新の知見を踏まえた腎臓における(プロ)レニン受容体の意義 〈千本松孝明〉 | |
プロレニン受容体
(プロ)レニン受容体の切断
腎臓での(プロ)レニン受容体の意義
2. | 妊娠高血圧症候群/妊娠高血圧腎症の成因 〈小林大介 成田一衛〉 | |
妊娠高血圧症候群発症のメカニズム
VEGF
sFlt-1
Endoglin
COMT(Cathechol-O-methyl-transferase)
Agonistic autoantibodies to angiotensin AT1 receptor(AT1-AA)妊娠高血圧腎症の発症は予測できるか
VI.腎不全
1. | AKI(acute kidney injury)の重症度分類 〈菱田 明〉 | |
動向−「急性腎不全」から「AKI」へ−
AKIの診断基準と重症度分類
AKIの診断基準による急性腎不全の頻度と予後
AKIの診断基準と重症度分類の問題点と今後の課題
2. | 透析患者の骨病変評価; 骨生検からの知見とその意義 〈矢島愛治 浅宮有香理 岩佐悠子 冨永登志〉 | |
Remodeling
Minimodeling
皮質骨と海綿骨の差異
内科的治療の骨組織に対する影響
3. | Calcimimeticsの心血管石灰化抑制作用 〈小尾真樹 永野伸郎〉 | |
心血管石灰化
石灰化部位の性状
Calcimimeticsの異所性石灰化に対する効果
VII.血液浄化法
1. | CAPDにおける腹膜硬化症: 規定因子と対策 〈中山昌明〉 | |
腹膜硬化症
EPSと腹膜硬化症
腹膜硬化症への対策−臨床研究
2. | JET Study/Co-JET 〈秋澤忠男 下条文武 斎藤 明〉 | |
JET Studyの概略
Co-JETの概略
JET Study登録症例の背景とその後の推移
Co-JETの背景と経過
3. | 低出生体重児に対する血液浄化療法 〈高田 彰 石川 健 千田勝一〉 | |
低出生体重児の急性腎不全
低出生体重児に対するCRRT
VIII.移植
1. | 移植後悪性腫瘍の現状 〈阿部豊文 市丸直嗣 高原史郎〉 | |
腎移植後悪性腫瘍の頻度と種類
免疫抑制薬と悪性腫瘍
腎移植後悪性腫瘍への対策
2. | 臓器取引と移植ツーリズムに関するイスタンブール宣言 〈相川 厚〉 | |
臓器取引,移植商業主義,移植ツーリズムの定義
イスタンブール宣言の原則
IX.小児科領域
1. | 補体調節因子異常と腎疾患 〈日高義彦 小池健一〉 | |
補体調節因子
補体調節因子異常と腎疾患
2. | ADAMTS13の異常によるTTP/HUSの発症機序 〈芦田 明 玉井 浩〉 | |
血栓性血小板減少性紫斑病/溶血性尿毒症症候群
ADAMTS13
ADAMTS13の著減時における血小板血栓形成機序およびTTP
ADAMTS13異常(先天性TTPと自己免疫性TTP)
治療
TTPにおける腎障害
3. | TCF2遺伝子異常と先天性腎尿路奇形 〈中山真紀子 野津寛大 飯島一誠〉 | |
TCF2遺伝子
TCF2遺伝子異常の臨床症状
TCF2遺伝子異常の分子遺伝学
TCF2による腎奇形発症のメカニズム
X.泌尿器科領域
1. | Ciliopathies: 多発性嚢胞腎からの新たな疾患概念 〈望月俊雄〉 | |
繊毛の定義,分類,構造
多発性嚢胞腎におけるciliaの役割 Ciliopathiesという疾患概念とその分類
シグナル伝達経路
2. | PSAスクリーニング検査がもたらすもの 〈鈴木和浩〉 | |
PSAスクリーニングの普及に伴う前立腺癌の臨床的特徴の推移(チロル前立腺癌検診スタディー)
前立腺癌死亡率データの推移からみた,PSAスクリーニング普及の意義
欧州前立腺癌スクリーニング研究: ERSPC(European Randomized Study of Screening for Prostate Cancer)
米国前立腺癌スクリーニング研究: The Prostate,Lung,Colorectal,and Ovarian(PLCO)Cancer Screening Trial
大規模RCTから得られた結果と日本における前立腺癌の現状からみた解釈
3. | 間質性膀胱炎: 最新の知見 〈野宮 明 本間之夫〉 | |
間質性膀胱炎とは
病因・病態
疫学
診断
治療
XI.電解質・酸塩基平衡
1. | 電解質輸送体の調節機構についての新たな進展 〈太田哲人 内田信一〉 | |
WNKキナーゼ
PHAIIとWNK4
WNK4の生理的役割
まとめと今後の展望
2. | リン恒常性維持の分子機構 〈道上敏美〉 | |
リン恒常性とNa+/Pi共輸送担体
FGF23の作用と疾患との関連
FGF23-bone-kidney axisとKlotho
FGF23の発現・産生制御
XII.治療法
1. | 適切な診療ガイドラインの必須要件とは? 〈石川英二 中山健夫〉 | |
EBMと診療ガイドライン
診療ガイドラインの推奨とそのコミュニケーション
診療ガイドラインの評価法
診療ガイドライン作成における利益相反
CKD診療ガイドライン2009の概要
2. | 常染色体優性多発性嚢胞腎の治療展望 〈東原英二〉 | |
CaチャンネルとしてのPKD蛋白
Polycystinsは繊毛にあるCaチャンネル
cyclic AMP(cAMP)とvasopressinとsomatostatin
細胞増殖・炎症と多発性嚢胞腎
3. | 女子尿失禁に対する最近の治療 〈島田 誠〉 | |
切迫性尿失禁
腹圧性尿失禁
4. | 前立腺肥大症に対する新たな低侵襲治療 〈吉村耕治 小川 修〉 | |
レーザー治療
プラズマ・キネティックシステム
その他
ボツリヌス毒素
5. | 透析患者に対する最近の治療薬と使い方 〈鈴木正司〉 | |
ネスプ(NESP)
シナカルセト(cinacalcet)
オピオイドκ受容体刺激薬(nalfurafine hydrochloride: TRK-820: レミッチ) 炭酸ランタン(lanthanum carbonate)
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