目 次
I.Basic Neuroscience
1.神経生理
1) | 味覚の脳内機構 〈山本 隆〉 | |
味覚の受容体
味細胞以外での味覚受容体の発現
味覚中枢での情報処理
おいしさに関わる脳部位
味の好き嫌い学習のしくみ
2) | ドパミンと情動認知機能 〈小林俊輔〉 | |
ドパミン報酬仮説
ドパミンと衝動制御障害・薬物依存
パーキンソン病における情動障害
ドパミン誘発性ICDの生理機序
ドパミンと認知機能
2.神経病理
1) | 進行性核上性麻痺における小脳症状と病理 〈下畑享良 金澤雅人 高橋 均 西澤正豊〉 | |
PSP非典型例の報告
日本人におけるPSP亜型の検討
PSP-Cの臨床像―欧米における報告―
PSP-Cの臨床像―本邦における報告―
PSP-Cの病理像
PSP-Cにおける小脳症状の責任病変今後の課題
2) | Optineurin 〈伊東秀文 丸山博文 川上秀史〉 | |
ALS患者におけるoptineurin遺伝子変異
Optineurinの構造,局在,機能
Optineurin変異ALSの臨床・病理所見
SALS,非optineurin-FALSにおけるoptineurin異常
その他の疾患におけるoptineurinの局在
3.生化学
1) | ミトコンドリア膜電位依存性の品質管理機構: ParkinとPINK1の役割 〈田中啓二 松田憲之 尾勝 圭〉 | |
ミトコンドリアのライフサイクル
"ミトコンドリア品質管理"仮説
Parkinの研究動向
PINK1の研究動向
2) | 脳の可塑性 〈野中美応 金 亮 奥野浩行 尾藤晴彦〉 | |
回路可塑性とシナプス可塑性: 情報処理の重層性・階層性の意義 シナプス可塑性を規定するシグナル伝達機構
シナプス可塑性長期化におけるCREB依存的遺伝子発現制御の重要性
シナプスでのタギングとキャプチャー: 回路可塑性とシナプス可塑性の接点を目指して
4.画像
1) | 認知症のアミロイド分子イメージング 〈岡村信行〉 | |
PiBを用いたアミロイドイメージング
PiB-PETによる発症前診断の可能性
PiB-PETの特異性について
PiB以外のアミロイドPETトレーサー
タウイメージングの可能性
2) | 320列Area Detector CTを用いたCT灌流画像・Dynamic CTA 〈村山和宏 片田和広 早川基治 大家祐実〉 | |
CT灌流画像(CTP)
Dynamic CT angiography(CTA)
II.本年の動向
1) | 片頭痛の新たな予防治療 〈清水利彦〉 | |
片頭痛予防薬と片頭痛の病態
ベータ遮断薬
カルシウム拮抗薬
アンギオテンシン変換酵素阻害薬およびアンギオテンシンII受容体遮断薬
抗うつ薬
抗てんかん薬
サプリメント
その他
2) | 認知症治療薬の新たな展開 〈下濱 俊〉 | |
コリン仮説に基づく治療薬開発の経緯
ガランタミン
リバスチグミン
メマンチン
3) | 心原性脳塞栓症予防における新たな経口抗凝固薬 〈矢坂正弘〉 | |
作用機転
脳梗塞予防効果
出血性合併症
非弁膜症性心房細動患者への投与の実際
モニタリング
食事や薬物影響
吸収と代謝
4) | iPS細胞を用いた神経・精神疾患モデル研究 〈今村恵子 井上治久〉 | |
疾患特異的iPS細胞の樹立と疾患モデルの作製
iPS細胞を用いた神経・精神疾患モデル研究の課題と今後の展望
5) | RNA異常と神経疾患 〈大野欽司〉 | |
正常スプライシング機構
スプライシングシス因子の破綻
スプライシングトランス因子の発現異常・機能異常
RNA gain-of-function diseases
6) | ブレイン・マシーン・インターフェースに関する最新の研究 〈伊佐 正〉 | |
研究の現況
将来の方向性・必要な技術開発
7) | 神経変性疾患解明への次世代シーケンサーの応用 〈辻 省次 石浦浩之 三井 純〉 | |
疾患研究におけるこれまでのゲノム医学研究の限界
遺伝性疾患の病因遺伝子探索への応用
孤発性疾患の分子基盤の解明への応用
ゲノムインフォマティクスの重要性
個人ゲノム解析の成果を診療に導入する
8) | 抗LGI-1(leucine-rich glioma inactivated 1 protein)抗体関連脳炎 〈渡邊 修〉 | |
末梢神経の過剰興奮とVGKC
Morvan症候群
抗VGKC抗体関連辺縁系
抗VGKC抗体から,抗LGI-1抗体など抗VGKC複合体抗体へ
LGI-1とCaspr-2
本邦例の解析と新規標的抗原
9) | 手術でのプリオン病対策 〈岸田日帯 黒岩義之〉 | |
医原性Creutzfeldt-Jakob病(iatrogenic CJD; iCJD)
プリオン病感染予防ガイドライン2008年版について
プリオン病患者の手術の実際
今後の課題
10) | 神経疾患と視線解析法 〈松本英之 寺尾安生〉 | |
視線解析法における視線の特徴
アルツハイマー病への応用
パーキンソン病への応用
視線解析法の研究の最前線
11) | 転移性脳腫瘍に対する治療: 最近の動向 〈佐藤慎哉 嘉山孝正〉 | |
転移性脳腫瘍治療における定位照射の意義
腫瘍摘出術+全脳照射vs定位照射+全脳照射
全脳照射単独vs全脳照射+定位照射定位照射単独vs定位照射+全脳照射
ガンマナイフ(定位照射)単独治療成績
日本発の新たな転移性脳腫瘍治療プロトコール
III.各種疾患
1.感染・炎症性疾患
1) | 肥厚性硬膜炎 〈大越教夫〉 | |
肥厚性硬膜炎の病因
肥厚性硬膜炎の臨床的特徴
肥厚性硬膜炎の治療
肥厚性硬膜炎を伴うIgG4関連疾患
感染症と肥厚性硬膜炎
2) | IgG4関連神経疾患 〈小堺有史〉 | |
IgG4関連疾患について
IgG4関連下垂体炎
IgG4関連肥厚性硬膜炎
Leptomeningitis,脳実質病変を伴うIgG4関連疾患
2.脳血管障害
1) | 抗血小板療法の新しい動向 〈棚橋紀夫〉
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脳梗塞急性期における抗血小板療法
脳梗塞の一次予防
脳梗塞・TIAの二次予防
血小板凝集能の立場から
2) | CEA/CAS(特に最近のRCTを踏まえて) 〈鈴木謙介 兵頭明夫〉 | |
SPACE
EVA3S
ICSS
SPACE,EVA3S,ICSSのメタアナリシス
CREST
3) | Post-tPA時代の脳卒中治療 〈坂井信幸〉 | |
MERCI retriever
Penumbra system
次世代機器
3.脳腫瘍
1) | 内視鏡下経鼻的頭蓋底手術 〈佐伯直勝 堀口健太郎 村井尚之〉 | |
内視鏡手術の実際
各論
動脈損傷
頭蓋底硬膜再建法
2) | 中枢神経系原発悪性リンパ腫の治療: Update 〈三島一彦〉 | |
化学療法
照射療法
自家造血幹細胞移植(ASCT)支持による大量化学療法(HDC)の役割
再発PCNSLの治療
現在進行中の臨床試験
3) | 神経膠腫のWT1ペプチドワクチン療法 〈橋本直哉〉 | |
がん免疫療法とWT1ペプチドワクチンの原理
WT1タンパクの免疫原性に関する基礎研究と初期臨床試験
神経膠腫に対するWT1ペプチドワクチン療法
WT1ペプチドワクチン療法の問題点と今後の方向性
4.外傷
? | 低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)の診断と治療: update 〈前田 剛 片山容一〉 | |
低髄液圧症候群(脳脊髄液減少症)とは
原因,疫学
症状 検査所見
診断
治療
外傷に伴う低髄液圧症候群
日本脳神経外傷学会の報告: 「外傷に伴う低髄液圧症候群」に関する前向き調査
厚生労働省科学研究補助金による「脳脊髄液減少症の診断・治療の確立に対する研究」の報告
5.変性疾患
1) | MDS-UPDRS日本語版概要 〈松本英之 宇川義一〉 | |
MDS-UPDRS日本語版の特徴
Partの解説
2) | ボツリヌス毒素最近のトピックス 〈目崎高広〉 | |
毒素の構造と作用機序
治療薬としてのボツリヌス毒素
未来への戦略
3) | MSA update 〈市川弥生子〉 | |
MSAの新しい診断基準
MSAの画像診断
MSAの病型
家族性多系統萎縮症
MSAの発症機序・治療法の開発に向けて将来の治験に向けての自然史研究
6.中毒・代謝疾患
1) | 副腎白質ジストロフィーの造血幹細胞移植療法 〈鈴木康之 下澤伸行〉 | |
ALDに対するHSCT
ALDの早期診断とマネージメント
2) | D-セリンと中枢神経機能 〈笹部潤平 相磯貞和〉 | |
D-セリンの分布と代謝
神経-グリア間のD-セリン調節
グルタミン酸受容体とD-セリン
病態生理におけるD-セリン
7.脱髄・免疫性疾患
1) | 多発性硬化症とTh17細胞 〈佐藤和貴郎 山村 隆〉 | |
多発性硬化症はTh1病か?
Th17細胞の登場
MSとTh17細胞
Th1/Th17細胞とTh17細胞の可塑性
治療標的としての
Th17細胞
2) | 傍腫瘍性神経筋疾患―辺縁系脳炎における新規自己抗体と病態の広がり― 〈林 祐一 木村暁夫 犬塚 貴〉 | |
抗VGKC複合体抗体関連脳炎
抗NMDAR抗体陽性脳炎
抗AMPA受容体抗体陽性脳炎
抗GABAB受容体抗体陽性脳炎
8.末梢神経障害
1) | Charcot-Marie-Tooth病の網羅的遺伝子診断 〈橋口昭大 高嶋 博〉 | |
原因遺伝子の多様性
CMTの分子疫学
新規原因遺伝子
網羅的遺伝子診断法
2) | 非家族性全身性アミロイドーシスの臨床 〈関島良樹〉 | |
SSAの疾患概念の変遷
SSAの疫学・臨床
SSAと手根管症候群
SSAに対する治療
全身性ALアミロイドーシスの病態・疫学
全身性ALアミロイドーシスにおける神経障害
全身性ALアミロイドーシスに対する治療
9.神経筋疾患
1) | ALS最近の進歩 〈青木正志〉 | |
孤発性ALSにおける病態の解析
家族性ALSにおける遺伝子異常
SOD1トランスジェニックマウスによる病態解析
再生医療に向けたALSモデル動物の開発
肝細胞増殖因子(HGF)の髄腔内持続投与による新しい治療法の開発
2) | ジストロフィン-ジストロフィン結合タンパク質と遺伝子治療 〈青木吉嗣 小澤?二郎〉 | |
DMD遺伝子とジストロフィンの分子構造
ジストロフィンとdystrophin-associated proteins(DAP)の分子構造
DMD遺伝子変異とフレームシフト説
DMDを対象にエクソンスキッピングを行う意義
アンチセンス化合物の構造と特徴
DMDを対象にしたエクソンスキッピングの開発
エクソンスキッピングの課題と他の疾患への応用
10.自律神経障害
1) | 免疫性自律神経ニューロパチーの治療と予後 〈桑原 聡〉 | |
急性自律性感覚性ニューロパチー(AASN)
Autoimmune autonomic ganglionopathy(AAG)
AASNとAAGの病態と予後の差異
2) | パーキンソン病と多系統萎縮症における自律神経系の病理(皮膚を用いたレビー小体病の末梢自律神経病理を含めて) 〈齊藤祐子 村山繁雄〉 | |
PDの自律神経病理
MSAの自律神経病理
皮膚の病理の意義
11.機能性疾患
1) | バクロフェン髄注治療 〈平 孝臣〉 | |
バクロフェンの作用部位に関して
適応に関して
合併症
2) | てんかんガイドライン2010 〈辻 貞俊〉 | |
てんかん治療ガイドライン2010
ガイドラインで使用したてんかん国際分類と他の国際分類について
てんかん薬物療法
難治てんかん
てんかんと女性
高齢者てんかん
迷走神経刺激療法
自動車運転免許に関して
索 引