I.糖尿病
| Overview 〈寺内康夫〉 | |
A.基礎分野での進歩
1. | 視床下部を介したエネルギー代謝調節機構 〈志内哲也 箕越靖彦〉 | |
視床下部におけるエネルギー代謝調節メカニズム
摂食リズムとエネルギー代謝
臓器間相互連関によるエネルギー代謝調節と視床下部
2. | 膵β細胞におけるcAMP情報伝達系 〈木戸良明 柴崎忠雄 清野 進〉 | |
インクレチンによるインスリン分泌増強作用
インスリン分泌増強効果におけるPKA依存性経路の役割
インスリン分泌増強効果におけるPKA非依存性経路の役割
SU薬によるEpac2/Rap1シグナルの活性化
インクレチンによるグルカゴン分泌の制御
3. | 肝糖代謝におけるPI 3-キナーゼの役割 〈鈴木 亮〉 | |
はじめに
PI 3-キナーゼを構成する分子
クラスIA制御サブユニット(p85)欠損マウス: p85の余剰性
クラスIA触媒サブユニット(p110)欠損マウス
クラスIA制御サブユニット(p85)の新たな結合パートナー
4. | 細胞老化と糖尿病 〈横山真隆 南野 徹〉 | |
テロメアと細胞老化
インスリン抵抗性と細胞老化
脂肪の老化・炎症がもたらすインスリン抵抗性
5. | 糖尿病とエピゲノム 〈酒井寿郎 稲垣 毅〉 | |
遺伝素因と環境素因
エピゲノムとは
エピゲノムは,受精卵でリセットされ,生まれた後に環境により書き換えられる
肥満生活習慣病発症におけるエピゲノムの関与―Barker仮説とオランダ飢饉疫学調査
Inbred mouseを用いた太りやすい動物の解析
核内受容体PPARγのエピジェノミックスを介した脂肪細胞分化制御機構
ChIP on ChipやChIPシーケンスを用いたエピゲノム解析
PPARγの2つの標的,H3K9メチル化酵素(Setdb1)とH4K20モノメチル化酵素(Setd8)は脂肪細胞分化を制御する
H3K9のエピゲノム修飾異常マウスは肥満になる
6. | 食餌誘導性肝癌発症の分子機構 〈前田 愼〉 | |
肥満からNAFLD-NASH発生の分子メカニズム
NASH発癌の臨床的現況
発癌の分子機構
B.臨床分野での進歩
1. | 糖尿病の診断基準 〈植木浩二郎〉 | |
我が国における糖尿病診断基準の変遷
診断基準改訂の背景―糖尿病予防,早期診断・早期介入の重要性―
糖尿病診断の手順
今後の展望―HbAlcの国際標準化と改訂診断基準―
2. | 日本人の糖尿病血管合併症 〈曽根博仁〉 | |
腎症
網膜症
神経障害
大血管合併症
遺伝的因子の影響
3. | 糖尿病ゲノム研究の現状と展望 〈堀川幸男〉 | |
全ゲノム関連解析(GWAS)から判明したこと
今後の糖尿病遺伝子探索法
エピジェネティクス的アプローチ
4. | インクレチン関連薬の臨床 〈松木道裕 加来浩平〉 | |
2型糖尿病の自然経過とインクレチン分泌
既存の糖尿病治療薬の課題
インクレチン関連薬の糖代謝への影響
GLP-1受容体作動薬とDPP IV阻害薬の臨床的特性の比較
II.代 謝
| Overview 〈石橋 俊〉 | |
A.基礎分野での進歩
1. | 脂肪酸伸長酵素と肥満・インスリン抵抗性 〈松坂 賢 島野 仁〉 | |
はじめに
脂肪酸伸長酵素ファミリー
ELOVL3の肥満・エネルギー代謝における意義
ELOVL5の肝臓の糖・脂質代謝における意義
ELOVL6の肥満,インスリン抵抗性における意義
2. | 脂肪酸結合タンパクと小胞体ストレス応答 〈古橋眞人〉 | |
脂肪酸結合タンパク(FABP)
aP2(FABP4/A-FABP)とmal1(FABP5/E-FABP)
小胞体ストレス応答
小胞体ストレスと糖尿病
小胞体ケミカルシャペロンによる糖尿病の治療
3. | 脂肪組織における自然炎症の形成機序 〈西條美佐 菅波孝祥 小川佳宏〉 | |
脂肪組織リモデリング
脂肪細胞の肥大化と脂肪組織機能障害
脂肪組織へのマクロファージ浸潤
脂肪細胞とマクロファージの相互作用
脂肪組織マクロファージの質的変化
自然炎症としての脂肪組織炎症
脂肪組織へのリンパ球の浸潤
4. | 細胞内中性脂質水解酵素群の新しい機能 ―脂肪細胞TG水解とマクロファージCE水解―〈石橋 俊〉 | |
脂肪細胞lipolysisの活性調節
LIPE
LIPE欠損マウス
ATGL
TGHまたはカルボキシルエステラーゼ
マクロファージのCE水解
NCEH1またはKIAA1363
NCEH1欠損マウス
ヒトマクロファージにおけるNCEH1
B.臨床分野での進歩
1. | 糖尿病・肥満症患者における遺伝子発現変化 〈篁 俊成〉 | |
肝脂肪化がインスリン抵抗性を形成する可能性
過栄養とヒト肝臓遺伝子発現プロファイル
2型糖尿病患者の肝臓で変動する代謝パスウェイ
肥満症患者の肝臓で変動する代謝パスウェイ
2型糖尿病患者の病態を形成する新規肝臓由来分泌蛋白の探索
末梢血単核球の遺伝子発現プロファイルが2型糖尿病患者の病態を反映する可能性
2. | 時計遺伝子と代謝性疾患 〈安藤 仁 藤村昭夫〉 | |
体内時計の分子機構
末梢時計の調節機構
時計遺伝子と代謝関連遺伝子群とのクロストーク
体内時計障害による代謝異常
時計遺伝子の多型と代謝性疾患
代謝性疾患における体内時計障害
3. | 原発性脂質異常症の分子病態 〈小林淳二 野口 徹 野原 淳 馬渕 宏〉 | |
家族性高コレステロール血症(FH)
家族性複合型高脂血症(FCH)
家族性III型高脂血症
高トリグリセリド(TG)血症
家族性LCAT欠損症
家族性CETP欠損症
低ベータリポ蛋白血症,無ベータリポ蛋白血症
Tangier病
脳腱黄色腫(CTX)
4. | アポB48定量の臨床的意義 〈山下静也〉 | |
血清TGの高値は動脈硬化のリスクとなる
レムナントの測定方法と動脈硬化惹起性
アポ蛋白B48測定系の開発と各種高脂血症におけるアポ蛋白B48レベル
食後のアポB48含有リポ蛋白の代謝と食後高脂血症
食後高脂血症と粥状動脈硬化症の関連
食後高脂血症の発症機序とアポB48測定の重要性
食後高脂血症の新しい指標としてのアポ蛋白B48
脂質異常症治療薬の薬効評価のためのアポB48測定
5. | 大規模脂質介入試験UpDate 〈山崎健也 田代 淳 武城英明〉 | |
スタチンを用いた介入試験の動向
フィブラート系薬剤の動向
エゼチミブの動向
ニコチン酸製剤(ナイアシン)の動向
プロブコールの動向
III.内分泌
| Overview 〈伊藤 裕〉 | |
A.基礎分野での進歩
1. | 生体リズムと高血圧 〈岡村 均 土居雅夫〉 | |
はじめに
生体リズムの分子機構
中枢も末梢も全身の時計が止まっているCry-nullマウスに食塩負荷をするとnon-dipper型の高血圧となる
Cry-nullマウスの高血圧の原因は副腎にあった
Cry-nullマウスにおけるアルドステロン産生亢進は,時計によって制御される酵素Hsd3b6の転写レベルの発現亢進による
ヒトにもマウスと同じく,アルドステロン産生細胞で特異的に働く3β-HSDが存在する
原発性アルドステロン症と3β-HSD
2. | 臓器間クロストークにおける骨代謝 〈竹田 秀 伊藤 裕〉 | |
レプチンによる骨,エネルギー代謝調節
セロトニンによる骨代謝調節
その他の神経ペプチド・神経伝達物質と骨代謝
下垂体ホルモンによる骨代謝調節
骨代謝とエネルギー代謝のクロストーク
3. | グレリンのプロセシングに関与する酵素とその性質 〈児島将康〉 | |
グレリン前駆体(prepro-ghrelin)を切断するプロセシングプロテアーゼ
グレリン脂肪酸転移酵素(ghrelin O-acyltransferase: GOAT)の発見
GOATの性質について
摂取した脂肪酸がグレリンの修飾反応に重要であること
GOAT-KOマウスの表現型について
4. | 心血管ホルモンによるミトコンドリア制御 〈宮下和季〉 | |
環境に応じたミトコンドリア制御とメタボリックシンドローム
内分泌因子によるミトコンドリア制御
心血管ホルモンによるミトコンドリア制御
心血管ホルモンによるミトコンドリア制御の病態生理学的意義
5. | 糖尿病治療標的としてのNAD依存性脱アセチル化酵素SIRT1とNAD合成系 〈吉野 純 今井眞一郎〉 | |
NAD依存性脱アセチル化酵素SIRT1の代謝・内分泌制御における重要性
SIRT1の発現・活性増強による糖尿病治療効果
サーチュイン活性化物質(STACs)の可能性
哺乳類NAMPT/NAD合成系によるSIRT1の活性制御および生理学的重要性
NAD中間代謝産物を応用した新規栄養学的治療法開発の可能性
6. | Angptlファミリーとメタボリックシンドローム 〈宮田敬士 尾池雄一〉 | |
アンジオポエチン様因子ファミリーについて
Angptl2
Angptl3
Angptl4
AGF/Angptl6
B.臨床分野での進歩
1. | 原発性アルドステロン症の診断手引き 〈西川哲男 大村昌夫 齋藤 淳〉 | |
スクリーニング法
確定診断法
局在診断法
2. | 直接的レニン阻害薬の臨床 〈市原淳弘 伊藤 裕〉 | |
RASを上流で阻害する意義
アリスキレンの薬理学的特徴
降圧効果と血漿レニン活性への依存性
(プロ)レニン受容体との関連
臨床研究結果と安全性
3. | 骨粗鬆症と生活習慣病 〈山口 徹 杉本利嗣〉 | |
分子レベルにおける糖・脂質代謝と骨代謝の相互リンク
各生活習慣病における骨代謝異常
4. | グレリンの展開医療研究 〈中里雅光 寒川賢治〉 | |
グレリンの機能
心疾患
神経性食思不振症
慢性閉塞性肺疾患
慢性下気道感染症の気道炎症抑制
糖尿病性末梢神経障害
消化管疾患
癌
索 引