II.Basic nephrology
?A.生理
1. | リン調節機構の分子メカニズム 〈野村憲吾 塩崎雄二 宮本賢一〉 | |
血中リン濃度調節
リン利尿因子の分類
PTHによるリン利尿機序
FGF23によるリン利尿
切断型Klothoによるリン利尿作用
フォスファトニンの作用
食後の高リン血症是正:小腸フォスファトニン
慢性腎臓病(CKD)とリン代謝異常
2. | インスリンによるNa再吸収亢進のメカニズム 〈蘇原映誠 内田信一〉 | |
尿細管各セグメントでのインスリンによるNa再吸収
遠位尿細管におけるインスリンによるNa再吸収
WNK-OSR1/SPAK-NCCリン酸化カスケード
インスリンによるWNK-OSR1/SPAK-NCCリン酸化カスケードの制御
メタボリック症候群マウスモデルにおける塩分感受性高血圧とWNK-OSR1/SPAK-NCCリン酸化カスケードの亢進
3. | トランスポートソーム:その生理的意義と疾患 〈金井好克〉 | |
「トランスポートソーム」の背景
「トランスポートソーム」とその実体
タンパク質間相互作用によって形成されるトランスポートソーム
場に依存して形成されるトランスポートソーム
4. | 鉱質コルチコイド受容体と腎障害 〈長瀬美樹〉 | |
細胞特異的MR遺伝子改変マウスと心障害,血圧異常
MR拮抗薬による腎保護効果
MR活性化による腎障害メカニズム
末期腎不全の心血管病予防薬としてのMR拮抗薬
PIGF/sFIt-1系とCKDに伴う血管障害
MRのリガンド非依存性活性制御機構
5. | バソプレシンと水代謝調節の異常 〈石川三衛〉 | |
アルギニンバソプレシン(AVP)の腎作用
尿中AQP2排泄と病態
水利尿不全とAVP V2受容体拮抗薬
?B.免疫・病理
1. | IgA腎症患者扁桃に特異的な細菌叢の同定 〈長澤康行〉 | |
IgA腎症患者扁桃細菌叢の網羅的検討
IgA腎症患者扁桃特異的細菌と扁桃摘出およびステロイドパルス療法の効果と関連
歯周病菌とIgA腎症との関連の可能性
2. | IgA腎症患者扁桃とTLR 〈鈴木 仁 鈴木祐介 富野康日己〉 | |
IgA腎症における粘膜免疫応答異常
IgA腎症における糖鎖異常IgA1?糖鎖異常IgA1免疫複合体の役割
糖鎖異常IgA1産生における扁桃細胞の関与
扁桃病巣感染
Toll-like receptor
IgA腎症の病態におけるTLRの関与
IgA腎症患者における扁桃とTLR9の病的意義
3. | AKIの病態解析と再生医学 〈石原正行 藤枝幹也 寺田典生〉 | |
AKIの病態解析
腎臓分野の再生医学
4. | IgG4関連腎臓病の発症メカニズム 〈川野充弘〉 | |
Th2細胞,制御性T細胞から産生されるサイトカインの関与
BAFF,APRILの関与
自己免疫機序の関与
補体,免疫複合体の関与
病原微生物の関与
膜性腎症とIgG4関連腎臓病 IgG4は病因に関係があるか?
5. | 腎不全における血管石灰化の分子機序の解明 〈中谷公彦 斎藤能彦〉 | |
血管石灰化の発症機構
血管石灰化促進病態としての腎不全
?C.分子生物学
1. | 腎線維化のメカニズム 〈中村 仁 柳田素子〉 | |
線維化を担う細胞の同定
Epithelial Mesenchymal Interaction(EMI)
2. | 腎臓病のmiRNA解析 〈市居 修〉 | |
miRNAの生合成と機能発現
腎臓におけるmiRNA解析
血液および尿におけるmiRNA解析
治療法への応用
3. | 選択的チロシンキナーゼ阻害薬の腎炎・腎不全進行抑制薬としての可能性 〈伊與田雅之 柴田孝則 秋澤忠男〉 | |
第一世代ABLチロシンキナーゼ阻害薬イマチニブの腎炎治療効果 第二世代ABLチロシンキナーゼ阻害薬ニロチニブの腎不全抑制効果
第三世代ABLチロシンキナーゼ阻害薬(オーロラキナーゼ阻害薬)
EGFR(epidermal growth factor receptor,上皮細胞成長因子受容体)の腎疾患への関与とEGFRチロシンキナーゼ阻害薬の治療効果
VEGFR(vascular endothelial growth factor receptor,血管内皮増殖因子受容体)を含むチロシンキナーゼ阻害薬の副作用
4. | 次世代シークエンサー 〈後藤 眞 細道一善 成田一衛〉 | |
次世代シークエンサーの登場と研究の進歩
疾患遺伝子研究とエクソーム解析
次世代シークエンサーを用いた腎臓病研究
パーソナルゲノム研究と倫理
5. | 多発性嚢胞腎発症のメカニズム 〈長尾静子 釘田雅則 吉原大輔 山口太美雄〉 | |
PKD遺伝子産物の特徴
病態発現のメカニズム
6. | CKDにおけるトランスポーター発現変化メカニズム 〈秋山泰利 鈴木健弘 阿部高明〉 | |
薬物トランスポーターとCKD
CKDにおける腎トランスポーターの発現変化
CKDにおける他臓器のトランスポーターの発現変化
トランスポーター発現を変化させる因子
CKDにおけるSLCO4C1(OATP4C1)の発現低下メカニズム
7. | 遺伝性ネフローゼ症候群原因分子の解析 〈綾 邦彦 宮井貴之〉 | |
NPHS1
NPHS2
INF2
MYH9・APOL1
MYO1E
PTPRO
ミトコンドリア病
?D.検査・診断
1. | CKDの新しい重症度分類と日本人への適応 〈今井圓裕〉 | |
KDIGOのCKDガイドラインの改訂の経緯
新しいCKDの重症度分類
新しいCKD重症度分類の日本人への適用
腎臓専門医への紹介基準,通院頻度の提示
2. | 腎臓,尿のプロテオーム解析の現状と展望 〈山本 格〉 | |
プロテオミクスとは
腎臓のプロテオーム研究
尿プロテオーム研究
尿バンク
3. | 慢性腎臓病におけるHDLコレステロールの機能異常 〈山本 卓 風間順一郎 丸山弘樹 成田一衛〉 | |
CKDにおける心血管系疾患とその治療
慢性腎臓病におけるHDLc機能異常
4. | Ngalの病態生理的意義 〈森 潔 向山政志 中尾一和〉 | |
腎臓発生
Ngalとsiderophore
腎障害における発現
腎障害における役割
感染防御
骨髄造血細胞・神経系細胞
固形癌
肥満
5. | マトリックスメタロプロテイナーゼによる新しい腹膜機能評価法 〈平原一郎 草野英二〉 | |
腹膜透析におけるMMP
バイオマーカーとしてのMMP
MMP-2の今後の臨床応用
III.Clinical nephrology
?A.糸球体障害
1. | 足細胞障害と微小循環不全 〈小林凡子 高島康利 長田道夫〉 | |
糸球体濾過障壁の構造
濾過障壁のクロストークを示唆する現象 ポドサイトと内皮細胞クロストークのpathwayと展望
2. | 足細胞障害とオートファジー 〈淺沼克彦 日高輝夫 高木美幸 富野康日己〉 | |
ポドサイトにおけるオートファジーの存在
ポドサイトにおけるオートファジーの役割
mTorシグナルとポドサイト
3. | 膜性腎症の責任抗原同定と抗体検出の現状と展望 〈丸山彰一 秋山真一 松尾清一〉 | |
膜性腎症の責任抗原の同定
膜性腎症の自己抗体検出
現状の課題と将来に向けた展望
4. | 高齢者ネフローゼ症候群の現状と問題点 〈横山 仁 杉山 斉 佐藤 博〉 | |
腎生検レジストリーからみた日本人高齢者腎臓病
高齢者ネフローゼ症候群の実際
高齢者ネフローゼ症候群における膜性腎症
5. | 糸球体障害における活性型マクロファージとM1・M2マクロファージの役割 〈川崎幸彦〉 | |
活性化マクロファージ
マクロファージサブクラスと腎炎
?B.尿細管・間質障害
1. | 先天性尿細管チャネル・輸送体異常の新たな分子機構 〈野津寛大〉 | |
NCCT機能低下を認める疾患
腎性低尿酸血症
Dent病
遺伝性低マグネシウム血症の病態解明に関する最近の進歩
2. | エリスロポイエチン遺伝子の転写制御機構 〈相馬友和 鈴木教郎 山本雅之〉 | |
EPO産生細胞の同定
EPO遺伝子転写制御機構
REPC
腎疾患時のEPO産生制御
その他のEPO産生部位
3. | 造影剤腎症のバイオマーカー 〈眞鍋憲市 神畠 宏 塩島一朗〉 | |
Cystatin C
L-FABP
NGAL
Kim-1
Interleukins
4. | メタボリックシンドロームと尿路結石,その対策 〈岡田淳志 郡健二郎〉 | |
近年の研究動向〜予防薬・治療薬に向けた研究成果〜
5. | 副作用発現における腎薬物トランスポータの寄与 〈本橋秀之 乾 賢一〉 | |
プロトン有機カチオンアンチポータ(MATE)
メトホルミン体内動態と腎カチオントランスポータ
シスプラチン腎障害とカチオントランスポータ
有機カチオントランスポータ阻害による血清クレアチニンの上昇
6. | オートファジー不全による尿細管障害 〈猪阪善隆 木村友則 高畠義嗣〉 | |
オートファジーとは
尿細管における恒常的オートファジー
腎障害時に誘導されるオートファジー活性
?C.全身性疾患と腎障害
1. | 糖尿病性腎症における核内受容体の役割 〈小川大輔 四方賢一〉 | |
Peroxisome proliferator-activated receptors(PPARs)
Vitamin D receptor(VDR)
2. | 腎臓リハビリテーションの有効性とその機序 〈上月正博 長坂 誠〉 | |
透析患者の運動耐容能低下と生命予後
透析患者に対する運動療法のメタアナリシス
透析患者における定期的運動習慣と生命予後
透析患者とレジスタンストレーニング
透析導入前のCKD患者に対する運動療法
CKD患者と骨格筋易疲労性
CKDの有無による運動や減量の効果の相違
腎臓リハにおける栄養療法の重要性
腎傷害動物モデルに対する運動療法の長期的効果
激しい運動による腎障害への予防法の検討
日本腎臓リハ学会の設立
3. | 食塩感受性高血圧の発症機序 〈下澤達雄〉 | |
NCCの活性化メカニズム
交感神経と食塩感受性
4. | 高尿酸血症と腎障害 〈大野岩男〉 | |
高尿酸血症と高血圧
高尿酸血症と慢性腎臓病(CKD),急性腎障害(AKI)
腎機能保持のための高尿酸血症治療の重要性
高尿酸血症と高血圧・腎障害との関連機序(内皮細胞障害)
高尿酸血症とメタボリックシンドローム
5. | V2受容体拮抗薬による多発性嚢胞腎治療 〈武藤 智 堀江重郎〉 | |
ADPKDとcyclic adenosine monophosphate(cAMP)
バソプレシンV2受容体
バソプレシンV2受容体拮抗薬
バソプレシンV2受容体拮抗薬の長期投与経験
6. | 脂質代謝異常による腎障害―リポ蛋白糸球体症から展開― 〈斉藤喬雄〉 | |
脂質異常症と腎障害
腎障害に関わる脂質代謝異常症
一次性脂質代謝異常症
リポ蛋白糸球体症(LPG)
LPGにかかわるアポE変異
アポE変異の特徴
実験的LPG
脂質異常症による腎障害とマクロファージ
7. | 骨髄腫腎の新たな治療展開 〈木崎昌弘〉 | |
多発性骨髄腫の診断と治療
多発性骨髄腫治療の動向
多発性骨髄腫に合併する腎障害
?D.水電解質異常
1. | 低Na+血症のメカニズムと臨床的な意義 〈種本雅之〉 | |
低Na+血症の分類
腎臓における水とNa+の出納
SIADHとRSWの鑑別
高齢者低Na+血症の特徴
低Na+血症と他疾患の関連
低Na+血症の新たな治療薬
2. | 酸塩基平衡とバゾプレッシンV1a受容体 〈野々口博史 中西 健〉 | |
バゾプレッシンV1a受容体の機能
今後の課題
?E.腎不全(AKI,CKD,移植,透析含む)
1. | 尿毒症病態への分子分光学的アプローチ 〈木村ー須田廣美 大和英之〉 | |
赤外,近赤外,ラマン分光法とは
イメージング測定
尿毒症病態へのアプローチ
AGEs(advanced glycation endproducts)へのアプローチ
2. | CKD-MBDガイドラインについて 〈横山啓太郎〉 | |
透析患者のCKD-MBD管理における基本事項
血清P,Ca濃度の管理
副甲状腺機能の評価と管理
副甲状腺インターベンションの適応と方法
骨代謝の評価と管理
透析アミロイドーシス関連骨症の診断と治療
血管石灰化
腹膜透析(PD)患者におけるCKD-MBD
保存期CKD-MBD
腎移植患者におけるCKD-MBD
小児CKD患者の骨ミネラル代謝異常(MBD)
3. | 透析アミロイドーシス診断基準と治療の新展開 〈中井健太郎 西 慎一〉 | |
HDAの病態と発症の危険因子
HDAの診断
HDAの発症予防および治療
4. | CKD-MBDとビタミンK 〈中島 歩 正木崇生〉 | |
ビタミンKの作用
ビタミンKと骨代謝
ビタミンKと血管石灰化
ビタミンKとインスリン抵抗性
CKD-MBDとビタミンK
5. | 透析患者における心血管疾患のリスクマーカー 〈本田浩一 大沼聖子 秋澤忠男〉 | |
CKD-MBDの病態とバイオマーカー
骨代謝調節因子と異所性石灰化調節因子
MIA症候群に関連したバイオマーカー
6. | 急性腎障害と血管内皮障害―内皮障害因子ADMAの可能性― 〈中山陽介 上田誠二 奥田誠也〉 | |
AKIと血管内皮障害
AKIとNO-ADMA
7. | 全自動血液透析装置の開発と安全性の評価 〈重松 隆〉 | |
全自動血液透析装置の開発の背景
全自動血液透析装置の必要性 全自動血液透析実行監視装置の開発
全自動血液透析実行監視装置の開発の実際
全自動血液透析実行監視装置の今後
索 引