目次
I.循環器の生物学
1. | iPS細胞と心血管再生 〈山下 潤〉 | |
iPS細胞からの心血管細胞分化
ヒトiPS細胞からの分化
iPS細胞研究の循環器領域における意義
iPS細胞研究の今後の展望
2. | cardiosphereによる心筋再生 〈竹原有史 服部玲治 松原弘明 王 英正〉 | |
cardiosphere
ヒト心臓由来心筋前駆細胞・幹細胞
human cardiosphere-derived stem cell
CSC移植による不全心の機能改善効果−再生工学との融合−
CSCによる心筋再生
3. | PlGFと血管新生 〈上村史朗 斎藤能彦〉 | |
PlGF(placental growth factor)
血管新生におけるPlGFの役割
虚血性心血管疾患におけるPlGFの役割
心筋梗塞の治癒機転におけるPlGFの役割
PlGFを用いた血管新生療法の可能性
4. | メタボローム 〈佐野元昭 菱木貴子 末松 誠 中西広樹 田口 良〉 | |
水溶性代謝産物の測定方法
脂溶性代謝産物
5. | 血管による脂肪組織のリモデリング 〈真鍋一郎〉 | |
脂肪組織機能と血管
脂肪組織の肥満と血管
肥満脂肪組織の血流・細胞ダイナミクス
脂肪組織と血管の病態の共通点
6. | アンジオポエチン関連増殖因子AGF 〈田畑光久 尾池雄一〉 | |
アンジオポエチン様因子ファミリーとAGF
AGFの抗肥満作用
AGFの血管新生作用
7. | 心血管系の発生,発達における血行動態因子の関与 〈吉儀雅章〉 | |
はじめに
血管系の発生,発達過程における血行動態因子の影響
心臓発生における血行動態因子の役割
II.疾患の病因と病態
1. | 細胞シート工学の心筋再生医療における可能性 〈清水達也〉 | |
細胞浮遊液の注入療法
細胞浮遊液注入の課題とティッシュエンジニアリング
細胞シート工学
重症心不全に対する細胞シート移植
次世代心筋再生医療をめざした取り組み
心筋再生医療の課題と展望
2. | microvascular anginaと女性狭心症 〈安田 聡 下川宏明〉 | |
cardiac syndrome Xと微小血管狭心症
WISE study
ホルモン補充療法
3. | Toll-like receptorと心臓リモデリング 〈竹石恭知〉 | |
Toll-like receptor(TLR)とは
TLRの構造と細胞内シグナル
TLR2と心筋梗塞後リモデリング
TLR4と心筋梗塞後リモデリング
HMGB1と心筋梗塞後リモデリング
4. | 動脈硬化とマスト細胞 〈鶴田敏博 北村和雄〉 | |
マスト細胞の分化と活性化
血管におけるマスト細胞の分布
マスト細胞と粥状動脈硬化プラークの形成と不安定化
マスト細胞と腹部大動脈瘤の進展
5. | 川崎病とITPKC遺伝子 〈羽田 明 尾内善広〉 | |
川崎病について
川崎病の感受性遺伝子同定
ITPKC遺伝子の機能と発症への関与
責任SNPと冠動脈病変およびIVIG治療抵抗性
川崎病の個別化医療の可能性
6. | 成人先天性心疾患の耐糖能 〈大内秀雄〉 | |
成人先天性心疾患(ACHD)患者の増加
メタボリック症候群とBarker仮説
心疾患と耐糖能異常
ACHD患者とメタボリック症候群
ACHD心疾患での耐糖能異常
7. | heparin-induced thrombocytopenia(HIT) 〈宮田茂樹 山本晴子〉 | |
血栓塞栓症の高リスク因子としてのヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
HIT発症のメカニズム
HITの臨床経過
診断
HITの治療
HITの早期発見
本邦におけるHIT治療指針(案)
HITはimmune memoryをもたない
8. | 心筋症の遺伝子疫学 〈森田啓行〉 | |
心肥大をきたす単一遺伝子疾患
肥大型心筋症に関する大規模遺伝子解析
心肥大と遺伝
フラミンガム研究における遺伝子解析
genotypeの観点から心肥大を診る
小児期発症心肥大の遺伝子解析
modifier gene
III.診断と治療−最近の進歩
A.虚血性心疾患
1. | PCIかCABGか−内科医の立場から 〈上妻 謙〉 | |
CABGからPCIへ−多枝疾患の場合−
左主幹部病変(LMT)の場合
慢性完全閉塞病変の場合
DESを使用した患者の長期予後
PCIかCABGか−内科医の立場から−
2. | PCIかCABGか−外科医の立場から 〈幕内晴朗〉 | |
CABGの成績向上へ向けて
急性冠症候群(ACS)におけるPCIとCABG
安定狭心症に対するPCIとCABG
わが国の現状
今後の展望
3. | PCIか内科的薬物治療か 〈小林欣夫〉 | |
COURAGE試験
OAT試験
4. | ステント血栓症と新生内膜 〈高山忠輝 平山篤志〉 | |
BMS留置後の内膜修復の機序
注目されるステント血栓症
ステント血栓症の原因
DESにおける内膜修復過程とステント血栓の原因
血管内視鏡による内膜評価
5. | 新しい抗血小板薬 〈後藤信哉〉 | |
古典的な抗血小板薬アスピリン
チクロピジン,クロピドグレル,プラスグレルその他P2Y
12阻害薬
日本が有するユニークな抗血小板薬
次世代の抗血小板薬
6. | Area detector CTによる虚血性心疾患診断の新しい展開 〈安野泰史 三田祥寛 尾崎行男〉 | |
64列MSCTと比較した320列ADCTの特徴
虚血性心疾患における心臓CT診断の評価
心臓CT検査における放射線被曝の評価
320列ADCTによる虚血性心疾患の診断
B.心不全
1. | CRTの効果と長期成績 〈松田直樹〉 | |
CRTの効果
responderとnon-responder
適応
CRT-PとCRT-D
日本におけるCRT
2. | スタチンを用いた心不全治療の臨床試験 〈高野博之 小室一成〉 | |
スタチンの多面的作用と作用機序
心不全に対するスタチンの効果を検討した後ろ向き(レトロスペクティブ)臨床試験
心不全に対するスタチンの効果を検討した前向き(プロスペクティブ)臨床試験
3. | 体外式動脈カウンターパルセーション(ECP) 〈許 俊鋭 西村悦二 高本眞一〉 | |
ECPの開発の歴史と作用メカニズム
ECPの治療効果と問題点
苦痛がなく簡便な実施可能なECPシステム(コンパクトCP)の開発コンセプト
コンパクトCPの臨床応用と臨床評価
C.不整脈
1. | 慢性心房細動のカテーテルアブレーション 〈江島浩一郎 庄田守男〉 | |
心房細動に対するカテーテルアブレーション法の変遷
肺静脈隔離以外の心房細動に対するカテーテルアブレーション法
慢性心房細動に対するカテーテルアブレーション
段階的アブレーション法 stepwise approach
“慢性”心房細動の定義の変遷
慢性心房細動に対するカテーテルアブレーションの適応
2. | QT延長症候群の遺伝子解析 〈清水 渉〉 | |
先天性LQTSの定義と臨床診断
先天性LQTSの遺伝子診断
遺伝子型と表現型の関連
遺伝子型特異的な生活指導,治療
遺伝子変異部位,変異タイプによる重症度評価
日本国内外の多施設共同研究により得られた最近の知見
3. | 乳児期の心房性心室性頻拍症の診断と治療 〈牛ノ濱大也〉 | |
上室性頻拍症
心室頻拍
心臓電気生理学的検査・高周波カテーテルアブレーション
4. | 最近の不整脈外科治療 〈新田 隆 石井庸介 坂本俊一郎〉 | |
心房細動手術の効果と適応
低侵襲心房細動手術の適応と限界
Lesion set
心房細動手術後の心房頻拍とその予防
心房細動手術におけるGP ablationの有効性と役割
5. | 小児に対するAED 〈中村隆広 住友直方〉 | |
AEDの歴史
AEDの原理,使用方法
除細動の波形
小児へのAEDの使用
D.心筋症・弁膜症
1. | MRIによる心筋症の診断 〈寺岡邦彦〉 | |
心臓MRIの適応と心筋症
心筋症の診断と重症度の評価に用いられる心臓MRIの撮影法
拡張型心筋症
肥大型心筋症
拘束型心筋症
不整脈源性右室心筋症
noncompaction
ストレス(タコツボ)心筋症
サルコイドーシス
E.高血圧・肺高血圧症
1. | 肺動脈性肺高血圧症における治療薬の選択 〈山田典一〉 | |
プロスタノイド
エンドセリン受容体拮抗薬
ホスホジエステラーゼ(PDE)5阻害薬
コンビネーション治療
2. | 24時間自由行動下血圧測定の臨床的意義 〈矢野裕一朗 島田和幸〉 | |
高血圧の診断・評価手段としてのABPMの役割
ABPMか家庭血圧か?
ABPMの意義
夜間血圧
早朝高血圧
血圧変動
その他
3. | augmentation indexの基礎と臨床 〈高沢謙二〉 | |
ASCOT CAFE試験
AIの起源
AI登場後の主要な流れ
最近の動向
4. | ACEI vs ARBどちらが高血圧治療として有効か? 〈茂木正樹 堀内正嗣〉 | |
ONTARGET試験
費用対効果
ACEIの認容性
併用療法について
Alzheimer病発症について
クラスエフェクトを超えたARBの独自効果
5. | JIKEI HEART Study 〈望月正武〉 | |
方法
結果
考察
F.先天性心疾患
1. | 脳塞栓症予防法としての卵円孔(PFO)閉鎖 〈谷口 学 赤木禎治〉 | |
PFOとcryptogenic strokeについて
PFOの診断法について
PFOと脳塞栓予防について
2. | 先天性心疾患術後の精神神経発達 〈渡辺一洋 市田蕗子〉 | |
先天性心疾患児の発達評価方法
脳神経発達に影響を与える因子先天性心疾患児にみられる神経発達障害の特性
解剖学的異常と機能的異常の関連
3. | 胎内治療−現状と今後の取り組みについて− 〈宮本隆司〉 | |
胎児血液循環のポイント
胎児心疾患の診断方法のポイント
胎内治療
今後の課題
4. | 左心低形成症候群の治療戦略 〈北堀和男 村上 新 高本眞一〉 | |
ハイリスクHLHS
ハイブリッド治療(Stage I)
Stage II(ハイブリッド治療術後)
Norwood手術
G.大動脈疾患・末梢動脈疾患
1. | 末梢動脈疾患に対するカテーテル治療(エキシマレーザー形成術含む) 〈南都伸介〉 | |
PAD治療ガイドラインについて
大動脈−腸骨動脈領域
大腿
膝窩動脈領域
エキシマレーザーを用いた血管形成術の原理
長区域浅大腿動脈閉塞病変に対するエキシマレーザー形成術の成績
浅大腿動脈閉塞病変に対するバルーン単独 vs バルーン+レーザー形成術の前向き無作為試験
peripherai excimer laser angioplasty trial(PELA trial)
大腿膝窩動脈領域におけるエキシマレーザー形成術の適応とは?
脛骨腓骨動脈領域
LACI(laser-assisted angioplasty for critical limb ischemia)trial
2. | TASC II 〈重松 宏〉 | |
Trans-Atlantic Inter-Society Consensus(TASC)作成の背景
TASCからTASC II,ACC/AHAガイドラインへ
TASC IIの特徴
PADの疫学
PADの早期診断
PADの治療戦略: 危険因子と併存疾患の管理
間歇性跛行の治療戦略
重症虚血肢の診断と血行力学的基準
CLI発症の危険因子と転帰
切断術後患者の予後
CLIの治療戦略
閉塞性病変のTASC分類
3. | 胸部および胸腹部大動脈瘤に対するステントグラフト治療 〈金岡祐司 大木隆生〉 | |
胸部大動脈瘤(TAA)
胸腹部大動脈瘤(TAAA)
4. | 末梢動脈疾患(PAD)に対する和温療法 〈新里拓郎 宮田昌明 鄭 忠和〉 | |
和温療法とは
PADに対する和温療法の効果とその機序
和温療法の適応と注意点
IV.心臓血管外科
1. | 重症心不全に対する植込型補助人工心臓治療 〈山嵜健二〉 | |
補助人工心臓 ventricular assist system(VAS)による重症心不全治療の動向
次世代型補助人工心臓
2. | CABGにおける内膜摘除 〈福井寿啓 高梨秀一郎〉 | |
内膜摘除術の意義
内膜摘除術の適応
内膜適除の手術方法および術後管理
内膜摘除術後成績
グラフト開存率
その他の適応や方法
3. | 心臓血管外科データベースの現状 〈本村 昇 高本眞一〉 | |
海外でのデータベースの動き
volume-outcomeに関する議論
EuroSCOREの検証
本邦での心臓血管外科手術データベース
日本成人心臓血管外科手術データベース(JACVSD)
JACVSDからみた本邦の心臓大血管手術
リスクcalculator: JapanSCORE
4. | 術後縦隔炎の治療 〈田林晄一〉 | |
術後創感染
心臓・血管術後縦隔炎
予防
治療
索 引