目次
I.呼吸器系の生物学
1. | 気管支喘息とGタンパク質共役型受容体 〈石井 聡〉 | |
免疫反応初期過程におけるCysLT1受容体の役割
気道平滑筋の弛緩に働くGsタンパク質からのシグナル
Gsタンパク質に共役する受容体の反応性低下に関する問題
2. | 抗酸化遺伝子 〈別役智子〉 | |
抗酸化遺伝子の発現調節機構
抗酸化遺伝子と喫煙感受性
細気管支上皮細胞における抗酸化遺伝子の誘導
抗酸化遺伝子多型とCOPD
3. | Galectinをめぐって 〈有川智博 谷川令奈 平島光臣〉 | |
リウマチおよび多発性硬化症モデルにおけるGal-9
アレルギー性肺疾患モデルにおけるGal-9
T細胞関与肺炎症モデルにおけるGal-9
4. | Th17をめぐって 〈松下 祥〉 | |
Th17細胞の分化
Th17細胞のマーカー
Th17細胞と樹状細胞
Th17細胞とヒトの病気
5. | 抗菌ペプチド(デフェンシン) 〈迎 寛〉 | |
ヒトデフェンシンの様々な作用
デフェンシンの抗菌作用以外の様々な作用
新たな抗菌薬としてのデフェンシンの可能性
6. | ナノ粒子の生物学的活性 〈松井康人 内山巌雄〉 | |
浮遊粒子状物質中のナノ粒子
生体へのナノ粒子の取込みと影響
肺胞周辺におけるナノ粒子の挙動
ナノ粒子に対するリスク評価のための課題
7. | アレルギーにおける好塩基球の新たな役割 〈烏山 一〉 | |
慢性アレルギー炎症における好塩基球の役割
アナフィラキシーショックにおける好塩基球の新たな役割
獲得免疫系制御における好塩基球の新たな役割
8. | ロイコトリエンと呼吸器疾患 〈山口正雄〉 | |
LTと受容体
LTに関する潮流
喘息における治療標的としてのLT
喘息以外の呼吸器疾患・上気道疾患
呼吸器以外の疾患
LTを標的にすることに伴う危険
9. | PDGFと呼吸器疾患 〈山田忠明 矢野聖二〉 | |
PDGF/PDGF受容体の役割
各種呼吸器疾患におけるPDGFの関与
10. | がんの易罹患性−肺がん感受性を規定する遺伝子 〈白石航也 河野隆志〉 | |
肺がん発生には遺伝要因が関与する
肺がん感受性を規定する遺伝子は何か?
II.疾患の病因と病態
1. | 気道過敏性の構成要素 〈一ノ瀬正和〉 | |
気道過敏性はなぜ亢進するか
疾患による気道過敏性亢進の機序の違い
治療による気道過敏性の変化
2. | 喘息とCD8+T細胞 〈森 晶夫〉 | |
喘息病態におけるT細胞の位置づけ
CD8
+T細胞の役割
3. | 喫煙の生物学的活性 〈青柴和徹〉 | |
タバコ煙物質の受容体
喫煙と樹状細胞(DC)
老化と炎症
喫煙影響の性差
4. | COPDと栄養障害 〈吉川雅則 木村 弘〉 | |
栄養障害の頻度と特徴
栄養障害と予後
栄養障害のメカニズム
アディポネクチンと全身性炎症
栄養障害の遺伝的背景
新たな栄養治療のストラテジー
5. | GERDと呼吸器疾患 〈小川浩正〉 | |
胃食道逆流症(GERD)
GERDと呼吸器疾患
6. | 慢性過敏性肺炎をめぐって 〈吉澤靖之 稲瀬直彦 宮崎泰成〉 | |
慢性過敏性肺炎とは
慢性過敏性肺炎(慢性鳥関連過敏性肺炎,慢性夏型過敏性肺炎)画像の最近の知見
病理組織学的研究の最近の知見
病態研究の最近の知見
慢性鳥関連過敏性肺炎: 背景と遺伝子
7. | 薬剤性肺障害と人種差「グローバル時代の薬剤性肺障害−日本人の特殊性−」 〈吾妻安良太〉 | |
近年増加したわが国の薬剤性肺障害
薬剤性肺障害の国際比較
疫学研究による肺障害の共通危険因子
日本人の遺伝性素因
8. | IgG4関連肺疾患 〈松井祥子〉 | |
IgG4関連疾患の概念
IgG4関連疾患
IgG4とその役割
今後の課題
9. | 性差と呼吸器疾患 〈竹田正秀 植木重治 茆原順一〉 | |
肺の発生・発達における性差
呼吸器疾患における性差
III.診断の進歩
1. | 成人の百日咳診断 〈石田 直〉 | |
百日咳の臨床診断
細菌学的診断
血清学的診断
診断の指針
2. | VNTR型別解析法とMAC症の病態解析 〈市川和哉 中川 拓 小川賢二〉 | |
VNTR型別解析法
RFLP型別解析法の分析能
VNTR型別解析法の分析能
ポリクローナル感染へのVNTRの応用
3. | 呼気NOと喘息 〈斎藤純平 棟方 充〉 | |
FeNO測定機器と測定原理
FeNO測定法
FeNO測定時の注意点(測定に影響する因子)
気管支喘息,咳喘息の診断とFeNO
FeNOの正常基準値および喘息診断のためのcut off値
喘息治療・管理におけるFeNO
4. | “肺年齢”の医学的裏づけと提唱の意義 〈相澤久道〉 | |
加齢と呼吸機能
「肺年齢」の概念と意義
実際の症例
「肺年齢」の検証
「肺年齢」の活用
「肺年齢」の意義
5. | 呼吸器疾患と6分間歩行試験 〈坪井永保〉 | |
歴史とバリエーション
6MWT施行方法
予後予測因子としての6MWT
再現性と学習効果
6. | 急性肺損傷の画像診断 〈一門和哉〉 | |
画像所見の理解に必要な病態生理および病理所見
病理学的進展度に応じた画像所見
画像所見の意義
7. | 呼吸器領域における多列CTの応用 〈村田喜代史 高橋雅士 新田哲久〉 | |
MDCTによる微細三次元形態診断
MDCTを用いた肺癌検診とCAD
MDCTを利用した機能評価と定量化
MDCTの救急疾患への応用
被曝軽減
8. | 免疫組織化学の進歩と肺癌 〈蔦 幸治〉 | |
技術的な進歩
近年使用される肺腫瘍の診断に有用な抗体
治療効果判定に有用と考えられている抗体
9. | バーチャルスライドとその有用性 〈石澤 伸 堀 隆 福岡順也〉 | |
バーチャルスライドの実際
日本の現状
利用状況
医療分野での利用
遠隔病理診断
コンサルテーションへの応用
カンファレンスでの利用
研究用途
今後の展望
IV.治療の進歩
1. | インフルエンザ感染における炎症制御 〈佐藤圭創〉 | |
インフルエンザウイルスそのものによるものに対する対応
インフルエンザの二次感染に対する対応
インフルエンザ感染による宿主の過剰な免疫反応による病態への対応
マクロライドを用いたインフルエンザによる炎症の制御
ヒトでのインフルエンザ感染症におけるマクロライドの有効性
2. | 人工呼吸器関連肺炎(VAP) 〈相馬一亥〉 | |
成人院内肺炎診療ガイドラインについて
定義
疫学
発症機序
罹病率と死亡率に関して
原因菌の診断
画像診断のピットフォール
治療
ステロイド,免疫グロブリンなどの補助療法
抗菌薬に対する効果がない場合
予防
3. | 新規抗真菌薬 〈槇村浩一〉 | |
抗真菌薬と主要病原真菌の感受性
国内における「新規」抗真菌薬
4. | 喘息と生物製剤 〈大田 健〉 | |
免疫グロブリンE(IgE)と喘息
喘息の病態
喘息の治療における生物製剤
5. | COPDと吸入ステロイド薬 〈平田一人〉 | |
ICSの単独療法の有用性
ICSとLABAの併用療法の有用性
全身性疾患の側面から
6. | 抗コリン薬の新しい薬理作用 〈大田 進 美濃口健治〉 | |
主要な薬理作用
新しい薬理作用
7. | ニコチン依存症に対する禁煙治療 〈中村正和〉 | |
禁煙治療に対する保険適用とこれまでの成果
禁煙の薬物療法の動向
今後の課題
8. | 肺がんに対するワクチン療法 〈平家勇司〉 | |
がん予防ワクチンとがん治療ワクチン
ワクチン製剤原理ならびに構成要素
本稿であつかう,ワクチン療法臨床研究
各論 肺がんワクチン療法のProof of Concept
ワクチン療法の今後の展開
9. | 放射線治療の品質管理 〈石倉 聡〉 | |
国外におけるQC/QA活動
国内の状況
今後の展望
索 引