I.糖尿病
A.基礎分野での進歩
1. | 炎症とインスリン抵抗性 〈田守義和 春日雅人〉 | |
インスリン抵抗性を誘導する炎症シグナル 肥満と脂肪組織の炎症
肝の炎症性シグナルとインスリン抵抗性
抗炎症薬とインスリン抵抗性改善作用
2. | 脂肪毒性とインスリン抵抗性 〈植木浩二郎〉 | |
脂肪毒性とは 膵β細胞における脂肪毒性
脂肪組織における脂肪毒性とインスリン抵抗性
骨格筋における脂肪毒性とインスリン抵抗性
肝臓における脂肪毒性とインスリン抵抗性
脂肪酸の組成による脂肪毒性の違い
3. | 膵β細胞量の調節機構 〈矢藤 繁 山田信博〉 | |
インスリンシグナル伝達経路とβ細胞のreplication
若年発症成人型糖尿病 maturity-onset diabetes of the young(MODY)の
原因遺伝子とβ細胞のreplication ARNT calcineurin/NFAT
加齢 agingによる影響 ガストリノーマ ヒト膵導管細胞からのneogenesis
4. | 2型糖尿病の発症関連遺伝子としてのTCF7L2の意義 〈森 保道〉 | |
TCF7L2は新規の2型糖尿病遺伝子である
deCODE studyに基づくアイスランド人での検討が最初の報告である
TCF7L2遺伝子多型は日本人を含む多数の人類の患者-対照研究において
2型糖尿病と関連が示された
コホート研究によりTCF7L2遺伝子多型は2型糖尿病発症リスクを規定する遺伝
要因の一つであり,生活習慣要因との相互作用が存在することが示された
TCF7L2遺伝子多型はインスリン分泌障害と関連する.しかしTCF7L2機能と
糖尿病発症の分子機構は未解決であるTCF7L2は2型糖尿病の新たなkey moleculeであり,治療標的として今後有望である
B.臨床分野での進歩
1. | チアゾリジンのEBM 〈坂本昌也 田嶼尚子〉 | |
PROactive試験 CHICAGO試験 DREAM試験 ADOPT試験
PRACTICAL試験
2. | CKDにおける糖尿病性腎症の意義 〈西下伸吾 四方賢一 槇野博史〉 | |
CKDの定義と病期分類 CKDにおける糖尿病性腎症の重要性
糖尿病性腎症の診断と病期分類 糖尿病性腎症の治療
3. | インクレチンアナログ(GLP-1,DPP-IV阻害薬)の臨床的可能性 〈山田祐一郎〉 | |
現在の糖尿病治療の問題点 インクレチンとは
インクレチンの膵作用の特徴 インクレチンの膵外作用(beyond incretin)
治療への戦略
4. | 血糖モニタリングの有用性 〈緒形ひとみ 徳山薫平〉 | |
連続血糖測定装置(CGM)開発の背景 CGM装置一覧 実際のデータ
得られたデータの活用法 今後の展開
5. | 糖尿病血管合併症進展予防の降圧治療-血圧モニタリングの意義 〈浅山 敬 今井 潤〉 | |
血圧管理の基準値とリスク管理 臓器障害 家庭血圧測定
家庭血圧の近年の進歩 家庭血圧の基準値
II.代 謝
A.基礎分野での進歩
1. | 食欲調節 〈齋藤幸枝 上野浩晶 中里雅光〉 | |
視床下部と食欲調節 末梢臓器と食欲調節
肝臓・脂肪組織と脳のネットワーク カンナビノイド系
2. | 肥満と神経調節 〈宇野健司〉 | |
組織,臓器間相互作用の存在 神経系を介した組織,臓器間相互作用
3. | エネルギー代謝における胆汁酸の作用 〈田中十志也 児玉龍彦〉 | |
胆汁酸をリガンドとする核内受容体FXR 胆汁酸による脂質代謝調節
胆汁酸による糖代謝調節 膜受容体を介した胆汁酸の脂肪燃焼作用
4. | エネルギー代謝におけるレスベラトロールの作用 〈藤本昌紀 横手幸太郎〉 | |
エネルギー代謝におけるサーテュインファミリーの役割
レスベラトロールの作用
B.臨床分野での進歩
1. | 高トリグリセリド血症の診療ガイドラインとフィブラート剤の有用性 〈島野 仁〉 | |
高TG血症レベルに応じた診療の基本 治療 フィブラート系薬剤
2. | エゼチミブの作用と効果 〈井上郁夫〉 | |
腸管でのリポ蛋白代謝とエゼチミブ エゼチミブ 血中でのリポ蛋白代謝
肝臓での脂質代謝とスタチン系薬
HMG-CoA還元酵素の阻害と腸管からのコレステロール吸収亢進と動脈硬化
エゼチミブ投与による腸管からのコレステロール吸収抑制と臨床効果
メタボリックシンドロームとエゼチミブ
3. | カンナビノイド受容体拮抗薬の作用と効果 〈吉田 博 景山 茂〉 | |
内因性カンナビノイド系
カンナビノイド1型(CB1)受容体拮抗薬の臨床試験成績(代謝関連の有用性)
カンナビノイド1型(CB1)受容体拮抗薬の臨床試験成績(その他の作用と問題点)
4. | 動脈硬化性疾患予防ガイドラインの改訂 〈寺本民生〉 | |
主たる改訂点 改訂の背景 実際の改訂点の根拠
LDL-Cの低下率とnon-HDL-Cについて
III.内分泌
A.基礎分野での進歩
1. | リン調節因子としてのfibroblast growthfactor 23 〈浦川 到〉 | |
FGF23の構造的特徴 FGF23の生理作用 低リン血症性くる病とFGF23
腫瘍状石灰沈着症とFGF23 FGF23作用の臓器特異性
FGF23作用に必須な分子Klotho FGF23受容体
2. | Basedow病モデル動物の現状 〈永山雄二〉 | |
発症因子としての遺伝因子 TSH受容体に対する中枢性寛容
TSH受容体に対する末梢性寛容 新規治療法開発
3. | アルドステロンによる心血管病変の分子基盤 〈岩崎泰正 橋本浩三〉 | |
臨床的背景 生理学的背景 薬理学的背景 比較内分泌学的背景
アルドステロンによる心血管病変の分子基盤 未解決の基礎的問題
臨床的展望
4. | ステロイドホルモンとストレス応答 〈山田佳彦 関原久彦〉 | |
ストレスとCRH ストレスとバゾプレッシン ストレスとコルチゾール
自殺行動に関連するホルモン異常
B.臨床分野での進歩
1. | 唾液中ステロイドホルモン測定とその有用性 〈本間誠次郎 坂口菊恵〉 | |
ステロイドホルモンの唾液移行と測定の意義 コルチコイド アンドロゲン
女性ホルモン 乳幼児・小児に対する適用 唾液ホルモン測定法とその注意点
2. | pre(sub)-clinical Cushing病の診断基準-preclinicalCushing症候群との比較を含めて- 〈二川原 健 須田俊宏〉 | |
名称について preCDの病態 preCDの診断基準
preCSの診断基準との違い 深夜血中コルチゾール値の再検討
3. | Basedow病の薬物治療: MMIとPTUはどちらが優れているのか,最近の検討から 〈中村浩淑〉 | |
抗甲状腺薬の選択 初期投与量
Basedow病に対する薬物治療の比較臨床試験 妊婦・授乳婦に対して
4. | 骨粗鬆症治療の問題点-骨折危険因子と薬物治療開始基準 〈山口 徹 杉本利嗣〉 | |
骨折者検出における骨密度の感度の限界 骨折危険因子の抽出
薬物治療開始基準の作成
5. | 副腎偶発腫瘍の手術適応の判定基準 〈今井常夫〉 | |
2002年に発表されたNIH Conference Statementの要旨
厚生労働省研究班の報告 画像診断の最近の知見 ホルモン産生能の評価
その他の検査 手術に関する最近の知見 病理 手術適応判定
IV.生殖医学
A.基礎分野での進歩
1. | エストロゲンと子宮内膜癌 〈塩沢丹里 小西郁生〉 | |
エストロゲンによる正常子宮内膜腺上皮の増殖機序
子宮内膜癌のエストロゲン依存性増殖機序 エストロゲンと子宮体癌の発生
エストロゲン自体による癌発生の可能性
エストロゲン合成・代謝酵素の遺伝子多型と内膜癌
タモキシフェン(TAM)と子宮内膜癌
エストロゲンとDNAミスマッチ修復 mismatch repair(MMR)
2. | 卵巣とbone morphogenetic proteins(BMP) 〈吉野 修 大須賀 穣 武谷雄二〉 | |
卵巣BMPシステムについての概要 リガンド BMP受容体 BMPの機能
3. | 子宮内膜症と免疫 〈前田長正 深谷孝夫〉 | |
NK細胞 マクロファージ
4. | 子宮筋腫とSPRM: 子宮筋腫治療の新戦略 〈小原範之 丸尾 猛〉 | |
SPRMの構造と機能 プロゲステロンの子宮筋腫発育に及ぼす影響
SPRMの子宮筋腫患者への臨床応用 PRMの子宮筋腫に及ぼす作用機序
B.臨床分野での進歩
1. | メトホルミンと排卵障害 〈柴原浩章〉 | |
従来からのPCOSの治療法 PCOSとインスリン抵抗性
メトホルミンの薬理作用機序 メトホルミン療法の有用性と副作用
妊産婦へのメトホルミン投与について
インスリン抵抗性のあるPCOS女性のQOLのために
2. | 子宮内膜症の新しい治療法 〈根津幸穂 藤原寛行 今野 良〉 | |
子宮内膜症の病態 対症療法 内分泌療法
食生活改善療法今後可能性のある治療法-最近の実験結果から-
3. | SERMと女性のヘルスケア 〈高橋一広 太田 剛 倉智博久〉 | |
SERMの骨への作用 SERMの心血管系への作用 SERMの乳腺への作用
SERMの子宮への作用
4. | 前立腺癌の分子標的治療薬としてのARB 〈上村博司 石黒 斉 窪田吉信〉 | |
再燃前立腺癌の発生に関わるARと増殖因子・サイトカイン
局所レニン-アンジオテンシン系(局所RAS) 前立腺癌と局所RAS
RASと前立腺間質組織 前立腺癌に対するARBの効果ARBの構造と作用
Ang-IIと炎症
5. | 男性更年期の臨床的問題点-概念の変遷と診断法 〈高田晋吾 辻村 晃 奥山明彦〉 | |
概念の変遷 男性ホルモン(アンドロゲン)の産生と作用
加齢に伴う精巣機能の低下 診断 治療 現状と問題点
索 引