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書籍詳細

Annual Review 糖尿病・代謝・内分泌 2009

Annual Review 糖尿病・代謝・内分泌 2009

金澤康徳 編

B5判 262頁

定価10,560円(本体9,600円 + 税)

ISBN978-4-498-12330-4

2009年01月発行

在庫なし

注目すべきトピックを選び,その分野の第一人者が内外の文献を踏まえて最新の進歩を展望する.定評ある年刊書の最新版.

I.展 望
〈山田信博〉


II.糖尿病
A.基礎分野での進歩
1. 膵β細胞の分化と再生
〈濱崎暁洋 稲垣暢也〉
   生体における膵β細胞再生の起源
   再生医学の進歩
   膵β細胞の分化と転写因子
   Calcineurin/NFATシグナル,MicroRNAと転写因子
   再生誘導,保護因子としてのGLP-1

2. アディポネクチン受容体と糖尿病の病態
〈山内敏正 門脇 孝〉
   脂肪組織由来抗糖尿病ホルモンの存在の可能性
   インスリン感受性が良好な小型脂肪細胞でアディポネクチンの発現が亢進しているアディポネクチン遺伝子は日本人2型糖尿病の主要な疾患感受性遺伝子である
   アディポネクチンは白色脂肪細胞由来の主要な抗糖尿病ホルモンである
   アディポネクチンの補充は肥満症モデルマウスのインスリン抵抗性を改善する
   アディポネクチン1因子の低下でメタボリックシンドロームの主徴候が出現しうる
   アディポネクチンはPPARαを活性化する
   アディポネクチンはAMPKを活性化する
   アディポネクチンによる血管壁に対する直接的抗血管疾患作用−アディポネクチンは血管壁において炎症を抑制するアディポネクチン受容体のクローニング,細胞内情報伝達と培養細胞での機能解析
   肥満症ではアディポネクチン低下・アディポネクチン感受性低下の両方が存在する
   PPARα作動薬は肥満症で低下したAdipoRを増加させる
   AdipoRのアゴニストの開発高分子量アディポネクチンの意義と増加させる薬剤の探索
   PPARγ作動薬による抗糖尿病作用におけるアディポネクチンの意義
   HMWアディポネクチンの測定意義
   AdipoRの生理的・病態生理的意義
   アディポネクチンは飢餓時に摂食を増加させようとする倹約遺伝子である−飽食の現代において,骨格筋・肝臓で高活性のHMWが低下していることが病因

3. 酸化ストレスとインスリン抵抗性
〈本島寛之 荒木栄一〉
   酸化ストレスとは
   ROSとROS消去系
   インスリン抵抗性とは
   ROSによるインスリン抵抗性惹起機構
   脂肪組織での酸化ストレス亢進
   今後の展望・臨床応用

4. 脂肪酸の相違によるインスリン抵抗性への影響
−長鎖脂肪酸延長酵素Elovl6ノックアウトマウスの解析
〈島野 仁〉
   内因性脂肪酸合成転写因子SREBP-1cの生理と病態
   内因性脂肪酸合成系システム
   脂肪酸伸長酵素Elovl6の同定
   Elovl6の発現調節機構
   Elovl6欠損マウスの解析
   Elovl6による肝臓におけるインスリン感受性制御
   分子メカニズム
   Elovl6解析の臨床的意義

B.臨床分野での進歩

1. 劇症1型糖尿病−その疫学と発症機構
〈今川彰久 花房俊昭〉
   疫学−発症率とその他の疫学所見
   遺伝因子−HLAとCTLA-4を中心に
   発症のトリガーとしてのウイルス感染
   β細胞傷害のメカニズム−組織所見の考察

2. チアゾリジン系薬剤と心疾患
〈河盛隆造〉
   PROactive Studyの概要
   PROactive Strokeの結果
   MACE(Major Adverse Cardiovascular Event)解析
   PROactive試験のまとめ
   pioglitazoneのメタ解析


3. 糖尿病の脂肪肝,その発症機序と対策
〈米田正人 中島 淳 前山史朗〉
   糖尿病と脂肪肝
   脂肪肝発症機序(環境因子と遺伝因子)
   NASH発症によって起こる肝臓内の網羅的遺伝子変化
   NASHの非侵襲的診断方法の開発
   NASHの治療


4. 小児・思春期2型糖尿病の疫学と臨床
〈内潟安子〉
   小児・思春期2型糖尿病の存在
   日本における小児・思春期2型糖尿病の発見率
   海外における小児・思春期2型糖尿病有病率
   1型糖尿病と2型糖尿病の比率
   過去の肥満歴および家族歴
   糖尿病性合併症に関する疫学
   治療中断の影響


5. 糖尿病の薬物療法ガイド(ADA版)
〈松木道裕 加来浩平〉
   糖尿病合併症を回避するための血糖コントロール
   2型糖尿病の治療アルゴリズム
   併用療法の注意点

III.代 謝
A.基礎分野での進歩

1. メタボリック症候群におけるグルココルチコイドの作用調節
〈益崎裕章 田中智洋 中尾一和〉
   脂肪組織におけるグルココルチコイド作用過剰と脂肪組織機能異常ストレス性肥満と脂肪組織におけるグルココルチコイド作用過剰 肥満の脂肪組織における炎症とグルココルチコイド作用過剰,創薬の展望


2. 脂肪細胞の分化・増殖
〈阪上 浩〉
   肥満における脂肪細胞のサイズと数の観察
   肥満形成と脂肪細胞の分化・増殖機構
   脂肪分化のマスターレギュレータPPARγとC/EBPs
   脂肪分化マスターレギュレータPPARγを調節する転写因子KLFs
   肥満形成における細胞周期制御機構(細胞増殖機構)の関与と脂肪細胞分化との接点
   むすびにかえて: 脂肪細胞数制御による肥満病態治療の必要性と可能性


3. 転写調節とエネルギー代謝
〈酒井寿郎〉
   PPARは脂質センサーそして転写のスイッチとして機能する
   PPARのサブタイプ
   PPARδのリガンド
   リポ蛋白代謝におけるPPARδの役割
   脂肪細胞とPPARδ
   PPARδ異化作用を亢進させる脂肪燃焼センサー−栄養成分の燃焼による新たな生活習慣病への治療展望−

B.臨床分野での進歩

1. 食後高脂血症の意義
〈武城英明〉
   食後トリグリセリドと冠動脈疾患
   食後高脂血症を評価する新たな臨床指標
   食後高脂血症と血管壁機能異常


2. 新しい抗肥満薬
〈西田 誠 船橋 徹〉
   現在承認されている抗肥満薬
   リモナバン(rimonabant)
   他の抗肥満薬のターゲット
   アディポサイトカインに注目した肥満治療

3. 家族性高コレステロール血症 familial hypercholesterolemia(FH)診療ガイドライン
〈斯波真理子〉
   FHの病因
   FHの臨床像
   FHの診断
   FHの治療

4. 特定健診はメタボリックシンドロームを抑制できるか
〈大平哲也 磯 博康〉
   わが国のメタボリックシンドロームの診断基準とその頻度
   メタボリックシンドロームと心血管疾患の発症
   メタボリックシンドロームに対する生活習慣への介入の効果
   特定健診,特定保健指導はメタボリックシンドロームを抑制できるか

IV.内分泌
A.基礎分野での進歩

1. 睡眠とメタボリックシンドローム−臨床と基礎研究をつなぐ−
〈大川匡子〉
   生活習慣病に関する最近の疫学研究
   生活習慣病と不眠,睡眠不足の生物学的背景
   生活習慣病と生体リズム


2. 脳発達期における甲状腺ホルモン応答性遺伝子の役割
〈加納安彦〉
   網羅的解析による甲状腺ホルモン応答性遺伝子の同定
   精神機能にかかわる遺伝子
   中枢神経系への甲状腺ホルモンの取り込みと産生


3. アンドロゲン-アンドロゲンレセプターとメタボリックシンドローム
〈柳瀬敏彦〉
   臨床疫学データ
   アンドロゲン-AR作用系の抗肥満作用: 動物モデルやin vitroにおける検証成績
   ヒトにおけるAR活性と肥満


4. 蛋白尿発症要因としてのアルドステロン
〈長瀬美樹 藤田敏郎〉
   アルドステロンと蛋白尿
   アルドステロンは糸球体足細胞障害を惹起する
   メタボリックシンドロームに伴う蛋白尿と内因性アルドステロン
   メタボリックシンドロームにおける食塩の害とアルドステロン
   MR活性化の新たなメカニズム


5. ステロイドホルモン産生細胞の再生
〈權藤重喜 權藤寿喜 柳瀬敏彦 高柳涼一〉
   副腎・性腺の分化機構
   再生医療の概略
   副腎・性腺ステロイドホルモン産生細胞再生の現況
   副腎・性腺ステロイドホルモン産生細胞再生の展望

B.臨床分野での進歩

1. アンチエイジング医療の現状
〈大田秀隆 大内尉義〉
   カロリー制限による効果
   Sir2および哺乳類ホモログSirt1の特徴
   レズベラトロール
   Sirt1選択的活性化物質


2. pituitary incidentalomaの自然史と手術適応
〈石井雄道 寺本 明〉
   pituitary incidentalomaとは
   pituitary incidentalomaの疫学
   pituitary incidentalomaの自然史
   pituitary incidentalomaの手術適応と治療指針


3. アルドステロンと糖代謝異常
〈武田仁勇〉
   原発性アルドステロン症における糖代謝異常
   アルドステロンの糖代謝への影響
   アルドステロンとメタボリックシンドローム


4. 新しいステロイドホルモン測定法,LC-MS/MS法によるCushing症候群の診断法
〈方波見卓行 小尾竜正 石井 聡〉
   LC-MS/MS法とは
   コルチゾール測定に関する現状の問題点とLC-MS/MS法の活用
   LC-MS/MS法による尿中,血中コルチゾール濃度測定
   医原性CSとLC-MS/MS
   唾液中コルチゾール濃度測定とLC-MS/MS
   CSの診断とLC-MS/MS


5. Subclinical hyperthyroidismとsubclinical hypothyroidism
−どう対処すべきか−
〈向笠浩司〉
   潜在性甲状腺機能亢進症の病因的分類
   潜在性甲状腺機能亢進症と心血管疾患
   潜在性甲状腺機能亢進症と骨粗鬆症
   潜在性甲状腺機能亢進症についてのその他の知見
   潜在性甲状腺機能低下症と心血管疾患
   潜在性甲状腺機能低下症と不妊
   潜在性甲状腺機能低下症についてのその他の知見
   潜在性甲状腺機能低下症の転帰


6. 原発性副甲状腺機能亢進症の診断と治療
−オープンシステムの病院を利用した実地医家の取り組み−
〈山下弘幸〉
   開放型病床を利用するにあたっての準備
   手術適応と外来での検査
   超音波ガイド下穿刺による特殊検査
   術前のInformed consent
   開放型病院への入院とクリニカルパス
   手術方法
   術中補助手段
   手術成績

V.生殖医学
A.基礎分野での進歩

1. メラトニンに関する最近の話題: メラトニンとGnIH
〈筒井和義〉
   メラトニンの発見と研究の進展
   神経分泌と視床下部ホルモンの発見
   GnIHの発見と研究の進展
   メラトニンによるGnIHの発現制御


2. 最近の知見からみるオキシトシンと母性の新しい概念
〈平井宏和〉
   中枢におけるオキシトシン
   オキシトシンに関する最近の知見
   オキシトシンの母性への影響
   オキシトシン放出のメカニズム


3. ヒト子宮内膜の脱落膜化の分子メカニズム
〈丸山哲夫 吉村泰典〉
   脱落膜化とは
   脱落膜化モデル
   脱落膜化の分子メカニズム


4. 黄体形成のメカニズム
〈藤原 浩〉
   黄体細胞への分化機構
   黄体の血管新生
   黄体の組織構築
   その他のトピック


5. 卵巣とエストロゲン
〈峯岸 敬〉
   卵巣における卵胞発育制御
   エストロゲンの中枢への作用
   エストロゲンのLHR発現に関する作用

B.臨床分野での進歩

1. 妊娠高血圧症候群とサイトカイン
〈平松祐司〉
   PIH合併妊娠の胎盤
   PIHと全身の炎症反応
   着床の適応不全説
   主なサイトカインの動き
   サイトカインと他物質とのネットワーク


2. エストロゲンと血管
〈高橋一広 吉田隆之 倉智博久〉
   エストロゲンの抗動脈硬化作用−基礎的研究−
   エストロゲンが血管壁肥厚に及ぼす作用
   エストロゲンの心血管疾患予防効果


3. 低用量ピルと子宮内膜症
〈出浦伊万里 原田 省 寺川直樹〉
   子宮内膜症と疼痛症状
   子宮内膜症性疼痛の治療とその問題点
   薬物療法の現況
   低用量ピルの薬理作用
   低用量ピルの臨床試験成績
   術後薬物療法と低用量ピル
   子宮内膜症治療における低用量ピルの位置づけ


4. 耐糖能障害と不妊
〈齊藤英和 齊藤隆和 堀川 隆〉
   肥満と妊孕性
   不妊治療
   男性肥満と妊孕性
   体重変動とアディポカイン


5. 前立腺癌の発生リスク・治療とアンドロゲン
〈今本 敬 鈴木啓悦 市川智彦〉
   血清テストステロンレベルと前立腺癌リスク
   血清テストステロンレベルと前立腺癌の悪性度,病期
   血清テストステロンレベルと前立腺癌の予後
   前立腺組織中のアンドロゲン
   アンドロゲン補充療法と前立腺癌


索 引

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執筆者一覧

金澤康徳 自治医科大学名誉教授 編
武谷雄二 東京大学教授 編
関原久彦 独立行政法人労働者健康福祉機構総括研究ディレクター 編
山田信博 筑波大学教授 編

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