Annual Review 血液 2016
【編集】 編集 / 高久史麿 日本医学会会長 編集 / 小澤敬也 東京大学医科学研究所附属病院長・教授 編集 / 金倉 譲 大阪大学教授 編集 / 小島勢二 名古屋大学教授 編集
B5判 236頁
定価10,780円(本体9,800円 + 税)
ISBN978-4-498-12598-8
2016年01月発行
在庫なし
Annual Review 血液 2016
【編集】 編集 / 高久史麿 日本医学会会長 編集 / 小澤敬也 東京大学医科学研究所附属病院長・教授 編集 / 金倉 譲 大阪大学教授 編集 / 小島勢二 名古屋大学教授 編集
B5判 236頁
定価10,780円(本体9,800円 + 税)
ISBN978-4-498-12598-8
2016年01月発行
在庫なし
注目すべきトピックを厳選し,その分野の第一人者が内外の文献を踏まえて最新の進歩を展望する.定評あるシリーズの最新年度版である.
序
『Annual Review血液2016』が刊行される事となった.
1999年版から新しい編集陣による『Annual Review血液』の刊行が行われるようになった.編集委員の方々のご尽力によって,2016年版でも血液学のAnnual Reviewにふさわしい新しい興味あるテーマが数多く取り上げられ,その内容を研究や臨床の第一線にある専門の方々に解説していただく事ができた.その一部をご紹介すると,
造血幹細胞の項では小野-宇留賀友佳子・松原由美子氏「造血幹細胞ニッチとしての巨核球」のテーマは,このグループの長年のテーマの紹介である.また,大津 真氏の「疾患特異的iPS細胞を利用した造血研究」も重要な課題である.次の赤血球系の項では高橋義行氏の「再生不良性貧血の病態と血球テロメア長測定の臨床的意義」は,現在テロメアの長さと疾患との関係が問題になっていることを考えると重要な話題である.骨髄系の項では多くの話題が提供されているが,石川裕一・清井 仁氏の「異常転写因子(CBFβ-SMMHC)を標的とした急性骨髄性白血病に対する新規治療薬の開発」,北林一生氏の「変異型IDHを標的とする急性骨髄性白血病の治療」,千葉 滋・加藤貴康氏の「ヒストンメチル化酵素DOT1Lの阻害薬によるMLL白血病の治療」など,新しい治療に関する総説が多かったが骨髄系ではその他の項目もいずれも興味ある話題で,最近の臨床腫瘍学の進歩を示したものといえよう.リンパ球系の項でも福原 傑・飛内賢正氏の「再発難治性のホジキンリンパ腫や低悪性度B細胞リンパ腫に対する抗PD-1抗体による治療」や籠谷勇紀・平野直人氏の「CAR(キメラ抗原受容体)発現Tリンパ球を用いた免疫遺伝子治療の現状と課題」など,最新の知見が盛り込まれた総説が目についた.血小板系,凝固系にも多くの興味あるテーマが紹介されていたが,字数の制限も有り,省略させていただいた.
最後に監修者として今までの版と同様にこの2016年版が血液学に興味を持つ多くの方々に愛読していただける事を強く期待している.
2015年12月
日本医学会会長 高久史麿
I.造血幹細胞
1. | 造血幹細胞ニッチとしての巨核球 〈小野-宇留賀友佳子 松原由美子〉 |
2. | 急性白血病のPDX(patient-derived xenograft)モデルを用いた疾患幹細胞の同定 〈石川文彦〉 |
3. | 疾患特異的iPS細胞を利用した造血研究 〈大津 真〉 |
4. | 非血縁者間臍帯血移植とHLA半合致移植の進歩 〈坂口大俊 加藤剛二〉 |
5. | 間葉系幹細胞(MSC)を用いた急性GVHDの治療 〈室井一男〉 |
1. | 再生不良性貧血の病態と血球テロメア長測定の臨床的意義 〈高橋義行〉 |
2. | シクロホスファミドを用いた再生不良性貧血の免疫抑制療法 〈臼杵憲祐〉 |
3. | 慢性赤芽球癆の病態と治療 〈廣川 誠〉 |
4. | 骨髄異形成症候群に伴う貧血に対するダルべポエチンアルファ治療 〈原田結花 原田浩徳〉 |
1. | GATA2と造血異常 〈張替秀郎〉 |
2. | 骨髄増殖性腫瘍におけるlipocalin-2の役割 〈籠谷勇紀〉 |
3. | 骨髄増殖性腫瘍におけるTET2の役割 〈亀田拓郎 幣 光太郎〉 |
4. | 同種造血幹細胞移植後のドナー由来急性骨髄性白血病の発症 〈安田貴彦〉 |
5. | 異常転写因子(CBFβ-SMMHC)を標的とした急性骨髄性白血病に対する新規治療薬の開発 〈石川裕一 清井 仁〉 |
6. | 変異型IDHを標的とする急性骨髄性白血病の治療 〈北林一生〉 |
7. | ヒストンメチル化酵素DOT1Lの阻害薬によるMLL白血病の治療 〈千葉 滋 加藤貴康〉 |
1. | 制御性T細胞と免疫寛容―発がんからがん免疫療法への関わり― 〈西川博嘉〉 |
2. | 小児ALL 発症のメカニズム―前白血病クローンの悪性化過程でBリンパ球の分化メカニズムが密接な関連をもつ― 〈水谷修紀〉 |
3. | フィラデルフィア染色体様急性リンパ性白血病(Ph-like ALL)におけるキナーゼ活性化変異 〈今村俊彦〉 |
4. | 成人T細胞白血病/リンパ腫の網羅的遺伝子解析 〈片岡圭亮〉 |
5. | 再発難治性のホジキンリンパ腫や低悪性度B細胞リンパ腫に対する抗PD-1抗体による治療 〈福原 傑 飛内賢正〉 |
6. | 開発中の新しい製剤 〈鈴木憲史 春日美穂〉 |
7. | CAR(キメラ抗原受容体)発現Tリンパ球を用いた免疫遺伝子治療の現状と課題 〈籠谷勇紀 平野直人〉 |
1. | Ashwell-Morell受容体を介した血小板数調節メカニズム 〈大森 司〉 |
2. | 血小板ADP受容体の基礎と臨床 〈冨山佳昭〉 |
3. | ITP治療の最前線 〈東原正明 羽山慧以 宮崎浩二〉 |
4. | 最新の抗血小板療法 〈掃本誠治 小川久雄〉 |
5. | 血小板輸血に関する最新の理解 〈羽藤高明〉 |
1. | 遺伝子解析からみる日本人の血栓性素因 〈宮田敏行〉 |
2. | 血液凝固接触相―最近の進歩 〈高木夕希 小嶋哲人〉 |
3. | 炎症と凝固 〈石倉宏恭〉 |
4. | 最新の抗凝固療法 〈徳永敬介 矢坂正弘〉 |
執筆者一覧
【編集】 編集
高久史麿 日本医学会会長 編集
小澤敬也 東京大学医科学研究所附属病院長・教授 編集
金倉 譲 大阪大学教授 編集
小島勢二 名古屋大学教授 編集
矢冨 裕 東京大学教授
【著者】
小野-宇留賀友佳子 松原由美子
石川文彦 大津 真 坂口大俊
加藤剛二 室井一男 高橋義行
臼杵憲祐 廣川 誠 原田結花
原田浩徳 張替秀郎 籠谷勇紀
亀田拓郎 幣 光太郎 安田貴彦
石川裕一 清井 仁 北林一生
千葉 滋 加藤貴康 西川博嘉
水谷修紀 今村俊彦 片岡圭亮
福原 傑 飛内賢正 鈴木憲史
春日美穂 平野直人 大森 司
冨山佳昭 東原正明 羽山慧以
宮崎浩二 掃本誠治 小川久雄
羽藤高明 宮田敏行 高木夕希
小嶋哲人 石倉宏恭 徳永敬介
矢坂正弘
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