I.糖尿病
A.基礎分野での進歩
1. | 膵β細胞における糖代謝と小胞体ストレス 〈白川 純 寺内康夫〉 | |
膵β細胞の小胞体ストレスによるアポトーシス
膵β細胞において糖代謝により惹起されるUPRの生理的役割
膵β細胞における糖毒性
膵β細胞における糖代謝とインスリンシグナル
糖代謝異常による小胞体ストレス誘導性アポトーシス
糖代謝促進による小胞体ストレス誘導性アポトーシス改善の可能性
2. | GPR40を標的とした糖尿病治療 〈武内浩二〉 | |
GPR40の膵β細胞における生理機能
GPR40の膵臓以外の組織での作用の可能性
GPR40作動薬TAK-875の薬理作用
TAK-875の臨床成績
3. | FGF21と糖代謝 〈中川 嘉 菊池琢哉 島野 仁〉 | |
FGF21
FGF21の転写制御機構
FGF21によるシグナル伝達機構
全身性のFGF21の機能
肥満,糖尿病モデルマウスにおけるFGF21の影響
各組織におけるFGF21の機能
FGF21抵抗性
4. | 膵α細胞の生物学 〈河盛 段 相田絵理 金藤秀明〉 | |
グルカゴンの機能と新たな認識
膵α細胞とその新たな機能
「古典的」なグルカゴン分泌制御機構
新たな分泌制御機構〜膵島内グルカゴン分泌調節
GLP-1によるグルカゴン分泌制御
グルカゴン標的療法
まとめと今後の展望
5. | 糖尿病神経障害の治療戦略 〈神谷英紀 中村二郎〉 | |
血糖コントロール
代謝異常是正薬
再生医療
6. | インスリン抵抗性と心不全 〈清水逸平 吉田陽子 南野 徹〉 | |
脂肪老化と糖尿病
心臓老化とインスリンシグナル
心不全と脂肪老化
B.臨床分野での進歩
1. | メトホルミン 〈太田明雄 田中 逸〉 | |
抗動脈硬化作用
抗腫瘍効果
骨代謝への作用
血中GLP-1増加作用
終末糖化反応産物AGEの産生抑制
2. | 糖尿病災害医療 〈佐藤 譲〉 | |
日本糖尿病学会および日本糖尿病協会の対応
医療者と患者の対応と備えについて
震災が血糖コントロールに及ぼした影響
3. | 糖尿病,糖尿病治療薬と癌 〈能登 洋〉 | |
糖尿病と癌の関連機序
糖尿病と癌のリスク
糖尿病治療薬と癌のリスク
4. | 糖尿病性腎症チーム医療 〈金崎啓造 古家大祐〉 | |
尿中アルブミン排泄増加の発症機序
微量アルブミン尿: 臨床的意義
糖尿病症例における微量アルブミン尿と心血管イベント,チームによる集約的治療効果
腎症に対するチームによる集約的治療
チーム医療に期待すること・求めること
II.代謝
A.基礎分野での進歩
1. | 脂肪酸受容体の肥満とインスリン分泌における役割 〈原 貴史〉 | |
長鎖脂肪酸受容体GPR120
中長鎖脂肪酸受容体GPR40/FFAR1
短鎖脂肪酸受容体GPR41/FFAR3
短鎖脂肪酸受容体GPR43/FFAR2
2. | 肥満の病態形成における自然炎症の役割 〈田中 都 菅波孝祥 小川佳宏〉 | |
脂肪組織リモデリング
脂肪組織マクロファージ
脂肪組織炎症と異所性脂肪蓄積
自然炎症と脂肪組織炎症
3. | AIM: 炎症と生活習慣病を繋ぐ分子 〈新井郷子 宮崎 徹〉 | |
AIMとは
AIMによる内臓脂肪分解
内臓脂肪の分解が導く炎症,インスリン抵抗性
血中AIMの動態―IgMとの関連性
4. | 動脈硬化におけるインフラマソームの役割 〈高橋将文〉 | |
動脈硬化の形成と炎症反応
インフラマソーム
動脈硬化とIL-1β
血管傷害とインフラマソーム
動脈硬化とインフラマソーム
5. | インスリン抵抗性におけるサーチュインの意義 〈吉崎 健〉 | |
サーチュインと寿命
インスリン標的臓器におけるSIRT1の役割
他のサーチュインファミリー
インスリン抵抗性とNAD合成系
SIRT1活性化薬剤とサーチュイン研究の今後
B.臨床分野での進歩
1. | 脂肪萎縮症の病態と治療 〈海老原 健 日下部 徹 中尾一和〉 | |
脂肪萎縮症の分類と原因
脂肪萎縮症の病態とレプチンの意義
脂肪萎縮症の治療
脂肪萎縮症に対するレプチン補充療法
2. | 安定同位体を用いたリポ蛋白代謝研究 〈池脇克則〉 | |
安定同位体を使ったトレーサー研究が台頭した背景
糖尿病,メタボリックシンドロームでのリポ蛋白代謝異常
3. | 高コレステロール血症の分子疫学と分子標的治療 〈斯波真理子〉 | |
家族性高コレステロール血症の疫学
家族性高コレステロール血症に対する新しい分子標的薬
4. | 脂質異常症治療の新たなガイドライン 〈塚本和久 木下 誠〉 | |
スクリーニングのための診断基準: LDL-C境界域の導入
相対リスクから絶対リスクへ: 1次予防患者の層別化
動脈硬化性疾患予防のための包括的管理
新たな高リスク病態,および高リスク病態の層別化
家族性高コレステロール血症(FH)の単独記載
non HDL-Cの導入
5. | アポA-I模倣ペプチドを用いた動脈硬化治療 〈河村 彰 朔 啓二郎〉 | |
アポA-I Milano
Reconstituted HDL(rHDL,アポA-I Disc)
アポA-I模倣ペプチド(apo A-I mimetic peptides): ETC-642
新規アポA-I模倣ペプチド(new apo A-I mimetic peptides)(リン脂質非含有)
III.内分泌
A.基礎分野での進歩
1. | Cdkal1によるtRNA修飾とインスリン分泌制御 〈富澤一仁〉 | |
ゲノム関連解析とCdkal1
Cdkal1の生理機能
膵β細胞特異的Cdkal1欠損マウスの表現型
cdkal1一塩基多型と発現制御
2. | RANKL/RANKシステム―最近の知見 〈花田礼子〉 | |
RANKL/RANKシステムの末梢作用
RANKL/RANKシステムの中枢作用
3. | 食塩感受性高血圧のエピジェネティクス 〈下澤達雄〉 | |
NKCCの制御
ACE遺伝子の調節
NCCの活性化メカニズム
アルドステロン合成酵素遺伝子
4. | ビタミンEと骨代謝 〈竹田 秀〉 | |
Ttpa−/−マウスは骨吸収亢進による骨量減少を示す
αトコフェロールは破骨細胞の多核化を促進する
αトコフェロールは骨粗鬆症を惹起する
5. | 栄養・エネルギー代謝にかかわるエピジェネティクス制御 〈長岡克弥 日野信次朗 中尾光善〉 | |
エピジェネティクスとは
栄養とエピジェネティック・メモリー
栄養環境とDNAメチル化
エネルギー代謝とヒストン修飾
B.臨床分野での進歩
1. | ミネラルコルチコイド受容体関連高血圧 〈柴田洋孝 伊藤 裕〉 | |
アルドステロンと高血圧
原発性アルドステロン症とアルドステロン関連高血圧
MetSにおける治療抵抗性高血圧
MR関連高血圧
MR関連高血圧の新たな治療戦略
2. | 内臓脂肪測定 〈平田雅一 細田公則〉 | |
脂肪組織と肥満
腹部脂肪組織の定量的評価
Dual-BIA法による内臓脂肪測定装置
3. | 甲状腺と放射線障害 〈遠藤啓吾 大野和子〉 | |
外部被ばくと内部被ばく
ヨウ素131内部被ばくによる甲状腺がん増加
福島原発事故により放出されたヨウ素131の健康影響
外部被ばくによる甲状腺がん増加
放射線と甲状腺良性疾患
4. | 摂食調節ホルモンの臨床 〈山下英一郎 上野浩晶 中里雅光〉 | |
GLP-1
レプチン
グレリン
5. | 腸内環境と動脈硬化 〈山下智也 平田健一〉 | |
腸内環境とは?
腸内フローラと代謝性疾患
腸内細菌と動脈硬化
腸内フローラと腸管免疫調節
腸管免疫修飾による動脈硬化予防
6. | 分子栄養学と食行動変容をめぐる臨床医学の進歩 〈益崎裕章 小塚智沙代 屋比久浩市〉 | |
玄米食によるメタボリックシンドローム改善
玄米成分,γ-オリザノールが食行動変容と代謝改善に与えるインパクト
食行動変容に関わる分子栄養学の進歩
高脂肪食に対する嗜好性と脳内報酬系の連関
食行動変容に基づく肥満症・2型糖尿病の予防戦略
索 引