Annual Review糖尿病,代謝,内分泌2015
【編集】 / 寺内康夫 横浜市立大学教授 / 伊藤 裕 慶應義塾大学教授
B5判 208頁
定価10,780円(本体9,800円 + 税)
ISBN978-4-498-12353-3
2015年01月発行
在庫なし
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Annual Review糖尿病,代謝,内分泌2015
【編集】 / 寺内康夫 横浜市立大学教授 / 伊藤 裕 慶應義塾大学教授
B5判 208頁
定価10,780円(本体9,800円 + 税)
ISBN978-4-498-12353-3
2015年01月発行
在庫なし
注目すべきトピックを厳選し,その分野の第一人者が内外の文献を踏まえて最新の進歩を展望する.定評あるシリーズの最新年度版である.
目 次
I.糖尿病
Overview 〈寺内康夫〉 |
1. | cAMPとスルホニル尿素薬の相互作用によるEpac2A の活性化とそのインスリン分泌における役割 〈?橋晴美 ?橋利匡 柴崎忠雄 清野 進〉 |
2. | インスリン作用機構 〈春日雅人〉 |
3. | 栄養素の恒常性と小胞体ストレス 〈乙田敏城 篁 俊成〉 |
4. | iPS細胞を用いた機能的なヒト臓器の創出 〈武部貴則 谷口英樹〉 |
5. | アディポロン 〈山内敏正〉 |
6. | 玄米含有成分を活用した高脂肪食依存・嗜好性の制御 〈益崎裕章 小塚智沙代 田仲秀明 島袋充生〉 |
1. | 糖尿病治療におけるCGM の有効性と今後の展望 〈西村理明〉 |
2. | SGLT2 阻害薬の有効性と今後の課題 〈山根俊介 稲垣暢也〉 |
3. | CKD 重症度分類と糖尿病性腎症病期分類 〈小川大輔 槇野博史〉 |
4. | 糖尿病神経障害の電気診断: 表皮内神経線維痛覚閾値検査による早期診断と神経伝導検査による重症度分類について 〈馬場正之 鈴木千恵子〉 |
5. | 高齢者の糖尿病治療 〈横野浩一〉 |
Overview 〈石橋 俊〉 |
1. | 疾患特異的M2マクロファージとメタボリックシンドローム 〈佐藤 荘 審良静男〉 |
2. | 過栄養関連疾患の病態形成における肝由来分泌タンパク“ヘパトカイン”の役割 〈御簾博文 篁 俊成〉 |
3. | 亜鉛によるインスリン分解の制御 〈藤谷与士夫〉 |
4. | 筋型毛細血管内皮細胞を介する心筋・骨格筋の脂肪酸代謝の制御機構と全身代謝への影響 〈磯 達也 倉林正彦〉 |
5. | 肝臓コレステロール合成と糖代謝 〈永島秀一 石橋 俊〉 |
1. | レジスチン血中濃度を規定する遺伝性素因 〈大沼 裕 大澤春彦〉 |
2. | リポタンパク代謝調節にかかわる新規遺伝子座 〈小関正博〉 |
3. | 自己免疫機序による脂質異常症 〈山本浩靖 木原進士〉 |
4. | 脂質異常症の遺伝子細胞治療―LCAT欠損症患者への新規治療法の開発― 〈黒田正幸 武城英明〉 |
5. | 重症高コレステロール血症の治療 〈小倉正恒 斯波真理子〉 |
Overview 〈伊藤 裕〉 |
1. | 脳内バソプレッシンと時差 〈岡村 均 山口賀章〉 |
2. | 骨代謝のin vivoイメージング 〈菊田順一 石井 優〉 |
3. | 腎尿細管尿酸輸送の分子機序 〈大内基司 大谷直由 安西尚彦〉 |
4. | セマフォリンを介した新しい脂肪炎症の機序 〈清水逸平 吉田陽子 南野 徹〉 |
5. | 脂肪酸受容体によるエネルギー代謝制御 〈木村郁夫〉 |
1. | 原発性アルドステロン症の最近の進歩: アルドステロン合成の場の同定と遺伝子変異 〈笹野公伸 Saulo JA Felizola 中村保宏 佐藤文俊〉 |
2. | 妊娠と甲状腺機能: 疾病管理のガイドライン 〈網野信行 井手 茜 吉岡和佳〉 |
3. | 副腎不全症の基礎と臨床 〈柳瀬敏彦〉 |
4. | 糖尿病性腎症とサーチュイン・ニコチン酸代謝異常 〈脇野 修 長谷川一宏 村丘寛和 伊藤 裕〉 |
序
Annual Review糖尿病・代謝・内分泌2015をお届けします.この1年を振り返ると,青色発光ダイオードの発明に対して授与されたノーベル物理学賞に象徴されるような誇らしい出来事が,日本の医学研究分野でも相次ぎました.そのひとつが小胞体ストレスの分子機序を解明した京都大学の森和俊教授の功績に対するラスカー賞の授与です.小胞体ストレスは,本誌の乙田論文でも取り上げられているように,2型糖尿病におけるインスリン分泌不全,メタボリックシンドロームにおける肝臓や脂肪組織でのインスリン抵抗性の形成機序として注目されている生命現象です.
サイエンス誌のbreakthrough of the yearとして取り上げられた今年の重大成果のうちの2つは,糖尿病・代謝・内分泌に関係するものでした.ひとつは,1型糖尿病の究極の治療になる可能性を秘めた成果です.患者の皮膚から採取した細胞を再プログラム化し,7週間かけてブドウ糖応答性インスリン分泌能を保持したインスリン分泌細胞に変えることができるそうです.この方法を用いると,500mLのフラスコで3億個のインスリン分泌細胞を培養でき,この数は1人の1型糖尿病患者を治癒せしめるに十分な量だそうです(Pagliuca FW, et al. Cell. 2014; 159: 428-39).もうひとつの朗報は,人類の悲願であった「若返り」の術の発見です.若いマウスの血液には老いたマウスの脳や筋肉を若返らせる成分が含まれることがわかりました(Katsimpardi L, et al. Science. 2014; 344: 630-4, Sinha M, et al. Science. 2014; 344: 649-52).GDF11という分子がその正体のようです.
これらの成果は目立ちますが,大きな氷山のほんの一角に過ぎず,その他にも内容の濃い研究が営々と進められ,その成果が新しい治療法として次々に登場していることが,本誌をご覧になってもおわかりいただけると思います.毎年報告される科学論文の数は増加の一途をたどり,その全てに眼を通すことは一個人の努力では到底叶いません.学会も専門分化が進み,仮に一生懸命に参加聴講しても,必要な情報が得られるとは限りませんし,そんなことをしていたら肝心の仕事が進まなくなります.そのような状況を鑑みるとき,情報収集のツールとして小誌の存在意義をご理解いただけるのではないかと思います.
最後になりましたが,ご多忙のなかをご執筆いただいた方々,中外医学社の方々に心から感謝申し上げます.
2014年12月
編集者一同
執筆者一覧
【編集】
寺内康夫 横浜市立大学教授
伊藤 裕 慶應義塾大学教授
石橋 俊 自治医科大学教授
【著者】
寺内康夫 高橋晴美 高橋利匡
柴崎忠雄 清野 進 春日雅人
乙田敏城 篁 俊成 武部貴則
谷口英樹 山内敏正 益崎裕章
小塚智沙代 田仲秀明 島袋充生
西村理明 山根俊介 稲垣暢也
小川大輔 槇野博史 馬場正之
鈴木千恵子 横野浩一 石橋 俊
佐藤 荘 審良静男 御簾博文
藤谷与士夫 磯 達也 倉林正彦
永島秀一 大沼 裕 大澤春彦
小関正博 山本浩靖 木原進士
黒田正幸 武城英明 小倉正恒
斯波真理子 伊藤 裕 岡村 均
山口賀章 菊田順一 石井 優
大内基司 大谷直由 安西尚彦
清水逸平 𠮷田陽子 南野 徹
木村郁夫 笹野公伸 Saulo JA Felizola
中村保宏 佐藤文俊 網野信行
井手 茜 吉岡和佳 柳瀬敏彦
脇野 修 長谷川一宏 村丘寛和
株式会社中外医学社 〒162-0805 東京都新宿区矢来町62 TEL 03-3268-2701/FAX 03-3268-2722
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