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書籍詳細

腹部エコー診断メモ

腹部エコー診断メモ

佐藤通洋 著

B6変 246頁

定価3,740円(本体3,400円 + 税)

ISBN978-4-498-04085-4

2002年05月発行

在庫なし

本書は,腹部超音波診断に必要な解剖と疾患像などをシェーマを使ってコンパクトにまとめたものである.肝,胆,膵,門脈,脾,腎……など該当臓器の解剖,計測値,チェックポイントから疾患の超音波像,診断基準,分類,鑑別診断にわたって診断に必要とされる知識,データを簡潔かつ具体的に示した.検査時はもとより診断結果の報告書の作製の際に役立つハンディで便利な書である.

第5版の序
 今回の改訂は,癌取り扱い規約の改定に伴う変更が多くを占めている.見直しで内容不足と思われる箇所がいくつも見つかるが,充分に書き足せば厚い書物となって簡潔さが失われてしまう.それでも,疾患やサインの追加,内容の一部変更と補足,項目名の変更などを若干させて頂いた.初版からすでに12年を経て,引用文献の年代が古く感じられるようになってきたが,たとえ古典になろうとも優れた内容であれば常に活用し得るのであり,先駆者の努力を大切にしたいと思っている.
 再度改訂する機会を与えられたことを感謝するとともに,本書が超音波診断の習得を目指す読者の熱意に少しでも応えられれば幸いである.

2002年2月
著者

初版の序
 近年,エレクトロニクスの進歩に伴い続々と登場した医療機器のなかで,超音波断層装置,CTスキャン,MRI(磁気共鳴画像)などに代表される診断機器の発達により,現代はまさに画像診断の時代といえる.いわゆる総合画像診断というものは,対象臓器,対象疾患に対する各々の診断法の特徴を引き出して総合的により的確な優れた診断を進めていくことである.その一端を担う超音波検査は,大掛かりな他の診断機器に比べコンパクトで,非侵襲性,簡便性に優れ,安価であるにも拘らず,病変によっては,最も高い診断能を発揮する.とくに,しばしば臨床医の触診や聴診器代わりとたとえられているように,外来やベッドサイドで体内の情報をリアルタイム像でただちに得られることは超音波装置が広く普及した要因の一つである.現在では,心臓,産婦人科領域,腹部全般,表在臓器の検査に限らず,超音波ガイド下の穿刺術,術中検査,超音波内視鏡などに幅広く応用されている.実際の診療では,多くの超音波診断の専門家が活躍しているが,専門とする医師や技師のみならず,すべての臨床医が超音波装置を自由に扱えることが望ましい.しかし,現代の多忙な医療のなかでは,多くの時間を割いて一つの検査法を修得することはなかなか困難である.かといって,手軽な検査だけに不十分な知識で施行し診断を下すことは危険である.本書は,腹部超音波診断に必要な解剖と疾患像をシェーマを交えながらコンパクトにまとめたものである.検査時だけでなく,診断結果の報告書作成の際の参考書として,超音波診断に携わる方々の一助となれば幸いである.
 最後に,本書の作成にあたり御助言を頂いた慶応大学医学部放射線診断科久直史先生,そして企画から出版まで終始御尽力頂いた中外医学社,荻野邦義氏,久保田恭史氏,川添千景氏に心から感謝致します.

1989年4月
著者

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目 次

1.腹部超音波検査法手順

2.肝臓・門脈
【解剖】
 1.肝区域
 2.区域分類の指標
 3.肝の走査でみられるアーチファクト
【計測値】
 1.肝の大きさ
 2.門脈径
【チェックポイント】
【疾患】
〈腫瘤性病変〉
肝腫瘤の超音波診断基準
 1.存在診断
 2.存在部位診断
 3.質的診断
肝腫瘤の主な超音波像の特徴
〔A〕悪性腫瘍
 1.肝癌の分類
 2.肝細胞癌
 3.胆管細胞癌(肝内胆管癌)
 4.胆管嚢胞腺癌
 5.肝細胞癌・胆管細胞癌の混合型
 6.転移性肝腫瘍
〔B〕良性腫瘍,その他の腫瘤性病変
 1.肝良性腫瘍・腫瘍類似病変の分類
 2.肝血管腫
 3.肝細胞癌と鑑別を要する腫瘤性病変
 4.VON MYENBURG complex
 5.肝結核腫
 6.肝嚢胞
 7.肝エキノコックス症
 8.肝膿瘍
 9.炎症性偽腫瘍
〈実質性病変〉
 1.急性肝炎
 2.慢性肝炎
 3.肝硬変
 4.脂肪肝
 5.高輝度肝
 6.うっ血肝
〈外傷〉
〈門脈〉
 1.門脈圧亢進症
 2.BUDD-CHIARI症候群
 3.肝内門脈肝静脈短絡

3.胆道
【解剖】
 1.胆嚢
 2.胆管
 3.胆嚢内にみられるアーチファクト
【計測値】
 1.胆嚢
 2.胆管径
【チェックポイント】
 1.胆嚢
 2.胆管
【疾患】
〈胆嚢〉
 1.胆石
 2.胆泥
 3.胆嚢壁の肥厚
 4.胆嚢炎
 5.胆嚢腺筋腫症
 6.胆嚢小隆起性病変
 7.胆嚢癌
〈胆管〉
 1.閉塞性黄疸
 2.先天性胆管拡張症
 3.肝内の強エコー病変
 4.胆外胆管結石
 5.胆管癌

4.膵臓
【解剖】
 1.膵の区分
 2.膵管の膵の血管
 3.膵の走査 9
 4.膵実質のエコーレベル
【計測値】
 1.膵の大きさ
 2.主膵管径
【チェックポイント】
【疾患】
 1.膵癌
 2.特殊な膵腫瘍
 3.急性膵炎
 4.慢性膵炎
 5.膵嚢胞
 6.膵外傷

5.脾臓
【解剖】
【計測値】
 Spleen Index
【チェックポイント】
【疾患】
 1.脾腫をきたす疾患
 2.限局性脾病変
 3.脾腫瘍
 4.脾内石灰化
 5.GAMNA-GANDY結節
 6.脾梗塞
 7.脾外傷

6.消化管
【解剖】
 1.胃壁
 2.食道壁,大腸壁
 3.腹腔
【計測値】
【チェックポイント】
【疾患】
 1.pseudokidney sign
 2.腹部のリンパ節腫
 3.胃粘膜下腫瘍
 4.急性胃粘膜病変
 5.先天性肥厚性幽門狭窄症
 6.急性虫垂炎
 7.虫垂のその他の疾患
 8.大腸炎症性疾患
 9.腸閉塞
 10.腸重積
 11.腸管気腫
 12.癌性腹膜炎
 13.sandwich sign
 14.腹水
 15.腹腔内膿瘍
 16.消化管穿孔

7.腎臓
【解剖】
 1.後腹膜腔
 2.腎
 3.正常変異
【計測値】
【チェックポイント】
腎超音波断層法の診断基準
【疾患】
〈先天性異常〉
〈腫瘤性病変〉
 1.嚢胞性疾患
 2.良性腫瘍
 3.悪性腫瘍
〈実質性病変〉
 1.急性腎不全
 2.慢性腎不全
 3.アミロイドーシス
〈炎症性病変〉
 1.急性腎盂腎炎
 2.急性限局性細菌性腎炎
 3.腎膿瘍
 4.黄色肉芽腫性腎盂腎炎
 5.腎結核
〈血管性病変〉
 1.腎動静脈瘻
 2.腎動脈瘤
 3.腎静脈血栓症
 4.腎梗塞
〈水腎症〉
〈結石,腎石灰化症〉
 1.腎結石
 2.腎石灰化症
〈外傷〉

8.副腎
【解剖】
 1.位置
 2.形状
  3.副腎の走査
【計測値】
【疾患】
 1.右副腎腫瘤でみられるサイン
 2.副腎皮質病変
 3.副腎髄質病変
 4.転移性副腎腫瘍
 5.骨髄脂肪腫
 6.副腎嚢胞
 7.副腎石灰化

9.後腹膜・大血管
【解剖】
 1.後腹膜腔
 2.腹部大動脈
 3.下大静脈
 4.横隔膜脚
【チェックポイント】
【疾患】
〈後腹膜〉
 1.後腹膜リンパ節腫大
 2.後腹膜腫瘍
 3.後腹膜線維症
 4.後腹膜膿瘍
〈大血管〉
 1.腹部大動脈瘤
 2.解離性大動脈瘤
 3.下大静脈の先天異常
 4.下大静脈閉塞症

10.泌尿器・生殖器
I.膀胱
【解剖】
【疾患】
 1.膀胱癌
 2.膀胱炎
 3.膀胱結石
 4.膀胱憩室
 5.尿膜管遺残
 6.尿管瘤
II.前立腺
【解剖】
 1.組織学的区分
 2.内腺と外腺
【計測値】
前立腺超音波断層法の診断基準
【疾患】
 1.前立腺肥大
 2.前立腺癌
 3.前立腺炎
 4.前立腺結石,前立腺嚢胞
III.子宮・卵巣
【解剖】
 1.子宮
 2.卵管
 3.卵巣
【計測値】
 1.子宮
 2.卵巣
【疾患】
 1.子宮疾患
 2.卵巣疾患
 3.婦人科疾患による急性腹症

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