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書籍詳細

脳神経外科マニュアル

脳神経外科マニュアル

高倉公朋 編

B6変 230頁

定価4,180円(本体3,800円 + 税)

ISBN978-4-498-02854-8

1995年09月発行

在庫なし

日常診療に必要な基本知識,実際上の知識を簡潔に記述し,図表,写真を配しコンパクトな体裁にまとめたものである.まず,主な症候とその診療の実際,各種検査法の手技,読影の要点,術前,術後管理さらに脳腫瘍,脳血管障害,頭部外傷,救急処置等ポイントをおさえた豊富な内容が収録されている.診療の指針として,またメモランダムとして,白衣のポケットにおすすめする.この度,全面改訂を行い,内容を一新した.

第3版の序
 本脳神経外科マニュアルの初版を出版したのは1986年で,すでに10年の歳月が流れました.この間1990年には初版の誤り等を訂正して改訂版を出版いたしました.幸い多くの方々,特に研修医の方々にご利用頂くことができました.10年の間には脳神経系疾患の診断や治療法にも多くの進歩が見られていますので,この度,全般にわたって見直しを行い,再改訂をいたしました.
 本マニュアルは白衣のポケットに入れて,必要に応じて術前,術後の患者管理に役立てて頂くように要点をまとめることを主眼にして編集したハンドブックであります.脳神経外科の標準的な医療に手落ちがないようにする便利帳の役割を果たすことが目的でありますから,新しい診断技術や治療法を紹介してはおりません.各項目ごとに著者の方々に,あらためて手直しをして頂いておりますが,さらに,このような項目があれば役立つとか,誤っている点等を御指摘頂ければ幸いに存じます.一層充実したマニュアルに育てたいと念願しております.
 脳神経外科の若い医師の方々のみならず,病院で日夜働いておられるナースや医療技術者の方々に少しでもお役に立つことができれば幸いであると思っております.

1995年9月
高倉公朋


 日常の脳神経外科診療においては,脳腫瘍,脳血管障害,外傷等,各々の疾患の診断,治療に必要な基礎的病態と臨床上の知識が必要であり,それぞれの専門分野に関する成書も多数出版されている.しかし,本書は脳神経外科診療に当って,患者の診断,検査と治療を円滑に運べるように,これだけは必要だと考えられる項目を,実地に則して列挙した診療マニュアルである.したがって,脳神経外科疾患の病態生理や治療の詳細を記した教科書ではなく,実地診療の手助けとなるメモ帳である.本書に洩れていて,各自が気付かれた必要な事項を補って頂ければ,一層,役立つメモが完成することと思う.日頃,脳神経外科病棟に勤務する研修医の諸兄から,このような実際に役立つメモがあったら便利であろうという要請に応えて,このマニュアルをまとめる企画が出発した.
 本マニュアルには,てんかん発作・頭痛・意識障害等,日常遭遇することの多い症状の診断と対処の方法,血管撮影やX線CT等の検査を行う上での手技上の注意点や読影に,最低必要な解剖学名,脳血管障害や脳外傷患者の緊急時の対応,術前の準備,術後の管理等に手落ちがないように病棟での診療に,必要な事項をまとめてある.また悪性脳腫瘍に対する術後の放射線治療,化学療法,免疫療法等の一般的な方法や,下垂体周辺腫瘍の内分泌検査法の進め方と数値の意義,小児脳神経疾患の診療に必要な頭囲等の数値表等も盛り込んである.
 本書の作製には,教室の病棟で毎日診療に当っており,認定医でもある中堅の教室員諸兄に,各人の専門分野での診療の実際と注意点をまとめて頂いた.研修医や,これから脳神経外科の専攻を志す方々が,病棟で治療する時に,これだけはチェックしておかなければならない事柄を記したメモであるから,白衣のポケットか,病棟勤務室の片隅に置いて,必要な時に頁を開いて利用して頂ければ幸いである.
 まだ不備な点が多々あると思うが,御指摘頂いて,より良いマニュアルに育てたいと考えている.また本書の企画から完成まで,終始御援助,御協力頂いた中外医学社編集部の皆様に深く感謝する次第である.

1986年11月
高倉公朋

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目 次

§1.主な症候とその対処 〈間中信也〉
 1.痙攣,失神,てんかん
  1.てんかん発作とてんかんの分類
  2.てんかん患者へのアプローチ
  3.術前術後の痙攣管理
  4.頭部外傷とてんかん
  5.痙攣重積症
  6.日常的な事項
 2.頭痛
  1.頭痛の分類
  2.頭痛の鑑別診断
  3.頭痛診断プロセス
  4.頭痛の治療
 3.めまい
  1.めまいの診断のポイント
  2.めまいの原因疾患
  3.良性発作性頭位めまい症
  4.診断の進め方
  5.めまいの治療
 4.意識障害
  1.意識障害患者へのアプローチ
  2.意識レベルの判定
  3.意識障害の原因
  4.意識障害患者の管理の要点
  5.鈎ヘルニアの際のCT像
  6.中心性ヘルニアと鈎ヘルニアの経過
  7.昏睡における責任病巣と主要症候
 5.脳浮腫
  1.脳浮腫の分類
  2.脳浮腫に対する治療
 6.頭蓋内圧亢進
  1.頭蓋内圧亢進の徴候
  2.頭蓋内圧亢進の治療
 7.痴呆
  1.痴呆の評価尺度
  2.薬物療法
 8.植物状態
 9.脳死

§2.検査法 〈町田 徹〉
 1.頭蓋単純撮影
  1.撮影方向
  2.特殊な撮影法
  3.頭蓋単純撮影読影のポイント
  4.基準点および基準線
  5.頭蓋底の計測線
  6.頭蓋内圧亢進と骨変化
  7.頭蓋内石灰化像
 2.断層撮影
 3.脳血管造影
  1.血管造影の歴史
  2.造影剤
  3.手技
  4.副障害
  5.脳血管造影の所見
  6.DSA
  7.Interventional radiologyへの応用
 4.脊髄造影
  1.方法
  2.造影剤
  3.副障害
  4.撮影法
  5.読影の要点
  6.脊髄造影の適応疾患
 5.CT
  1.歴史
  2.原理
  3.CT装置
  4.CT値
  5.CTの特徴
  6.artifact
  7.CTのための基準線
  8.正常解剖
  9.造影剤の使用
  10.特殊なCT
 6.MRI
  1.歴史
  2.原理
  3.映像法
  4.撮影法
  5.MRIの特徴
  6.artifact
  7.主磁石
  8.正常解剖
  9.MRIの造影剤
  10.MR angiography(MRA)
  11.スペクトロスコピー(MRS)
  12.機能画像(functional MRI)

§3.術前・術後管理 〈辻田喜比古〉
 1.脳神経外科の術前・術後管理
  1.術前管理
  2.術後管理
 2.入院時一般検査
 3.脳神経外科術前患者に比較的多い一般状態の異常
 4.患者・家族への病状・手術の説明(インフォームドコンセント)
 5.手術直前の処置
 6.術後の患者観察
 7.脳神経外科におけるIVH
 8.人工呼吸
 9.抜管の条件
 10.Neurogenic lung edema
 11.術後の尿崩症
 12.抗利尿ホルモン不適合分泌症候群
 13.高浸透圧性非ケトン性糖尿病
 14.血管内凝固症候群
 15.頭蓋内圧・脳浮腫のコントロール
 16.消化管出血の処置
 17.術後痙攣に対する抗痙攣剤の予防的投与
 18.術後感染の管理

§4.脳腫瘍
 1.グリオーマ(神経膠腫)〈久保長生,高倉公朋〉
  1.初期導入療法(放射線化学療法)
  2.維持療法
  3.再発グリオーマの治療
 2.間脳・下垂体部腫瘍およびその他の腫瘍〈寺本 明〉
  A.間脳・下垂体部腫瘍の管理
   1.下垂体腺腫の術前検査
    a.non-functioning adenoma
    b.prolactinoma
    c.acromegaly or gigantism
    d.CUSHING病
    e.緊急内分泌検査
    f.検査の実際
   2.下垂体腺腫の術前準備
   3.下垂体腺腫の術後管理
    a.体位
    b.鼻腔内パック,経口摂取
    c.抗生物質,ステロイド
    d.尿崩症
    e.髓液鼻漏,髄膜炎
    f.術後検査
    g.退院時
   4.下垂体腺腫以外の腫瘍の術前・術後管理
  B.その他の脳腫瘍の管理
   1.術前検査
    a.meningioma
    b.neurinoma
    c.pineal tumor
    d.hemangioblastoma
    e.chordoma,dermoid,epidermoid
   2.術後管理
    a.テント上腫瘍
     抗痙攣薬 ステロイド
     mannitol,glycerol
     抗生物質 術後検査
    b.テント下腫瘍

§5.脳血管障害〈斎藤 勇,塩川芳昭〉
 1.脳卒中のプライマリケアと診断手順
  1.救急処置
  2.神経症状の把握
  3.病歴聴取
  4.画像診断
 2.脳血管障害の分類と鑑別
  1.くも膜下出血
  2.脳内出血
  3.脳室内出血
  4.脳梗塞
 3.各疾患の診断と治療
  1.脳動脈瘤
  2.脳動静脈奇形
  3.高血圧性脳内出血
  4.虚血性脳血管障害
  5.その他の脳血管障害

§6.頭部外傷,救急処置 〈谷川達也〉
 1.頭部外傷の分類
  1.頭蓋難部組織の損傷
  2.頭蓋骨骨折
  3.頭蓋内の病変
 2.救急診療依頼の情報による重症度判断
 3.初期診療と救急処置
  1.観察・聴取すべき基本項目
  2.救急処置
  3.緊急検査
 4.頭部外傷の診断
  1.臨床症状
  2.検査
 5.頭蓋内病変の治療
  1.手術治療
  2.脳浮腫の対策
 6.頭部外傷患者に必要なモニター
 7.合併症とその対策
 8.頭部外傷の主な病態と治療
  1.骨折
  2.急性硬膜外血腫
  3.急性硬膜下血腫
  4.外傷性脳内血腫
  5.脳挫傷
  6.び漫性軸策損傷
 9.慢性期の疾患
  1.慢性硬膜下血腫
  2.外傷性てんかん
  3.外傷性脳血管障害

§7.小児奇形 〈岩崎康夫〉
 1.小児の管理
  1.小児の維持輸液
  2.検査時の鎮静
  3.その他の主な薬剤の小児量
 2.中枢神経系の先天奇形性疾患一覧
 3.水頭症
 4.閉鎖不全症
  1.無脳症
  2.二分頭蓋
  3.嚢胞性二分脊椎
  4.潜在性閉鎖不全症
 5.大脳奇形
  1.くも膜嚢胞
  2.全前脳胞症
  3.水頭無脳症
 6.小脳奇形
  1.CHIARI奇形
 7.DANDY-WALKER症候群
  1.定義
  2.単純型
  3.特殊型
   a.CROUZON症
   b.APERT症候群
   c.CARPENTER症候群
   d.cloverleaf頭蓋症候群
 8.大孔部奇形
 9.頭蓋骨膜洞

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