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書籍詳細

心臓ペーシングのすべて 2版

心臓ペーシングのすべて 2版

石川利之 著

B5判 320頁

定価8,360円(本体7,600円 + 税)

ISBN978-4-498-13605-2

2012年10月発行

在庫なし(改訂版 2022年3月刊行予定)

心臓ペーシングに関する必要な知識をあまさず収載した実践書。2004年の刊行以来広く読み継がれてきた名著に新章を追加し、全体の記述も最新の状況を反映した改訂版。

2版の序

 本書の初版が出版されたのは,CRT が認可される前のことであった.CRT,CRTD のみならず,その後のデバイスの進歩は著しいものがあった.心室ペーシングの不利益より,心室ペーシング最少化アルゴリズムが開発された.心房中隔,右室流出路/心室中隔など,通常の右心耳,右室心尖部以外のペーシング部位もさかんに試みられるようになった.しかしながら,これらの方法には依然として解決していない問題がある.進歩の速さと未解決の問題より,改訂作業には困難を伴った.しかし,これ以上改訂を遅らせるわけにもいかず,現時点における状況を示すためにも今回の改訂を行った.改訂にあたり初版時に不足していた項目を追加した.
 不整脈専門医認定制度,ペースメーカー関連専門臨床工学技士認定制度,IBHRE(International Board of Heart Rhythm Examiners)試験,CDR(cardiac device representative)などの認定制度が始まり,デバイス治療には,それなりの知識と能力を要求される時代になったといえる.
 本改訂版が,デバイス治療の役に立てば幸いである.

2012年7月
石川利之




 ペースメーカー治療の大きな成功のためか,ペースメーカーはすでに完成したものになっており,もはや進歩・研究の余地はないという声さえ聞かれた.しかし,まだペースメーカーが完成したものとは思えない.設定の自動化,ペースメーカーのホルター機能などの診断機能の進歩,ペースメーカーによる心不全治療,ペースメーカーによる心房細動などの頻拍性不整脈の抑制など,最近のペースメーカー治療の進歩はめざましい.
 一方,ペースメーカーや ICD の植込み手術やフォローは,医師であれば誰にでも容易にできるようになったので,逆に,ペースメーカー治療の修得をおろそかなものにしている危惧がある.
 ペースメーカー植込み適応自体が evidence-based medicine がいわれる以前のものであるので,実は充分な evidence はなく,倫理的な理由から evidence を求めること自体が不可能な状況である.そのため,これまで積み重ねられてきた経験も重要である.
 実際に使用するペースメーカー独自の特殊機能についてはそのマニュアルに習熟すべきである.本書には,ペースメーカー治療の基本的考え方と方法を記したいと思い,必要とされるペースメーカー治療の基礎から最新治療まで実用性を重視して解説したつもりである.本書が,少しでもペースメーカー治療の役にたてばと願っている.

2004年1月
石川利之

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目 次

第1章 ペースメーカーの基本   
 1.ペーシング刺激閾値
 2.自動閾値設定と AutocaptureTM
 3.センシング閾値
 4.ペーシングモード
 5.マグネットモードとリバージョン
 6.心拍応答機能
 7.抗頻拍ペーシング
 8.ICHD コード
 9.生理的ペーシングと非生理的ペーシング
 10.ペースメーカー本体
   a.ジェネレイター
   b.電池
 11.リード
   a.リードの種類
   b.Single lead VDD pacing
   c.Overlapping biphasic impulse(OLBITM)
   d.リードトラブルとリードの構造
   e.リード抵抗,ペーシング閥値,センシング閥値の関係
 12.非生理的ペーシングとペースメーカー症候群
 13.Blanking period と refractory period
 14.室房逆行性伝導とペースメーカー介在性頻拍
 15.ECG イベント・マーカーTM
 16.ペースメーカーのホルター心電図機能
 17.ペースメーカーの特殊機能

第2章 ペーシング・タイミング   
 1.デマンド(demand)機能
 2.Hysteresis
 3.AV delay と PV delay
 4.A counter と V counter
 5.DDI のペーシング・タイミング
 6.Max tracking rate
 7.Endless loop tachycardia(pacemaker−mediated tachycardia)と
   Postventricular atrial refractory period(PVARP)
 8.最大ペーシング心拍数
 9.反復性非リエントリー性室房同期
   (repetitive non−reentrant VA synchrony: RNRVAS)

第3章 ペーシングと心血行動態   
 1.ペースメーカー側の問題
   a.心房心室協調性の有無
   b.心房ペーシングと心室ペーシング
   c.右室心尖部ペーシングの問題点と右室流出路・中隔ペーシング
   d.心拍応答性と心拍応答機能ペースメーカーのセンサー
   e.PQ 時間の影響
   f.AV delay の至適化
   g.運動中の至適 AV delay
 2.基礎心疾患の問題
 3.ペーシング心拍数の設定
 4.ペースメーカー植込みの運動耐容能の評価

第4章 ペースメーカーの心拍応答機能   
 1.ペースメーカーの心拍応答機能の設定
 2.ペースメーカーの心拍応答機能のセンサー
   a.体動感知型センサー
   b.分時換気量感知型センサー
   c.QT 感知型センサー
   d.Closed loop sensor(閉鎖回路センサー)
 3.センサーの条件
 4.Multisensor
 5.心拍応答機能に対する考え方
 6.心拍応答機能の今後の展開

第5章 遠隔モニタリングとデバイスによる血行動態などの生体情報モニタリング機能   
第6章 ペースメーカー植込み疾患と適応   
第7章 一時ペーシング   
第8章 ペースメーカーのモード決定   
第9章 ペースメーカーの植込み手技   
第10章 ペースメーカーのフォローアップとトラブルシューティング   
第11章 ペーシングによる心房細動の非薬物療法   
第12章 ペーシングによる心室性不整脈の治療   
第13章 心不全におけるペーシング治療と cardiac resynchronization therapy(CRT)   
第14章 植込み型除細動器 Implantable cardioverter−defibrillator(ICD)   
第15章 電磁障害と不具合   
第16章 身体障害者認定,施設基準,保険償還,運転免許証および法律上の諸問題     
索 引

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執筆者一覧

石川利之 横浜市立大学准教授 著

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