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書籍詳細

EBM呼吸器疾患の治療 2003-2004

EBM呼吸器疾患の治療 2003-2004

永井厚志 他編著

A5判 548頁

定価9,350円(本体8,500円 + 税)

ISBN978-4-498-03140-1

2003年03月発行

在庫なし

本書は呼吸器疾患の治療の問題点につてを最新のエビデンスをもとにいかに理解し,治療にあたったらよいかを示した.
今日の日常の診療で問題となるテーマ,判断に迷うようなテーマ100余について,解説・指針・エビデンス・根拠となった臨床研究の問題点と限界・本邦の患者に適応する際の注意点・コメント・文献にわたり各々の第一人者が解説にあたった.



 診断や治療面における著しい進歩と共に,近年,それらを施行するにあたっては患者さんへ説明したうえで了解を得ること(informed consent)が,診療をする際の基本要件となっています.すなわち,診療行為には一定の科学的根拠(evidence)に基づいた情報が不可欠で,この情報を診療の施行者と受療者の間で共有することにより,はじめて診療を行う基本的環境が整ったことになります.この手順を踏みながら検査や治療を進めていく医療体系をEBM(evidence based medicine)と称しており,この10年の間に様々な疾患に対する診療ガイドラインが多く作成されていることと,軌を一にするものです.
 ところで,呼吸器領域では感染症,非感染性炎症性疾患,アレルギー疾患,悪性腫瘍など扱う疾患の範囲や種類が著しく多く,いずれの疾患に関しても罹患数は増加の一途をたどっています.このような状況下にあっては,個々の医師がそれぞれの疾患に関する正確な医療情報を入手し把握することは極めて困難です.コクラン・ライブラリーなどにみられるような医療情報の環境整備が進行しつつありますが,臨床の場で実際に使用し,その実をあげることはできないのが現状でしょう.
 「EBM呼吸器疾患の治療」と題した本書では,これまでに行われた多くの臨床研究から得られた膨大な成績の中から,重要疾患を対象として,治療に必要と思われる臨床課題を抽出し,それらの成績についてエキスパートの先生方にまとめて戴き,その評価をもしていただきました.紙面の都合上,本書では採り上げることのできなかった事項もありますが,呼吸器疾患の診療で欠かすことの出来ない内容に関してはほぼ網羅されるように配慮いたしました.最新の情報を基に呼吸器疾患の診療を行うためには必携の書として位置づけられ,臨床の場でご活用いただければと願い編集された一冊です.
 最後に,本書の編集に多大なるご尽力をいただきました中外医学社の荻野邦義氏,秀島 悟氏に深く感謝致します.

2003年2月吉日
編 者

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目 次

1. かぜ症候群…〈加地正英〉
 a) 気管支炎も含めて抗菌薬使用は有効か? もし有効ならどのような時に開始してどうなるまで使うのか?
 b) 解熱剤を使う利点はあるのか?
 c) ヒスタミン薬は有効か?
2. インフルエンザ…〈松島秀和 金沢 実〉
 a) 慢性呼吸器疾患例に対するインフルエンザワクチンは有効か?
 b) 抗インフルエンザ薬はCOPDや気管支喘息の悪化を防げるか?
3. 市中肺炎…〈水之江俊治 那須 勝〉
 a) 病因微生物は感受性も含めて以前と同じか?
 b) 外来治療と入院治療の判断基準についてエビデンスはあるか? 経験的治療法として何がよいか?
 c) フルオロキノロン薬の位置づけに対してエビデンスはあるか?
4. 院内肺炎…〈稲瀬直彦 吉澤靖之〉
 a) 病因菌および薬剤感受性の変遷はあるか?
 b) 院内肺炎のリスクファクターについて変遷はあるか?
 c) ステロイド剤使用の有効性はあるのか?
5. 肺膿瘍…〈井上 寧 坂本 晋 佐藤哲夫〉
 a) 病因菌および薬剤感受性の変遷はあるのか?
 b) 基礎疾患・リスクファクターについて変遷はあるのか?
6. 膿胸…〈斎藤武文 渡部厚一 林原賢治 深井志摩夫〉
 a) どこで外科治療に踏み切るのか?
 b) 気管支瘻の有無により治療法は異なるか?
 c) リスクファクターについて変遷はあるか?
7. 肺結核症…〈倉島篤行〉
 a) 入院治療と外来治療の基準と退院時の基準はどうするか?
 b) 気管支結核についてステロイドはどうするのか?
8. 非定型(非結核性)抗酸菌症…〈下方 薫〉
 a) 病原菌によって治療法は相違するのか? また薬剤の選択と用量はどのようか?
  特にMycobacterium avium-Mycobacterium intracellulare症(MAC症)の治療開始時期と外科的治療の適応は?
 b) 治療終了はどのように判断するか?
9. 肺真菌症…〈掛屋 弘 宮崎義継 河野 茂〉
 a) 真菌の種類別各種抗真菌薬の選択はどのように行うか?
 b) 薬剤の投与方法と打ち切りの条件
 c) β-D-グルカンは治療の指標となるか? その信頼性は?
10. 過敏性肺炎…〈吉澤靖之〉
 a) ステロイド使用の是非と使用期間は?
 b) 抗原リストは拡大しているか?
11. 器質化肺炎…〈長井苑子〉
12. 好酸球性肺炎…〈長瀬洋之〉
 a) 好酸球性肺炎の分類とステロイド治療の有効性は?
 b) いつまでステロイド治療を継続するか?
 c) 経口ステロイド以外に有効な薬物はあるか?
13. サルコイドーシス…〈津田富康〉
 a) 急性発症型の特徴と対処は?
 b) ステロイド使用の適応と使用方法はどのようか?
14. Wegener肉芽腫症…〈堀内 正〉
 a) シクロホスファミド投与法と有効性は?
 b) 各種臓器障害に対する治療法は?
 c) ステロイド併用の意義は?
15. 肺胞蛋白症…〈濱野栄美〉
 a) 有効な薬物療法は何か?
 b) 気管支鏡による肺胞洗浄の実際とその有効性は?
 c) GM-CSFを標的にした治療は有効か?
16. 特発性間質性肺炎…〈吾妻安良太〉
 a) IIPsの新しい分類とステロイド治療の適応,有効性は?
 b) 有効な薬物療法は?
 c) 急性増悪時にステロイドパルス療法は有効か?
 d) 在宅酸素療法により予後は改善するか?
17. 膠原病随伴性肺疾患…〈山口正雄〉
 a) 原疾患の治療効果と関連性をもつか?
 b) 特発性間質性肺炎と治療方針は異なるか?
 c) 膠原病に発生する肺疾患にはどのようなものがあるか? またそれぞれの治療法は?
18. 気管支喘息…〈中野純一 大田 健〉
A) 喘息の長期管理について
 a) 吸入ステロイド(ICS)の投与量はどのように決めるのか?
 b) 吸入ステロイドと併用する薬はどのようなものが有効か?
 c) 治療期間はどのように決定するのか?
B) 急性期治療について
 a) アミノフィリンは有効か?
 b) ステロイドの適応と投与法および有効性は?
 c) β刺激薬の有効性に限界はあるのか?
C) 喘息の新しい治療薬としてどのようなものが期待されるか?
19. びまん性汎細気管支炎…〈田口善夫〉
 a) 長期少量マクロライド抗菌薬の治療成績はどうか?
 b) 新旧マクロライド系抗菌薬における治療効果に違いはあるか?
 c) いつまで治療を継続するか?
20. 慢性閉塞性肺疾患…〈植木 純 福地義之助〉
 a) 気管支拡張薬の選択基準をどう考えるか?
 b) ステロイドの治療と予後の関係は?
 c) LVRSの予後は?
21. 気管支拡張症…〈永井厚志〉
 a) 外科治療の適応をどのように考えるか?
 b) どのような患者にステロイド治療を行うか?
 c) 気管支拡張薬の効果は?
22. 肺血栓塞栓症…〈田邉信宏 栗山喬之〉
 a) 血栓溶解薬治療の対象となるのはどのような患者か?
 b) 下大静脈フィルターの適応と予防効果は?
 c) 肺血栓内膜摘除術の適応はどのような場合か.またその効果は?
23. 原発性肺高血圧症…〈国枝武義〉
 a) プロスタサイクリンの適応をどう考えるか.またその治療は?
 b) 新規薬剤の治療効果はどのようか?
 c) 外科的適応はどのような場合か? またその効果は?
24. 急性呼吸窮迫症候群…〈石坂彰敏〉
 a) どのように人工換気を行えばよいか?
 b) ステロイド治療とその効果はどうか?
 c) 今後の治療として何が考えられるか?
25. 肺癌
 a) 病期別にみた非小細胞肺癌の標準治療と現状でのトライアルの目標は?
  1. I・II期について…〈淺村尚生〉
  2. III・IV期について…〈根来俊一〉
 b) 病期別にみた小細胞肺癌の標準的治療と現状でのトライアルの目標は?…〈斉藤春洋 野田和正〉
 c) 高齢者肺癌に標準的治療は存在するか?…〈河原正明〉
 d) CT検診などで偶然みつかる小型の肺野限局性スリガラス影病変(GGA)は切除すべきか?…〈中田昌男〉
 e) 肺癌の脳転移の治療は局所療法を優先すべきか,および
  ラディオサージェリーの役割はどこまであるのか?…〈早川和重〉
 f) 再発症例・poor riskに対する治療方針はどうか?
  ──非小細胞肺癌および小細胞肺癌の治療について…〈小林一郎 西谷憲三〉
 g) 転移性肺腫瘍に対する治療方針は?…〈大出泰久 近藤晴彦〉
 h) 縦隔腫瘍に対する治療方針は?…〈永井完治〉
26. 自然気胸…〈多賀谷悦子〉
 a) 治療──外科的治療のタイミングについて
27. 胸膜炎…〈鈴木道明 松岡緑郎〉
 a) 胸腔ドレナージの適応と禁忌は?
 b) 胸腔内への薬物注入の適応と有効性は?
 c) 結核性胸膜炎におけるステロイドの適応と有効性は?
 d) 癌性胸膜炎における胸水コントロールの方法と予後への影響は?
28. 呼吸不全…〈三嶋理晃〉
 a) 酸素投与の方法と量とはどのように決定するか?
 b) 慢性呼吸不全の人工呼吸管理の適応と方法は?
 c) 急性呼吸不全の人工呼吸管理の適応と方法は?
 d) 人工呼吸器からの離脱および抜管の目安は?
 e) 人工呼吸における圧・量外傷を防止する方法は?
29. 過換気症候群…〈石井 彰〉
 a) 再呼吸法の方法と有効性は?
 b) 有効な薬物療法はあるか?(再発防止も含む)
30. 睡眠時無呼吸症候群…〈赤柴恒人〉
 a) CPAP治療の効果は?
 b) 口腔内治療の適応とその効果
31. 慢性咳嗽…〈藤村政樹〉
 a) 慢性咳嗽の原因は何か.またその対策は?
 b) 胃食道逆流症治療の効果はどのようか?

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