ログアウト中です。

トップページ血液 > 血液疾患臨床ハンドブック

書籍詳細

血液疾患臨床ハンドブック

血液疾患臨床ハンドブック

中村 忍 他編著

A5判 354頁

定価6,600円(本体6,000円 + 税)

ISBN978-4-498-12508-7

2002年04月発行

在庫なし

急速に発達している血液学の知識をできるだけわかりやすく解説した新しいテキスト.
赤血球の産生と性状,血液検査法,診断の進め方などの総論を解説したのち,赤血球計の異常,白血球系の異常,免疫異常,血小板の異常,凝固,線溶系の異常の順に主要疾患の病態,診断の実際を懇切にまとめた.
医学生や研修医などこれから血液学を学ぶものにとっては最適のテキストであると同時に,ベッドサイドでも役立つハンドブックである.



 最近の医学の進歩はめざましい.多くの疾患で病態の解明が進み,これに基づいて新たな治療法が開発され,不治とされていた疾患で治癒が期待できるようになってきている.
 血液学は中でも最も進歩の早い分野のひとつである.造血幹細胞の発見とこれに続いて1970年代に始まった骨髄移植は,血液疾患の治療を一変させた.その後造血幹細胞移植となり,造血器疾患のみならず種々の疾患で利用されるようになってきた.最近では,これらの研究は細胞治療,再生医学へと進みつつある.また,分子生物学の進歩は遺伝子治療への道を開き,血友病をはじめとする遺伝性血液疾患で治癒への期待を抱かせるまでになった.
 このような進歩には,先達の残した血液に関する多くの知識が基礎になっていることは言うまでもない.これらを知り,理解することは病態の把握,適切な治療へとつながる.おびただしい知識を直ぐに引き出せるように上手に整理しておくことが,臨床応用へのコツである.
 本書は主に学生および研修医を対象にして,血液に関する知識の整理を手助けし,ベッドサイドで役立つようにと願って編集した.造血のしくみ,血液検査法,診察のしかた,各疾患の基本事項と最近の考え方および治療法など,それぞれの分野の専門家に執筆いただいた.さらに血液疾患診療の最前線で活躍している若手研究者にも参加してもらった.医学生,研修医の視点に立った日常必携の使いやすいハンドブックになったと自負している.厳しい医療情勢下で,緊急性の高い血液疾患患者を的確に診療するための一助になれば幸いである.
 本書の発刊に際しご尽力いただいた中外医学社の企画部小川孝志氏,編集部森本俊子氏に深謝する

2002年3月
中村 忍
中尾眞二

すべて見る

目 次

I.総 論
1.血球の産生…<中尾眞二>
  1.胎生期〜新生児期の造血
  2.成人期の造血
  3.造血の調節
2.血球の成分と性状…<中村 忍>
  1.血液の成分
  2.血液の量と性状
3.血液検査法
 A.採血法…<大竹茂樹>
 B.一般的検査…<大竹茂樹>
  1.血球計数法
  2.自動白血球分類装置
  3.塗抹標本の作製
  4.血球染色法
 C.末梢血液像…<団野大介>
  1.観察法と観察部位
  2.各血球の観察
 D.骨髄検査と骨髄像…<中村 忍>
  1.骨髄穿刺の実際
  2.骨髄生検の実際
  3.骨髄塗抹標本の見方
 E.生化学検査…<中尾眞二>
  1.赤血球の異常に関する生化学検査
   a.溶血性貧血
   b.溶血をともなわない家族性貧血
   c.チアノーゼ
   d.多血症
   e.日光過敏症
  2.白血球に関する生化学検査
 F.血液免疫学的検査…<中条達也>
  1.免疫グロブリン
   a.蛋白電気泳動
   b.ベンス ジョーンズ蛋白
   c.免疫電気泳動
  2.細胞表面抗原
  3.フローサイトメトリー
  4.リンパ球機能試験
   a.リンパ球増殖能検査
   b.細胞傷害性検査
   c.遅延型皮膚反応
 G.血小板の機能検査…<朝倉英策>
  1.止血,血栓機序−血液はなぜ凝固するか
  2.抗血栓機序−血液はなぜ凝固しないか
  3.血小板の機能検査
   a.出血時間
   b.毛細血管抵抗試験
   c.血餅退縮能
   d.血小板粘着能
   e.血小板凝集能
 H.血液凝固・線溶検査…<朝倉英策>
  1.プロトロンビン時間,国際正常化指数
  2.活性化部分トロンボプラスチン時間
  3.フィブリノゲン
  4.トロンボテスト,ヘパプラスチンテスト
  5.凝固因子活性
  6.von Willebrand因子
  7.PIVKA−II
  8.アンチトロンビンIII
  9.プロテインC,プロテインS
  10.FDPとDダイマー
  11.プラスミノゲン,α2プラスミンインヒビター
  12.プラスミノゲンアクチベーターインヒビター1
  13.トロンビン−アンチトロンビンIII複合体,プラスミン−α2プラスミンインヒビター複合体
  14.プロトロンビンフラグメント1+2
 I.染色体・遺伝子検査…<大竹茂樹>
4.診断の進め方
 A.医療面接と身体所見の取り方…<中村 忍>
  1.医療面接
  2.診 察
 B.検査の進め方
  1.赤血球系…<中村 忍>
   a.貧 血
   b.赤血球増多症
  2.白血球系
   a.白血球増多症
   b.白血球減少症
   c.末梢血液像の観察
  3.血小板系
   a.血小板減少
   b.血小板増多
  4.凝固・線溶系…<朝倉英策>
   a.FDPの上昇症例
   b.FDP正常症例
  5.免疫系…<中条達也>

II.各 論
1.赤血球系の異常
 A.鉄欠乏性貧血…<奥村廣和>
  1.概 念
  2.体内鉄の動態
  3.病態生理
  4.臨床症状
  5.検査所見と診断
  6.治 療
 B.鉄非利用性低色素性貧血…<奥村廣和>
  1.鉄芽球性貧血
  2.無トランスフェリン血症
  3.サラセミア
  4.症候性貧血
 C.溶血性貧血…<中尾眞二>
  1.定義と分類
  2.主要症状と検査所見
  3.診 断
  4.疫 学
  5.先天性溶血性貧血
   a.赤血球膜の異常による溶血性貧血
   b.赤血球酵素異常症
   c.ヘモグロビン異常症とサラセミア
  6.後天性溶血性貧血
   a.免疫機序による溶血性貧血
   b.発作性夜間血色素尿症
   c.赤血球破砕症候群
 D.巨赤芽球性貧血…<大竹茂樹>
  1.定義と原因
  2.病 態
   a.VB 12
   b.葉 酸
  3.症 状
  4.検査所見
   a.末梢血液所見
   b.骨髄所見
   c.血液生化学検査
   d.血清VB 12
   e.血清および赤血球内葉酸
   f.VB 12欠乏原因の検索
  5.診 断
  6.治 療
   a.VB 12欠乏症
   b.葉酸欠乏症
 E.再生不良性貧血…<中尾眞二>
  1.疾患概念
  2.疫 学
  3.成 因
  4.病態生理
   a.造血幹細胞の質的異常
   b.免疫学的機序による造血の抑制
  5.診 断
  6.治 療
   a.支持療法
   b.造血回復を目指した治療
  7.予 後
 F.赤芽球癆…<中尾眞二>
  1.概 念
  2.病 因
  3.診 断
  4.治 療
 G.症候性貧血…<高見昭良>
  1.概 念
  2.Anemia of chronic disease or disorders(ACD)
  3.腎疾患による貧血
  4.肝疾患による貧血
  5.内分泌疾患による貧血
  6.妊娠による貧血
  7.その他
2.白血球(顆粒球)およびリンパ球の異常
 A.白血病…<奥村廣和>
  1.概念および原因
  2.疫 学
  3.急性白血病
  4.慢性白血病
   a.慢性骨髄性白血病
   b.慢性リンパ性白血病
   c.その他の慢性白血病
  5.Granulocytic sarcoma
  6.急性混合型白血病
  7.成人T細胞性白血病/リンパ腫
 B.悪性リンパ腫(含類縁疾患)…<中村 忍>
  1.概念および疫学
  2.分 類
  3.ホジキン病
  4.非ホジキンリンパ腫
  5.特殊型および類縁疾患
   a.成人T細胞性白血病/リンパ腫
   b.皮膚病変を主徴とするリンパ腫
   c.Burkittリンパ腫
   d.血管免疫芽球型T細胞性リンパ腫
   e.血球貪食症候群
   f.悪性リンパ腫と紛らわしい良性疾患
 C.顆粒球減少症,好中球減少症…<高見昭良>
  1.概 念
  2.分類と臨床症状
  3.鑑別診断
  4.無顆粒球症
  5.治 療
3.骨髄異形成症候群…<奥村廣和>
  1.概 念
  2.自覚症状
  3.身体所見
  4.検査所見
  5.診断および病型分類
  6.予後と予後因子
  7.治 療
   a.対症療法
   b.原因療法
4.骨髄増殖症候群…<高見昭良>
 A.多血症
  1.概 念
  2.分類,病態生理
  3.鑑別診断
  4.真性多血症
  5.二次性多血症
  6.相対的多血症
 B.骨髄線維症
  1.概 念
  2.分類と病態生理
  3.慢性特発性骨髄線維症
  4.急性特発性骨髄線維症
  5.二次性骨髄線維症
 C.慢性骨髄性白血病
 D.本能性血小板血症
5.免疫異常…<森井武志>
 A.多発性骨髄腫
  1.疾患概念
  2.分 類
  3.病 因
  4.症 候
  5.検査の進め方
   a.血液検査
   b.M蛋白
   c.骨髄像
   d.形質細胞の表面形質
   e.骨髄血の染色体分析
   f.骨病変
  6.診 断
  7.病期,予後因子
  8.治 療
   a.化学療法
   b.造血幹細胞移植
   c.インターフェロンα
   d.補助療法
  9.骨髄腫関連疾患
   a.高月病(POEMS症候群,Crow−Fukase症候群)
   b.H鎖病
 B.原発性マクログロブリン血症
  1.疾患概念
  2.病 因
  3.症 候
  4.検査の進め方
  5.診 断
  6.治 療
  7.予 後
6.血小板の異常
 A.血小板の量的異常…<大竹茂樹>
  1.血小板減少症
   a.分 類
   b.偽性血小板減少症
   c.特発性血小板減少性紫斑病
   d.薬剤による血小板減少症
   e.血栓性血小板減少性紫斑病
   f.溶血性尿毒症症候群
   g.血小板分布の異常
  2.血小板増加症
   本態性血小板血症
 B.血小板の質的異常…<森下英理子>
  1.先天性血小板機能異常症
   a.血管内皮下組織への粘着障害
   b.血小板凝集の障害
   c.血小板放出反応の障害
  2.後天性血小板機能異常症
   a.慢性骨髄増殖性疾患
   b.免疫グロブリン異常症
   c.尿毒症
   d.薬 剤
7.凝固・線溶系の異常
 A.血友病と類縁疾患
  1.血友病…<吉岡 章>
  2.von Willebrand病…<西野正人,吉岡 章>
  3.その他の類縁疾患
 B.後天性凝固異常に基づく出血性疾患…<嶋 緑倫,吉岡 章>
  1.ビタミンK欠乏症
  2.肝障害
  3.抗凝固因子自己抗体
   a.抗第VIII因子インヒビター
   b.その他の後天性抗凝固因子インヒビター
  4.薬剤と凝固異常
  5.その他の疾患と凝固異常
 C.先天性血栓傾向…<森下英理子>
  1.先天性アンチトロンビン欠乏症
  2.先天性プロテインC欠乏症
  3.先天性プロテインS欠乏症
  4.活性化PC(APC)レジスタンス
  5.先天性異常フィブリノゲン血症
  6.先天性プラスミノゲン欠乏症/異常症
  7.その他の先天性血栓傾向
 D.後天性血栓傾向…<山タ雅英>
  1.播種性血管内凝固
  2.悪性腫瘍
  3.感染症(敗血症)にともなう血栓傾向
  4.血栓性血小板減少性紫斑病/溶血性尿毒素症候群
  5.薬剤による血栓傾向
   a.経口避妊薬
   b.ワーファリン
   c.ヘパリン惹起血小板減少症
  6.その他の動脈血栓症の危険因子
  7.その他の静脈血栓症の危険因子
  8.抗リン脂質抗体症候群
 E.DIC…<朝倉英策>
  1.DICの診断
  2.DIC準備状態,代償性DIC,慢性DIC
  3.凝固優位のDICと線溶優位のDIC
  4.DICの鑑別診断
  5.DICの治療
 F.抗血栓療法…<朝倉英策>
  1.血栓症の特徴
  2.血栓症の分類と特徴
  3.抗血栓療法のモニタリング
  4.代表的な抗血栓療法
   a.ワーファリン
   b.ヘパリン
   c.アスピリン
   d.ウロキナーゼ,t−PA
8.造血幹細胞移植…<中条達也>
  1.自家移植
   a.原 理
   b.移植造血細胞
   c.移植の管理,移植にともなう合併症
   d.適応疾患
  2.同種造血幹細胞移植
   a.原 理
   b.移植造血細胞
   c.管理,合併症
   d.GVL効果とGVT効果
   e.適応疾患
  3.新しい試み
   a.ドナーリンパ球輸注療法
   b.ミニ移植
   c.HLA不適合移植
9.輸血の現状…<塩原信太郎>
  1.基本的事項
   a.適応の決定
   b.同意書の取得
   c.成分輸血の使用
   d.適正輸血の原則
  2.実施上の注意
   a.輸血実施の手順
   b.安全な血液製剤の確保
   c.患者との適合性の確認
   d.輸血の基準
   e.必要量の計算
   f.手術時の血液準備量
   g.緊急時の輸血および大量輸血における例外
   h.実施体制と経過観察
  3.輸血検査
   a.血液型検査
   b.抗体スクリーニング
   c.交差適合試験
  4.輸血の副作用
   a.不適合輸血
   b.感染症
   c.大量輸血にともなう合併症
  5.輸血後graft versus host disease(GVHD)
  6.積極的な輸血療法
   a.ドナーリンパ球輸注療法
   b.末梢血幹細胞移植や臍帯血移植の採取と保存
10.悪性腫瘍の治療と臓器障害
 A.造血障害…<神野正敏>
  1.白血球(好中球)減少
  2.貧 血
  3.血小板減少
 B.心血管障害…<藤本眞一>
  1.リンパ腫
  2.白血病
  3.多発性骨髄腫
  4.化学療法にともなう心病変
 C.腎障害…<金内雅夫>
  1.抗腫瘍剤自体の腎毒性
   a.代謝拮抗剤
   b.アルキル化剤
   c.抗腫瘍性抗生物質
   d.植物アルカロイド
   e.その他の抗腫瘍剤
  2.造血器腫瘍の治療時に普遍的にみられる腎障害
   a.急性尿酸腎症
   b.急性腫瘍溶解症候群
   c.高カルシウム血症性腎症
11.血液疾患と感染症…<舟田 久>
  1.宿主側要因からみた感染症
   a.顆粒球減少にともなう感染症
   b.液性免疫不全にともなう感染症
   c.細胞性免疫不全にともなう感染症
  2.感染症治療
   a.経験的抗菌薬治療
   b.治療期間
   c.Colonization resistanceと耐性菌対策
  3.感染予防
   a.顆粒球減少患者の感染予防
   b.抗ウイルス薬予防
   c.ワクチン接種による感染予防
   d.γ−グロブリンによる感染予防
   e.その他の感染予防

索 引

すべて見る

執筆者一覧

中村 忍  他編著

すべて見る
  • テキスト・教科書
  • 考え方・使い方
  • J-IDEO
  • J-IDEO定期購読
  • ClinicalNeuroscience
  • 広告掲載をお考えの方へ
  • 企画応募フォーム
  • 動画閲覧・ファイルダウンロード
  • 採用情報
  • X
  • note小
  • Facebook
  • JIDEOバックナンバー
  • テキスト・教科書
  • グリーンノート
  • 考え方使い方

株式会社中外医学社 〒162-0805 東京都新宿区矢来町62 TEL 03-3268-2701/FAX 03-3268-2722