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書籍詳細

睡眠時無呼吸症候群の診療メソッド−睡眠呼吸障害の集学的治療−

睡眠時無呼吸症候群の診療メソッド−睡眠呼吸障害の集学的治療−

佐藤公則 著

B5判 192頁

定価(本体4,800円 + 税)

ISBN978-4-498-06274-0

2016年09月発行

在庫あり

睡眠呼吸障害の診療をどのように進めたらよいのか,どのような点に注意しなければならないのか.本書では,この分野のエキスパートが,その実践的な診療メソッドのすべてを披露する.学際的な要因が絡み合う睡眠時無呼吸障害を正確に理解し,患者個々の病態に応じた集学的治療を実現するための必携書.睡眠呼吸障害診療のバイブル,ついに登場!

はじめに


 閉塞性睡眠時無呼吸症候群(Obstructive Sleep Apnea Syndrome: OSAS)を含めた睡眠呼吸障害診療の特徴は,さまざまな分野の専門家・診療科が関わる学際性にある.

 最近は通常の医療機関でも上気道形態の評価(閉塞部位の診断)と終夜ポリグラフ検査(PSG)による睡眠呼吸動態の解析により,睡眠呼吸障害の病態を把握できる時代になった.

 睡眠呼吸障害の病態には,いくつかの要因が複合し関与している場合が少なくない.上気道形態の評価とPSGによる睡眠・呼吸動態の解析は睡眠呼吸障害の適切な集学的治療を行うために必要である.

 また睡眠呼吸障害の重症度,上気道形態(閉塞部位),患者の希望に応じてCPAP療法,手術,口腔内装置治療,減量,就寝時の体位などを組み合せた集学的治療が行える時代になった.すなわち睡眠呼吸障害の病態を把握し,個々の病態に応じて治療法を選択できる時代になった.

 睡眠呼吸障害にはいくつかの要因が複合して関与している場合が少なくない.したがって睡眠呼吸障害の治療は,1つの治療法で症状が改善する場合もあるが,病態に応じていくつかの治療を組み合わせなければ治療効果が得られない場合もある.また病態に基づいた,患者の希望に応じた睡眠呼吸障害の治療を行うためには,CPAP療法,手術,口腔内装置治療,減量,就寝時の体位などの治療法を単独で,あるいはそれらを組み合わせた集学的治療を行うことが望ましい.

 一方で,業者任せの簡易無呼吸検査,業者任せのCPAP療法など,日常臨床での問題点も潜在化している.

 睡眠呼吸障害診療の最近の問題点は,?診療科・担当医師などにより治療法の適応と選択に片寄りがないか,?上気道形態の評価がなされているか,?PSGが適切に行われているか,?無呼吸・低呼吸指数(AHI)などの呼吸イベントのみが重要視され,睡眠の質が軽視されていないか,?CPAP療法のタイトレーションが適切に行われているか,?子供の睡眠呼吸障害はどう診断し治療するのか,?AHIが20未満のOSAS,5未満のいびき症はどう治療するのか,?睡眠呼吸障害に合併した他の睡眠障害の治療は行われているのか,などがあげられる.

 本書では,睡眠呼吸障害の診療を行う際にどのように診療を進めたらよいのか,どのような点に注意したらよいのか,その実践的な診療メソッドを解説する.


 最後に長年御指導を賜っております久留米大学平野 実名誉教授,中島 格名誉教授,久留米大学神経精神医学講座内村直尚教授,現在も研鑽の場を与えて頂いております久留米大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座梅野博仁教授,久留米大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座のスタッフの皆様に感謝申し上げます.また本書の出版に際し大変お世話になりました中外医学社編集部の方々に感謝申し上げます.



2016年4月吉日
佐藤公則



 注: 2014年には睡眠障害国際分類が改訂され第3版(The International Classification of Sleep Disorders,Third Edition: ICSD―3)が米国睡眠医学会(American Academy of Sleep Medicine)から刊行された.この中で閉塞性睡眠時無呼吸症候群(OSAS)は閉塞性睡眠時無呼吸障害(Obstructive Sleep Apnea Disorders)と名称が変更され,睡眠関連呼吸障害の中の1つに分類されている.

 本著書では従来からの閉塞性睡眠時無呼吸症候群(Obstructive Sleep Apnea Syndrome: OSAS)を用語として用いる.

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Profile

佐藤 公則(SATO Kiminori)


経歴

1983年 久留米大学医学部医学科卒業.
1987年 久留米大学大学院医学研究科博士課程修了.医学博士.
佐藤クリニック耳鼻咽喉科・頭頸部外科・睡眠呼吸障害センター 院長.
久留米大学医学部耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座 客員教授


 日本の睡眠呼吸障害診療の黎明期より,久留米大学病院で睡眠呼吸障害・睡眠時無呼吸症候群の診療に携わる.上気道形態の評価と終夜睡眠ポリグラフ検査による睡眠呼吸障害の病態の把握,個々の病態に応じて集学的治療を行う睡眠呼吸障害の診療の重要性,睡眠医療の一環として睡眠呼吸障害の診療を行う重要性を唱えている.最近の睡眠に関する基礎研究としては,睡眠中の嚥下,呼吸,誤嚥などがある.

 主要研究領域は,喉頭の機能形態学,分子生物学,再生医療,声帯の細胞と細胞外マトリックス

 日本耳鼻咽喉科学会専門医.日本気管食道科学会専門医.日本睡眠学会認定医.死体解剖資格認定(病理解剖)



趣味

 ヴァイオリン,テニス,心を動かされる物・事を観たり,聴いたり,読んだりすること.


所属国際学会会員

 ・American Academy of Otolaryngology―Head and Neck Surgery
 ・American Laryngological, Rhinological and Otological Society(Triological Society)
 ・American Laryngological Association
 ・American Broncho―Esophagological Association
 ・European Laryngological Society
 ・American Academy of Sleep Medicine
 ・International Association of Logopedics and Phoniatrics


主な受賞

・Young Faculty Research Award(1998年): American Laryngological Association(アメリカ喉頭科学会)より
・Poster Presentation First Place Award(2005年): American Broncho―Esophagological Association(アメリカ気管食道科学会)より
・Poster Presentation First Place Award(2005年): American Laryngological Association(アメリカ喉頭科学会)より
・Casselberry Award(2006年): American Laryngological Association(アメリカ喉頭科学会)より
・Poster Presentation Third Place Award(2007年): American Laryngological Association(アメリカ喉頭科学会)より
・Broyles―Maloney Thesis Award Honorable Mention(2008年): American Broncho―Esophagological Association(アメリカ気管食道科学会)より
・Seymour R. Cohen Award(2009年): American Broncho―Esophagological Association(アメリカ気管食道科学会)より
・Honorary Fellowship(2009年): The Philippine Society of Otolaryngology―Head and Neck Surgery(フィリピン耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会)より
・Poster Presentation Second Place Award(2011年): American Broncho―Esophagological Association(アメリカ気管食道科学会)より
・Guest of Honor Award(2012年): American Broncho―Esophagological Association(アメリカ気管食道科学会)より
・Presidential Citation Award(2013年): American Laryngological Association(アメリカ喉頭科学会)より
・Poster Presentation First Place Award(2014年): American Broncho―Esophagological Association(アメリカ気管食道科学会)より
・Poster Presentation Second Place Award(2015年): American Broncho―Esophagological Association(アメリカ気管食道科学会)より


主要著書

佐藤公則:耳・鼻・のどのプライマリケア,中山書店,2014.
佐藤公則:実践!耳鼻咽喉科・頭頸部外科オフィスサージャリー,中山書店,2015.
佐藤公則:現代の歯性上顎洞炎 ―医科と歯科のはざまで―(改訂第2版),九州大学出版会,2016.

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01章 本邦の睡眠呼吸障害診療の歴史
  1.本邦の睡眠医療の黎明期:久留米大学では
  2.1980年代の睡眠呼吸障害診療
  3.1990年代の睡眠呼吸障害診療
  4.2000年代の睡眠呼吸障害診療
  5.2010年代の睡眠呼吸障害診療

02章 睡眠呼吸障害の病態と合併症
  1.睡眠時無呼吸の分類
  2.上気道
  3.OSASの発生機序
  4.睡眠呼吸障害の病態
  5.OSASの合併症

03章 睡眠呼吸障害診療の流れ
  1.睡眠医療(OSASを含めた睡眠障害)の診療の流れ
  2.OSASの検査
  3.その他の睡眠障害の検査
  4.OSASの治療
  5.その他の睡眠障害の診断と治療
  6.専門診療科との連携
  7.治療効果の判定

04章 睡眠呼吸障害の診断法
  1.問 診
  2.検査方針
  3.検査の実際
  4.鑑別診断
  5.専門医との連携

05章 睡眠呼吸障害の上気道形態の評価
  1.視 診
     MEMO  口峡
  2.内視鏡検査
  3.鼻腔通気度検査
  4.X線検査(X線単純撮影,頭部X線規格撮影,X線透視撮影,CTなど)
  5.MRI

06章 終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)
     MEMO  睡眠段階(睡眠ステージ)の表記法の変更
  1.PSGの記録
  2.PSG報告書
     MEMO  低呼吸の定義
  3.ビデオ録画
  4.PSG報告書の評価
  5.PSG結果の説明

07章 小児の睡眠呼吸障害
  1.小児のOSASの呼吸パターン
  2.小児のOSASの病態
  3.小児のOSASの特徴
  4.小児のOSASの誘因
  5.小児のOSASの合併症
     MEMO  扁摘(口蓋扁桃摘出術)と小児の認知・行動・成長
     MEMO  「寝る子は育つ」
  6.小児のOSASの終夜睡眠ポリグラフ検査(PSG)
  7.小児のOSASの診断と治療

08章 睡眠呼吸障害の集学的治療
  1.OSASに対する集学的治療
  2.OSASに対する治療の適応
  3.CPAP療法
  4.手術治療
  5.口腔内装置治療
  6.減量
  7.就寝時の体位
  8.上気道の管理
  9.アルコール,睡眠薬
  10.いびき・OSASをきたす原疾患の治療
  11.合併した他の睡眠障害
  12.専門診療科との連携

09章 CPAP(Continuous Positive Airway Pressure:持続陽圧呼吸)療法
  1.CPAP療法の健康保険診療の適応
  2.CPAP療法の基本的原理
  3.CPAP療法の治療圧の測定(タイトレーション)
  4.タイトレーションの方法
     MEMO  タイトレーション(Titration)
  5.CPAP療法の治療圧
  6.CPAP装置の種類と選択
  7.マスクの種類と選択
  8.CPAP療法の問題点
  9.CPAP療法と定期的な外来管理
  10.CPAP療法の治療継続率(コンプライアンス)を上げるためには

10章 手術治療
  1.上気道形態の評価(閉塞部位の診断)の重要性
  2.OSASに対する手術治療の目的
  3.口蓋垂・軟口蓋・咽頭形成術(uvulopalatopharyngoplasty:UPPP)
  4.口蓋扁桃摘出術
  5.Laser―assisted uvulopalatoplasty(LAUP)
  6.鼻腔通気度改善手術(内視鏡下鼻・副鼻腔手術)
  7.鼻中隔矯正術
  8.下鼻甲介粘膜焼灼術
  9.下鼻甲介肥大に対する下鼻甲介手術
  10.鼻ポリープ(鼻茸)摘出術,副鼻腔手術
  11.舌根部の手術
  12.顎顔面手術
  13.Sleep Surgeryの周術期管理

11章 口腔内装置治療
  1.OA治療の適応
  2.OA治療の治療効果の予測
     MEMO  OA治療効果の簡便な評価法
  3.OAの作製とOA治療の流れ
     MEMO  下顎位置・下顎前方移動量の決定
  4.OA治療中の経過観察

12章 他の睡眠障害
  1.睡眠障害の分類(睡眠障害国際分類第2版: ICSD―2,2005)
  2.鼻閉による睡眠障害
  3.いびきによる睡眠障害
  4.ナルコレプシー
  5.レム睡眠行動障害(REM sleep behavior disorder: RBD)
  6.むずむず脚症候群(レストレスレッグズ症候群,Restless legs syndrome)
  7.周期性四肢運動障害(Periodic limb movement disorder: PLMD)

13章 睡眠呼吸障害と睡眠中の嚥下・誤嚥
  1.睡眠中の嚥下の解析法
  2.日中の嚥下
  3.正常若年成人の睡眠中の嚥下
  4.正常小児の睡眠中の嚥下
  5.正常高齢者の睡眠中の嚥下
  6.OSAS患者の睡眠中の嚥下
  7.CPAP療法中のOSAS患者の睡眠中の嚥下
  8.睡眠中の咽喉頭酸逆流と停滞
  9.睡眠中の誤嚥
  10.睡眠中の誤嚥への対応

Profile

索引


略語一覧
  AHI   apnea hypopnea index(無呼吸・低呼吸指数)
  AI   apnea index(無呼吸指数)
  CPAP  continuous positive airway pressure(持続陽圧呼吸)
  CSAS  central sleep apnea syndrome(中枢性睡眠時無呼吸症候群)
  ESS   epworth sleepiness scale(エプワース眠気尺度)
  GERD  gastroesophageal reflux disease(胃食道逆流症)
  LAUP  laser―assisted uvulopalatoplasty
  LPRD  laryngopharyngeal reflux disease(咽喉頭逆流症)
  MSLT  multiple sleep latency test(睡眠潜時反復検査)
  MWT   maintenance of wakefulness test(覚醒維持検査)
  OA   oral appliance(口腔内装置)
  OSAS  obstructive sleep apnea syndrome(閉塞性睡眠時無呼吸症候群)
  PLMD  periodic limb movement disorder(周期性四肢運動障害)
  PSG   polysomnography(終夜睡眠ポリグラフ検査)
  REM   rapid eye movement(急速眼球運動)
  RERA  respiratory effort related arousal(呼吸努力関連覚醒)
  SAS   sleep apnea syndrome(睡眠時無呼吸症候群)
  UPPP  uvulopalatopharyngoplasty(口蓋垂軟口蓋咽頭形成術)

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執筆者一覧

佐藤公則 佐藤クリニック院長,久留米大学客員教授 著

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