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書籍詳細

一目でわかる咽頭表在がんアトラス

一目でわかる咽頭表在がんアトラス

武藤 学 編著

B5判 150頁

定価7,260円(本体6,600円 + 税)

ISBN978-4-498-06262-7

2013年08月発行

在庫なし

耳鼻咽喉科医,消化器内科医の双方に役立つ咽頭表在癌診断のためのアトラス.解剖や前処置といった基本的事項の解説、ならびに代表的な咽頭表在癌の内視鏡画像を多数紹介しており、普段異なる機能解像度の内視鏡を用いて咽頭表在癌を診ている両科の医師がともに学べる実践的内容となっている.これから頭頸部外科や内視鏡専門医を目指す医師必読の書.

推薦文

 この度,頭頸部表在癌研究会の会員を中心とした方々が,「一目でわかる 咽頭表在がんアトラス」を出版されることになった.上部消化管内視鏡医の大森 泰,武藤 学両先生が頭頸部表在癌に関する勉強会の相談に来られたのは2004年1月のことであった.当時国立病院で事務局をお引き受けすることは困難な時代であったが,同年3月の定年を控え1月に退職することに決めていたこと,さらには咽頭表在癌の診断・治療の重要性が認識されてきた時期でもあるので代表世話人を引き受けることにした.以来9年間,年2回勉強会が開催され現在の研究会へと続いている.当初の勉強会では,検査手技,所見の読み方,病理診断などで熱い議論がなされていたが,研究会に移行する頃から共通するところが多く安定した手技,診断となってきた.また症例登録も本格的に開始された.今後多くの施設の協力を得て,長期観察による異時性多発表在癌の実態把握,さらには多発を繰り返し内視鏡下切除が限界となる症例がどの程度あるのか,自然治癒は起こり得ないのか等々,登録事業に期待するものは多い.長期観察による成果には継続的で地道な努力が必要であるが,差し当たりこれ迄の成果を纏めることができないか,と考えていたところ本書の出版を知った.この度編集を担当された武藤 学先生をはじめとする大森 泰,堅田親利,郷田憲一の各先生および多くの内視鏡医,編集担当の渡邉昭仁先生をはじめ岡本牧人,加藤孝邦,岸本誠司,佐藤靖夫,林 隆一の各先生および多くの耳鼻咽喉科・頭頸部外科医,落合淳志,渡辺英伸両先生をはじめとする病理医が集い,時を忘れて熱心な意見交換をした成果が集大成されて,このアトラスが作られたようにも思う.
 今後多施設による登録の成果が出るには,まだ時間を要するので,現時点での咽頭表在癌の刊行物が欲しいものだと考えていた折で,真に時宜を得た企画である.入門書としては勿論のこと本書を見ることにより多くの症例を目の当たりにすることができ,耳鼻咽喉科・頭頸部外科医に限らず頭頸部癌診療に携わる総ての医師に役立つと考える.是非手元に置きたい一冊である.
2013年7月
練馬光が丘病院
海老原 敏

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 中・下咽頭表在癌という概念がまだ広く認識される前に,この分野に興味のある医師が集い2004年から勉強会が開かれた.当時,耳鼻咽喉科領域で使用される内視鏡は白色光の電子スコープと,いわゆるファイバースコープであったため,拡大機能を有する電子スコープや特殊光による画像は耳鼻咽喉科医師には経験したことのないものであった.そこで表在癌診断の先達である食道領域で蓄積された学問を内視鏡の先生方に学び,内視鏡医師は咽頭領域の癌の性状や特異性さらにはこれまでの治療方法等を耳鼻咽喉科医師から学び,この領域を扱う医師として共通の認識をもって診断治療を行えるように勉強してきた.2005年には耳鼻咽喉科医が使用できる電子スコープにNBI機能が搭載され,耳鼻咽喉科医師による診断機会が増えることでさらに熱い討論がなされるようになった.この勉強会が2007年から頭頸部表在癌研究会となり,第2回の研究会で中・下咽頭表在癌を「癌細胞の浸潤が上皮下層にとどまり,筋層に及んでいないものを表在癌と呼び,リンパ節転移の有無は問わない.」と定義された.この文言にあるように表在癌診断・治療には病理医の関与は不可欠であり,最初の勉強会から現在の研究会まで病理の先生による解説が内視鏡画像の理解を深め,さらにはこの領域の学問の発展を支えてくださったことは言うまでもない.現在,本邦における咽頭表在癌のデータを全国規模で診療科を超えた共同作業として集積,解析しており,その結果が待たれる.
 本書は耳鼻咽喉科医師と内視鏡医師の両方から,表在癌診断のための咽頭観察時の内視鏡の使い方から代表的な咽頭表在癌の白色光と特殊光の内視鏡画像を集め,わかりやすく解説するアトラスとして企画編集した.耳鼻咽喉科と消化器内視鏡では異なる機能解像度の内視鏡を用いている.そこで両科が咽頭表在癌を共通で理解できるように,可能なかぎり両科の内視鏡画像を提示していただくようにした.これから頭頸部外科を目指す先生方,内視鏡専門医を目指す先生方にとってはとても実践的な内容になっており,すでに多くの症例を経験している先生にとってもこれまでの知識を整理するうえで役立つ一書であると確信している.
 最期にお忙しい中,本書の執筆をお引き受けいただき貴重な症例写真を提供してくださった諸先生方にこの場をかりて厚く御礼申し上げます.

2013年7月
武藤 学
渡邉昭仁

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目次

I.総論
 A 解剖
  1.経鼻内視鏡による咽頭観察…<加藤孝邦>  
  2.口腔〜咽頭までの内視鏡観察…<森田周子,武藤 学>  
 B 前処置 
  1.耳鼻咽喉科の内視鏡での前処置について…<渡邉昭仁>  
  2.経口内視鏡の前処置と体位…<森田周子,武藤 学> 
  3.経鼻内視鏡の前処置…<堅田親利> 
 C 読み方のコツ 
  1.頭頸部表在癌診断のための耳鼻咽喉科内視鏡施行方法と読み方のコツ…<大上研二> 
  2.上部消化管内視鏡における読み方のコツ…<森田周子,武藤 学> 
  3.経鼻内視鏡における読み方のコツ…<堅田親利> 

II.各論
 A 表在癌や他の悪性腫瘍との鑑別を必要とする疾患群
  1.披裂部の炎症(1)…<渡邉昭仁> 
  2.披裂部の炎症(2)…<森田周子,武藤 学> 
  3.リンパ濾胞性の炎症(1)…<佐藤靖夫,大森 泰> 
  4.リンパ濾胞性の炎症(2)…<森田周子,武藤 学> 
  5.フラットな乳頭腫…<森田周子,武藤 学> 
  6.乳頭状の乳頭腫…<森田周子,武藤 学> 
  7.過形成…<加藤孝邦> 
  8.咽頭白板症(1)…<松浦一登,野口哲也> 
  9.咽頭白板症(2)…<渡邉昭仁> 
  10.喉頭白板症…<田中雅樹> 
  11.メラノーシス(1)…<楯谷一郎> 
  12.メラノーシス(2)…<田中雅樹> 
  13.外骨症(1)…<渡邉昭仁> 
  14.外骨症(2)…<野中 哲> 
  15.喉頭蓋嚢胞(1)…<谷口雅信> 
  16.喉頭蓋嚢胞(2)…<野中 哲> 
  17.下咽頭血管腫(1)…<武藤 学> 
  18.下咽頭血管腫(2)…<渡邉昭仁> 
  19.放射線治療後の変化(1)…<林 隆一,矢野友規,篠崎 剛> 
  20.放射線治療後の変化(2)…<佐竹悠良,矢野友規,藤井誠志> 
  21.Glycogenic acanthosis(1)…<渡邉昭仁> 
  22.Glycogenic acanthosis(2)…<佐竹悠良,矢野友規,藤井誠志> 
 B 表在癌例〜内視鏡病型と亜部位から〜 
  1.0-I型
   1)中咽頭の0-I型…<渡邉昭仁> 
   2)下咽頭梨状陥凹の0-I型(1)…<渡邉昭仁> 
   3)下咽頭梨状陥凹の0-I型(2)…<楯谷一郎> 
   4)下咽頭梨状陥凹の0-I型(3)…<渡邉昭仁> 
   5)下咽頭梨状陥凹の0-I型(4)…<渡邉昭仁> 
  2.0-IIa型 白色調病変
   1)中咽頭の0-IIa型(1)…<林 隆一,矢野友規,篠崎 剛> 
   2)中咽頭の0-IIa型(2)…<佐竹悠良,矢野友規,藤井誠志> 
   3)下咽頭梨状陥凹の0-IIa型(1)…<林 隆一,矢野友規,篠崎 剛> 
   4)下咽頭梨状陥凹の0-IIa型(2)…<佐竹悠良,矢野友規,藤井誠志> 
   5)下咽頭梨状陥凹の0-IIa型(3)…<鼻岡 昇> 
   6)下咽頭その他の部位の0-IIa型…<吉村 昇,郷田憲一,池上雅博> 
  3.0-IIa型 赤色調病変
   1)中咽頭の0-IIa型(1)…<松浦一登,野口哲也> 
   2)中咽頭の0-IIa型(2)…<杉本太郎,岸本誠司,川田研郎> 
   3)中咽頭の0-IIa型(3)…<佐竹悠良,矢野友規,藤井誠志> 
   4)下咽頭梨状陥凹の0-IIa型(1)…<松浦一登,野口哲也> 
   5)下咽頭梨状陥凹の0-IIa型(2)…<杉本太郎,岸本誠司,川田研郎> 
   6)下咽頭梨状陥凹の0-IIa型(3)…<田中雅樹> 
   7)下咽頭その他の部位の0-IIa型(1)…<松浦一登,野口哲也> 
   8)下咽頭その他の部位の0-IIa型(2)…<杉本太郎,岸本誠司,川田研郎
   9)下咽頭その他の部位の0-IIa型(3)…<鼻岡 昇> 
  4.0-IIb型
   1)中咽頭の0-IIb型(1)…<楯谷一郎> 
   2)中咽頭の0-IIb型(2)…<野中 哲> 
   3)下咽頭梨状陥凹の0-IIb型(1)…<楯谷一郎> 
   4)下咽頭梨状陥凹の0-IIb型(2)…<野中 哲> 
   5)下咽頭その他の部位の0-IIb型(1)…<楯谷一郎> 
   6)下咽頭その他の部位の0-IIb型(2)…<土橋 昭,郷田憲一,池上雅博> 
  5.0-IIc型
   1)下咽頭の0-IIc型(1)…<渡邉昭仁> 
   2)下咽頭の0-IIc型(2)…<渡邉昭仁> 
  6.喉頭癌
   1)喉頭蓋の表在癌−舌面(1)…<正来 隆,岡本牧人> 
   2)喉頭蓋の表在癌−舌面(2)…<渡邉昭仁> 
   3)喉頭蓋の表在癌−舌面(3)…<加藤孝邦> 
   4)喉頭蓋の表在癌−舌面(4)…<郷田憲一,田尻久雄,池上雅博> 
   5)喉頭蓋の表在癌−喉頭面…<渡邉昭仁>
  7.メラノーシスを伴う表在癌(1)…<楯谷一郎> 
  8.メラノーシスを伴う表在癌(2)…<森田周子> 
  9.軟口蓋の表在癌(1)…<正来 隆,岡本牧人> 
  10.軟口蓋の表在癌(2)…<渡邉昭仁> 
  11.軟口蓋から硬口蓋への表在癌…<渡邉昭仁> 
索引

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執筆者一覧

武藤 学 京都大学大学院医学研究科腫瘍薬物治療学講座教授 編著
渡邉昭仁 恵佑会札幌病院副院長/耳鼻咽喉科・頭頸部外科主任部長 編著
加藤孝邦 東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科教授 
森田周子 京都大学大学院医学研究科消化器内科 
堅田親利 北里大学医学部消化器内科診療講師 
大上研二 東海大学医学部耳鼻咽喉科教授 
佐藤靖夫 国家公務員共済組合連合会立川病院耳鼻咽喉科部長 
大森泰慶 応義塾大学内視鏡センター講師 
松浦一登 宮城県立がんセンター頭頸科診療科長 
野口哲也 宮城県立がんセンター消化器科 
田中雅樹 静岡県立静岡がんセンター内視鏡科副医長 
楯谷一郎 京都大学大学院医学研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科講師 
野中 哲 国立がん研究センター中央病院消化管内視鏡科 
谷口雅信 恵佑会札幌病院耳鼻咽喉科・頭頸部外科副部長 
林 隆一 国立がん研究センター東病院頭頸部外科科長 
矢野友規 国立がん研究センター東病院消化管内視鏡科医長 
篠崎 剛 国立がん研究センター東病院頭頸部外科 
佐竹悠良 神戸市立医療センター中央市民病院腫瘍内科副医長 
藤井誠志 国立がん研究センター東病院臨床開発センター 
鼻岡 昇 大阪府立成人病センター消化管内科診療主任 
吉村 昇 東京慈恵会医科大学内視鏡科 
郷田憲一 東京慈恵会医科大学内視鏡科講師 
池上雅博 東京慈恵会医科大学病院病理部准教授 
杉本太郎 東京医科歯科大学耳鼻咽喉科 
岸本誠司 東京医科歯科大学頭頸部外科教授 
川田研郎 東京医科歯科大学食道・胃外科 
土橋 昭 東京慈恵会医科大学内視鏡科 
正来 隆 北里大学医学部耳鼻咽喉科講師 
岡本牧人 北里大学医学部耳鼻咽喉科教授 
田尻 久 雄東京慈恵会医科大学内視鏡科教授 

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   定価7,260円(本体6,600円 + 税)
   2013年08月発行
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