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書籍詳細

ER・ICU診療を深める 救急・集中治療医の頭の中

ER・ICU診療を深める 救急・集中治療医の頭の中

小尾口邦彦 著

A5判 260頁

定価4,620円(本体4,200円 + 税)

ISBN978-4-498-06668-7

2013年10月発行

在庫なし

救急・集中治療の現場では,いかに素早く的確な対応ができるかがポイントとなる.急性大動脈解離,大量出血,DIC,呼吸マネジメント.どの書籍にもとりあげられるコモンなテーマを取り上げて,どこにも書かれていなかった達人の思考過程をわかりやすく解説した,目からウロコの一冊.知ってるつもりだった知識をもう一度ぜひチェックしていただきたい.




オッカムの剃刀(かみそり) Occam’s Razor「1つの原因は観察されるすべての事象の源」
ヒッカムの格言Hickham’s dictum 「どの患者も偶然に複数の疾患に罹患しうること」
「オッカムの剃刀」は,できる限り目の前でおこっていることを一元論で考えようとする方針です.
「ヒッカムの格言」は,偶然に複数の疾患にかかりうるため複数の原因追及をすべきという考えです.
筆者は,まずは「オッカムの剃刀」で考え抜いた後に,「ヒッカムの格言」があると信じています.
筆者がER・ICU医の駆け出しであったころ,難しい症例にあたったとき,「複雑に,複雑に」考えようとしました.
そして頭脳明晰な外科医S先生にいつもたしなめられました.
「難しい事象に当たった時こそ,シンプルに考えなければいけないんだよ.」
筆者は今,「シンプルに考える」ことの重要性を強く感じます.「シンプルに考えぬいた」むこうに「実は複雑なストーリーが隠されていた」世界があります.
一方で,
「シンプルに考える」≠「イージーに考える」です.
ICUに収容される患者には難しい病態が少なくありませんが,あまりに「イージーに診断・治療される」シーンをみかけることが少なくありません.血小板が減少しているからDICといった具合に.
本書における2大テーマは
・シンプルに考える
・イージーに考えない
です.
S先生は口が悪く,べらんめえ口調でしたが,シンプルに考えることの重要性を教えてくれたことを今非常に感謝し,またそのような出逢いがあった自身の幸運を感じます.
本書を通じて読者の皆さんに
「シンプルに考える」
「イージーに考えない」
メッセージが届くことを望みます.

平成25年10月
小尾口邦彦

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目次

Theme 01 診断
Chapter 01 急性大動脈解離ハンターになろう  
  上級医は急性大動脈解離をどこで疑ったのか?
  常に急性大動脈解離を頭の片隅におく
  頭をやられた患者は血圧が高くてあたりまえ
  急性大動脈解離診断の2大ツール
  痛みのない急性大動脈解離
  外傷による胸部大動脈損傷のメカニズム
  壁損傷の違いによる病型
  診断のポイント  治療
 コラム■窒息による心停止  

Chapter 02 脳と心臓の両方を同時にダウンさせる最強キラー くも膜下出血
  たこつぼ型心筋症とくも膜下出血
 コラム■嘔気・嘔吐の原因の覚え方  

Chapter 03 妊娠反応  
  妊反の感度  妊反と健康保険
  妊反応検査施行に患者の許可はいるのか?

Chapter 04 肺結核前編 画像提示  

Chapter 05 肺結核後編 画像解説  
  肺結核の画像所見  肺結核疑い患者をみつけたら

Chapter 06 血液培養結果の解釈  
  臨床的に,判定が問題となることが圧倒的に多いCNSとは?
 コラム■持続性菌血症  

Chapter 07 低リン血症  
  低リン血症
  低リン血症がおこりやすいor低リン血症の存在を疑う病態
  低リン血症によりおこされる症状
  リンが減少する原因  治療

Theme 02 外傷マネジメント
Chapter 01 重症外傷の大量出血マネジメントに強くなる  
  トラウマ パンスキャン(外傷時の全身CT撮影)
  大量出血による血圧低下とカテコラミン
  従来の外傷性大量出血に対しての輸血プロトコール
  日本の血液製剤の使用指針
  新しい「重症外傷による大量出血時の輸血方針」
  普段の輸血基準を捨てる  血小板数検査も頻回に行う
  輸血ルートの確保  危機的出血時の非常事態宣言
  輸血部(血液検査)技師と相談しなければいけないこと
  どれぐらい血液を確保するのか?  緊急時の適合血の選択
  筆者施設の方針  低体温は死を招く
  出庫直後の冷たい濃厚赤血球を急速注入!?
  輸液・輸血温度マネージメントの実際  従来の血液加温装置
 コラム■レンジャーなどの急速血液加温装置がない状況では  

Chapter 02 ERでの破傷風予防  
  トキソイド  破傷風免疫グロブリン(TIG)
 コラム■破傷風抗体迅速検査キット(Tetanus Quick Stick:TQS)  

Chapter 03 頸椎カラーの装着法・バックボードのはずしかた  
  頸椎カラー  頸椎カラーのはめ方(準備編)
  頸椎カラーのはめ方 (その1)  頸椎カラーのはめ方(その2)
  バックボードの外し方

Theme 03 循環マネジメント
Chapter 01 うっ血性心不全の治療  

Chapter 02 急性心筋梗塞とアスピリン  
  アスピリンのいろいろ

Chapter 03 院内心停止とPEA  
  4つの心停止波形  院内心肺停止についての論文
  院外心肺停止についての論文  PEAの理解を深めよう!
  PEAの予後

Chapter 04 脳低温療法  
  脳低温療法の目的  冷水輸液のコツ
  強い意志をもって体温をさげる
  蘇生後脳症に対する脳低温療法マニュアル
 コラム■重症熱中症にも冷水輸液は有用  
 コラム■奇跡の救急  

Theme 04 呼吸マネジメント
Chapter 01 誤解の多い酸素療法?ネブライザー付き酸素吸入装置  
  ネブライザー付き酸素吸入装置  トータル流量早見表の意味は?
  ネブライザー付き酸素吸入装置のキーワードは30L /分
  ネブライザー付き酸素吸入装置のまとめ
  ではネブライザー付き酸素吸入装置に意味がないかというと……

Chapter 02 誤解の多い酸素療法?リザーバー付きマスク  
  リザーバー付きマスクの原理
  リザーバーをきちんと伸縮させるためには
  リザーバー付きマスクを無駄にしないために
  再呼吸式と非再呼吸式

Chapter 03 誤解の多い酸素療法?ニューカマー  
  ネーザルハイフロー(R)  オキシマスク(R)

Chapter 04 肺保護換気とは?  

Chapter 05 SIMVはA/Cより優れた呼吸モード?  

Chapter 06 まずはVCV(従量式換気)の理解から
       −人工呼吸器グラフィックモニターも理解しよう−  
  VCV(従量式換気)
  VCVモードグラフィック波形チェックポイント
  人工呼吸中のトラブルを考えるとき,まずやるべきことは

Chapter 07 PCV(従圧式換気)とは  
  吸気時間の設定  VCVとPCVの比較
  PCVモードグラフィック波形チェックポイント

Chapter 08 APRV (Airway Pressure Release Ventilation) を
       使いこなすために  
  なぜAPRV?  高いPEEPのメリットは?
  APRV設定の実際  高圧相PHigh(圧)
  THigh(時間)  低圧相PLow(圧) TLow(時間)
  APRVスタート時は特にデリケートな管理が必要
  APRVでは,気胸は必発ぐらいの気持ちで監視
 コラム■ARDS雑感  
 コラム■人工呼吸器講習会受講のすすめ  

Theme 05 DICマネジメント
Chapter 01 現在のDIC治療  
  厚生省DIC診断基準  急性期DIC診断基準の登場
  DIC治療の2通りの考え  DICの原因は?
 コラム■欧米と日本のDIC死亡率 ヘパリンとフサン・
     FOYとアンチトロンビン製剤  

Chapter 02 それって本当にDIC?  
  愚直なルールが大切
  血小板減少をみたときの思考パターンをつくる
  大量出血・輸血後希釈・低体温による凝固止血障害(≠外傷性DIC)
  ヘパリン起因性血小板減少症(HIT)
  血栓性血小板減少症(TTP)
  血球貪食症候群(HPS)
  血管内大細胞型B細胞性リンパ腫(IVLBCL)
  輸血後紫斑病(PTP)
 コラム■血小板輸血  

Theme 06 死亡診断・死体検案
Chapter 01 誤解の多い死亡診断・死体検案1  

Chapter 02 誤解の多い死亡診断・死体検案2  
  医師法第20・21条をめぐる混乱
  それでも医師法第20・21条をめぐる混乱は続く……
  事実上,死体検案書は警察が関与しないと発行できない
  筆者所属施設の対応は
  「異状死体にはすべて死体検案書が交付され,逆に死体検案書が
  交付された死体はすべて異状死体である.」という誤解

Chapter 03 はっきりしないことが多い心肺停止患者の死体検案書記入  
  心肺停止搬送患者の死亡の種類・死亡原因をどうする?
  死亡診断書・死体検案書の書き直し
  死体検案にまつわる用語  後頭下穿刺

Theme 07 しってるつもり
Chapter 01 アセトアミノフェン前編 天使の顔  
  非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)の問題点
  アセトアミノフェンの天使の顔
  アセトアミノフェンの使用量
  用量拡大があまり知られていない
  トラムセット(R)もアセトアミノフェン配合剤
  アスピリン喘息に対しても使用可能(なことが多い)

Chapter 02 アセトアミノフェン後編 悪魔の顔  
  胃洗浄のレビュー  日本においては

Chapter 03 統計 ゲジゲジ表の意味するものは?  
  まずはゲジゲジ表のパーツの理解から
  メタアナリシスの光  メタアナリシスの影
  ファンネルプロット  PROBE法

Chapter 04 アルコール依存症とアルコール性ケトアシドーシス  
  AKAの治療  AKAを見逃さないために

Chapter 05 カプノメーター(呼気終末二酸化炭素濃度測定装置・
       EtCO2モニター)  
  この実験からわかること
  エアウェイ管理にカプノメーターが重要
  カプノメーターの基本波形

索引      

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