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書籍詳細

Annual Review 呼吸器 2010

Annual Review 呼吸器 2010

永井厚志 編

B5判 276頁

定価10,780円(本体9,800円 + 税)

ISBN978-4-498-03190-6

2010年01月発行

在庫なし

注目すべきトピックを選び,その分野の第一人者が内外の文献を踏まえて最新の進歩を展望する.定評ある年刊書の最新版.

目 次
I.呼吸器系の生物学

1.高齢者肺炎と肺防御機構
〈山谷睦雄 久保裕司 藤野直也〉
  高齢者肺炎の特徴
  高齢者の免疫低下と対策

2.気管支喘息の遺伝子多型
〈山口悦郎〉
  連鎖解析によるゲノムスキャン
  全ゲノム関連解析
  喘息のGWAS
  総IgE値のGWAS
  課題と遺伝子の影響度

3.細胞死と老化
〈原田さおり 宮崎 徹〉
  細胞死(cell death)
  老化(aging,senescence)
  呼吸器におけるアポトーシスと老化に関する最近の話題

4.ユビキチンとプロテアソームの作動機構と生理機構
〈田中啓二〉
  ユビキチンとユビキチンシステム
  ユビキチンのホメオスタシス制御
  プロテアソームの構造
  プロテアソームの多様性

5.エピジェネティック制御と炎症制御の破綻
〈伊藤一洋〉
  エピジェネティックス
  インフラムエイジング(炎症性老化) 慢性閉塞性呼吸器疾患における炎症制御機能の破綻
  治療に関する一考

6.癌幹細胞をめぐって
〈八戸敏史 永野 修 高橋和久 佐谷秀行〉
  肺癌における分子生物学的根拠に基づいた治療戦略
  幹細胞と癌幹細胞の概念
  癌幹細胞の定義
  癌幹細胞と治療抵抗性
  癌幹細胞の同定
  肺幹細胞−BASCs−
  肺癌幹細胞
  今後の展開−癌幹細胞を標的とした治療戦略のために−

7.遺伝子変異と抗がん剤
〈峯岸裕司 弦間昭彦〉
  細胞障害性化学療法薬の効果予測因子
  EGFR遺伝子変異とEGFRチロシンキナーゼ阻害薬
  新規融合型癌遺伝子EML4-ALK
  遺伝子多型と抗がん剤の副作用予測

8.肺損傷におけるHMGB1の意義
〈田坂定智〉
  晩期炎症性メディエーターの重要性
  HMGB1の機能と作用機序
  敗血症におけるHMGB1
  ALI/ARDSにおけるHMGB1
  HMGB1受容体-RAGE
  呼吸管理に伴う肺損傷とHMGB1
  ヘムオキシゲナーゼとの関連

II.疾患の病因と病態
1.スタチンのCOPDに対する効果
〈寺本信嗣〉
  COPD患者に対するスタチンの効果
  スタチンと他剤の併用の効果
  スタチンのCOPD患者に対する作用機序
  スタチン研究の問題点と今後の課題

2.COPD: p38MAPK inhibitor
〈室 繁郎 星野勇馬 三嶋理晃〉
  蛋白リン酸化酵素と気道炎症
  MAPKと炎症
  p38MAPK
  p38と気道炎症
  p38MAPK阻害剤

3.遷延性咳嗽
〈藤村政樹〉
  遷延性咳嗽の原因疾患
  遷延性咳嗽に関する前向き臨床研究

4.肺線維症と血管新生
〈海老名雅仁〉
  肺線維症における血管増殖
  線維化病変における毛細血管の消失IPF患者肺における血管増殖病変
  fNSIP患者肺における肺胞毛細血管の消失
  線維化病変における血管消失機序
  IPF患者肺における血管増殖病変の意義

5.肺線維症における線維芽細胞の起源
〈橋本直純〉
  肺構成細胞における肺外由来前駆細胞
  肺線維症での肺線維芽細胞の多様性
  肺線維芽細胞における骨髄由来前駆細胞
  骨髄由来前駆細胞の肺傷害部位への遊走
  骨髄由来前駆細胞の線維症への関与
  Epithelial-mesenchymal transition(EMT)を介した肺構成細胞由来線維芽細胞
  Human studies

6.女性肺腺癌の病因と病態
〈須田健一 富沢健二 光冨徹哉〉
  女性肺腺癌の病因
  女性肺腺癌の分子病態
  女性肺腺癌の病理病態

7.リンパ管新生とリンパ脈管筋腫症
〈熊坂利夫 瀬山邦明〉
  リンパ脈管筋腫症とは
  LAMに特徴的なリンパ管成長因子VEGF-D
  LAMのリンパ管新生とLAM細胞集塊(LCC)
  良性腫瘍であるLAMの転移機構の問題点

8.アレルギー性気道炎症とムチン遺伝子
〈武山 廉〉
  粘液分泌細胞と気道ムチン遺伝子
  アレルギー性気道炎症における粘液分泌の特徴
  アレルギー性気道炎症におけるムチン遺伝子発現機構
  気道ムチン遺伝子発現調節の新展開
  気道リモデリングとムチン遺伝子
  気道ムチン遺伝子を標的とした気道過分泌の新しい治療戦略

9.急性肺損傷における肺胞上皮細胞の傷害と修復
〈林 伸一 橋本 修〉
  AECのイオントランスポートシステムと機能障害
  急性肺損傷における炎症とアポトーシス
  AECの再生におけるstem cell(幹細胞)の役割

III.診断の進歩
1.悪性中皮腫のバイオマーカー
〈高橋和久〉
  中皮腫の腫瘍マーカー
  実地臨床で求められている中皮腫のバイオマーカー

2.EBUSの超音波内視鏡
〈木村秀樹 中島崇裕 飯笹俊彦〉
  EBUS-TBNAの臨床評価
  EBUS-TBNAと遺伝子検索
  EBUS-GS(guide sheath)
  EBUSとその他の疾患
  今後の方向性

3.肺線維症におけるバイオマーカーの最近の知見
〈高橋弘毅 白鳥正典 千葉弘文〉
  バイオマーカーの分子構造,産生,局在,機能
  予後予測マーカーとしての血清KL-6
  予後予測マーカーとしての血清SP-A,SP-D治療効果を判定する上での血清バイオマーカーの使用価値
  肺線維化バイオマーカーに着目した諸外国からの研究発表の増加
  バイオマーカーの乖離現象とSP-D自己抗体の出現

4.二次性間質性肺炎の画像診断
〈酒井文和〉
  膠原病肺
  慢性過敏性肺炎
  喫煙関連間質性肺炎
  石綿肺
  肺血管炎

5.肺癌のCT診断
〈森 清志〉
  病変の存在診断
  病変の質的診断
  病変の進展度診断

6.異常遺伝子を標的とした分子標的治療
〈萩原弘一〉
  EGFR遺伝子変異
  EGFR遺伝子変異検査陽性患者に対するgefitinibの効果
  EGFR遺伝子変異検査
  EML4-ALK融合遺伝子

7.IOS(impulse oscillation system)の信頼性・有用性
〈保澤総一郎〉
  IOSの原理と臨床的解釈
  IOSの信頼性
  IOSの臨床的有用性IOSを用いた臨床の実際

8.NO呼気測定は本当に有用か?
〈佐藤隆司 東田有智〉
  背景
  FeNO測定器と測定法
  FeNO濃度と気管支喘息の診断FeNO濃度と喘息管理の評価
  FeNOと喘息コントロールの評価今後の展望

9.バーチャル気管支鏡ナビゲーション
〈品川尚文〉
  Bf-NAVI
  inReach
  LungPoint
  今後の展望

IV.治療の進歩
1.特発性肺線維症: ピルフェニドン
〈吾妻安良太〉
  ピルフェニドンの開発導入と作用機序研究
  我が国のピルフェニドン臨床試験
  CAPACITY試験
  市販後の経過と問題点
  今後の展望

2.睡眠時無呼吸症候群: ASV
〈赤柴恒人〉
  睡眠時無呼吸症候群の治療の動向
  ASVの原理
  ASVの効果ASV治療の今後の課題

3.肺動脈性肺高血圧−最近の治療
〈草野研吾〉
  治療の原則
  肺血管拡張薬
  肺移植
  分子標的治療薬

4.急性期呼吸リハビリテーション
〈安藤守秀 神津 玲〉
  2つの急性期呼吸リハビリテーション
  集中治療室における超急性期呼吸リハビリテーション
  一般病棟における急性期から回復期にかけての呼吸リハビリテーション

5.肺胞蛋白症の治療−最近の進歩
〈田澤立之 中田 光〉
  全肺洗浄
  GM-CSFの皮下注射での治療
  GM-CSFの吸入治療
  その他の治療

6.気管支鏡による慢性閉塞性肺疾患治療の進歩
〈宮澤輝臣 西根広樹 半田 寛〉
  COPDの呼吸生理
  COPDにおける気道バイパス術や肺容量減量術の現状と問題点

7.難治性サルコイドーシスについて
〈杉崎勝教〉
  難治性の定義について
  難治性症例とはどのような症例をさすのか
  ステロイド治療抵抗性症例に対する代替治療

8.肺癌と免疫療法
〈竹之山光広 花桐武志 安元公正〉
  肺癌患者の自己癌特異的免疫応答の検出
  肺癌に対する腫瘍抗原同定
  肺癌における癌ワクチン療法

9.術前術後補助化学療法
〈内藤陽一 大江裕一郎〉
  シスプラチン(CDDP)ベースの術後化学療法の長期観察結果
  カルボプラチン(CBDCA)ベースの術前・術後補助化学療法
  バイオマーカー
  術前補助化学療法vs術後補助化学療法

10.呼吸器感染症: PK/PD理論
〈山本和子 河野 茂〉
  PK/PD理論とは
  呼吸器感染症におけるPK/PD
  PK/PD理論の耐性菌抑制への応用
  PK/PDの臨床応用における問題点

11.Early intervention(wheezy infantへの対応)
〈勝沼俊雄 赤司賢一〉
  wheezy infantと乳児喘息
  乳児喘鳴(wheezy infant)の臨床診断
  wheezy infantの予後
  なぜearly interventionか? 気道炎症とリモデリング
  3つのメガスタディ: 2006年の衝撃
  薬物以外の早期介入手段

12.ARDS−新しい治療標的
〈久保裕司〉
  adenosine receptors
  angiopoietin
  バイオマーカー

索 引

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執筆者一覧

永井厚志 東京女子医科大学教授 編
巽浩一郎 千葉大学教授 編
桑野和善 東京慈恵会医科大学教授 編
高橋和久 順天堂大学教授 編

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