目 次
I.呼吸器系の生物学
1. | 高齢者肺炎と肺防御機構 〈山谷睦雄 久保裕司 藤野直也〉 | |
高齢者肺炎の特徴
高齢者の免疫低下と対策
2. | 気管支喘息の遺伝子多型 〈山口悦郎〉 | |
連鎖解析によるゲノムスキャン
全ゲノム関連解析
喘息のGWAS
総IgE値のGWAS
課題と遺伝子の影響度
3. | 細胞死と老化 〈原田さおり 宮崎 徹〉 | |
細胞死(cell death)
老化(aging,senescence)
呼吸器におけるアポトーシスと老化に関する最近の話題
4. | ユビキチンとプロテアソームの作動機構と生理機構 〈田中啓二〉 | |
ユビキチンとユビキチンシステム
ユビキチンのホメオスタシス制御
プロテアソームの構造
プロテアソームの多様性
5. | エピジェネティック制御と炎症制御の破綻 〈伊藤一洋〉 | |
エピジェネティックス
インフラムエイジング(炎症性老化) 慢性閉塞性呼吸器疾患における炎症制御機能の破綻
治療に関する一考
6. | 癌幹細胞をめぐって 〈八戸敏史 永野 修 高橋和久 佐谷秀行〉 | |
肺癌における分子生物学的根拠に基づいた治療戦略
幹細胞と癌幹細胞の概念
癌幹細胞の定義
癌幹細胞と治療抵抗性
癌幹細胞の同定
肺幹細胞−BASCs−
肺癌幹細胞
今後の展開−癌幹細胞を標的とした治療戦略のために−
7. | 遺伝子変異と抗がん剤 〈峯岸裕司 弦間昭彦〉 | |
細胞障害性化学療法薬の効果予測因子
EGFR遺伝子変異とEGFRチロシンキナーゼ阻害薬
新規融合型癌遺伝子EML4-ALK
遺伝子多型と抗がん剤の副作用予測
8. | 肺損傷におけるHMGB1の意義 〈田坂定智〉 | |
晩期炎症性メディエーターの重要性
HMGB1の機能と作用機序
敗血症におけるHMGB1
ALI/ARDSにおけるHMGB1
HMGB1受容体-RAGE
呼吸管理に伴う肺損傷とHMGB1
ヘムオキシゲナーゼとの関連
II.疾患の病因と病態
1. | スタチンのCOPDに対する効果 〈寺本信嗣〉 | |
COPD患者に対するスタチンの効果
スタチンと他剤の併用の効果
スタチンのCOPD患者に対する作用機序
スタチン研究の問題点と今後の課題
2. | COPD: p38MAPK inhibitor 〈室 繁郎 星野勇馬 三嶋理晃〉 | |
蛋白リン酸化酵素と気道炎症
MAPKと炎症
p38MAPK
p38と気道炎症
p38MAPK阻害剤
3. | 遷延性咳嗽 〈藤村政樹〉 | |
遷延性咳嗽の原因疾患
遷延性咳嗽に関する前向き臨床研究
4. | 肺線維症と血管新生 〈海老名雅仁〉 | |
肺線維症における血管増殖
線維化病変における毛細血管の消失IPF患者肺における血管増殖病変
fNSIP患者肺における肺胞毛細血管の消失
線維化病変における血管消失機序
IPF患者肺における血管増殖病変の意義
5. | 肺線維症における線維芽細胞の起源 〈橋本直純〉 | |
肺構成細胞における肺外由来前駆細胞
肺線維症での肺線維芽細胞の多様性
肺線維芽細胞における骨髄由来前駆細胞
骨髄由来前駆細胞の肺傷害部位への遊走
骨髄由来前駆細胞の線維症への関与
Epithelial-mesenchymal transition(EMT)を介した肺構成細胞由来線維芽細胞
Human studies
6. | 女性肺腺癌の病因と病態 〈須田健一 富沢健二 光冨徹哉〉 | |
女性肺腺癌の病因
女性肺腺癌の分子病態
女性肺腺癌の病理病態
7. | リンパ管新生とリンパ脈管筋腫症 〈熊坂利夫 瀬山邦明〉 | |
リンパ脈管筋腫症とは
LAMに特徴的なリンパ管成長因子VEGF-D
LAMのリンパ管新生とLAM細胞集塊(LCC)
良性腫瘍であるLAMの転移機構の問題点
8. | アレルギー性気道炎症とムチン遺伝子 〈武山 廉〉 | |
粘液分泌細胞と気道ムチン遺伝子
アレルギー性気道炎症における粘液分泌の特徴
アレルギー性気道炎症におけるムチン遺伝子発現機構
気道ムチン遺伝子発現調節の新展開
気道リモデリングとムチン遺伝子
気道ムチン遺伝子を標的とした気道過分泌の新しい治療戦略
9. | 急性肺損傷における肺胞上皮細胞の傷害と修復 〈林 伸一 橋本 修〉 | |
AECのイオントランスポートシステムと機能障害
急性肺損傷における炎症とアポトーシス
AECの再生におけるstem cell(幹細胞)の役割
III.診断の進歩
1. | 悪性中皮腫のバイオマーカー 〈高橋和久〉 | |
中皮腫の腫瘍マーカー
実地臨床で求められている中皮腫のバイオマーカー
2. | EBUSの超音波内視鏡 〈木村秀樹 中島崇裕 飯笹俊彦〉 | |
EBUS-TBNAの臨床評価
EBUS-TBNAと遺伝子検索
EBUS-GS(guide sheath)
EBUSとその他の疾患
今後の方向性
3. | 肺線維症におけるバイオマーカーの最近の知見 〈高橋弘毅 白鳥正典 千葉弘文〉 | |
バイオマーカーの分子構造,産生,局在,機能
予後予測マーカーとしての血清KL-6
予後予測マーカーとしての血清SP-A,SP-D治療効果を判定する上での血清バイオマーカーの使用価値
肺線維化バイオマーカーに着目した諸外国からの研究発表の増加
バイオマーカーの乖離現象とSP-D自己抗体の出現
4. | 二次性間質性肺炎の画像診断 〈酒井文和〉 | |
膠原病肺
慢性過敏性肺炎
喫煙関連間質性肺炎
石綿肺
肺血管炎
5. | 肺癌のCT診断 〈森 清志〉 | |
病変の存在診断
病変の質的診断
病変の進展度診断
6. | 異常遺伝子を標的とした分子標的治療 〈萩原弘一〉 | |
EGFR遺伝子変異
EGFR遺伝子変異検査陽性患者に対するgefitinibの効果
EGFR遺伝子変異検査
EML4-ALK融合遺伝子
7. | IOS(impulse oscillation system)の信頼性・有用性 〈保澤総一郎〉 | |
IOSの原理と臨床的解釈
IOSの信頼性
IOSの臨床的有用性IOSを用いた臨床の実際
8. | NO呼気測定は本当に有用か? 〈佐藤隆司 東田有智〉 | |
背景
FeNO測定器と測定法
FeNO濃度と気管支喘息の診断FeNO濃度と喘息管理の評価
FeNOと喘息コントロールの評価今後の展望
9. | バーチャル気管支鏡ナビゲーション 〈品川尚文〉 | |
Bf-NAVI
inReach
LungPoint
今後の展望
IV.治療の進歩
1. | 特発性肺線維症: ピルフェニドン 〈吾妻安良太〉 | |
ピルフェニドンの開発導入と作用機序研究
我が国のピルフェニドン臨床試験
CAPACITY試験
市販後の経過と問題点
今後の展望
2. | 睡眠時無呼吸症候群: ASV 〈赤柴恒人〉 | |
睡眠時無呼吸症候群の治療の動向
ASVの原理
ASVの効果ASV治療の今後の課題
3. | 肺動脈性肺高血圧−最近の治療 〈草野研吾〉 | |
治療の原則
肺血管拡張薬
肺移植
分子標的治療薬
4. | 急性期呼吸リハビリテーション 〈安藤守秀 神津 玲〉 | |
2つの急性期呼吸リハビリテーション
集中治療室における超急性期呼吸リハビリテーション
一般病棟における急性期から回復期にかけての呼吸リハビリテーション
5. | 肺胞蛋白症の治療−最近の進歩 〈田澤立之 中田 光〉 | |
全肺洗浄
GM-CSFの皮下注射での治療
GM-CSFの吸入治療
その他の治療
6. | 気管支鏡による慢性閉塞性肺疾患治療の進歩 〈宮澤輝臣 西根広樹 半田 寛〉 | |
COPDの呼吸生理
COPDにおける気道バイパス術や肺容量減量術の現状と問題点
7. | 難治性サルコイドーシスについて 〈杉崎勝教〉 | |
難治性の定義について
難治性症例とはどのような症例をさすのか
ステロイド治療抵抗性症例に対する代替治療
8. | 肺癌と免疫療法 〈竹之山光広 花桐武志 安元公正〉 | |
肺癌患者の自己癌特異的免疫応答の検出
肺癌に対する腫瘍抗原同定
肺癌における癌ワクチン療法
9. | 術前術後補助化学療法 〈内藤陽一 大江裕一郎〉 | |
シスプラチン(CDDP)ベースの術後化学療法の長期観察結果
カルボプラチン(CBDCA)ベースの術前・術後補助化学療法
バイオマーカー
術前補助化学療法vs術後補助化学療法
10. | 呼吸器感染症: PK/PD理論 〈山本和子 河野 茂〉 | |
PK/PD理論とは
呼吸器感染症におけるPK/PD
PK/PD理論の耐性菌抑制への応用
PK/PDの臨床応用における問題点
11. | Early intervention(wheezy infantへの対応) 〈勝沼俊雄 赤司賢一〉 | |
wheezy infantと乳児喘息
乳児喘鳴(wheezy infant)の臨床診断
wheezy infantの予後
なぜearly interventionか? 気道炎症とリモデリング
3つのメガスタディ: 2006年の衝撃
薬物以外の早期介入手段
12. | ARDS−新しい治療標的 〈久保裕司〉 | |
adenosine receptors
angiopoietin
バイオマーカー
索 引