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書籍詳細

慢性肝不全  病像と治療の現状

慢性肝不全  病像と治療の現状

森脇久隆 監修

B5判 160頁

定価(本体4,000円 + 税)

ISBN978-4-498-14216-9

2014年10月発行

在庫あり

序文

 2013年12月6,7日,岐阜市で第40回日本肝臓学会西部会を開催させて頂きました.メインテーマは「臨床現場からラボへ─次のニーズは何か」とし,おかげさまで主題,一般演題を合わせて合計477題のプログラムとなり,部会として過去最大規模に達しました.多くの演題をご応募頂き,さらに活発な討論で会を盛り上げて下さいました会員諸先生方に心から御礼を申し上げます.
 さて近年,肝疾患の診断技術,とくに遺伝子解析,画像診断などの進歩や,治療薬の開発には目覚ましいものがあります.たとえばC型肝炎の治療も経口薬のみで可能となる時代が到来しました.また慢性肝不全に対しても従来の治療に加え脳症や腹水に対する新規薬剤が導入され,B型非代償性肝硬変を核酸アナログで治療し,高い効率で肝不全症状から脱却できることも明らかになりました.さらに肝発癌の予防も初発についてはかなり目途が立っています.しかし一方では治療抵抗性のウイルス肝炎や制御困難な肝癌再発,難治性の腹水や潜在性肝性脳症など,次の課題が明らかになってきました.
 このような肝疾患診療の現状と今後待ち受ける課題を見据え,本学会は「臨床現場からラボへ─次のニーズは何か」というテーマで企画しました.中でも小生が永年研究テーマの一つとしてきた慢性肝不全については,最近の疫学や病像・治療成績に関する包括的なデータがないことも臨床上おおきな問題であり,主題ポスターとして取り上げ,平成25年度におけるまとめを行うこととしました.先に述べた新薬の効果をフィールドで評価する際のバックグラウンド・データ構築も狙ったものです.この趣旨で久留米大学医学部内科学講座消化器内科部門川口巧先生と岐阜大学医学部附属病院第1内科清水雅仁先生に,西部会におけるデータのとりまとめをお願いした次第です.幸い,諸施設の先生方と問題意識を共有でき,ポスター発表数は合計24題に上りました.本書は第2部でこれらのポスター発表内容を記録に残すとともに,第1部には慢性肝不全の各領域に関する総説7論文を,それぞれ臨床と研究の最前線でご活躍の先生方にご執筆頂きました.読者の先生方が実際の症例を前にして慢性肝不全に関する様々な問題に遭遇したとき,本書の目次あるいは索引をご覧頂くと必ず該当する項目を探し出せる書物に仕上げることができたと自負しています.
 本書が臨床現場で幅広く活用されることを期待し,序文と致します.

2014年9月
岐阜大学学長 森脇久隆
(第40回日本肝臓学会西部会会長)

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目次

慢性肝不全の病像と治療
 1.蛋白・エネルギー低栄養protein-energy malnutrition(PEM)
  岐阜大学医学部附属病院 第一内科 白木 亮
 2.慢性肝不全の食事療法(必要摂取エネルギーやlate evening snackを含めて)
   久留米大学医学部 内科学講座・消化器内科部門 谷口英太郎,他
 3.アミノ酸インバランスとBCAAの多彩な作用
   三重大学医学部 消化器・肝臓内科 岩佐元雄
 4.低亜鉛血症
   大阪府立成人病センター 臨床研究センター 片山和宏
 5.潜在性肝性脳症(カルニチンの話題を含めて)
   岩手医科大学 消化器内科肝臓分野 佐原 圭,他
 6.糖代謝異常・インスリン抵抗性
   久留米大学医学部 内科学講座 消化器内科部門 川口 巧,他
 7.肥満・サルコペニア(運動療法を含めて)
   岐阜大学医学部 腫瘍制御学講座 消化器病態学分野 華井竜徳,他

2 主題ポスター記録集
 1.肝硬変をはじめとする肝疾患患者に対する栄養療法〜NSTの介入による効果〜
   広島大学病院 消化器・代謝内科 平松 憲
 2.クリニカルパスを用いた内視鏡的静脈瘤治療時の栄養管理
   愛媛大学大学院 消化器・内分泌・代謝内科学 徳本良雄,他
 3.肝硬変患者における栄養学的病態と生命予後の検討
   兵庫医科大学 内科学 肝胆膵科 齋藤正紀,他
 4.Eckにおけるamino acid imbalanceおよび高NH3血症の解析
   近畿大学医学部 安全衛生管理センター 橋本直樹
 5.NPテストおよび臨界フリッカーテストによる肝性脳症診断能
   鳥取大学医学部 機能病態内科 程塚正則,他
 6.肝癌治療後の潜在性肝性脳症の評価へのiPadを利用した精神神経機能(肝性脳症)検査の有効性の検討
   新小倉病院 肝臓病センター 山下信行,他
 7.ミニマル肝性脳症の臨床的特徴と脳症顕性化
   三重大学大学院 消化器内科学 杉本龍亮,他
 8.肝硬変患者における潜在性肝性脳症関連因子の包括的検討:データマイニング解析
   久留米大学医学部 内科学講座・消化器内科部門 谷口英太郎,他
 9.高アンモニア血症に対するカルニチン補充療法の有用性の検討
   岡山済生会総合病院 肝臓病センター 足立卓哉,他
 10.難治性肝性脳症患者に対するL-カルニチン投与の有用性の検討
   市立池田病院 消化器内科 谷 瑞季,他
 11.難治性肝性脳症に対するレボカルニチン製剤の検討
   京都桂病院 消化器内科 畦地英全,他
 12.肝硬変患者におけるカルニチン動態とカルニチン投与による自覚症状の改善の検討
   増子記念病院 肝臓内科 堀田直樹
 13.肝硬変患者における血中カルニチン濃度とレボカルニチン経口剤投与の効果
   長崎大学病院 消化器内科 柴田英貴,他
 14.日本人肝硬変患者における肺内シャントと病態─移植前血液ガススクリーニングの結果より─
   岡山大学大学院 医歯薬学総合研究科 消化器・肝臓内科学 高木章乃夫,他
 15.血小板数からみた慢性肝疾患,肝硬変患者に対する瀉血療法の検討
   千葉大学大学院 医学研究院 消化器・腎臓内科学 神田達郎,他
 16.肝硬変患者におけるHbA1c,Glycated albuminを用いたGHRおよびCLD-HbA1cの有用性
   公益財団法人日本生命済生会付属日生病院 消化器内科 居平典久,他
 17.B-RTOは肝硬変患者のインスリン抵抗性・高インスリン血症を改善する
   山口大学大学院 医学系研究科 消化器病態内科学 石川 剛,他
 18.HCCに対するTACE治療におけるBCAA製剤投与の意義
   広島市立安佐市民病院 消化器内科 田中秀典,他
 19.TACE,RFA肝癌治療において分岐鎖アミノ酸顆粒製剤(BCAA)前投与が体組成に与える影響についての検討
   四日市消化器病センター 消化器・肝臓内科 石原知明,他
 20.肝硬変患者の体組成の特徴と生命予後─内臓脂肪,サルコペニアを中心に─
   三重大学医学部附属病院 栄養管理部 栄養指導管理室 原 なぎさ,他
 21.肝硬変に併存するサルコペニアと食・生活習慣との関連性
   大阪市立大学大学院 生活科学研究科 栄養医科学 林 史和,他
 22.肝疾患におけるサルコペニア
   鳥取大学医学部 機能病態内科学,松江市立病院 加藤 順,他
 23.肝硬変患者に対する乳酸閾値を指標とした有酸素運動療法の安全性と効果に対する検討
   佐賀大学医学部 肝臓・糖尿病・内分泌内科 井手康史,他
 24.肥満C型慢性肝疾患における運動療法の検討
   岐阜大学医学部附属病院 第一内科 白木 亮,他

索引

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